法失き世界、人の道は険しくとも 【旧題】チャリオットに轢かれて   作:大洲やとこ

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番外 登場キャラクター説明

 

 【キャラクター紹介】

・アユミチ

 主人公。根が真面目で道に反することを嫌う。

 身近で子供が死ぬことを忌避するのは、小学校時代に後輩を亡くした事故に起因している。

 武術などを得意としているわけではないが、場数を踏んだことで生き死にの間際で冷静に見極める胆力がついた。

 常人離れした力はノクサに年単位で寿命を捧げての代償があって。

 四幕終了時点での装備は、リグラーダのダガー(神斬り実績あり)と連射できない小型ボウガン。数秒だけ認識阻害するスイッチ(一日一度)。

 

・レーマ・ルジア

 赤髪に健康的に色付いた肌。豊かな曲線美の女神。

 現在この世界の管理者の権限を有しているが、下界へのアクセス権を失っており満足に行使できない。神域で暮らす。

 汚れない少年が好き。

 アユミチの願いを叶える為、下界に再臨できるようアクセスポイントの清掃を命じている。

 

・ノクサ・リージュ

 手のひらサイズ。黒髪赤目に黒アゲハに似た羽根を持つ妖精。

 刻喰(ときはみ)の異名を持つ旧神。

 レーマを始めとする神々と面識がある。

 元は彼女こそが下界とのアクセス権のない管理者。レーマと立場が入れ替わっている。

 夜を連想する名前だが、実際には『老化(γηράσκων)=ギィラスコン』を適当に逆さ読みしたノクサの自称。

 

・二頭の天馬

 アユミチを引っ掛けた戦馬車の天馬。焔のような鬣を持つ。

 レーマを怒らせたアニラービーが詫びに贈ったもの。

 汚れ無き乙女しか乗せないと言われる伝承と関係あるかどうかは不明。

 

・ゼラ

 土類を扱う魔法に特に秀でた下級貴族の娘。

 新婚初夜に夫の怪死が続き、死すべき初夜の花嫁などと呼ばれた。

 心中の際に飲んだ魔法薬の副作用で点魔鋲を発症し、生き永らえたものの死病患者として捨て森に流れ着く。

 戸籍を管理する職務の家に生まれ書類整理を手伝っていた為、トローメ国内の人口分布や住民の出入りについて多くを知っている。

 銀の糸のようなストレートヘア。非常に細身。

 幻想のような美しさの中に、少し病んだ芯の強さを持つ。

 アユミチを守る為、その身を母なる大地に見立てた魔法を使い消えた。

 

・ファニア・イア・イオルテ

 橙色に近い金髪の女剣士。常人離れした身体能力を有し、病に冒される前は鬼巫の側近五色の一人だった。

 生真面目。真面目さならアユミチよりも上。

 性愛相手について男女問わない嗜好は、彼女の自由さが現れる数少ない部分。

 鬼巫アハラマの子を授かることを夢見たが、捨て森後はアユミチとゼラに尽くす歓びを得た。

 トローメ王国南部の地方官吏の娘。

 

・カヨウ

 黒髪黒目の美少女。

 西港ディサイ近隣の孤児院で育った。

 孤児院にいた頃は女院長の計らいで小汚い身なりをしていたので美しさが目立たなかった。

 幻術の魔法に特化した才能を持つ。

 四幕終了時点の装備はかんざし型ワンド。

 アユミチお兄ちゃんの一番特別になりたい。

 

・イサヤ

 アユミチが助けた少年。最初にレーマの下に送られる。

 やんちゃ小僧。アユミチに作ってもらった木剣のキーホルダーを胸に稽古をしている。

 

・アスパーサ

 予言能力を有する妖艶な美女。

 魔法を使うこともできるが、厳しい戦闘に足りるほどではない。

 

・ムンジィ

 アユミチがこの世界で最初に出会った人間。

 なし崩しでつるんでいた盗賊団でアユミチを襲い、返り討ちにあった。

 アユミチの珍妙な優しさにほだされ、自分もアユミチのように生きたいと強く思うようになった。

 得意武器は曲刀。操船関連の仕事も経験がある。

 アユミチより年上。

 

・ジルボン

 エクピキの指を与えられた司祭の中で陽灯小司と呼ばれる最下級。

 最下級でも指無しとは比較にならない別格の扱い。えらい。

 通常、教団勢力の維持発展に寄与した者でなければ与えられない指だが、地元民からの評判で与えられた珍しいタイプだ。

 授与の際、感動で顔を上げられずゲニーメの顔は見られなかった。

 アユミチに初めて会った際にエクピキの指を突きつけてノクサを爆笑させた。

 手の平の中央にへそのような穴、そこから顔を出すイモムシのような指。

 穴の周辺にはびっしりと黒い入れ墨の模様が広がっていたが、ジルボンが入れ墨を刻んだわけではない。

 

・イーペン

 元商人で物知り、芸達者な男。

 ホラ話のようなこともよく吹聴する。顕微鏡に似た魔法道具を持っていた。

 

・コニー

 プレヴラの母親。

 

・プレヴラ

 捨て森にいた幼女。

 川伝いに海に流れたところを奴隷海将隊に拾われた。

 

・ステン

 ユィッヒ、マノウズと共にアスパーサに惚れていた三人組のうちの生き残り。

 コニーたちを守りながら奴隷海将隊の船に拾われる。

 

 第一幕捨て森までのその他登場人物

・トバ、メッソ、コーダ、ケントロ、ノノ、ユィッヒ、マノウズ、バズモズなど。

 

 

 トローメ王国

・先王クムス

 エクピキ教団の影響力を削ごうと動いて暗殺された。

 息子たちとは別に、死ぬ際まで気にかけていた叔母がいたようだ。

 

・国王ネロ

・王弟ニーモ

・イドラ・ディドラー

 王の盾と呼ばれる武人。現在はネロに四六時中張り付いている。

 

・タシモ・ティッダーン大公

 貴族院議長。自分の権勢がエクピキ教団との癒着あってと理解している。

 

・ヨハルハ

 先代鬼巫で貴族院に席を置く。

 通常引退後は里に戻るが、クムス暗殺の影響を受けての措置。

 

 

 鬼巫(おにみこ)

・アハラマ

 現鬼巫。札を使い強力な魔法を使う。

 

・マベラ

 五色の花札の黒。鬼巫と似た容姿で影武者も務める。

 普段は異能を使いアハラマの影に潜む為、彼女の存在を知る者は少ない。

 

・レフカース

 五色の花札の白。堅物。

 アハラマへの敬愛は誰より強いと自負している。

 

・コッキノ

 五色の花札の赤。ぼくっ子。天真爛漫。

 

・キュアナ

 五色の花札の青。冷めた目で周囲を見る傾向あり。

 

・クロロテッサ

 五色の花札の緑。一行の仲では一番年長。

 幼い頃からアハラマの姉のように見守ってきた。

 

 

 エクピキ教団

・主光ゲニーメ

 教団トップだが少年期を過ぎた程の外見年齢。

 腹にエクピキの指を宿す。

 

・アパティ、ザイドロス、オルミ

 最高幹部太光師の三人。両手に指を持つ。

 エクピキの指はゲニーメからの株分けで手に焼きつける形で受け取る。

 エクピキ教団には敵も多く、それらをねじ伏せる実績でもって太光師まで上り詰めた。

 地方教会で指持ち司祭として生活する方が楽とも言えるが、それでは掴めないものを望んでいる。

 

・カシキ

 陽灯司長。権威の象徴である太光師のひとつ下で、教団の実務的なトップになる。

 望めば両手に指を持つことも許されるが、現在のところカシキ自身が未熟として受けていない。

 教団財産管理、事務報告の体系化、簡素化。外部組織との円滑な折衝体制の構築など、事務方面で卓絶した能力を発揮した。

 影潰しや教団幹部を鍛えるオルミからは、荒事や暗殺向きではないと評価を受けている。

 太光師に上がる目はないが、それを望んでいるわけでもない様子。

 

・ビッテス

 オルミが長を務める暗殺集団影潰しの副長。

 脳が常時覚醒状態、いつもゾーンに入っているような異常者。

 魔法の技能と合わせてトローメ最強格の戦士になる。

 鬼巫アハラマでも単独で戦うには分が悪い。

 エクピキの治癒の快楽漬けにされた影潰しのメンバーは、恐怖に鈍感な戦士の集まりである。

 

・リグラーダ

 ビッテスと同行していた影潰しの一人。

 やはり指の快楽に飲まれていたが、アユミチのキスで目が覚めた。

 その結果死ぬことになる。彼女の人生に何か良いことがひとつでもあったのだろうか。

 

 

 西港ディサイ

・テノン、マーカス

 ディサイの町から捨て森に出向した兵士。

 町に戻ったマーカスは斑徂症感染を広め、隔離されて焼かれる。

 薬を飲んで治らなかった人間は作中にいない。彼は美酒のような薬を【小娘】にもらったと主張していたようだが?

 

・コスタス・マクリアス

 西港ディサイ総督、右流伯だった男。

 

・アントニー・マクリアス

 コスタスの息子で、右流伯を継承した祭日に死ぬ。

 トローメ王国最後の右流伯。

 自己評価の高さが平凡な能力と釣り合わなかったが、決して愚鈍ではなかった。

 

・エヴェニス・ディアホラ

 陽輝卿という称号を持つエクピキ教幹部。太光師以外で両手に指を持つ唯一の司祭。

 人間の重さを操る異能を有し、元の戦闘技能も高い。

 基本的に自分以外の人間を下等で愚かだと思っている。

 

・フィリオ

 ムンジィの幼馴染でディサイの兵士だった。

 反乱軍に加わり、アントニーに斬られたが特別な布のおかげで生き延びた。出血なしで仮死状態に近かった為、サヴァサゴニにも噛みつかれなかった。

 ムンジィに負い目がある。

 なし崩しに結婚した反乱軍の女性をすぐに好きになってしまった。奥さんはごっこだと呆れつつ悪くは感じていないよう。

 

・ディオーネ

 フィリオの妹でムンジィがディサイを逃げ出す事件のきっかけ。

 昔からムンジィに恋心を寄せていた。

 身近な年上男性に好意を抱くのは若い頃にありがちなことでもある。相手が当たりか外れか、彼女の場合は……

 

・ジナミナ

 奴隷身分から船長になり、奴隷海将と呼ばれる。

 正式にマクリアス家から任命されたわけではない。

 時折生まれる異常な身体能力を持つ人間。神の血肉の一部が発現したと言われる。

 難しいことはできず、小柄な体で俊敏に跳ねまわり殴るのが基本スタイル。

 船の仲間を家族と認識している。

 

・アルゴ・ノーツ

 ディアホラ家に生まれたエヴェニスの弟。

 父の急死がなければ、どこかでエクピキの陽灯司として暮らしたはずだった。

 エヴェニスの気まぐれで虐待を受け、ディアホラ家を出奔。

 怠け者の水兵としての日々の中でジナミナに出会い、復讐の火を灯した。

 右流伯代替わりの祭日という好機と、ディサイ全軍を相手にしないで済むよう隣国ホスバルドルと結び成し遂げる。

 ディアホラの屋敷の警備が甘かったのは、軍備を整えて攻めてくるようなバカがいないという見込みと、エヴェニス自身が自分以外を信用していなかったから。

 

・デフィロ・ディアホラ

 エヴェニスの息子。後継ぎの予備。

 後継ぎ候補の兄は王都にいる為、あくまで予備である。

 エヴェニス自身は息子にさえ興味がない為、最低限の教育は受けているが帝王学のようなものではない。

 王都に行ったことがないので指もない。

 

 

 東港アナトーリ

・キデ・マノス

 左潮伯エクソト家の嫡男。若大将と呼ばれている。

 

・カッダ・マノス

 現左潮伯。理由があって表に出られない状態で、息子のキデが町を切り盛りしている。

 

・ナフタン

 キデの部下の船乗り。目端の利く青年。

 

 

 その他

・サヴァサゴニ

 海獣。トローメ沿岸ではほぼ絶滅、駆除された大型の爬虫類というか両生類というか。

 アユミチはワニと表現したが、ワニとコモドドラゴンの中間のような青黒い生き物である。

 四つ足がワニより長く、小さなトカゲのような速さで地面を走る。泳ぐより速い。

 肉食である。

 トローメに限らず沿岸部では非常に危険視される海獣。従来の数の増減は、個体数が増えすぎてエサ不足に陥るから。

 その際、同種や近縁種も食うようになる為、沿岸部でのサヴァサゴニの近縁種は絶滅している。淡水に別種がいるがエサの問題でもっと小型。

 持久力はそれほどない。半日以上無呼吸で潜水していられるので、たまにバタつく以外は波任せの時もある。

 エサを察知すると途端に活発になる。

 鱗は一つ一つが小さく、死んでしばらくするとぼろぼろになるので革製品には向かない。

 肉はやや硬め。煮崩れしにくいのでシチューに入れるとしっかりとした歯ごたえがある。

 血の匂いに敏感。

 

 昔話で、小舟に乗り込んできたサヴァサゴニを助けたら、後日嵐の中で逆に助けられて海賊の隠し財宝を見つけた話がある。

 それを聞いた欲深い船員たちが大勢で回収に乗り込み、大量のサヴァサゴニに食い殺されたという結末だが。

 

 大型の魚はサヴァサゴニを狩る方法を知っており、尻尾にかぶりついてサヴァサゴニの対応不可能な速度で泳ぎ回る。

 これをされるとほどなく窒息し、死体はまた海の魚たちの餌となる。

 凶悪な海獣もまた食物連鎖の中のひとつでしかない。

 

 

  ◆   ◇   ◆

 

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