シャングリラ・フロンティア~コミュ障ゲーマー、スタミナ全振りで神ゲーに挑まんとす~ 作:葛饅頭
もっと更新したいのですが、仕事が忙しくて……あとナイトレインが楽しすぎてそんなに執筆できていない……
後書きにいつもの感謝の設定ゲロを吐いておきますね。オエッ
耳の長いNPC……恐らく
並大抵のモンスターなら最大サイズのルインヴァルを蹴り放てば質量差で消し飛ぶし、消し飛ばなくても刺さればあまりの質量に実質行動不能になる。
NPCを巻き込まないように一部のスキルは封印しているが、それでも何とかなる程度の強さだ。しかし数が多いなホント……ブレスで纏めて消し飛ばしたい。でも【
「そうか、加減して撃てばいいじゃん」
今まで全力でぶっ放すことだけを考えていたから忘れていたわ。必要最低限の威力で節約しながら撃てばいいじゃん。
「それなら……【
ジャンプして少し高い位置で高さを固定してスキルを発動。
俺の影が龍へと姿を変え、少しチャージしてから口から灼熱の黄金を放つ。
視界に映る赤いヤツを一匹一匹ビームで焼き払ってゆく。
ビームが目の前を横切った森人族が何人か腰を抜かしてそのまま泡を吹いて気絶してしまった。怖がらせたのは悪かったからこの状況で動きを止めないでくれ。
「凄く面倒なことに首を突っこんでしまったのでは……?」
ブレスが切れたらまたルインヴァルを投げまくる。というかこのNPC達、この強さでよくここまで耐えていたな。俺が隠密状態を解除した瞬間この状況で軽いパニック状態になっているし……おや?
「あそこにいるのは……」
廃屋の中から出てきた複数の人影……と一匹の兎。
見たこと無い人ばかりだが、あの兎と喪服ドレスの女は見覚えがある。
「サンラクさーん? これってどういう状況なんですかー?」
「そのゴスロリ……ぶんぶん丸氏!? 来ていたのか!」
喪服のドレス……恐らく性別を反転させて
確かにあの赤いモンスターにはその喪服ドレスが有効だろう。次々と雑魚が湧いてくるし。
「はい。ついさっき空を飛んでいたら赤い竜巻が見えまして」
「え、ぶんぶん丸って……それに飛んでたらって……マジで? あのぶんぶん丸!?」
「これはこれは、数日前に赤竜を討伐してホルダーまで取った今話題のプレイヤーがゴスロリドレスで駆けつけてくるとはねぇ!」
誰だこの人達? トットリ・ザ・シマーネとディープスローター? 名前長いな……
「それで、これはどういう状況なんですか?」
「詳しい話は後! あの赤いのを倒す! 「
「なるほど?」
どうやらあの五つ首首長竜を何とかしなければならないらしい。三つ首ティラノは味方……というか敵の敵?
エリアボス疑惑のモンスターなだけあって確かに敵に回したくない強さをしているが、アレを利用しなきゃいけないくらい強いのかあの赤いのは。
プレイヤー四人と兎一匹とティラノ一頭(三頭?)とNPCが幾らか。これだけ戦力があればDPSが足りないということはなさそうだが、あれだけ巨大なモンスターの攻撃が直撃したらタンク以外は即死しそうだな。そしてタンクは何処にも見当たらない。
新大陸に来てからワンミスも許されない勝負ばっかりしているような気がする……
「ところでアレって分類上ドラゴンなんですか?首長竜っぽいですけど」
「アラドヴァルが効いてるし多分そう。あと海棲生物特攻も入る」
「陸にいるのに……? まあいいや、ドラゴン判定なら丁度良い。やるぞ、ルインヴァル! ファントム!」
ドラゴンが相手ならルインヴァルの出番だ。
……今スルーしかけたけど、もしかしてサンラクもブリューナクを持っているのか? 後で見せて貰おうかな。
とまあカッコつけたけど俺はあの五つ首の攻撃パターンをまだ把握していない。というわけで最初は槍投げと剣飛ばしメインで参加させてもらう。
「ファントム、ザコの処理は任せた!」
ファントムの【
しかし「鰥寡蟲毒」の効果が常に発動しているのでスタミナにはかなり余裕がある。俺も防具を
「毎回犠牲にする用の防具を用意するのも面倒なんだけどな……変身!」
一瞬だけ装備した鎧が即座に弾け飛び、漆黒のアオザイと笠へと装備が変更される。
「弱点とか判明していますか?」
「奴の胸部! 大きな口の奥にある球体!」
「了解!」
だいぶハッキリと弱点が判明しているんだな。もしかして結構長いこと戦っている?
「ぶち抜け!!」
思いっきり投擲したルインヴァルが首長竜の脇腹に突き刺さる。しかしちょっと怯んだかな? といった程度のダメージだ。痛みに強いのだろうか?
「ぶんぶん丸氏! その頭はビームを出すぞ!」
「一回撃たれたから知っている!」
正面の四本の頭の内の一つがこちらを向き、真っ赤なビームを放ってくる。
威力の確認の為、スタミナでダメージを肩代わりしつつちょっと体に掠らせる。
うん、この程度なら万が一直撃してもギリセーフだな。
「【
肩代わりスキルの効果が続いている間は俺も前に出る。
NPC含めて後衛の数が多すぎる。ずっと野生のモンスターにタンクさせているのも不安だしな。
ルインヴァルを馬上槍のように構えて……全速力で突撃!
「うぐぇ!!?」
「QiiiiiiiiiaaaaaaaAaAaAaAaAa!!!」
流石に質量差がありすぎてぶっ飛ばすことは不可能だったが、ルインヴァルが深々と突き刺さり、奴の巨体が少し浮き上がる。
「ゴアアアアアアアアア!!!」
「おお、パワフル」
そこを逃さず三つ首ティラノが噛みつき、その巨体を勢い良く地面に叩きつけて首の肉を再び引き千切る。
モンスターのパワーって凄いなぁ……
「傷口も直ぐに塞がってしまうな……ん? うわっ」
良く見たらコイツの体、蝗の大群じゃん!?
どうりでで治るのが早いしあんまり怯まない訳だ……しかしなんで首長竜の姿に?
細かいことは今は考えなくてもいいか。今やるべきことはコイツを殺すことだ。
「滅多刺しだ!」
ルインヴァルを何度も突き刺し、引き抜き、また突き刺し……その間、沢山の頭に噛まれたりビームを撃ち込まれたりしたが、大したダメージじゃない。このままゴリ押す!
「おお、流石は
そろそろスタミナが一万を超えそうなくらいにはスタミナ特化なんだがな。スタミナって何なんだろうな……?
「砕けろ!!」
ルインヴァルで思いっきり奴の胸にある大きな口を叩くが、牙に弾かれてしまう。
これはもっと一気に大ダメージを与えないとダメだな……おっと三つ首ティラノがこっちに来た。一時退避。
「三つ首ティラノに合わせて動かなきゃいけないのはちょっと面倒だな……」
でも俺が下手な攻撃するよりもダメージ入っていそうなんだよな。そろそろスキルの効果も切れるし大人しく槍でも投げていよう。
「サンラクもレベルキャップ解放したのかな? なんか凄い動きしているな……」
俺のようにスキルとアクセサリーで強引に超加速しているのとは違う。
スキルとアクセサリーの補助はあるのだろうが、それらが無くてもデフォルトの速度がとんでもなく速く、そして正確だ。
少なくとも俺はあんな速度を出しながら相手に密着して回避し続けながら戦うのは無理だ。
機動力特化ビルドにそれを制御可能な反射神経が合わさるとああなるのか……
猛烈な勢いで左右の大剣を叩きつけ、ヒットエフェクトが攻撃回数以上に弾ける。ヒット数に関係するスキルっぽいな。
何かしらの機動力系スキルを使用したのかサンラクが更に加速し、首長竜の攻撃をスルスルと潜り抜けて更なる一撃を胸部の口に叩き込む。
「わざわざ壊しやすくしてありがとう!」
サンラクが片方の炎の大剣を地面に突き刺し、その柄頭にもう片方の特大剣の腹を乗せ、両手で握る。その切先は大きな牙で固く閉じた胸部の口に向けられている。
恐らく両手剣スキルの発動の為の前準備だ。しかし首長竜の視線はサンラクを捉えている。
「邪魔はさせない! 【
影が忍び寄り、首長竜の体を這い上がってゆく。
八本の影の触腕で奴の胸部以外の口が存在する部位を全力で締め上げつつルインヴァルを投擲し、サンラクに一番近い頭に当てて吹き飛ばす。
「行けぇ!!」
「ぶち抜く!!」
突き出されたサンラクの特大剣が奴の牙に触れ、どう見ても単発攻撃なのにヒットエフェクトの花が咲く。
胸部の口、正確にはその奥の物を守っていた大きな牙の壁が砕け散り、その奥に隠された奴の弱点だと思われる玉を肉眼で確認できた。
「どりゃあああ!!」
「うおおおお!?」
奴の無数の口からビームが放たれる瞬間、影を全力で引っ張って狙いを外させる。
ビームがサンラクの直ぐ側を掠めたが、直撃は回避できた。
「行け行け行けゴーゴーゴー! 矢が尽きるまでぶちかませ!!」
NPCも加わっての集中砲火が奴の弱点を襲う。
無数の矢と一人と一匹の魔法が首長竜を足止めし、そこに横から三つ首ティラノが激しく激突する。その衝撃で俺の影縛りが千切れた。どんなパワーしているんだあいつ……
どうやら再生能力の限界がきているようで、首長竜のダメージを受けている部位が増えるばかりで回復する様子が見られない。
「大詰めかな? じゃあフルパワーでいこうか……えー、トットリ・ザ・シマーネさん?」
「なんだ?」
「ちょっと今からスタミナを全消費するスキルを使うので、もしものことがあったらよろしくお願いします」
「スタミナを? あー、「乾坤一擲」みたいな……」
「そういうやつです。【
「え、何だ!? 視界が急に暗く……!?」
必要なバフを全部乗っけてー……
「真っ直ぐ投げると巻き込むな……もう少し斜め上に……おっと」
危険を察知したのか一斉に俺を狙って真っ赤なビームが放たれた。
流石に全弾ヒットはマズいので「
因みに今の光景を傍から見ると、槍を投げる直前のポーズのまま巨人がスルスルとスライド移動して回避しているように見える。モーションバグみたいだ。
再度狙いを定めて……!
「──「
少し斜め上を狙って投げ放った槍が大気を切り裂いて飛翔する。そのまま真っ直ぐ首長竜の胴のど真ん中へ──
「Qoo……!!」
その瞬間、奴の体がまるで水に潜るかのように大地に広がり、沈み込む……が、もう遅い。
「うおわああああああっ!!?」
「物凄い風ですわぁぁぁあああ!? アタシ飛ばされてますわあああああ!!?」
「え、エムルちゃーん!?」
前に出て戦っていたサンラクと体が軽いエムルちゃんが余波で宙を舞うほどの威力で投げ放たれた槍は首長竜の背中の竜巻の根元に着弾し──
「マジかよ……レイドボスの上半分が消し飛んだぞ……!?」
「大事な所が衆目に晒されてるねぇ!」
首長竜の自慢の長い首が三本と、背中の竜巻が背中の大部分ごと今の一発で抉り飛ばされ、消滅した……今レイドボスって言った?
急所が丸出しとなった絶好のチャンスを野生のモンスターが逃すはずもなく、三つ首ティラノが左側の首で長竜の首に噛みつき、真ん中の首が突然ゲロのような液体を吐いてそれを核にぶっかけ、右側の首は牙をガチンガチンと鳴らして頭を振り上げる──
「総員退避ーーー!!」
ズドォォォオオオオンッ!!!!!
三つ首ティラノが顎を勢い良く叩きつけるのと同時に、凄まじい衝撃と熱量を伴う爆炎が拡散し、首長竜を呑み込んだ。
ナパームなのかよそれ……樹海のモンスターが使っていいものじゃないだろそれ……
「最後は「
あの三つ首ティラノヤバいな。俺は飛べるからいいけど、地上を探索するプレイヤーはアレに追いかけ回されるんでしょ?
「Q、Qoooo……」
その叫びを最期に真っ赤な首長竜がピクリとも動かなくなり……その体がボロボロと崩れ落ちてゆく。
赤い蝗の大群が更に細かい粉末へと崩れてゆき、風に吹かれて消えた。
『赤き血の狂乱はここに伐された、しかして血脈は途切れることなく……』
『モンスター
『討伐対象:
『レイドバトルが終了しました』
『参加人数:4/45』
『次レイド開始:ワールドクエストの進行に伴い解放されます』
やっぱりレイドじゃんこれ!?
主人公目線、何もかも謎でとりあえずNPCの危機なので参戦してみたらレイドボスだったという
トットリは完全に主人公がHP特化だと思っている。空の飛び方教えて
ディプスロはある程度主人公の情報を持っているので本当にHP特化なのかは疑問に思っているが、まあどうでもいいかと思っている。サンラクくん一筋だよぉ……!
サンラクはスタミナ全振りなのを知っているからこそダメージホルダーになっていることに余計に混乱している。聖杯とか使った?
エルフ達は泡を吹いて倒れた
エムルは割とギリギリのところで耐えている。普段からサンラクサンと一緒に行動しているからちょっと威圧感には耐性があるのですわ
「
逆に言えばスタミナさえあれば効果時間を好きなだけ延長可能。でも普通なら回避スキルと不意打ち対策スキルを別々に持っていた方が扱いやすい
ここから先はUA200,000記念のちょっとしたゲロです(ネタバレ注意)
瘴気を噴き出す痣や傷痕が全身を覆っている痛々しい姿の竜
これまでのEXNoとは異なり異空間ではなく通常エリアに出現する。そして調伏も不可能
この竜から受けた傷は
その息を吸えば一生呼吸がままならなくなり、脚に傷を負えば二度とまともに歩けなくなる。流血を止めるには周囲の肉ごと傷口を抉るしかない
そして心の傷さえも治らなくする。故に一度でもその咆哮を聞いてしまい抵抗に失敗すれば……
遭遇自体が
破壊属性の武器を何の躊躇いも無く使いまくって自分の手足や霊穴さえもぶっ壊しまくるどこかの誰かのせいで生まれてしまった。誰だろうなぁ……