死神代行が渋谷事変で刃を払う   作:浮世ばなれ

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ついに一護と虎杖の二人が揃い、渋谷事変の黒幕である偽夏油と向き合う。騒然としている渋谷から呪霊を祓うことができるのか。そして、乱入してきた浦原の目的は…⁉︎


第十四話 嵐が去る

「はぁはぁ…クソ強いな。だが、反転術式はいくらでも回せる。前回よりも遅いが、すでに術式が回復し始めている。甘いな死神。やはり呪術こそ至高だと……」

 砂埃が辺りを漂う中、夏油は目の前にやってきた二つの影を見て止まった。そこにいたのは一護と虎杖の二人だったからだ。

「虎杖悠仁…宿儺の器が」

 待てよ。

 夏油は何やら閃いた。

「五条悟が封印されている獄門疆の場所を知りたくないか?」

「…交渉か?」

 虎杖は動じずに構えた。

「助けたいだろ。そんな時に私を殺してしまったら、どうなるか。獄門疆のありかを聞けなくなり、どこにあるかも分からなくなってしまうぞ」

「別に自分で探すさ」

 虎杖はできるだけ感情を出さずに答えた。

「…ふん。呪術高専ともなればその程度調べはつくか。では、私は目の前の敵とどう戦うかを考えるか」

「その必要はねぇよ。テメーはここで俺たちで倒す」

 一護が斬魄刀を構えた。

『卍解 天鎖斬月』

 浦原喜助の介入により、一度解いていた卍解を再び蘇らせる。それにより、斬月が再び刀身を小さな日本刀のような姿に変形した。身につけている死覇装もロングコートのような形に変わっている。これも卍解の力の一部だ。

「極ノ番うずまき」

 夏油の後ろに新たにうずまきの紋章が発現した。今ある呪霊のストックを一つを置いて全てぶつける。正真正銘の最後の技だった。術式は今の会話の途中で全回復している。問題はない。とにかく一護と呼ばれる少年だけでも倒す。一護が対立メンバーの中で一番厄介だと、夏油の直感が語っている。浦原や夜一なら逃げ仰るかもしれない確率は高い。つまり賭けだった。

「渋谷でここまで追い詰められるとはね」

「俺からしたら、お前ら呪霊とやらが、ここまで力を持って渋谷で暴れられるとは思ってなかった。だから、あとはお前を切るだけだ」

「そうか…ならお互いさまだな。最後まで楽しませてもらうぞ」

 夏油は右手を一護に向けて狙いを済ました。うずまきから高密度の呪力がこもった光線が発せられた。それは巨大なエネルギーとなって一護や虎杖だけではなく、後ろに控えている京都高専のメンバーや日下部、浦原、夜一さえも巻き込もうとしていた。

「こりゃ、アタシたちもただじゃ置けませんね」

 浦原がエネルギー体を見上げながら呟いた。

「当たればな」

 夜一は浦原の言葉を返しつつ、一護のほうを見た。あとはアイツにかける。

「月牙天衝!!!」

 一護はエネルギー体に向かって飛ぶ斬撃を放った。対する夏油もうずまきの高エネルギー体をぶつける。

 ズズンッ

 二つの力はぶつかり合い、混ざり合い、やがて弾けた。その衝撃波は周りにいたみんなが思わず顔を手で覆うほどだった。

 ドッ!!

 夏油は思わず力が抜けた。

「………な…」

 どうやら自分の体が縦に真っ二つに切られたことに気付いたようだ。

「何……だと…」

 本体である羂索にまで致命的なダメージが入っていた。そして目線の先には、黒崎一護。

「無念。だが、私の意思は受け継がれる」

 羂索は瀕死の状態で一護を見上げた。

「…? お前が何をしようと俺が何度でもお前を野望を切り刻んでやるよ」

 一護の横に虎杖がやってくる。

 虎杖は拳に呪力を纏わせていた。

「虎杖悠仁か。宿儺の器として作ったのに残念だッ」

 羂索に最後まで語らせなかった。1000年以上生きた呪霊だ。まだ奥の手が残っていては何をされるか分からない。

「終わった」

「のようだな」

「でも渋谷は元通りには戻らない。それに五条先生がどこに封印されているかも調べないと」

「そこはアテがあるんだろ?」

「確実じゃないが、な」

 一護の最後の問いに答えたのは日下部だった。

「獄門疆には裏があるって言われてる。そいつを探せば五条がどこにいようが開けることができる」

「裏? どこに?」

 虎杖が反応する。

「…高専で調べれば大体の場所は分かるはずだ」

 日下部が少し悩んでから答えた。

「なるほど。じゃ早く行こうぜ」

 一刻も早く五条と再会したい虎杖は気持ちが早まっている。

「まぁ皆サン。冷静になってください」

 一護、虎杖、日下部の話の間に割って入ってきたのは浦原喜助だった。虎杖はその姿を見て、映画で見た怪しい行商人を思い出した。

「誰だ?」

「ワタシは空座町で浦原商店を営んでいるしがない店長です。虎杖サンたちの味方です。だからそんなに警戒しないでくださいよ」

「そうか。でも只者だとは思えないけどな」

「それを決めるのは虎杖サンですよ」

 浦原そういうと刀を納めた。

「獄門疆の裏を探すのに関しては、ワタシも協力します。死神の協力者も呼びますので、まぁ大丈夫だと思います」

 自身ありげにニヤリと笑った。

 その様子を見て、虎杖は近くにいた一護に耳打ちする。

「本当に任せて大丈夫なのか?」

「胡散臭いヤローだか、死神の中でも有能なのは確かだ」

「そうか、そうかもな」

 虎杖は浦原のひょうひょうとしており、どこか余裕のある態度を観察した。

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