シャングリラ・フロンティア~コミュ障ゲーマー、スタミナ全振りで神ゲーに挑まんとす~ 作:葛饅頭
「どうやら今の光の影響で性別が反転させられたみたい」
「誰だぁ!?このイケメン!?」
多分この銀髪褐色肌の高身長イケメンは反転したルストだろう。俺は肌や髪の色まで変化したが、ルストが変化したのは性別と身長だけ?シンプルに全部反転するわけではないようだ。
これはきちんと全員の変化を把握しておかないと連携もめちゃくちゃになりそうだ。
「あ、もしかしてモルドさん?」
「えっと、ぶんぶん丸さん?痣だらけだけど大丈夫なのそれ?」
「いつもこんな感じなので……ん-、身長が高いプレイヤーは縮んで、低いプレイヤーは大きくなる?」
反転前は俺よりは小さいが背が高めのアバターだったモルドが今では俺より少し背の高い少女の姿へと反転している。この反転に規則性はあるのだろうか?
「わぁー!!モルドさんもぶんぶん丸さんもカワイイですねー!!」
……なんか明るさと渋さがミスマッチしている声が聞こえてきて、嫌な予感がしながらそちらに目を向ける。
「撫でさせて貰ってもいいですか!?」
「ウワーーーッ!!?」
あの秋津茜が髭面のマッチョに反転していた。でも性格がそのままなので不気味さがヤバい。
人によって反転の差が激し過ぎないだろうか?
「サンラク……!!まさかこんな事が……!!」
あ、アラバとスチューデも反転している……アラバは結構シュッとしたな。スチューデは髪が伸びたくらいでそんなに大きくは変化していないな。
ネレイスは変化なし?そもそも精霊に性別があるのかはわからんが。
「んおぉ!?お○んちんですわぁー!?」
「拙者の
ヴォーパルバニー二匹は見た目に変化は殆ど無いようだが、しっかり性別は反転しているらしい。
サイガ-0は男性アバターだったようで小柄な女性アバターに反転しているが、声まで反転して元の女性らしい声から男性らしい声へと変化している。肉体に合わせた声になるわけではないのか。
突然の見た目の変化に右往左往する俺達に対してクターニッドは動かない。様子見か、あるいはこの状況を楽しんでいるのかはわからないが……おっと。
「うわわっ!」
「動き始めた!」
まあずっと動かないわけではないよな。
とりあえず攻撃すればいいのかな?残りの杯の能力も気になるが、使われるまでわからないしな。
「とりあえず突き刺し……あれ?」
線で構成されたクターニッドの体にレイピアを突き立てようとするが、当たらない。
今度は振ってみると刃が線に当たってそこで止まってしまった。
「判定は見た目通り線にしかないのね。そしてダメージも無し?」
となると、また何かしらのギミックがあるのかな?一番それっぽいのはあの杯の破壊だろう。
「体は軽いけど歩幅が小さくて感覚が狂う……」
ちょっと意識を切り替えよう。過去に使ったことがあるアバターの中から現在の体型に近い物を探し、使用感を思い出して……よし、修正完了。
武器も
「狙って狙ってー……「遠当て」!!」
野球のバットのようにフルスイングした鉄鞭から放たれた漆黒のエフェクトが目玉のような装飾が沢山ついたデザインの聖杯にクリーンヒットし、クターニッドの腕ごと吹き飛んで行く。
杯に大きなヒビが入り、大きく欠けたようだがまだ完全に破壊はできていない。だが確かにアレは破壊可能のようだ。
「聖杯が欠けた!やっぱりアレを破壊すればいいみたいだな!」
「めちゃくちゃ硬い訳でもなさそうですね」
サンラクはクターニッドの触腕を足場にして杯への接近を試みるが、慣れないアバターに振り回されているのか少し動きがぎこちない。
それに体格の変化で何人か防具を外している状態だ。被弾が増える上に防具に頼れないのはサイガ-0のような重戦士には辛い状況だろう。
「うわっ!?今度は緑……!?」
クターニッドが掲げたひび割れた目玉模様の杯から緑色の光が放たれ……世界の色が反転する。
「うわ気持ち悪い……」
ステータスを確認、異常なし。体を確認、性別は反転したまま……
「色調反転か……まあ、慣れればいいだけだなこれは」
残り二つの杯の効果はなんだろうか?視界が上下反転とかは酔うから止めて欲しいのだが……
「予定通り聖杯をブチ壊すとして、まずは性別反転の聖杯を狙うってのはどうだ!?」
サンラクの提案はこのままだと動きづらいから真っ先に性別反転を破壊したいとのこと。
俺としては残る二つの反転が何かわからないので、何かされる前にどちらかを破壊したいところなのだが、クターニッドは知能高そうだし、破壊される前に優先して使って来たりしそうなんだよな。
だとするとやっぱり性別反転から破壊するのがベターか?
「その……!!反転効果は聖杯の光を浴びる事で起こりましたよね……!!壊してしまったら元に戻れない可能性とかないんでしょうか!?」
……なんだろう。シャンフロの運営ならギリやりそうな気がする。
「あーもうわからん!!とりあえずぶん殴る!!」
「ぶんぶん丸さんが思考を放棄した!?」
戻れなくなったらその時はその時!一生視界反転は勘弁してほしいけど、流石に一回死ねば戻るだろ多分!
「「
再びクターニッドの杯が……何色だアレ?反転しててわからん。
「……?何か変わった?」
確かに光ったと思うのだが、変化がわからない。見た目の変化ではないのか?
「剛弓の弦が引けない……!?」
「……え!?使用不可……!?」
ルストとサイガ-0が突然武器を動かせなくなってしまったようで、その場で硬直してしまう。
なんなんだ、何が反転したんだ?
クターニッドの触腕がサイガ-0に迫るが、それをサンラクが生身で受け止める。
サンラクはかなり耐久を捨てている軽戦士だから幸運があってもかなり危険な行為だと思うのだが……見た感じ結構余裕をもって耐えられているように見える。
もしやプレイヤー同士でステータスが入れ替えられているとか?いや、だとしたら俺が変化していないのはおかしい。となると……
「何かと何かのステータスが反転している……!?」
だとしたら納得がいく。俺のステータスはMPとSTM以外全部10だから入れ替わっても変化が無いのだ。
「反転した能力は「
なるほど、その二つが入れ替わったことで装備条件を満たせなくなったから二人は硬直してしまったのか。
しかしこれはかなりマズいぞ。今回は俺にとって何でもない数値が入れ替わったからいいものの、俺のビルドはSTMが入れ替わった瞬間破綻するし、万が一HPと入れ替わろうものなら呪いで即死する。反転が解除されたら真っ先にあれを破壊しなくてはならない。
「削らせてもらうぞ!」
重力を操作し、空へ落下する。
ルストとモルドが地上から攻撃し、サンラクとサイガ-0と秋津茜がクターニッドの体を登っていくのならば、俺は上から攻撃させてもらおう。
「せいやぁーっ!!」
これは本当にいいものだ。地上に戻ったらもっと琥珀ガチャをしないとな!
上からぶっ叩いたことで十字架のような模様の杯が触腕ごと地面に叩きつけられる。
なんか正直言ってこの形態のクターニッドはウェザエモンやリュカオーンのような強さをそこまで感じない。となればまだまだ形態変化がありそうな気がする。
向こうでサンラクが飛んだり跳ねたりしながら一瞬で鎧を着たり脱いだりと面白い動きをしている。
俺も別のゲームでやったことあるなアレ。そのゲームは基本的に軽装が強いゲームなのだが、敵が必殺技を使う瞬間に最速でメニュー操作をして一瞬だけ重すぎてまともに動けないけど防御力が最強のネタ防具を着て必殺技を弾く「着衣パリィ」がオンライン対戦の基本技術となっている。達人同士の勝負だと高速で着たり脱いだりを繰り返すことでディレイ不可のモーションを疑似的に遅らせて着衣パリィをミスらせる「着衣フェイント」とか逆に着込んだ状態から突然脱ぐことで加速して相手を惑わす「脱衣ブースト」、短剣の刺突モーションを繰り出した瞬間に特大剣に持ち替えてリーチを伸ばす「錯覚」などのテクニックがある。
そのゲームでは左手はメニュー操作のために何も持たないのが基本であり、盾が一部のテクニックで一瞬取り出す使い方以外産廃扱いされていたので俺は両手に盾、全身重装備のスタイルでオンラインに潜っていたが、流石にボコボコにされたのを覚えている。
次はどの聖杯を……あ、また光った。
「……お?」
世界の色が元に戻っている……どうやら今のは緑の光だったようだ。
「今ので「聖杯の反転は複数回発動可能」。加えて「二度発動する事で反転が元に戻る」と判明したね!」
「これで狙う聖杯が決まった!」
また色調が反転する前に破壊するべく、全員の攻撃が目玉模様の杯に集中する。
流石に全員で同時に殴りかかっても邪魔になるだろう。俺はこのままこの十字架模様の聖杯を攻撃し続ける。
「反転される前にぶっ壊してやる……!」
激しく荒ぶる触腕を避けながら杯が振り回される先へと回り、鉄鞭を叩きつける。
いいぞ、もう少しでこっちも破壊できそうだ。
視界の端で目玉模様の聖杯がサンラクとサイガ-0の攻撃によって破壊されたのが見えた。
どうやら破壊した時の追加効果などは無いようだ。ならこのまま思いっきりぶっ壊してやる!
「使わせねぇよ!!」
クターニッドが杯を掲げるのを触腕を地面に叩きつけることで防ぎ、「如意自在」を発動して滅多打ちにする。
僅かに紫色の光が漏れ出しているその聖杯からなぜかはよくわからないが猛烈に嫌な予感がしているのだ。発動はさせない!!
殴る殴る殴る!!スタミナを全部突っ込め!!腕が千切れても構わん!!!
「砕け散れぇええええッ!!!」
バキャァン!!!
俺の右腕と一緒に杯が粉々に砕け散る。杯から紫色の光が放たれるよりも先に、鉄鞭がその十字架を打ち砕いたのだ。
「いよっしゃあ!!使われる前に壊してやったぞ!!!」
「ナイスだぶんぶん丸氏!!」
「腕!腕が捥げてるよ!!?」
「大丈夫です。直ぐに生えます」
「生えるの!?」
「……プラナリア?」
流石にバラバラにされたら死ぬかな。
クターニッド「紫の聖杯使ったらあいつ即死するじゃん……楽しませてもらったし、ちょっとだけ発動遅らせるか」
運営もサーバーも想定していなかったHP初期値超再生ビルドのプレイヤーが乗り込んできてしまったことで困惑しているクターニッド。回復とダメージの反転をした瞬間HPが消し飛ぶのがあまりにもかわいそうなのでちょっとだけサービスしてあげたらちゃんと発動前に聖杯を破壊してくれて内心ホッとしている
これまでの頑張り込みでのサービスなので、NPCのイベントとか放置したり深海のヤバいモンスターと戦って歴戦値稼いだりしていないと容赦なく反転で瞬殺されていた
遊戯王やってるとフィロジオ書きたくなってくるけど出番はまだまだ先なので妄想だけしている
因みに主人公のデッキは超先攻番長のクソデッキです
フィロジオのルールがあんまりわからないので遊戯王のルールを交えながら例えると、デジタル(?)カードゲーム特有の豪快な効果を持つエースがメインのデッキで、ランダムにお互いのデッキ、手札、フィールドのモンスターとエリアを毎ターン複数枚破壊する効果(ターン経過で最大、最小破壊枚数がどんどん増える)+破壊数、カウンター数に応じてステータスが増加する効果+ターン経過でお互いのプレイヤーに直接カウンターが乗って、お互いのデッキに勝手に追加されるカードを駆使して自分のカウンターを処理しないとやがてプレイヤーが死ぬ特殊敗北効果+墓地に触れるだけでそのプレイヤーのカウンターがどんどん増える効果+破壊したモンスターの数だけお互いのデッキに引いたら強制発動してカウンターが増えるだけのゴミを送り付ける効果+除去しようとすると一時的に除外ゾーンに逃げるしそもそも条件を満たさないと除去不可能な耐性を持つエースを先攻でまだデッキにゴミが無くてキーカードも残っている状態でデッキをぶん回して場に出して、1ターン目から相手のデッキを粉々にして機能不全に陥らせつつ自分は悠々とカウンターを減らしながらデッキから勝手に飛び出す壁で身を固めて相手が死ぬのを眺めます。対戦ありがとうございました!
Q.なんだそのインチキモンスターは?
A.かなり出しづらい&デッキ、手札にいる間は自分のデッキ、手札、フィールド、自分自身にだけ効果が及んで自滅してしまうのでそこでバランスを取っている……と思いきや、完全に先攻に特化させると1ターン目から出てきちゃう上に一定数の破壊に反応してデッキから飛び出す上に破壊耐性もある壁として優秀なとあるモンスターとのシナジーがイカれている。禁止にしろこんなの
Q.先攻取れなかったらどうするんですか?
A.フィロジオでは声がデカい方が先攻ですよ?ジェネレーション!