死神代行が渋谷事変で刃を払う   作:浮世ばなれ

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一護の元にかかってきた電話。相手は呪術高専の補助監督だった。そのころ渋谷では、すでに戦闘が行われており、一護は伏黒と合流してとある戦闘現場に行くことに…!


第3話 渋谷に現着

『もしもし、私は呪術高専の補助監督を務める伊地知です。黒崎さんの携帯でお間違いないでしょうか?』

 少し暗い声がスマホ越しに聞こえてきた。

「はい、そうです。何かありましたか?」

『今、渋谷で呪霊が絡んだ事件が発生しました。それも大規模なものに発展しそうな予感がしています。五条さんより東京近辺の特級絡みで、どうしても人手が足りない時は黒崎さんに協力をお願いしてくださいと言われておりまして、お伺いいたしました』

「あんた五条さんの知り合いだな。その通りだ。渋谷だな。すぐに行く」

『分かりました。私たち呪術師はあなたのことをあまり知りません。ですから敵でないと言う通達をしておきます』

「ああ、頼むよ」

 一護は電話を切ると、スマホでパパっとニュースを検索した。今日はハロウィンの日だ。渋谷周辺ではコスプレをした人たちが大量になんらかの力によって閉じ込められている。そして行方不明者も多数だと書かれていた。

「ヨッ!」

 ベッドにかけていた代行証をつかんだ一護は瞬時に死神化した。

「…もぉ夜だし、先に寝たってことでいいな」

 抜け殻となった自身の身体を見て一護はつぶやいた。

 たーんと家の窓の縁を刈り上げて外に飛び出す。すぐに空座町の上空を移動する。

「うん?」

 一護は知っている霊圧を感じて下を見た。

 黒猫が屋根の上からこちらを見ている。

「あっ、夜一さん!」

 一護は黒猫こと夜一に近づいた。

「虚(ホロウ)の気配が感じないのに死神になっておる。と言うことは、数ヶ月前に来ていた呪術師からの要望か?」

「ああ、それで渋谷に向かっている」

「それじゃ、儂も連れて行け」

 黒猫はぴょこんと一護の肩に乗った。

「ええっー、いや、夜一さん自分でいけるよな?」

「死神や虚(ホロウ)相手ならそうしていた。だが、事情を知らぬ人間に姿を見せるのは好かんからな」

「…分かった」

 あまり納得していない一護だったが、今は渋谷が優先だ。

 一護は黒猫と共にハイスピードで空をかけて行った。

 

【22:30 渋谷駅 上空】

 一護と夜一が現着。

「いくつかの強い気配がする」

 夜一は黒猫のまま、一護の肩から気配を探った。どうやら霊圧も呪力も似ているもののようだ。霊圧が高いところでは戦闘が行われていた。

「俺は地下に向かって、戦闘の気配がしている場所に突撃する。夜一さんは?」

「一護についていく。今回の儂は死神の元隊長ではなく、ただの黒猫。お主のペットじゃからな」

「そうか。勝手にしてくれよ!」

 一護は肩に黒猫を乗せてながら、渋谷駅を急降下した。以前より少し冷たくなった風が全身にあたる。今はただ、未知の強敵と戦うことに全てを集中させていた。

 

 渋谷駅の中は不気味なほど静かだった。ただ単に人が誰もいないのとはどこか違う。取り壊しが決まった店の中のような、どこか寂しさが混じっている。

 その静かさのせいか、闘争が起こっている場所が、もはや霊圧やら呪力関係なく耳から聞こえてくる。そして、もう一つの足音もだ。

 敵か。

 いや、これの霊圧を感じたのは二度目だ。

 と言うことは。

「伏黒か⁉︎」

 前方で走っていた高校生ぐらいの男に声をかけた。前方へと伏黒は走りながら振り返る。

「お前…死神の?」

「黒崎一護だ! お前らの助けにやってきた!」

「なら、下だ。急ぐぞ!」

「おう!」

 

【渋谷駅アベニュー口】

 今まさに、特級呪霊の陀艮は領域展開を開始した。七海、真希、直毘人の三人が領域の中に囚われる。その異質さに、向かっていた一護と伏黒はぞわりと全身に、なんとも言えない不快な感覚が走った。

「まずいな…!」

「いたぞ! アレだ!」

 伏黒が指差す方向には、ドス黒く丸い球体があった。

「…なん…だ?」

「アレは術式を付与する事で、術式に基づく攻撃を必中にする呪術の極意。領域展開の外装だ!」

「なら、どうすればいい⁉︎」

「敵はこの中にいる! 中にいる人を助けるのために俺の領域で中和して中に入る!」

「オッケー!」

 一護がそう答えると、伏黒は黒い球体に向かって両手で構えた。

「領域展開 嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)!!!」

 黒い球体に伏黒の影がねじ込まれていく。

 徐々に徐々に、影は大きく広がっていき、それがどんどん黒い球体の中に入っていく。

 やがて球体に穴が空き、中の様子が見えた。

「今だ! 飛び込むぞ!」

 伏黒は掛け声と共に丸い穴にダイブした。

 一護もそれに続いた。

 

 領域の中は海と砂浜で構成されていた。

 七海、真希、直毘人が戦っているのが確認できた。

「真希さん!!」

 伏黒が影を伸ばす。

「恵!!」

 影から生えてきたモノをつかんだ。

 特級呪具「游雲」

「オマエって奴は本当にクソ生意気な後輩だよ…!!」

 

 私の領域に侵入したのは二名か。

「愚かな」

 陀艮は術式を発動しようと手を上げる。

 そこに背後から真希が游雲を振りかざす。

 一度は受け止める。

 しかし二度目の攻撃がきた。

 ザアアア…

 海の方へと陀艮は吹き飛んだ。

 立ち上がる陀艮。

 この領域内での必中効果が消えている!!

 陀艮は悟った。

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