死神代行が渋谷事変で刃を払う   作:浮世ばなれ

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渋谷事変がが終幕して一週間がたち、各々が傷を癒していた。そこに上から渋谷事変の報告を求められた東京、京都の呪術師たち。そこに虎杖が謎の箱を持って現れ…⁉︎


第十五話 協力関係

 渋谷事変が終了して一週間。枯れた落ち葉が北風に吹かれて道路に舞い散り、いよいよ冬が本格的に始まろうとしていた。東京高専では、渋谷事変を戦った東京や京都の術師たちが集まっていた。この日は、渋谷事変の結果を上に報告する会議が行われていたのだが、虎杖だけが遅れていた。

「虎杖のヤツ、少し用事があるって」

 伏黒が虎杖とのLINEの内容を皆に伝えた。

「うーん、内容によるけど、どうしてもってんなら仕方ないわね」

 釘崎は腕組みをして虎杖が来るであろう方向から待って待っていた。

「しゃけ」

 こちらは語尾がおにぎりの具しかない狗巻だ。原作と違い宿儺が虎杖の身体を乗っ取らなかったため、狗巻の腕は切られることなく正常だった。彼は渋谷でできるだけ多くの人を助けるためにメガホンを手に走り回っていたのだ。

 そうこうしているうちに、虎杖が遠くのほうからやってきた。

「何アレ?」

 持っているのは大人がすっぽりと入れる程度の大きさの箱だった。

「おーい、お待たせ!」

「遅かったな超親友(ブラザー)!」

「おっ、東堂じゃん。そうか京都の皆んなもいるのか。じゃあ話は早い」

 虎杖は持ってきた大きな箱を皆んなの前に置いた。

「この中にはみんなが驚くものが入っている。なんだと思う? じゃあ、釘崎!」

「えっ…私⁉︎ なんだろう。現金とか?」

 当てられた釘崎はキョトンとしながらも、自分の願望を織り交ぜて答えた。

「ブッブー! まったくもって近くない。正解はこちら!」 

 虎杖の言葉に合わせるように、箱の中身がモゾモゾと動く気配を感じた。そして、箱の蓋が開く。箱の内蓋が誰にも支えられずに持ち上がっている。こんな芸当ができるのは…

「はいはーい、みなさんお待たせしました!五条先生のおかえりですよー!」

 箱の中から出てきたのは、封印されていたはずの五条悟だった。どうやら浮いていた蓋は五条の無下限呪術のようだ。

「ええッ!」

「いつの間に⁉︎」

「獄門疆が解かれていたのか」

 東京、京都それぞれの高専生たちがそれぞれの反応を見せた。

「おやおや、皆んなしてそんな顔して、よっぽど僕の復活が嬉しかったようだね」

 目隠しがしていても一人一人と目が合う。

「いや、嬉しいというより、疑問のほうが大きい。どうやって獄門疆から出れたんだ?」

 日下部が五条に聞いた。

「そりゃ、浦原さんのおかげだ」

 五条の代わりに答えたのは、いつのまにか高専の建物の屋根の上に降座っていた一護だった。すでに死神姿になっている。

「一護!」

「元気してたか悠仁」

 一護がひらりと空中で一回転して地面に降り立った。

「で、浦原さんのおかげってどういうこと?」

 釘崎が一護を問い詰める。

「浦原さんの斬魄刀の能力は、触れたものを作り変える力だ。それによって獄門疆のルール自体を作り変えたんだ。誰でも自由に獄門疆に出入り可能というルールにだ」

「す、スゲーとしか言いようがないな」

 真希が冷や汗をかきながら感想を呟いた。

「待てよ、まだおかしなことがあるぜ。どうやって夏油の偽物が隠した獄門疆の場所を突き止めだんだ?」

 この声はパンダだ。

「うーん。あまり俺も詳しくないんだけどよ。死神の世界である尸魂界には技術開発局ってところがあって、なんかそこと浦原さんが交渉したみたいでよ。すぐに8000メートルの日本海溝のプレートの沈み込み帯に獄門疆があることが分かった。そこからは海なんて関係のない死神が回収して浦原さんのとこに届けて、五条さんの復活ってところだ」

 トンと一護の肩に手が乗る。

 五条の手だ。

「そういうこと。死神との協力関係のうち術師側の協力は一旦おしまい。これからは僕が死神に協力する番だね」

「…やっぱりそういうことか」

 伏黒は全てを察したように呟いた。

「死神に協力するのか! 俺もいけるぜ先生!」

「いや、悠仁、そして、高専のみんな。これは僕が個人的受けた仕事だ。おかげで渋谷は無事に平定できた。だから君たちを巻き込む訳にはいかない。それに相手は渋谷の呪霊よりも強いやつがゴロゴロいるしからね」

「あの呪霊よりも強いのが⁉︎」

 高専側から声が上がる。

「そっか。じゃあ仕方がないな。先生。頑張ってくれよな!」

「ふふっ、応!」

 五条は笑顔で答えた。

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