異世界先生ユメセンセー   作:七日 八月

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本日4話目です。


草タイプの異世界先生

 

 

 

 対策委員会の全員が教室に戻ってきて着席した、みんなが私に注目してる。すごく針の筵だね、ひぃん……

 

「あのね、さっきのはその、徹甲どんぐりって言って、帽子の部分を強く弾くと帽子の内部が爆発して、普通のどんぐりより遥かに硬いどんぐりが徹甲弾みたいに飛んでいく、キヴォトス外の植物なの……」

 

 へぇー、といった声が部屋の中でハモった。うん、半信半疑だよね、あんなヘンテコ植物まず常識的に考えてありえないし……()()()()()()()()()()()()()()()()()……

 

「とりあえずユメ先輩の説明が事実だとしましょう。だとしてもおかしいですよね? そんな物を弾いてどうして指に傷一つ付いてないんですか?」

 

 ッスゥー……うん、そうだよね、今の私は生まれ変わった影響でヘイローが無いもんね?

 生粋のキヴォトス人ならまだしも、ヘイローの無い外の世界の人が同じような事をしたら指が吹っ飛んじゃうのは想像に難くないよね。

 

「あのね、それなんだけど……私ね? 実は異世界転移したの……」

「いや、それはさっきも聞きましたけど……」

「あのね、そうじゃなくて……!」

 

「……あらっ? 異世界転移? 異世界転生じゃなくてですか?」

「っ!!」

 

 ナイスだよノノミちゃん! そう! そうなんだよ!!

 

「あ、あのね! 私が向こうで生まれ変わって2度目の高校二年生になった時の事なんだけどね! 夏季の補習授業を受けてる最中に当時の先生と教室に居た他の補習を受けてた子たちと一緒に異世界に召喚されちゃったの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――は?」

「え、えぇ……?」

「いや、どんだけ設定盛れば気が済むのよ……」

「ん………………ん?」

「えーと、先生……」

 

『ユメ先生……』

 

 ひぃん!? 後輩のみんなどころかアロナちゃんも信じてくれないよぉ!? ホシノちゃんの視線とかもはや絶対零度だし、他の子たちの困惑とか呆れの視線が痛い……

 

「ほ、本当だもん!! 向こうに召喚された特典で魔法が使えるようになったり、アイテムボックスっていう四次元ポケット的な秘密の収納スペースが使えるようになったり、スキルっていう特殊技能とか習得したし、レベルアップもいっぱいしてステータスもすごく上がったんだから!?」

 

 私が早口で異世界で得た力の内容を語っていくにつれて、みんなの視線の温度がどんどん冷たくなっていくのが嫌でもわかる。

 多分みんなゲームの話を現実だと思い込んでるかわいそうな人とか思ってるに違いない、だって説明している私が「まるでゲームの世界のお話みたい」って思ってるくらいだもの……

 

 

 

「……じゃあ、そうまで言うなら実践して見せて下さいよ、魔法」

 

 ジト目のホシノちゃんが助け舟を出してくれた、んだよね? どっちかっていうとやれるもんならやってみろ、みたいな空気を感じるけど……

 

「ちなみにどんな魔法が使えるんですか? 火炎を放ったりとか、氷の塊を飛ばしたりとか?」

 

「あ、私はそういう派手な事は出来ないんだ……」

「そうなんですかー……」

 

 ちょっと興味を持ってくれたノノミちゃんから目に見えてがっかりされた気配がする!? ごめんね、期待外れで……

 

「いちおう一般魔法……正式には無属性魔法っていうんだけど、それはある程度使えて、私の専門は植物属性魔法っていうかなり珍しい魔法で」

 

「植物属性魔法……ト〇ロみたいな?」

「えっと、そうだなぁ、植物を任意の場所に生み出したり枯らしたり出来るよ!」

「ん、〇トロよりは使い勝手が良さそう」

 

 ひ、比較対象が微妙だよシロコちゃん……それに私別にコマに乗って空を飛んだりとかできないし……ジ〇リならもっとマトモな魔法使いキャラが……あ、そこまで期待してない? ひぃん……

 

「植物ならどんな物でも出せるの?」

「そうだね、植物に分類される物なら何でも出せるよ、さっきの徹甲どんぐりも魔法で出したんだ」

「そうなのね……その、さっきはありがとう、先生」

「……!! どういたしまして!」

 

 セリカちゃんからお礼を言われた、本当に間に合ってよかった……もしアレが悪い物だったら、この場で笑いあったり出来なくなっていたかもしれないもんね。

 

 よーし、これは全員無事だったお祝いにとびっきりのをお出しするしかないよね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【スイカ】っ!!」

 

「「「「「『!?!?』」」」」」

 

 右手の手のひらを上に向けた状態でスイカと名前を呼ぶと手が一瞬光り、ズンッと手のひらに大きなスイカが現れた。

 もちろんただのスイカじゃない、私が知る限り一番糖度が高くて美味しい高級な品種のスイカ、それをこの場に生み出して見せた。

 あ、みんな驚いてるね! ふふふ~、どう? これで信じたでしょ?

 

「い、今の見ました?」

「ん! 手が光ったと思ったら突然スイカが現れた……!」

「手品……いえ、どこかに隠しておける大きさじゃないですよね……!?」

「噓でしょ……マジなの……!?」

「うへ~……流石に本当なのは想定外だよ……」

 

『ユメ先生、すごいです!』

 

 若干半信半疑寄りな感じがしないでもないけど、みんなほぼ信じてくれたみたい。とりあえずこのスイカはサクッと切っちゃおう、アイテムボックスからまな板と包丁を取り出して……

 

『え、先生? 今まな板と包丁をどこから出したんですか?』

「あ、これはアイテムボックスにしまってあったのを取り出したんだよー、アロナちゃんにも後で……あれ、どうやってそっちに持っていけば良いのかな……?」

 

『あ、切ったスイカをシッテムの箱でスキャンすればこっちでも味わえます!』

「そっかぁ! じゃあパパっと切っちゃうね!」

『はい! えへへ~、スイカ~、スイカ~♪』

 

 画面の中のアロナちゃんがニコニコしながら小躍りしてる、スイカが楽しみで仕方ないのかな? ふふふ、可愛いなぁ。

 

「あ、あの、先輩?」

「ん? どうしたのホシノちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その、さっきから誰と喋ってるんですか……?」

 

 

 

「――――えっ?」

 

 




ユメセンの植物魔法には例外を除いて攻撃能力はほぼ無いです。

調合などをして効果を発揮する系の物も本人に調合系などのスキルが無いのでユメセンのみだと使えません。

『つるのむち』や『はっぱカッター』や『タネマシンガン』みたいな事も当然出来ません。

ツルを巻き付ける嫌がらせや、根っこで足をひっかけるトラップを作る、後は異世界産のトンデモ植物を投げつける等してようやく攻撃技として使える、そんなレベルです。

なお植物系統のモンスターには植物魔法の枯らす魔法が特攻だったりします、これが例外です。

ちなみに触るだけで危ない毒性のある植物は扱いが難しいのでユメセンは使おうとしません。
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