ーむ、むぅ。
コツ コツ
結局あれからいいアイデアは思いつかず途方に暮れ、こうして外から突くことしかできていない。
もう既に夕暮れ時、窓から見える太陽もかなり沈みあと1、2時間もすれば辺り一帯は闇に包まれるだろう。発電設備の燃料が切れたのか、先程まで付いていた電気も消えてしまった。
ー夜になれば『存在』の活動が収まる保証もない。
ー真っ暗闇の中動くのはリスクが高すぎるし先程のこともあるがあの死体からは離れたいところだ、かといってこの傷を放置したままと言うのも、、
ほとほと困り果て、どうしたものかと悩んでいると。
カチ
ーん?
思考中も突き続けていた左鎌が機械の中心部分で沈み込み何かを押す。
薄暗い部屋に青白い光がともり電子音が響く
pp
外部接続器起動
精密サブコアを検知・・・該当機を確認
周囲のメカニターを検索・・・該当なし
ERROR 周囲に生体反応なし
メカノイドのシグナルコードを検知・・・登録メカニターを探索・・・ERORR・・・応答なし
緊急プロトコルを検索・・・該当なし
・・・メカノイドの制御人格が覚醒しています
ーな、なんだ一体何が
先程までうんともすんとも言わなかった機械が、いきなり流暢に喋りだし思わず後ずさる。
そんな私の様子をよそに機械は続けて言う。
ERORR ・・・該当メカノイドに自律反応あり
緊急プロトコルを適応・・該当メカノイドをメカニターと定義
起動基準クリア・・・システム起動
そう言うや否やゴーグル型の機械が中央から二つに分かれる、
カチカチ
さらにそこから細かく分かれ、まるで磁石に引っ張られるように浮かび上がる。
細かに分かれた機械からは線香火花のように青白い光の粒が空中にまき散らさ宙に舞い非現実的な風景を作り上げる
ー、、、
声も出ずにそんな光景を眺めていると。
キギ、ギギ
光を曲げ空間を抉るような音を立てながら、私の体へ引き寄せられ、機械達は私を中心に渦を描く。
対象メカノイドに中度の損傷を確認・・・優先タスクを設定
修復システムを起動
キーーン
高い音を立てながら機械の群れが、花の蜜を求める蝶の様に損傷個所へと群がり、損傷している部分が真新しく灰色の部品で胴体や頭部の傷口で埋めていく。
ー冷!
壊れた部分に氷を入れられるようなひんやりとした感覚を覚え思わず声に出る。
身体構築ログが不足しています・・・頭部眼球及び右腕武装修復不可、臨時処置を実行済み
必須修理項目クリア
修復システムオフライン・・・残存バッテリー75%
接続モードに移行・・・第一フェーズ・・接続端末を補足
大方の傷を修復したのか機械達は私の目の前に群がり、お互いを接続し始める。
カチカチ
全端子の接続を確認・・接続端子ロック・・第二フェーズ
その光景をじっと眺めていると、
ーッグ!
元の形に戻った機械が勢い良く突っ込んでくる。
結構な勢いで顔面に装着され思わず呻き、視界は真っ暗になる。
本体接続完了・・・第三フェーズ
メカニター専用端末をーシークエンス改変ー接続対象をメカノイドに変更
ガチャ
目を覆う機械から何かが脱落し若干目元が軽くなる。
ーッツ
次いで脳を抉られるような痛みと衝撃が側頭部に走り、先程まで響いていた音声が脳内に流れだす。
接続完了・・・アポクリトンリペアラー起動
そう言うと真っ暗な視界に光が差し色が付き、それと同時に妙なものが目に入る。
ーなんだこれ。
視界の端に様々な数字や文字が流れる。
メカニター専用UIを起動しました・・・重要事項を報告します
右腕武装を喪失しています
残りエネルギー75%
ナビゲートシステム起動します
不足している視界領域を補助します
そう言うと欠けた視界が元に戻る
ー、おお、これはすごいな、
ようやく戻った視界に喜ぶのも束の間大事なことに気づく。
ーあぁ、夢中になりすぎた。
周囲は足元がかろうじて見える程度、窓から見える夕焼けの光も既になくなってしまった
ーこの状況で動き回るのは危険だな、今夜はここで過ごすか。
そう決めてからは早く、棚などを押し倒し入り口を塞ぎ、一息つく。
周囲はヤツらの気配どころか、虫の声一つせず不気味なまでの静寂が辺りを包む。
ー、これからどうするか、少なくとも周囲にヤツらの気配はない、損傷部分の修復も出来たから、後は現在地の確認なんだが。
そう考えたとき、
報告、南方向からレーダ反応を探知
ーな、なんだ
今まの今まで黙っていたリペアラーが脳内で雄弁に喋りだしたうえ、話し出した内容も聞き逃せない
ローター音を検知
距離を計算・・・およそ3分でこちらに到達します
ーローター音って、ヘリか!まずい、今の私は傍から見たら1人でに歩き回る兵器だ、身を隠さないと。
そう慌てる私をさらなる絶望に突き落とす情報をリペアラーが言う
既に探知されています、現在接近中の対象から通信要請を受けています。要請を受理しますか?
ーもう知られているうえに通信要請!?
告げられた情報に思わず狼狽えるがすぐに気を取り直し。
ー通信要請か、、よし、受理する、案外話せばわかるかもしれない。
通信許可を確認、通信接続中・・・接続
リペアラーのその言葉を合図に頭にノイズ交じりの声が聞こえる
『つながりました、了解!、こちら救援部隊、聞こえるか!』
ーああ、聞こえてい『ガァァ!、耳が!、、』
そう返事をしたとたん、通信相手に異変が起こる
ー!だ、大丈『ググゥ!わ、分かりません!、応答なしです!変な機械音が、、り、りょブツーーーーー
通信が切断されました・・・対象、接近速度変わらず
ーえ、えぇ、なんなんだいったい
余りに怒涛の展開に呆然となる。
状況は加速する
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