居間
涼香「私たちどうなるの…!?」
行彦「知るか!あの『歌月』って男に聞けよ!奴が犯人に決まってんだ!」
富重「月光冬音だよ…皆んなどうせ、そう思ってるんだろ?」
涼香「ちょっと!」
富重「冬音の亡霊が現れたんだ!」
行彦「おいっ!」
富重「物語の結末は大体決まってる…!僕らは1人ずつ殺されていくんだ!」
その言葉に龍斗と愛佳以外は恐怖の表情が見えた。
剣待「そこらへんにしておけ!!」
生徒「「「「「っ!!」」」」」
剣待「今は、パニックになっても何の解決もできはしない!だから、今は落ち着いて警察の船が来るまで待ちましょう!それに、亡霊による犯行は私は信じておりません!」
龍斗「その通りさ」
剣待「またお前か…」
龍斗「第一、幽霊に人なんか殺せやしない。一つだけ確かなことは、日崎昌絵を殺した犯人が、まだこの島の中にいるってことだ!」
佐方「…皆んな…今日は鍵をかけて寝なさい…。これ以上、死人を出さないためにも…!!刑事さんそれでいいですよね?」
剣待「ええ…構いません…。しかし、捜査の邪魔はしないでくださいよ」
佐方「分かりました」
廊下
芳美「消えた包帯男か…まるで江戸川乱歩の小説みたい
…顔に包帯といえば、月光さんも同じだったわね…」
美早希「き、桐口さん!?」
龍斗「あのさ、だいたいこの部の連中は死んだ月光冬音にこだわりすぎてんじゃねーか?」
美早希「たっちゃん…そんな…!」
芳美「…そうね。でも、それ程彼女は私たちにとっては特別な存在だったのよ。生まれながらのスター性だったのかしら…私のような凡人が持っていないものを彼女は持っていた…」
龍斗「演じたときに観客らを自分に釘付けにしてしまうほどの才能を…?」
芳美「ええ、そうよ」
そして、芳美は、自分の部屋に着き、ドアを開けると次のようなことを言い出した。
芳美「私ね…月島さんの亡霊に会いたいわ。会って言ってやるの!あなたが隣にいると、死ぬほど惨めだったか…そしてその悲しみが貴方に分かる!?ってね……」
龍斗・美早希「「っ…」」
芳美「おやすみ…」
ガチャ…
龍斗の部屋
龍斗 (日崎は殺されたのは間違いない。しかし、あの状況ではアリバイが全員ある…。なんだろう、この違和感は…。それと、桐口は月光冬音の話を出した…。事件の発端はそこなのか?)
龍斗「あ〜!考えても分からねえ!とりあえず、寝て考え直そう!」
その頃、美早希は就寝していた。しかし、死者が出たことにより、落ち着いて眠れていなかった。
その時…
カチャ…
美早希 (ドアが開いた…!?)
そして、キィイイイ…と音が鳴った。まるでマジックのように開けたのだ。
視線をドアに向けたが、誰もいない。まるで幽霊のように消え去ったかのようだ。
誰もいないと思ったが、再び目をやると…
歌月「…」
美早希「っ!?」 (歌月!?)
美早兎は逃げ出そうとするが歌月が美早兎の首を絞める…。
美早兎「うぅっ……あァア…!」
そして、歌月の仮面が剥がれ落ちるとそこには、虚な瞳をしていた月光冬音だった。
美早希「っ!?」
しかし、それは夢だった…。
美早希「夢…?」
しかし、カンッ、カンッという音がした。
窓ガラスの方だろうか。そう思い視線を移すと、夢で見たはずの歌月が見えた。
美早希「「……!!」 (これも夢なの!?)
朝
ジリリリリリリ!!
朝になったが、龍斗の部屋で黒電話が鳴った。煩い音が部屋を包み込む。その音で目覚めた龍斗は黒電話を手に取る。
龍斗「……あぁ、うるさいな…はい…」
裕谷「あっ!中禅寺!?お前か!?」
龍斗「土森?どうした、こんな朝早く?」
裕也「今すぐ外に来てくれ!!」
龍斗「え?外?」
裕谷「…まただ…
2人目の犠牲者が出た…」
龍斗「!?」
外で木に吊るされていたのは桐口芳美だった。首にくくられた細いワイヤーを風にしきらせながら、ゆらゆらと揺れていた…。口から涎と舌を出し、その舌の色は紫になっており、死ぬまでに余程、苦痛を用いたのは明白であった。
龍斗「…桐口…芳美…」
美早希「何で…自殺なんか…」
裕谷「ばか言え!こんな所で台を使わずどうやって自殺なんかできるんだ!?彼女は殺されたに決まってる!!この木に無理矢理吊らされたんだよ!」
剣待「…確かに…あんな高い所台無しで自分の首を吊った後、片付けるのは無理がある。ということは犯人は強引に彼女を部屋から連れ出し、この木に吊るしやがったってわけか」
龍斗「ちょっと待てよ、おっさん。そんな単純な事件じゃないげ、こいつは」
剣待「おいガキ!そりゃどういうこった!?」
龍斗「わかんねーのかよ?あんた刑事だろ?これは"密室殺人"だよ、これは!」
剣待「バカか、お前!外で殺されたのになんで密室なんだ?」
龍斗「まあ、聞きなって。桐口芳美が、何者かに絞殺されたのな間違いない。そこで彼女が、犯人の部屋の中で捕らえられ、外に連れ出されて吊るされたとする。では、犯人はどこから桐生の部屋に侵入し、どこから部屋に連れ出されたと思う?」
剣待「窓に決まってるだろ貴様!ナメとるのか!?」
剣待「ドアには内側からチェーンロックされていて、外側から入るのはまず不可能!ただ、まだ空いていていた。つまり、被害者はうっかりまどを閉め忘れたんだろう。だから、犯人は空いている窓に侵入して…」
龍斗「殺した…。そう言いたい所だろ?だが、見ろ、あの足跡」
裕谷「足跡?」
行彦「あ、あれは!?」
皆んなが見た足跡は1組しかない。つまり、窓から外に出たのは1人だけってこととなる。
龍斗「そう、見ての通りこの足跡を桐口が履いていたのと合わせると…ほら見ての通り」
剣待「被害者と同じ靴じゃないか!」
龍斗「ああ、この靴に残った泥の具合といい、この足跡は桐口芳美本人のものだ!」
富重「じ、じゃあ桐口さんは…」
修乃「自分の意思で歩いて木に吊らされたってこと?」
美早希「そんな…」
美早希み脳裏で恐ろしい想像をした…。
ーーー
歌月「さあ…おいで…こっちにおいで…」
芳美「……」
歌月「……」
グググ…
芳美「…が、かかっ…ぁっ……」
ーーー
美早希 (ま、まさか…本当に…!?)
「「「「「………」」」」」
全員が沈黙している中、龍斗は何かに恐れている涼香を見つけた。
涼香「……」 ガタガタ…
館内
渡り廊下
裕谷「劇の練習どころじゃなくなったな...やっぱりこれも歌月の仕業なのか?」
龍斗「...」
富重「な...なあ...ひょっとして俺たち、一人残らず殺されるんじゃ...!?」
裕谷「何言ってんだ仙川!」
富重「だ、だって…不安でしょうがねえんだよ…もしかしたら次は…」
龍斗「…なあ、教えてほしいんだが…殺された2人は何か恨みを…」
その時、修乃が焦った様子で近づいてきた。
修乃「大変だ!お前ら、劇場に来てくれ!
劇場
裕谷「俺たちの道具や衣装がズタズタにされてる!」
行彦「これも歌月ってヤツの仕業だ…!」
剣待「くそ…異常者め!」
だが、騒ぎの中、涼香が何かに気づいた!
涼香「……あれ、ない!ない!」
富重「どうしたんですか、乙川先輩?」
涼香「ファントムの衣装や仮面がないわ!」
裕谷「布形先輩のボーガンもなくなっている!」
龍斗「何だって!?」
美早兎「ボーガンはともかく、何で衣装や仮面まで…」
美早兎「仮面…まさか、あの時の…」
剣待「なに?どうした?」
美早希は寝ている最中に仮面の男を見たことを告げた。
剣待「どうしてそれを早く言わなかったんだ!?」
美早希「だって、半分夢かと思ったから…」
剣待「全く!包帯野郎の次は、仮面の男かよ!ふざけたヤツだぜ!『歌月』ってのは!」
美早兎「…1人目はシャンデリア…2人目は首を…あっ!」
龍斗「どうした美早希?」
美早希「今回の2つの殺人とあの"仮面"!私たちがやってる『オペラ座の怪人』のストーリーと同じなのよ!」
剣待「なんだ、そのオペラ座うんぬんかんぬんってのは?」
美早希はオペラ座の怪人の物語を説明し始めた。主人公は、才能はあるが顔を仮面で隠し、舞台の地下で暮らしている男がいた。ある日男はオペラスターを夢見る少女に心を奪われる。あの少女を夢を叶えさせたいがため邪魔な女性に対し、シャンデリアを落とし舞台に立てなくした。そして、自分の素顔を見た男を絞め殺した。そして、怪人の醜い顔を恐れた少女を怪人は攫った。そして、追いかけてきた男を地下水路に沈め殺したと…。
龍斗「シャンデリアで押し潰して次は絞殺…そして、次は溺死…確かに今までの通りだ…」
しかし、剣待警部は机をバンッ!と叩いた
剣待「バカバカしい!『オペラ座の怪人」の見立てだと!?犯人はそんなTVドラマみたいなこと気取ってやってやがるってのか!どうせ、偶然に決まってる!」
すると、龍斗は席を立った。
美早希「たっちゃん、どうしたの?」
龍斗「……
朝のおトイレがまだだった…」
美早希「………こんな時にふざけないで!!」
渡り廊下
龍斗「……」
龍斗はトイレを済ました後に渡り廊下を歩いていたが、真剣な表情で歩いていた。
それを見ていた佐方先生が
佐方「どうやら始まったようね」
美早希「え?」
佐方「もし、この絡まった糸のような事件を解くことができるような人物といえば、それは中禅寺君よ」
美早希「私の幼馴染が?どうして…?」
佐方「実は彼、入学試験の時、学校始まって以来の好成績を出して合格したのよ」
美早希「え…でも、2年進級のときは赤点ギリギリで…」
佐方「ええ…だから、先生方は兎瀬さんが彼にカンニングさせたと思っているわ…」
美早希「失礼ですね!!してませんよ!!」
佐方「もちろんよ。だって、彼はあなたの成績より高かったのだから…。だから、彼の中学での知能テストの結果を見たわ。そしてら、結果はIQ180を持つ天才だということが分かったの」
美早希「ひゃ、ひゃくはち…」
佐方「そう、平均的なIQは100程度。だから、彼は他の人とは違う頭脳を持っているわけ。それだけじゃないわ。何かそれ以上のものを持っている気がするの…」
裕谷の部屋
龍斗は裕谷に呼ばれた。実は、前もって合宿のしおりが渡されていたため、それで地図を見て今までの事件のおさらいをすることにしたのだ。
裕谷「それで、今までのおさらいをすると第1の殺人は舞台で日崎が殺された…それも数100kgもある照明が頭と左肩を押し潰している……うぅっ…」
龍斗「大丈夫か、土森?」
裕谷「ああ…大丈夫だ。あの事態の状況を思い出してね…」
美早希 (頭が押し潰されているあの状況…本当に見てられなかった…)
裕谷「話の続きだな。そして、悲鳴が聞こえた時は従業員を含む俺たちは食堂家の中にいた。だが、『歌月』という者はアリバイがなく、客室のなかであの不気味なメッセージを残しており、その姿を見てない。そして、次の日の朝…俺たちは外で桐口芳美の首吊り死体を見つける。だが、この死体は謎だらけなんだ。部屋の中には内側からチェーンロックされていて出入りは不可能だ。さらに、外のぬかるみは1人分の足跡しかない。それも桐口本人のものだ。つまり、あの状況じゃ、桐口本人が窓の外から出たことになる」
美早希「確かに…じゃあ『歌月』は催眠術を使って彼女を呼び出したとか…」
龍斗「まさか…土森が言ったように俺たちはその『歌月』すら会ってないんだぜ?それに、『歌月』の部屋は空のスーツケースと不気味なメッセージ、そして包帯…丸で存在自体を誇張しているような…たった1人、黒寺オーナーを除いてね…」
裕谷「まさか…ホテルのオーナーが犯人だと…!?」
美早希「本当にそう思うのたっちゃん!?」
龍斗「…それはまだ確信に至ってない…だが、これだけは言える。これは気まぐれな殺人鬼による犯行なんかじゃない!何か、俺たちが知らない事実があるはずだ!きっと、その謎を解決すればきっと犯行を犯した人物にたどり着くことがきっと…!」
渡り廊下
その頃、佐方先生は館内で歩いて気分転換をしていた。無理もない。合宿中に2人が死んでいるため、彼女も気が気でないのだ。その時、黒寺オーナーと出会った。
忠和「佐方さん。何をしているんですか?」
佐方「黒寺オーナー!すみません、少しお部屋を出て気分転換を…」
忠和「ダメですよ…まだ例の犯人も捕まっていませんので…」
佐方「おっしゃる通りです…そう言えばちょっと、気になることがあるんですが…この窓から見える、あの岬の上の塚…あれは何ですか?」
忠和「……あれは…
娘の墓です…」
佐方「貴方の娘さん…!?」
忠和「ええ…4年前まだ18歳に亡くなってしまいましてね…見晴らしのきく所に葬ってやりたかったんですよ。…すみません、こんな暗い話を…」
しかし、佐方先生は彼の話に興味を深くもった。
佐方「オーナー…なぜ娘さんは亡くなって…」
忠和「さあ、お部屋に戻ってください。私はまだ見回ってなきゃいけませんので…」 (亡くなった理由は話したくありませんよ…あんな悲しいことがあって…)
佐方「……」
佐方先生は大人しく部屋に戻ることにした…。しかし…
ガタンっ………
途中で物音が聞こえた。聞こえたのは劇場の方だ。
彼女は、そこに向かい扉を開けた。そして、スマホのライトをオンにした。今は誰もいないが、落ちている照明はそのままだ。佐方先生はできるだけそちらに向かないようにしている。劇場の中には誰もいないため、次は音響室を開けた。
佐方「誰かいるの?」
と彼女は発した。
そして、室内を散策すると彼女はあるモノを見つけた。そして…
佐方「っ…!まさか、これが…なるほど…もし、私の予想が正しかったら犯人は…これで…」
その先を言おうとしたとき…
?「……」
スッ……
彼女の後ろにいる人物は鈍器のようなものを持ち上げ…
ブンッ!
彼女に向かって振り下ろした…。
容疑者リスト
佐方愛夏 (さがたあいか)
× 日崎昌絵 (ひざきまさえ) 死因 圧死
布形行彦 (ふがたゆきひこ)
×桐口芳美 (きりぐちよしみ) 死因 絞殺
黒寺忠和 (くろでらただかず)
土森裕谷 (つちもりゆうや)
乙川涼香 (おとかわりょうか)
仙川富重 (せんがわとみしげ)
神俊修乃 (かみどしおさの)
剣待勇悟 (つるまちゆうご