メタがすごい回です、サンタ云々や、プレゼント云々はこの作品だけの設定ですのでご了承ください。
クリスマス
それは多くの者にとって誕生日に続く一大イベントであり、その起源はとある聖者の降誕の日に由来するものとして有名である。人によって、その日がどのようなものであるかは変わってくるが────多くの小さな子供達にとっては、一年に一度、たった一度しかない楽しみの日でもある。
12月24日の夜から翌日25日の朝に届くと言われているクリスマスプレゼント。
ゲーム機、ゲームカセット、ぬいぐるみや少し高いもの……可愛げもなくお金を要求してくるクs……失礼、そんな子供もいるが、とにかく夢のあるプレゼントが届けられる――それを届ける存在こそ、かの有名なサンタクロースだ。
「――さてと」
もちろん、サンタクロースとして活動する者はキヴォトスにも存在する……しかし。
「クリスマス大作戦開始と行きますか」
「せめて背中から降りてくれませんか」
それは白いヒゲの優しい老人ではなく、黒い姿のトナカイと、筋肉質な青年のコンビからなるサンタクロース(のようなもの)である。この原因を辿ると、時は数時間前に遡る。
「ジングルベールジングルベール(棒読み)、すz『反 吐 が 出 る』待って今なんか変な人いなかった?」
「主殿、これはどこに飾ればいいのですかー?」
「真ん中より少し下ぐらいかな」
「御意に!」
キヴォトスや魔法界にも存在するクリスマスにおいて、マッシュはイズナと共にクリスマスを祝うため、シャーレの部室を装飾していた。部屋の真ん中に立っているのは一本のクリスマスツリー、それはイズナが担当しており素早い動きで次々と完成させていっていた。
「先生、少し話が………なっ、何事だ、これは」
「何かのお祝いですか…?……あっ、ご馳走食べられるんですか?」
「ヒヨリが最初に気になるのがそこなんだね……誰かの誕生日だったりした?」
「先生、これってなに?」
マッシュの元へといつも通りやってきたシャーレ在住メンバー達は、クリスマスの装飾に驚き、何事かと思っていた……それもそのはず、彼女らアリウスにはクリスマスという概念がそもそも存在していなかった。
「クリスマスっていう行事に向けての準備だよ」
『クリスマス…?』
「12月の24日から25日の2日間で行う、一年に一度のビックイベント。24日はクリスマスイブって言って……まあ簡単に言えば、お祝い事かな」
「何をやるんだ?」
「色々だよ。美味しい料理を食べたり、みんなでクリスマスっぽい仮装をしたり」
「……確かに、楽しそうではある」
「美味しいご馳走……えへへへ」
「でも一番は――サンタクロースだね」
「……惨多弄す?」「酸辣湯?」
「サンタクロースね」
サンタクロースという言葉に馴染みがないアリウス生は、皆がみんな頭を捻る。そんな中マッシュはお得意の早着替えによってサンタクロースの仮装へと変身する。
「メリークリスマス……多分僕じゃなくてじいちゃんが着たほうが似合うやつだこれ」
「白い髭の老人……それが、サンタクロースか?」
「そうそう。年に一度クリスマスの日の夜、一年を通していい子にしていた子供達に向けてプレゼントを届ける仕事をしている凄い人だよ」
「一人で世界の子供達に向けて!?……な、何という行動力と能力を持った老人なんだ」
「真っ先に気にするところそこなんだ」
「さらに夜に忍び込みプレゼントを置き、その場から去る……高度な潜入能力もあるな」
「まあそうなの……かも?」
サンタの話を聞き興味を持ち出したシャーレの生徒達、まさしくサンタを初めて知った子供のような表情……マッシュは目を覆うほどの光を感じた。
「……でも、きっと私たち貰えないな」
「何でですか?」
「我々は……いい子とは程遠い存在だったんだ。だからサンタからのプレゼントを、今まで貰えなかったんだ……いや、もらう資格も」
「ならば、今年こそ貰えばいいのです。それに絶対貰えるはずです!」
ツリーから地面へとおり、サオリの方へと走るイズナ。確かにサオリ達はいい子とは程遠い事をしてきた……がそれは過去の話、今はまるっきりいい子として働いている、罪を償っている。
「きっとサンタさんは、その頑張りを見てくれているはずです。だから、信じて待ちましょう!」
「……そうですよリー…サオリ姉さん、もう暗い考えは捨てよう、明るく生きようって決めたじゃないですか」
「ニーナ…」
「信じてみましょうよ、サンタクロースと言う存在を」
「………―ああ、そうだな。夢物語だとしても信じる……そう決めたんだったな」
(いい話だ)
「そうです‼︎サオリさん達も、このイズナと一緒に!――
――――今年こそ、絶対にサンタさんからプレゼントをもらえると信じましょう!」
「……………………ん?」
「イズナももらったことがないのか?」
「勿論です、そもそも――キヴォトスに住む生徒達のほとんどがサンタにプレゼントを貰ったことはありません!」
「―――――――」
唾を飲み、まさか……と絶句したマッシュ。しかし考えてみればそうだ、一般的にサンタクロースと言う存在の正体は、その子供の親……つまりは大人―、そしてそんな大人は――キヴォトスには存在しない。
「…」ガクッ!
「どうしたんだ先生!具合でも悪いのか?」
「う、ううん。気にしないで………確認しないと」
「か、確認?」
「みんな、先にここら辺の装飾をお願いできる?」
「おまかせを‼︎」
「……暇だったし、いいよ」
「ミサキ、ソワソワしてる」
「ち、ちがうから。そんなんじゃないから」
「何を届けてもらうの?クマのぬいぐるみ?」
「だから違うってば!」
「よし、各チーム手分けして、シャーレ全体の雰囲気をクリスマスに変化させるぞ。――楽しむぞ!」
『おー‼︎』
微笑ましい生徒達一度置いておいて、マッシュは様々な学園へと連絡。もしかしたから誰か一人でも貰っているんじゃないかと思ったからである………が。
【アビドス】
『んークリスマスプレゼント?勿論貰ったよー、去年はノノミちゃんとシロコちゃんから鯨のぬいぐるみを貰ったんだー……サンタからは無いのかって?……んー、今までそんなことなかったかなー』
『ん、今年こそサンタをひっとらえる』
『シロコちゃんがこの思考ですからねー』
『そう言えば私も無かった……アヤネちゃんは?』
『い、いえ。私も特に』
【ゲヘナ】
『ゲヘナの生徒にサンタが来るとでも?……まあ、今年ぐらいは期待してやってもいいな、キヒヒッ……あっ、イロハ!今年は特大プリンをイブキにプレゼントだ‼︎』
『はいはい』
『プレゼントよりも休みが欲しい』
『ヒナ委員長切実…』
【トリニティ】
『サンタ役なら毎年決めていますが……本物のサンタクロースからはありませんね』
『今年もプレゼントは貰えないかなー……そもそもいるのかな、サンタクロースって』
『さあね、しかしもし本当にいるのなら……新しい服でも欲しい物だ』
『セイアちゃん成長とかしてないから別に良く無い?』
『表に出るんだミカ』
【ミレニアム】
『ユウカサンタ様!なにとぞ新作ゲームを!』
『何卒!』
『何で私に頼むのよ! 本当ののサンタさんに頼みなさい!』
『だって、今までそんなのくれなかったもーん!』
『そうだそうだー!』
【連邦生徒会】
『サンタですか……小、中、高に至るまで、一度も貰ったことはありませんね。そもそもキヴォトスにいる大半の生徒はサンタの存在を信じていないとも言えますし……私ですか?休みが欲しいです』
とまぁこのように――全滅だった。
「……そっか、サンタって存在は知ってても貰ったことはないんだ……そっかそっか―――解せぬ」
年頃の子供達にとってサンタクロースは光であり夢であり憧れでもある。サンタからのプレゼントは考えを変えれば、自分がずっといい子だった、頑張ったのだという証拠にもなる……マッシュからしてみれば、生徒達はみんないい子―――なので。
「僕がみんなのサンタになるんだ」
マッシュは皆のサンタに、夢を叶えるために動くことに決めたのだった。
「てなわけで手伝ってください黒服さん」
「頭大丈夫ですか?」
――――――――――――――――――――――――
「……先生、私は貴方の敵、貴方が倒すべき相手なのです。その相手に対して……協力してくれとは……クククッ、少々気を疑いますね」
「あっこれトナカイの仮装です」
「先生人の話は聞きましょう……そもそもどうやって私の元に?」
「ご都合主義です」
「先生?」
黒服の元へとやってきたマッシュ、大量の荷物とおそらくは黒服に来てもらう予定であろうトナカイのコスプレ衣装を手にしていた。
「……先生、私は生徒のことは特に好きでも嫌いでもなく、ただ興味深いから関わっているだけなのです。情があるわけでも無いのです……そんな私に、生徒の娯楽に付き合え……とは」
「もちろん報酬は用意してあります、それにプレゼントを用意するお金はこっちから出しますし。黒服さんにはプレゼント運を手伝ってもらうだけです」
「……くくくっ、聞けば聞くほど、本当に意味がわかりませんね。……しかし先生がここへきてくれたのは好都合」
黒服は立ち上がり、そのひかる眼光と悪い大人のドス黒い雰囲気を彼に向けて放つ。そしてその手を彼の首へと持っていく。
「今、貴方をここで倒し、私の目的を果たす。クククッ……先生、アビドスでの借りを、今ここで………………おや?」
「どうしましたか」
「……あの、力が……ベアトリーチェから奪った力が使えないのですが。あの、手を…動かせないのですが…⁉︎」
「黒服さん……この世界は何だと思いますか?」
「…は、はい?」
「この世界、今僕たちがいるここは――外伝です」
「が、外伝…?」
「そう、外伝です」
マッシュは黒服の手を握り潰す勢いで握り、胸からメモを取り出し見せる。
「この作品は本編に描けない、時間がない、枠がない話をどんどん書いていくって感じの作品なんです」
「つ、つまり…?」
「メタいこと、都合が良すぎる事をし放題って事です。外伝なので」
「それはもう外伝というよりかは、番外編、もしくはif編なのでは……」
「そして黒服さんはまだ本編でその力を示してないので、ネタバレ防止としてアビドスぐらいまでに弱まってます」
「つまりはどうなってもいい作品なので好き放題ハジケると…⁉︎」
「YES」
ギャグが盛んすぎるのがこの外伝、なので黒服という名のシリアスキャラは力を発揮できず何もできない……つまりはハジケに巻き込まれた者である。
「なので僕に付き合うことも決定事項です」
「デカルコマニーが聞けば怒りそうなお話ですね…」
「報酬は後ほど……てことで、やりましょう」
「何故私なんですか、他に人選はいたでしょう」
「大人って聞くと黒服さんしかいなくて」
「頼れる人が?」
「夢とか全く見ずに闇に生きる人」
「泣いていいですか」
兎にも角にも決まってしまったクリスマス大作戦、巻き込まれた黒服は安全に帰れるのか、マッシュは生徒達に無事プレゼントを届けられるのか
次回に続く!
「明後日とかにやらないんですね」
本編の方も書かなきゃだめなんだから仕方ないだよ
外伝なんだから何してもいいや理論で脳死で書いてます、そして多分24と25だけじゃ収まらないと思っておりますので、気長にお待ちくださいませ。