透き通る世界に拳を一つ:超外伝   作:六科

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年賀状回

 

 

 

 

 元日、連邦捜査部シャーレのオフィス。

 この部活の顧問たるマッシュ・バーンデッドと、所属する三人の生徒が、向き合って辞儀を交わす。初日の出を見られるこの場所で、マッシュとシャーレ生はこうして新年を迎えることが出来た。

 

 

 

 

 

「新年明けまして、おめでとう御座います」

 

「お、おめでとう御座います」

 

「おめでとう御座います……それそれとして、先生の世界に新年とかあるの?」

 

「ここ外伝だから何でもOK」

 

「なるほどね……それはそうと…どう?私たちの着物、似合ってる?」

 

「バッチグー」

 

 

 

 

 

 ピンクの紫に彩られた和服を着こなし、花の簪をつけているアツコ。

 

 赤い線と花模様が彩られた白い振袖を着たミサキ。

 

 そして黒と黄色の布地を織り交ぜ、どこかトレーニングウェア姿のマッシュを彷彿とさせる色合いとなった着物を着ているニーナ。

 

 彼女らはその格好で、シャーレ内にて新年を迎えたのだった。ちなみにマッシュは普段と変わらない服装である。

 

 

 

 

 

「というわけで年賀状片付けて行こうか」

 

「雑な導入………にしてもすごい量、これ全部やる気?」

 

「返せる範囲は全部返していこうと思ってさ、せっかく貰ったんだし」

 

「リーダーとかワカモに手伝って貰えばいいのに……そういえば二人は何処?」

 

「ミサキちゃん、コスト削減ってわかる?」

 

「……なるほど、書き手の気力が持たないから出す生徒の数を減らしてるわけね」

 

「そうそう」

 

「外伝だからって好き放題やりすぎだと思うんだが」

 

「ニーナ、頑張ってツッコミを入れてね」

 

「姫は絶対にあっち(ギャグ)側だ……」

 

 

 

 

 新年早々マッシュ達を待っていたのは、シャーレの書類仕事に匹敵する大量の年賀状だった。

 アビドス、ゲヘナ、ミレニアム、トリニティ、その他様々な場所から送られてきていたそれをマッシュたちは片付ける事にした。

 

 

 

 

「いろんな人から送られてきてるね……流石は先生」

 

「あっ、この人懐かしいな。ワカモちゃんの初めて会った時に助けた人だ」

 

「こっちはエデンで色々あった生徒……よりどりみどりって感じ」

 

「年賀状か……何だが、こういうのも楽しいな」

 

「だね」

 

「でもほとんど先生に対してで、私たちにはないね」

 

「あるのが珍しいぐらいだよ、そもそも私たちが加入したのって今年の九月の終わりくらいだし」

 

「大変だったね色々と……あっでも、アリウスのみんな宛とかあるよ」

 

「え……本当に?」

 

「ほら、玄龍門から」

 

 

 

 

 

 マッシュは玄龍門から送られてきた年賀状をミサキたちに見せる。金箔によって龍の柄が描きこまれた黒い葉書、その内容はというと──

 

 

 

 

 

 

 

『セルラン一位、本当にありがとうの』

 

 

 

 

 

 

 

「何書いて出してんのあの門主は!!!てか何でそれを私たちに向けて送ってきたの!!」

 

「あれかな、アリウス水着イベの後にキサキさんが実装されて、それで一位取ったから……とか」

 

「嫌味?嫌味なの?」

 

「ま、まあ限定と恒常じゃ差が出るのは仕方ないし…」

 

「うわ、玄龍門も構成員全員から送られてきてるよ」

 

「暇なのかあいつらは」

 

 

 

 

 

 ニーナは呆れながらも玄龍門からの年賀状を仕分け、ミサキは何かボソボソと呟き、アツコはそれを諭す。マッシュは次から次へと、貰った年賀状を漁り、発表していく。

 

 

 

 

 

「他にも色々きてるね……あっ、リンさんからも」

 

「よかった、比較的にまともな人だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

『人生ゲームの回、ずっとスタンバってました』

 

 

 

 

 

 

「知るかぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

 

「まあ人数が多かったからねあの回は、エデン条約編の後だったし」

 

「あと仕事に休みがないキャラでヒナ委員長と被るって話もあったね」

 

「あの時のリーダーの荒ぶり具合は凄かった」

 

 

 

 

 

 寂しそうに部屋の端で三角座りをしている写真をつけ、送られてきたその年賀状。

 短編集における人生ゲーム回は参加人数が多すぎたこともあり、煩雑化を避けるためには仕方なかったのである。

 

 

 

 

「あと連邦生徒会生徒たちから、もっと出番をくれって」

 

「現在進行形で順々に出てきてるんだから我慢しろっての……てか、ここは愚痴を垂れ流す場じゃないんだけど。……はぁ、ワカモがいたらなんていうか」

 

「……………あの、そのワカモから年賀状が届いているんですけど」

 

「え…身内なのに?何でまた――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワカモが送った葉書には、以下の一言とともに一枚の写真が添えられていた。

 
『結婚しました♡皆様方、お先に失礼致します♡』
 
 写真には、白い花嫁衣装を纏ったワカモの隣に、筋骨が張ったロボットにマッシュの顔写真を貼り付けたような人形が写っていた。

 

 

 

 

 

「誰がだぁっ!!」

 

「ミサキ破ってもだめ、大量に送られてきてる」

 

「何やってんのあの馬鹿狐!?不自然すぎるでしょ、顔からした完全に別物だし!!」

 

「これみんなに送ったのかな……だとしたら、後で色々と誤解を解かないと」

 

「お祝いの年賀状も届いてるぞ……レッドウィンターから」

 

「『結婚おめでとう!妻を泣かさないようにな!泣かせたら粛清だぞ!』……クマきちに乗りながら撮ったのかな」

 

「何騙されてんのあのチビ…」

 

「あとなんかゲヘナの風紀委員会からも」

 

 

 

 

 

 

 

 

『明けまして御結婚おめでとう御座います、ヒナ委員長が寂しがっていまして末長くお幸せに

 

 

 

 

先生がご結婚なされたと聞いてから、ヒナ委員長のお元気が末永くお幸せに

 

 

 

 

先生!!ヒナ委員長を差し置いて結婚だなんて……それなら私が貰っても問題は末永くお幸せに

 

 

 

 

 

 

 

 

『去年はたくさんお世話になりました、奥さんを泣かさないようにね。末永くお幸せに………子供の顔は、よく見せてね』

 

 

 

 

 

「ややこしいことになり過ぎてるぞ、後半明らかに空崎ヒナが隠蔽工作を行った形跡があるし……」

 

「後でお詫びの品とハグもしてあげないと……シナシナになっちゃうな」

 

「トリニティからも来てる」

 

 

 

 

 

 

『ご結婚おめでとうございます、お子さんのご成長、姉妹共々応援いたします』

 
 添えられた加工写真には、ナギサの膝に小さい子供三人が乗っており、その顔がコハル・ヒフミ・アズサに置き換えられている

 

 

 

 

 

 

「何やらかしてんのあの鳥はぁ!!?『そっくりでしょ』じゃない!!どう見てもアズサと例の友達二人でしょこれは!!?」

 

「……ミサキ、サッちゃんからもきてるよ」

 

「リーダーに関してはまた身内だし!!今度は何!?」

 

「ついでに正義実現委員会とハナコって生徒からも」

 

 

 

 

 

 

 

 

天使(ティーパーティー)ぶっ飛ばす』

 

 

 

天使(ティーパーティー)ぶっ飛ばす』

 

 

 

桐藤(ホスト)ぶっ飛ばす!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

「殺意を隠しきれてない!!!」

 

「アズサをナギサの妹にさせられたって事がサッちゃんにとっての地雷だったんだろうね……正実とハナコって子も同様に」

 

「コハルちゃんを勝手に取られたからブチギレてるね………内乱とか起きそうで怖いんだけど」

 

「……ミレニアムからも来てる」

 

「また誰かを妹にしたとか、結婚したとか言ってないよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『明けましておめでとう先生!また一緒にゲームしようね!』

 

『明けましておめでとうございます。ゲーム開発部は、いつでも先生の心の中に』

 

『あ、明けましておめでとうございます……また、ゲームを一緒に、作りましょう』

 

 

 

 

 

 

『明けましておめでとうございます、先生!最近先生と会えなくて寂しいですが……アリスは元気です!!チビメイド先輩ともども、これかもずっと、ずぅぅぅとお友達でいてくださいね!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………見てこの子達、自分の欲望じゃなくて、他者への感謝を込めて書いてるよ」

 

「ごめん泣いていいかな」

 

「アビドスからも」

 

 

 

 

 

 

 

『明けましておめでと〜先生、思えば一年もあっという間だったね〜……先生に会えて、本当に良かった。対策委員会は先生のこといつでも応援しているよぉ♪』

 

 

 

 

 

「ごめんほんとに泣く」

 

「初任務の場所はアビドスだったんもんね、先生」

 

「……まあね」

 

 

 

 

 数多くの生徒と関わり、励み、過ごしてきたこの1年間……マッシュにとっては永く、長く険しい道のりであったが…同時に楽しい時間でもあった。

 

 

 

 

「まあここは外伝だから、本編はまだ全然一年も経ってないんだけどね」

 

「最後と最後で台無しだよ先生」

 

「…………? 先生、変な名前の人からも来てるよ」

 

「変な名前?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『明けましておめでとうマッシュ・バーンデッド。その体、大事に扱っておくれよ?……特に心臓部分。イノセント・ゼロより』

 

 

 

 

 

 

 

………ビリッ!

 

「む、無言で破いた……」

 

「…みんな、これ書いて全員に送っておこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『明けましておめでとう御座います。これからも"透き通る世界に拳を一つ"を、どうぞよろしくおねがい致します』








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