こっちの存在を忘れてた訳では無いです。はい!!!
数多くの個性的な学園に、そこに通う多種多様な個性を持つ生徒達、日に日に起こる銃撃音と戦闘音がなり響いている場所キヴォトス。
一見するとただの危ない世界だが――ある人物にとっては刺激に溢れすぎている、退屈が全く無い素敵な世界。
「つ……強え…!」
「なん、なんだよ……あいつ…‼︎」
「クッ……ソ……‼︎」
そんな学園の中でも世紀末と言われている場所、ゲヘナ学園にて、ヘルメットを被った生徒達やスケバンの生徒ら約40名が地面に倒れていた。皆服がボロボロになっており、傷こそは無いものの煤汚れが非常に目立つ。
「………レね」
「…は…ぁ?」
「私の中では強さと音が繋がっている、アナタ達の強さはドレミファソラシドの“レ”よ。音が高くなるほど強いわけ……だからアナタ達は八段階中下から2番目ってとこね」
その倒れている生徒らの前に、一人の学生が立っていた。丸刈りの大柄な体格で、目元にはト音記号のようなアザがある二本線が存在していた。
「んだ―それ‼︎私らが、雑魚って言いたいのか‼︎」
「誰もそんなことは言っていないわ、――あーでも、小魚……とは言ったかもしれないわね」
「こ…の――舐めやがってぇぇ!!」
倒れていた生徒らは立ち上がり、持っている銃火器で目の前にいるに向けて銃弾を発射。青年は少しだけ笑うと、指揮者が使う指揮棒のような杖を軽く振るう。
「サウンズ」
すると青年の周りに無数の音符のようなものが現れ、それらが銃弾へと飛んでいき爆発。銃弾がほとんど意味をなさず、青年は無傷で済んでしまった。
「一つ教えておくわ、さっき私はアナタ達の強さをレ、と表現したけれど――それはアナタ達全員でそのレベルと言うことよ」
「一人、一人だと……音符にすらならねぇのかよ…‼︎」
「悔しかったらまた来なさい、いつでも相手になってあげる♪―でーも、あんまり暴れすぎちゃダメよ?」
銃弾を防がれた生徒達は戦意が削がれ座り込む。それを確認したその青年はなれない手つきで、持っていた端末を操作し電話。青年は相手をしていた生徒らを放って歩き出す。
「――もしもしアコちゃん? お仕事ぜーんぶ終わったわよ」
『お疲れ様です……それからアコちゃんはやめてくださいアコちゃんは』
「いいじゃ無い、私たちの仲なんだし」
『そもそも私はアナタの上官で‼︎――…いえ、もうやめておきます。話にならないので』
「あらあら♪」
『とりあえずそのまま帰宅してください、後の指示はヒナ委員長から』
「わかったわ……フフッ」
通信を切り、その青年は周りの景色を見ながら元いた場所へと帰ってゆく。とても満足そうで、どこか楽しそうで、尚且つ悠々としているその青年の名は――マーガレット・マカロン。
「――さあ、今日も刺激的な日を過ごしましょう……フフフッ」
異世界からここに迷い込んだ生徒であり、ゲヘナ学園・風紀委員会に所属し、その名を世間に轟かせている人物である。
――――――――――――――――――――――――
「マカロン、最近仕事を任せっぱ無しよね。ごめんなさい、迷惑をかけちゃって」
「気にすることないわよ、私は好きでこの仕事をしているのだから……迷惑だなんてとんでもない、むしろ感謝しかしていないわ♪」
「刺激的な相手は見つかった?」
「……それはダメね、せいぜい圏外か、レぐらいの強さしか持っていない子達ばかりあたっちゃうわ」
「……そう」
ゲヘナ学園・風紀委員会。混沌としているゲヘナの治安を維持し続けている組織であり、ゲヘナの戦力の要とも言える存在。
その委員長である空崎ヒナとマーガレット・マカロンは、ヒナが仕事をしている部屋内で互いに向かい合って座り、それぞれ違う昼飯を食べていた。
「またエビフライですか……そろそろ胸焼けを起こしてしまいますよ」
「私はエビフライを食べているのでは無く、タルタルソースを食べているの」
「意味わかりません」
「アコ、マカロンのこれはいつものことよ」
「朝昼晩全てタルタルソースを使った料理だなんて、健康のケの字もないじゃないですか!」
「タルタルソースは全ての食べ物に合う、神から与えられしソースなのだから仕方ないわ」
「理由になっていませんよ‼︎……もういいです」
ヒナの秘書であり、行政官でもある天雨アコはマカロンの食事、『ほぼ全部タルタルソースのかかった料理』に対してツッコミ入れていたが次第にどうでも良くなり放置した。
「それよりもヒナ委員長、エデン条約の件ですが。トリニティ総合学園から当日の打ち合わせをと伝達が」
「そう、ならまた後日と送っておいて」
「エデン条約……もうそんな時期なのねぇ」
「ええ、これで少しは……平和になるはずよ」
「――そうだといいわね」
エデン条約。ゲヘナ学園と長年対立して来た一つの学園、トリニティ総合学園との協定。つまりは和解の条約であり、キヴォトスの歴史を大きく動かすであろう事案。
仲良くしよう、喧嘩はやめようと言うそんな条約だが…はっきり言って怪しさ満点。ずっと争って来た相手と急に仲良くなれ、なんて信じられるわけもない。
「ヒナ委員長……仮に、仮にこの会談が罠だとしたら…」
「相手はあのトリニティよ、流石にそこまでバカなことはしないはず。……まあ、たとえ罠であっても大丈夫よ」
「何故…?」
「それはもちろん、私とマカロンが揃っているからよ。私達の前に敵はない――トリニティだろうと、連邦生徒会であろうと止められない」
「フフフフッ……いうようになったわねヒナちゃん。数年前よりも格段に自信に満ち溢れている、いったい誰の影響かしら」
「わかってるくせに」
「なんのことやら……なんてね」
エビフライにタルタルソースをベッタリとつけ、口に運び食べ、ヒナの方も自身の料理を食べ進める。
ゲヘナ最強、空崎ヒナはそう呼ばれているが――マーガレット・マカロンにも同じような名がついている。
「私個人の実力はドレミファソラシドのシ、でもそこにヒナちゃんが合わさると――ドになる」
「……まあお二人の友情の前には誰もかないませんでしょうね、ええ、お二人の友情の前には」
「あら、アコちゃん嫉妬してるの? 可愛いところもあるじゃない」
「なっ、ばっ――違います‼︎」
「アコも歴とした友達よ」
「委員長……‼︎」
「………そういえば」
仲睦まじくその時間を過ごしていた時、ヒナが少し呟いた……そしてその内容にマカロンを飢えた獣の如く食いつく。
「最近、シャーレの先生がアビドスに付いている見たいね。なんでもアビドスの生徒達を助けている……とか」
「―‼︎」
「アビドス高等学園……懐かしい名前ね。マカロンは覚えて―――‼︎」
「……やってしまいましたね、委員長」
べちょ……と、エビフライに刺さっていたフォークごと机の上に落とし、マカロンは止まっていた。すると次の瞬間
―――突然、部屋の中にピアノが現れた。
ダンッ!!
(……始まった、マカロンの謎演奏)
(上手なんですよね、謎ですけど)
突然始まるピアノ演奏、その音符が部屋全体に広がり舞っていく。綺麗な音色、完成された曲、それらを弾きながらマカロンは胸の高鳴りを上げていき。
「――春の、訪れね」
(『―――怖い』)
そう上を見ながら告げた。『始まった……』とヒナとアコが思っているなかマカロンは一人ピアノを消し、窓を開け空を見る。
「アビドス……ああアビドス、何年ぶりかしら、その名前を聞くのは。――あの子達は元気かしら…? そして先生という大人はいったいどんな成長彼女らに促したのかしら?―――暁のホルスはどうなっているのかしら…‼︎」
「マカロンさん、忠告しておきますが。なんの連絡もなしに戦いを挑むは無しですからね!」
「わかってるわ、ちゃんと話は通すから安心して?」
「そもそも戦わないでください‼︎」
「それは無理ね……だってねアコちゃん」
マカロンは大声で、狂気の笑みを浮かべながら叫ぶ。
「人は常に刺激を求めているのだから‼︎」
「―……そうですか」
「ああ〜楽しみだわ……特にあの子、シロコちゃんは元気かしら――そろそろ収穫どきでしょうしね」
マーガレット・マカロン、謎大きい生徒でありゲヘナの中でも空崎ヒナの次に恐れられている存在。刺激を何よりも求め、刺激を何よりも欲している者。
マカロンはこの世界に迷い込んだことに後悔はない、この世界はマカロンにとってのエデン。
「もっとよ……もっと、私をワクワクさせてちょうだい‼︎」
人はマカロンの事を『ゲヘナの危ない音楽家』と呼ぶ。
マッシュル本編前、16ぐらいの頃にここに迷い込んだマカロンさんという設定で、ヒナさんとは親友に近い存在です
でもなんか書いているうちに『無理があるかなぁ?』と思い断念しました。
他にもこれが見たいアレが見たいなどあれば、どしどしコメントをお願いします。