異世界先生ユメセンセー   作:七日 八月

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本日1話目です。


奇襲、強襲、大逆襲!

 

≪――まもなくヘルメット団の前哨基地のあるエリアです!≫

 

 現在、私たちはアビドス高校から30kmほど離れた地点、ヘルメット団が前哨基地として不法占拠している場所のすぐ近くまで来ていた。

 

「うん、みんな準備は良いかな?」

 

 そう言ってみんなを見渡すと、力強い視線と共に元気の良い返事が返ってきた。

 

『いつでも良いですよっ! ユメ先生!』

 

≪こちらも大丈夫です!≫

 

「ん、私も問題無いよ、先生」

 

「はい!同じく大丈夫です☆」

 

「ええ、いつでも行けるわ!」

 

 

 

「弾倉よし、チャンバーよし……準備OKです、ユメ先輩」

 

 

 

「うん! それじゃ「ちょーっと待ったぁっ!?」……あぇ?」

 

 号令をかけようとしたその瞬間、セリカちゃんからストップの声が。なんだかもう我慢出来ないといった雰囲気を感じるけど、今さっき行けるって言ってたのにどうしちゃったんだろう?

 

「どうしたのセリカちゃん? あ、もしかして忘れ物を思い出しちゃったのかな?」

 

「いや私は大丈夫なんだけど……その、ホシノ先輩が……」

 

「え? ホシノちゃん?」

「私?」

 

 ホシノちゃん? ホシノちゃんがどうかしたのだろうか? 私から見ても特に違和感はないんだけど……? しいて言うなら朝と違う所は――

 

 

 

 

 

 

「なんか見た事無いくらい重武装してるのにどうして誰もツッコまないのよっ!?」

 

 

 

「あ、やっぱりセリカが我慢出来なかった」

「学校を出た時からウズウズしてましたもんね?」

≪セリカちゃん……≫

 

「いや、アヤネちゃんは兎も角、先輩たちだってギョッとした顔で二度見してたでしょっ!?」

 

「ん、ツッコんだら負けかなと思って黙ってた」

「はい!それに私はそういうキャラじゃないかなと思って☆」

≪ごめんねセリカちゃん? 指摘したら野暮かなって……≫

 

 セリカちゃんが他のみんなの反応に頭を抱えて「うが~っ!」って唸ってる……最近のホシノちゃんってそんなに軽装で戦ってたの? なんだかホシノちゃんらしくないような……

 今朝は唐突な襲撃だったから仕方なかったんだと思ってたし、アタッカーからタンクに変更したのだって、タンク役が居ないから私の使ってたシールドを使ってるんだと思ってたんだけど。

 そもそも私の知ってるホシノちゃんの戦闘スタイルは超攻撃型のフロントアタッカー、相手に撃たれる前に撃つ、撃たれても最小限の動きで避けるか遮蔽物でも何でも利用して撃つ、徹底した殲滅スタイルで……

 

……あ、そっか! わかったよホシノちゃん! だから私がアビドスに帰って来る前のホシノちゃんはいつもそうやって……

 

「セリカちゃん」

「なによ先生!?」

 

「あのね、それは誤解だと思うの」

「ご、誤解??」

 

 そう、ここはきっと私が誤解を解いてあげなきゃいけない所だと思うんだ! セリカちゃんがツッコミを入れた後に黙っちゃったホシノちゃんはきっと自分からは言いづらいと思うからね!

 

「あのね、ホシノちゃんが普段手加減をしてるのはね、あなたたち後輩の為を思っての事なんだよ?」

「え? えぇ……?」

 

 困惑の声をあげたセリカちゃんだけじゃなくて他のみんなも首をかしげちゃってるね……うーん、これはいわゆる親の心子知らず、ならぬ先輩の心後輩知らず、なのかなぁ?

 

「よく考えてみて? ホシノちゃんが何でもかんでも戦闘の時に片付けちゃったら後輩のみんながちゃんと経験を積めないでしょう? だからホシノちゃんはあえて手を抜いてみんなに経験を積ませて、自分が卒業した後もみんながちゃんと戦えるように備えているんだよ」

 

「そ、そうなの……?」

「ん……その発想は無かった」

「ですね……目から鱗です」

≪まさかそんな……いえ、でも……≫

 

 うんうんっ、こういうのは本人の口からは言いづらいもんね? 大丈夫、ちゃんと私はわかってるよっ!

 

 

 

「そうだよねっ? ホシノちゃ――――……ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う、うへ!? あ、は、ははは、はい、そう! そうですよ!?

 

 ……あれー?

 

 

 

 なんだか思っていたのと違う反応が返ってきちゃった……えっ、もしかして違うの? ひぃん!? もしかして私またやっちゃった!? とワタワタしていると後ろからシロコちゃんがポンと肩に手を乗せてきて……

 

 

 

「ユメ先生、それ以上いけない」

 

「あっ、うん、ソウダネ……」

 

 これ以上私が余計な事をしたら余計に悪化する、そう言いたげなシロコちゃんが横に首を振っていた。それを察した私はひとまず黙って落ち着くことにした。ただ、視線を周囲に向けると……

 

 

 

 生暖かい視線を向けるノノミちゃん、白い目を向けるセリカちゃん、ホログラムで苦笑いを浮かべるアヤネちゃん、残念な物を見るような目をしたシロコちゃん、そしてお顔を真っ赤にしてプルプル震えているホシノちゃんが……

 

 どうしよう、これ……

 

 到着した直後の意気込みだとかは何処へやら、私が変なフォローをしたばっかりに……ごめんね、ホシノちゃん……いやでも本当にこの空気どうしようアロナちゃん……? え、流石にこれはスーパーアロナちゃんでも無理? 正直お手上げ? ひぃん……そんなぁ……

 

 

 

 

 

 

「……ユメ先輩……行きましょう……」

「ホシノちゃん……? だ、大丈夫……?」

 

 今にも血でも吐きそうな声でホシノちゃんが突入開始を促してきた。ほ、本当に大丈夫……?

 

「大丈夫です……私は大丈夫……これは私が今までしてきた事のツケなんです……ですから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルメット団を、地獄に叩き落します……!!」

 

「ホシノちゃん!?」

 

 前後の言葉に脈絡が無いよ!? あっ、よく見たらおめめがグルグルしてる気がする!?

 

「ん、ヘルメット団だけにご~とぅ~へる」

「シロコ先輩、何も上手くないから……あーもう、やってやるわよ!」

「はい! お仕置きの時間です☆」

≪その、先生? 号令を……≫

 

「え、えーと……」

 

 士気は割と元に戻った……のかなぁ? っていうかホシノちゃんに至ってはヤケクソ気味だよねこれ? だ、大丈夫かなぁ……? 主にこっちよりもヘルメット団の子たちが……

 

「うん……突入開始。みんな、気を付けてね……?」

 

 ……主にヘルメット団の子たちに対してやり過ぎないようにねって意味を込めて、私はみんなに号令をかけた。

 

 

 

 

 

 

 その後、前哨基地内をヘルメット団の悲鳴が響き渡ったのは、語るまでもないかな……ひぃん……

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