シャングリラ・フロンティア~コミュ障ゲーマー、スタミナ全振りで神ゲーに挑まんとす~   作:葛饅頭

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仕事が忙しすぎるのとモンハンが面白過ぎるので執筆時間が……
エリアル大剣楽しい……


暴徒と目星

ルルイアス攻略五日目。昨日は本当に大変だった……

 

 あのアンコウ、ただひたすら取り込んだ魚を魚雷みたいに飛ばしてくるだけだしそこまで苦戦しないだろうと思っていたら、どこから連れてきたのかステルス性能がクソ高い探知不可能なエイとか電撃を纏うノコギリザメとかバンバン飛ばしてきて普通にめちゃくちゃ苦戦した。というかあのノコギリザメ見たことあるわ。ヤドカリからパクってきたやつじゃないかあれ?それとも深海にはああいう生き物が普通に存在しているのか?

 

 途中でサンラクが参戦してきて互いに突撃を繰り返してようやく追い詰めたと思ったら、いつの間にかルルイアスを覆い尽くすほどの魚に囲まれていて……素材は大量にゲットできたが、精神的にかなり疲れる相手だった……

 

 それは置いといて、昨日の夜にサンラクが「魔法無効」の封将を、今日の夕方にサンラクとルストとモルドが「遠距離無効」の封将を倒したそうだ。

 「物理無効」は俺と秋津茜で倒したので、残っている封将は「近距離無効」か……遠距離攻撃手段はあるが、特化しているわけではないし、他の人に任せておくか。

 

 今日こそ、今日こそは普通に特訓するぞ!実戦も大事だが、ぶっつけ本番は大体の場合ろくなことにならないのだ。ここまで上手くいっているのは奇跡に近い。

 灼毒馬釘(ソーマ=スタング)(スペリオル)も新しいスキルも、どれも制御をミスったら最悪即死するような危険なものなのだ。

 

 大事なのは確実に制御できるようになること。運転する度に1%の確率で事故る車に誰が乗るんだ。0.000……と事故る確率を限りなく減らさなければ安心して使えない。

 特にここぞという場面では緊張でミスを起こしやすい。普段から練習を積み重ねてここぞという場面でも平常心を……

 

(超巨大リュウグウノツカイをくっつけた超巨大チョウチンアンコウが空を泳いでいる)

 

(二属性シャチが反転空間内に突っ込んで来る)

 

(激突)

 

(粉々に吹き飛ばされるルルイアスの街並み)

 

(巻き添えを食らって海底から降って来る超巨大ヤドカリ)

 

(チョウチンアンコウがヤドカリの眷属を奪ってシャチのビームを防ぐ盾にする)

 

(キレたヤドカリも参戦)

 

(怪獣大乱闘開幕)

 

「何あれぇ……」

 

 最終的にシャチが大爆発して全部纏めて吹き飛んでいったところを素材だけ回収しておいた。

 今日はもう寝よう。無理は良くない……

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 ルルイアス攻略六日目。

 今日は俺がログインするまでの間にサンラク達が最後の封将を倒したり、サイガ-0と合流したりといろいろとあったようだ。そして明日にはルルイアスの中心にある城に突入するらしい。

 

「このままだと俺がいない間にクターニッドも討伐されそうだな……まあ時間が合わないのはしょうがないか」

 

 グループチャットでもこのことについては相談されているので、もしクターニッド戦が始まっちゃったらそのまま倒しちゃってもいいと回答してある。クターニッド戦だけやり直し不可で負けたらそのまま地上に送り返される可能性とか全然あるしな。

 

「おはようございます」

 

「イヌのヒト、ネボケてる?」

 

 なんかノリでいつも言っているボケだが、反応してもらえないと寂しいんだよねこれ。

 因みに寝ぼけてはいない。むしろライオットブラッドで脳はスッキリしている。

 

 このアラバの側でフワフワ浮いている小さいのはネレイスというらしい。

 アラバがずっと探していた愛刀、大海峡に憑依している精霊なんだとか。

 サンラクの協力によって無事にアラバの所へと戻ってきたようだ。

 

 刀と言えばスチューデの父親の刀も見つかったんだとか。俺の知らない所でガンガンイベントが進んでいるなぁ。

 

「ん-、城に突入していきなりクターニッドがお出迎えとかになっても嫌だし……今日は無難に特訓でもするか」

 

 拠点の外は……今日は比較的静かだ、流石に確定で毎日あんな化け物が出てくるわけではないと思いたい。

 

 さて、最初は無難に走り込みするか。勿論灼毒馬釘(ソーマ=スタング)(スペリオル)は最大出力で。

 

「なんだかんだ必要に迫られて必死になって使っていたら覚えるもんだな」

 

 走る、跳ぶ、壁を走る、屋根から屋根へ飛び移る……咄嗟に動かなきゃいけなくなると関節がねじ切れそうになるが、先にどう動くか考える時間があるなら割と制御は難しくない。

 ただ最大出力は流石に速すぎるな……このゲーム動体視力を強化する手段とかないのかな?「瞬刻視界(モーメントサイト)」の下位互換でもいいからそういうスキルがあるとだいぶ楽になるのだが……

 

「地上に戻ったらスキルの整理をして……レベルキャップも解放したいな。ああでもその前にレベルが低いうちに蠍を狩りまくって経験値を溜めてから解放するのもありだな。レベル差がある方が経験値も美味いし」

 

 独り言を呟きながらルルイアスをぐるぐると走り回ること三時間。

 更に練習に丁度良さそうな海洋生物に勝負を挑み続けること二時間。

 

 こういう地道な積み重ねというのはゲームだと苦行だのなんだのと言われる作業だが、シャンフロの圧倒的リアリティと反転した海中都市というファンタジーが融合した世界を走り回るのはそれだけでも結構楽しいものだ。

 ゲームが得意じゃない人でもファンタジー世界を圧倒的リアリティで楽しめるソフトとしてシャンフロをプレイしている人は多いそうだ。

 

「俺もファンタジー世界を観光とかしたかったんだけどなぁ……」

 

 この呪いがね……誰かに預ける訳にもいかないし、これからもコソコソと裏路地を歩くことになりそうだ。

 しかもウェザエモン戦で知名度が上がり過ぎたせいでプレイヤーに見つかると追いかけられる。人にじろじろと見られるだけでも嫌なのに、これではプレイヤーが経営している店に入ることも難しい。

 

 特に味覚制限を解除できたのに食べられる料理がかなり限定されてしまっているのがあまりにも勿体ない。呪啓者ギルドや蛇の林檎の料理も美味いのだが、折角なら食べ歩きとかしてみたかった。名前と呪いと出血を隠せる装備とかあればいいんだけどな……

 

 そう言えばシャンフロのリアリティで思い出したのだが、秋頃にシャンフロと同じシステムを搭載したゲームが発売されるらしい。

 

 一つは「ギャラクシア・ヒーローズ:カオス」……プレイ映像というか、GGCで行われたエキシビションマッチの動画を見たのだが、流石のクオリティだったなあれは。

 ……あのノーフェイスとかいう選手、なぜか「大時化」と言いながら投げたり、「断風」と言いながら居合切りをしたりと、明らかにウェザエモンの技の再現をしていたんだよなぁ。一体何者なんだろうなぁ……

 

 それともう一つは……まさかの「ネフィリム・ホロウ2」である。ギャラクシア・ヒーローズは人気シリーズだから続編が出るのもそれにシャンフロエンジンを搭載しているのもわかるのだが、まさかあの操作が複雑すぎて過疎っているゲームに新作が出るとは……

 グループチャットでもルストがなんかおかしなことになっていた。というかあの二人、やっぱりネフホロ最強のあのルストモルドだったか。

 

「ゲーム業界の未来は明るいな」

 

 さて、明日も仕事だし今日はここまでにしておくか。

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 ルルイアス攻略七日目。

 

「クターニッドには会えたけど、ギミックボスっぽいから撤退したと……」

 

 グループチャットでの会話内容をまとめると、城に突入してクターニッドと遭遇したが、「威圧の反転」で油断させられていたことに気が付いて撤退。ギミックの解除が必要と考えて城の内部を探索。途中で休憩を挟んだが、ログアウトしたサンラクと連絡が取れなくなってしまったので今日の探索は打ち切り、明日の朝に持ち越しとなったそうだ。

 

「個人的には好都合だな。明日は休みだから朝からログインできる」

 

 やっぱり挑めるなら挑んでおきたいからな。ただ残された時間は残り僅かだ。クターニッドとの勝負は一発勝負になる可能性が高いし、場合によってはそのギミックを解除せずに挑むことになるだろう。

 

「おはようございます」

 

 拠点で目を覚ますが誰もいない。そう言えば城の中にセーブポイントがあると言っていたな。NPCも含めてみんなそっちにいるのだろう。

 

「兎達とアラバは兎も角、スチューデも城に乗り込んだのか。大丈夫なのか?」

 

 とりあえず俺も城に向かおう。クターニッドの面も少し拝んでおくか。

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「立派な城……しかし敵すらいないとは聞いてはいたが、本当に静かだな……」

 

 ルルイアス中央の城に乗り込んだのは良いが、敵が襲ってくることもなく、ただただ静寂と青が広がっている。というかなんでこうも青いのか。

 

「ん-、下にクターニッドはいるんだっけ?」

 

 階段を降りて、廊下を進んだ先の扉を開けると……非常に広い空間の中央に鎖で繋がれた超巨大な黒いタコがいた。

 

「本当にあっさりと会えるんだな……」

 

 鎖で縛られているのは四本の足……タコなんだから八本全部縛るのが正しいのでは?

 となると四本だけ縛っているというのが重要なのか?

 

「ルルイアスで四となると……封将?実は封将がクターニッドを封印していて、俺達はそれを倒して封印を解いちゃっていたとか……うわ、ギリギリありそうだな……でもそれってゲームとしてどうなんだ……?封将を倒すほどクターニッドが縛られて弱体化する……なぜそんなギミックが……はっ!?」

 

 なんで俺こいつの目の前で堂々と考察しているんだ?敵を目の前にして武器も構えずそんなことしている余裕なんて……

 

「うわぁ……まじでこれ緊張を反転させられていたのか今……脳に電流を流すのをフル活用したらこうなるんだな……」

 

 現実世界では「現実主義者(リアリスト)」が脳に電流を流すことの危険性について色々と語っていて、実際にそれを痛覚完全再現のために最大限悪用した鯖癌なんてゲームも存在したわけだが、シャンフロもリアリティの為ならここまでするのか……命が軽いゲームで「肌がビリビリするような威圧感」みたいなファンタジーな感覚をリアルに実現できるというのは凄い技術力だと思うが、脳が色々と不安になるな……「瞬刻視界(モーメントサイト)」の思考加速とかこれ法に触れるギリギリのラインじゃないかな……

 

「まあそこは運営を信じるしかないか」

 

 クターニッドを警戒しながら扉を閉めて、階段へと引き返す。

 個人的にはゲームならではの体験というものは素晴らしいものだと思っているので、これからもシャンフロの運営には張り切って法に抵触しないギリギリのラインを攻めながら斬新な体験を提供してもらいたいところだ。俺もゲーム作りに携わる職に就いているわけだし、シャンフロに負けないような……というのは流石に厳しいが、気合を入れて仕事に取り組まないとな。流石にビルを丸ごとサーバーにするような企業には勝てんわ。

 

「さて、確か本があるんだったな。読むか」

 

 ここからは暫く読書タイムだ。えーっと、ベッドがあるのはどの部屋だっけ?

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「ふーむ?」

 

 ベッドに腰掛けながらサンラク達が見つけた本をめくる。

 

「「狂える大群青」ねぇ……明らかにヤバそうなこれをクターニッドは島ごと封印していると……」

 

 しかも「地に染みついた」という文からして……ルルイアスが青いのはこれのせいなのかな?だとするとクターニッドを倒したらその瞬間足元の「青」が復活して俺達も「青」の一部にされてしまうのでは?

 

 ……いや、そもそもクターニッドは倒せるものではないのでは?俺達をルルイアスに招いているのには何か深い意味が……

 

「……わからん!」

 

 本を閉じる。やっぱり俺はこういう考察は苦手だ。

 俺は考察じゃなくて探索とかそっちの方面で役に立たせてもらおう。では早速……

 

「目星!」

 

【ぶんぶん丸:1D100→1 クリティカル!】

 

 

 

 

 

・「輝ける槍の伝説(ブリューナク)仮説の輝槍(ブリューナク)

鎚持つ者達が「輝槍伝説(ブリューナク)」を独自解釈して生み出した、各々の輝槍伝説(ブリューナク)の定義に基づく名だたる槍。故に幾本も存在する「輝槍仮説(ブリューナク)」についてまとめられた書物。

 

 

 

 

 

 ……なんか見つけたけど、あんまりクターニッドとは関係なさそうだなこれ。




輝ける槍の伝説(ブリューナク)仮説の輝槍(ブリューナク)
その昔、新大陸に遭難した船乗りが新大陸を巡り、そこで見てきた物事を本にまとめてみることにしたのはいいものの、あまりの情報量にページ数がとんでもなく多くなってしまったので、ジャンル別に分けて本にすることにした。これはその中の一冊であり、新大陸にて各種族間で言い伝えられている輝ける槍の伝承、またその実物を見た感想やイラストなどがまとめられている
新大陸の貴重な情報であるため、これらの本はルールイアの王城にて大切に保管されていたのだが、今ではその全てが島ごと全て海の底へと消えてしまっている

つまりルルイアスをちゃんと隅々まで探索したプレイヤーへのご褒美アイテム
探せば新大陸のもっと貴重な情報が載っている本とかも見つかる。頑張れライブラリ
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