公爵家の片隅で   作:FTR

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あとがき

あとがきであります。

 

 

Arcadia様で連載していた拙作を移植。

 

ど真ん中のストレート。ただしちょっとだけ揺れるボール。

そんな感じに奇をてらわず、真正面からサイドストーリーに挑んだのが本作です。

 

振り返ってみれば、きっかけはふと見たOVA『ブラック★ロックシューター』が引き金でした。

その主人公 黒衣マトを見た時に脳内に雷が落ちたのです。

 

 

こいつをメイドとしてゼロ魔の世界に放り込もう。

時代はルイズが子供のころで。

エレオノールの優しい面も書こう。

雰囲気は私が好きな『エマ』のメルダース家みたいにして。

 

 

そんな思いつきの果てに生まれたのが、前作とは真逆のベクトルを持つ凡人主人公のありふれた日常話。

正直に言えば、家政婦は見た、という前提以外深いことはあまり考えてませんでした。

とは言え、ただ日常を書いていくだけでは物語の味付けが淡白過ぎて味わいがありません。それを面白くするだけの腕、私にゃないです。かといって転生ものは既に書いているのでこちらはお腹いっぱい。クロス物は絶対にやらんと誓いを立てているのでこれもダメ。憑依はまだやったことはありませんが他に優れた作品が多々あります。

そんな中で第1話を適当に書いていた時に、筆の滑り具合の中でぽろりと生まれた設定が主人公のじーさま無双。

これを思いついた時、話の背骨が決まりました。

他で見ない話ですし、何より主人公補正としては匙加減がよろしい。

あとはとんとん拍子に世界観が勝手に広がっていきました。

 

こうなりますと、前作と違い流石にオリキャラをある程度出さないと世界観が広がりません。

苦手だったのが名前の付け方。

これについては、「Name Maker」という便利なサイトがあったので活用させてもらいました。

 

そんな感じに、筆を滑らせながら主人公の動きたいように書いてきたのが本作です。

そんな主人公、幼いながらも考え方が成熟したように書いたつもりです。年齢的にはまだ子供なのですが、貴族ではなく平民となりますとそう甘い世界ではないという視点で考え、シエスタの境遇を参考に15歳で成人というのを一つの物差しとしました。日本で言えば高校生くらいの感覚かもしれません。

 

 

 

 

各キャラの感想。

 

・ソフィー

一番書きやすかったキャラ。自分の中でテンプレになっている感じがします。一応モンモランシ家分家となっていますが、どの程度の位置づけなのかは適当です。ヴァリエールに行儀見習いに来るくらいなので割と独立しているように思います。

 

・シンシア

親友ポジション。小鳥遊ヨミ的なイメージで作ろうかとも思いましたが、私じゃあの雰囲気は出せないので却下。キャラ立てがいまいち上手くいかなかった人物でしたが書きづらいほどではありませんでした。

シンシア編は当初から山場として想定していましたが、書いてみたら難しいのなんの。演出力がない私の弱みをさらけ出すことに。爵位の継承とかに勘違いが多くあったこともあり勉強し直しながら書きましたが、年単位かかるとは思わなかったです。

 

・ヴァネッサ女史

怖いおばはん。モデルは言うまでもなくミセス・ヴィークです。

家政婦と言うのは大変偉い人らしいので常に視線は上から。結構書きやすかったです。

主人公の母親との確執については早い時期に決めた設定でした。

 

・ミリアム

特にモデルもなく、適当に生まれたキャラ。名前がいまいちしっくりこなかった人ですが、まあ今となってはこんなもんかな的な。

書いてみれば割と使い勝手のいいキャラでした。。

あのエロ小説の作者と言う裏設定はもちろん適当に思いついたものです。

 

・エリカ

おかん。私の中では『デレたバラライカ』なのですが、割と普通のママンになってしまった気が。主人公が魔法を使えないとなかなか話が広がらないので、血筋的にメイジになってもらいました。傭兵の設定はそのあたりで固まっていました。書きやすくてよかったです。

 

・お父さん

声の出演:平田広明、という我ながらよく判らん思いつきから形になったキャラ。タイバニは未見ですが、

この人の声はすごく好きでして。カーター先生とか。

 

・公爵&烈風さん

チョイ役程度。主人公レベルでは気安く会える方々ではないと思うので接点はできるだけ作りませんでした。

 

・エレオノール

この人は無茶苦茶優しいツンデレさんだと思います。家族思いないいお姉さんとして書けていれば幸いです。

 

・カトレア

前作同様、彼女への思い入れは割と強いです。好きなキャラです。十六人谷を聞いて粗相しなかった辺りは執筆者の愛と思ってください。

 

・ルイズ

彼女が少しずつ主人公の精神的な支柱になっていく様子が書ければと思っていましたが、その辺はいまいち上手くいかなかったような。ルイズは幼いながらも貴族であることに誇りを持ってるいい子だと思っています。

 

・おじいちゃん&おばあちゃん

どこぞの迷い込み系の主人公だった人、というイメージ。この物語の陰の立役者です。

声が脳内でどうしても青野武さんになってしまう困った傾向がありました。

ギャンブラーなおばあちゃんも書いててやけにしっくりきました。この2人で一本書けそうな気すらします。

 

・ナミ

主人公。名前は日本っぽくしましたが、和洋どっちにもなじみそうな完成度の高い名前だと自画自賛。

ルイズの味方であるメイドさんですが、彼女の寄る辺になれるほどかと言えば、そこまでご大層な人物ではありません。せいぜいが理解者の一人、ルイズの中ではカトレアよりちょっと下あたりの位置づけではないかと思います。そんな程度なので、恐らくこの作品でもルイズの中で鬱積したものがタルブで炸裂する未来はあることでしょう。

ただ、主人公がぽろぽろと零してきたいろいろなものがルイズに影響を与え、原作とはちょっと違うルイズが形作られていっているというのはあると思います。

 

 

 

 

本作の作成期間に、原作者であるヤマグチノボル氏の訃報がありました。

快気を祈っておりましたが、残念でなりません。

前作で原作の結末が見えないという描写をしてしまったことが、本当に悔やまれます。

衷心よりご冥福をお祈りする次第です。

 

 

 

ではまた、いずれどこかで。

 

 

FTR


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