シャングリラ・フロンティア~コミュ障ゲーマー、スタミナ全振りで神ゲーに挑まんとす~ 作:葛饅頭
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「ト……ペンちゃんは口が上手いからねぇ、こういう時は口出しせずに黙っていれば大体上手くいくよ」(小声)
そうリーダーが言うだけあって一度ペンシルゴンにターンが渡ると止まらない。
サイガ-100が旅狼とニトロ製薬にユニークモンスターの情報を渡せと要求したがそれを突っ撥ねる。
それに黒狼側が迂闊に反論した瞬間、それに華麗なカウンターを決めてまだ口が回り続ける。
会話の主導権も精神的な優位性も全てペンシルゴンに握られていると言っていいだろう。
サイガ-100はその危険性を理解して言葉を選んでいるようだが、正論で煽りまくるペンシルゴンに他の若そうな黒狼メンバーが耐えられずに口出ししてしまう。
サイガ-100が頼むから余計なこと言わないでくれって表情をしている。会社の上司が余計なことを思いついた時、同僚がみんなこんな顔になっているからよくわかる。
このまま俺の出番がないまま終わってくれたらいいのだが、どうなるかな……
「リーダー、ここは僕に任せてもらえませんか?」
その時、そう言ってドヤ顔で前に出てきた一人の黒狼メンバーがいた。
この状況で出てくるとは、それだけの自信があるのだろうか?
「あれ誰なんですか?」(小声)
「黒狼のサブリーダーのリベリ……ウス?リベリアスだっけ?まあ何でもいいや。アレが今回のターゲット、強硬派のトップだね。あれを
黒狼のサブリーダーで強硬派のトップか。しかしこれはなんというか……
「単刀直入に言わせてもらいますが、十人にも満たない弱小クランと錬金術師しかいない数だけのクランにユニークモンスターは荷が重すぎると思うんですよ」
サンラクとオイカッツォとリーダーが必死に笑いを堪えている。
リーダーはいつも笑顔だが、今は思いっきり肩が揺れている。よく見れば京極も耳が揺れている。
狙い通りに事が運んで必死に笑いを堪えている四人に向こうは気がついていないのか、そのままペラペラと喋り続ける。
「だが我々なら違う。強力な装備、潤沢なアイテム、重要なNPCとの繋がりもある……貴方々のような弱小……おっと失礼、実力の足りないクランに任せるには、ねぇ……」
うん。いるよねこういうの!
MMOはこういうタイプの人間とも関わらないといけないから嫌なんだ。幕末や鯖癌ならぶっ殺すだけでいいんだけどね……
恐らくリュカオーンを倒すために頑張っていたら結果としてガチ勢クランになったのであろう黒狼だが、このリベ何とかはガチ勢クランであることに比重を置きすぎている。
リュカオーンを倒すだけなら別に大人数である必要はないのは俺達が証明している。いくら強くても戦力ダウンとなっても、こんなのが自分のクランにいて問題児を集めて団結していたら分離させたいと思うだろうな。
「我々「黒狼」に情報を差し出してくれるのであれば、旅狼を合併することもやぶさかでは……」
「んー、リベリ
「リベリ
「お前達黒狼が規模のでかいクランだってのは分かったが、じゃあ尚更今まで何してたんだ?」
「……今まで何を、とは?」
リベ何とかの話を遮り、ここからはサンラクのターンだ。
「それだけの実力があってなんで一体もユニークモンスターを倒せてないんだ、って聞いてんだよボケ」
「……あ?」
ユニークモンスターを倒せた弱小クランがユニークモンスターを倒せていなかったガチ勢クランを真っ当な疑問でぶん殴り、あの手この手でリベ何とかを煽ってゆく。
「ねぇねぇ教えてくださいよぉ? ユニークシナリオEXの存在すらつい最近まで知らなかったトップクラン様が今までなにしてたのかぁ、是非とも聞きたいんだけどなぁー?」
「………っ!」
「教えてくれよぉ。強力な装備ぃ? 潤沢なアイテムぅ?重要なNPCとの繋がりもあってぇ……貴方々のような強豪……おっと失礼、実力が足りてるクランなのに、ねぇ……」
……煽りのレパートリー豊富だなあいつら。普段からこういうことやっているのだろうか?
このまま行けば間違いなくリベ何とかはキレる。そうなったらこっちのもの……俺はもう何もしなくても良さそうだな。
「そうだ! 我々旅狼のパシリになるってことなら、黒狼を合併することもやぶさかではないかなぁぁぁ?」
その発言がトドメとなったようで、リベ何とかの何かがキレた。
「生意気な事を……言ってんじゃねーぞ雑魚風情がぁ!」
ビックリするくらい三下っぽいセリフを吐いてブチギレるリベ何とか。
あーあーサンラクに掴みかかろうとして空振っている……冷静さを完全に失ったようだ。
「お前達程度、こっちは何時でも切る事が出来るんだぞ……!」
「成る程、じゃあ同盟切っちゃおっか」
そのワードを待っていたかのようにペンシルゴンが口を開く。
実際待っていたのだろう。リーダーからのメールにそう書いてあったし。
「は、ははっ! 良いんですか? 同盟を破棄するという事は即ち「ライブラリ」「SF-Zoo」とも同盟を破棄するという事! 貴方々が得ていた恩恵を全て捨てることになりますよ?」
「あ、その件について
「ありまーす!」
ペンシルゴンの指パッチンの音を合図に黒狼館の扉が開かれ、外で待機していた四人のプレイヤー達が入ってくる。
一人は……フリフリの衣装の魔法少女?
一人はなぜか表情が死んでいる剣士。
一人は気まずそうな表情の魔法使い……呪術師だったっけ?
一人は神々しさのある女騎士。
あんまり共通点の無さそうな人達だが、この人達の共通点はリーダー曰くそれぞれがクランのトップかそれに近しい身分であるということ。
それだけのメンバーが集まって何をするのかといえば……
「改めて私達「旅狼」と「ニトロ製薬」は「黒狼」に通告するよ。私達はこれまでの「五クラン同盟」を破棄し、新たに「聖盾輝士団」「午後十時軍」を加えた「七クラン同盟」を結ぼうと考えているわけだけども……あえてリベリ
「鬼かな?」
「魔王だろ」
「悪鬼羅刹の類ではあるよね」
「えげつねぇ……」
「ペンシルゴンちゃんそういうとこあるよね」
絶句するリベ何とか。
俺は詳しく知らないが、新たに加わる聖盾輝士団と午後十時軍というクランはどちらも凄いクランらしい。
「ははは……どうも、カローシスUQです。一応クラン「午後十時軍」のリーダーを務めています」
「キョージュ、まぁご存知の通りだろうが「ライブラリ」のクランリーダーだ」
「あー、ウチのリーダーが今ちょっと……ええと、武者修行の旅的な事してるので代理で来ました「SF-Zoo」のサブリーダー、ヴェットです」
「あー……まぁロールプレイはいらないか、「聖盾輝士団」で
あの魔法少女、中身は男性か。ビックリするくらい声が渋い。
あ、やばいこっちを見ている。明らかに燃えている頭に興味津々といった目付きだ。
「んふふふふ……私達は「旅狼」を盟主とした新しい同盟を作らんとしている、同盟の条件としては色々考えた結果こんな感じでね」
ペンシルゴンの長々とした話を要約すると、『ユニークモンスターの情報が欲しかったら金を払ってね。でも言いたくない情報は言わないよ』くらいのものなのだが、ただざっと聞いただけだと旅狼とニトロ製薬が圧倒的に有利に聞こえるようにペンシルゴンが話術で撹乱しているのだ。詐欺の手口かな?
「私個人としては参加するべきだと思う」
「っはぁ!? 何言ってるんですかリーダー! こんな条件、ウチに全く利が無いじゃないですか!」
リベ何とかは見事に引っかかったようで、参加すべきと言うサイガ-100の発言に反対する。
穏健派と強硬派の意見がはっきりと分かれ、亀裂が大きくなっているのが俺にもわかる。ペンシルゴンこえー……
「……はぁ。同盟の件への返答は暫く待ってもらって構わないか?」
「構わないよ」
「では最後に……愚妹、もといサイガ-0が「旅狼」に移籍を希望している件についてだ」
あの二人、姉妹関係だったか。
まあ移籍に関しては別に無断でしたところで違法ではないし、現実のプロスポーツみたいにルールだの契約だのがあるわけでもないだろうし、止めることはできないだろう。
だとすればここで話す内容はどういう条件でならクランメンバーがその移籍に納得するかとなる。
「……そだね、友人の友人とかぶっちゃけ他人だしぃ? まぁそれなら私をムショにぶち込んだプレイヤーなら他人よりは一段上だよねぇ」
「そうか……では「黒狼」としてはサイガ-0にはこれまで彼女の育成にクランがかけた金額+消費した
あっさりと決まった。まあ妥当な条件だろう。
しかし、廃人を一人育成するのにかかるお金ってどのくらいなんだろうか?
「……納得いかない、あいつらは「黒狼」をナメてる! そうでしょう!」
おっとここで沈黙していたリベ何とかに火が付いた!
「落ち着けリベリオス」
「だっておかしいでしょ! サイガ-0はシャンフロ最高クラスのプレイヤーですよ!? それをただ金を払うだけで
ガチ勢クランの最高戦力の一人であったとしても、サイガ-0は一人のプレイヤーでシャンフロを楽しむ者だ。それを邪魔する権利はリベ何とかには存在していないのだ。
「ソ、ソウイウコトナいたぁっ!?お前覚えてろよ……ごほん、そういうことならさぁ、もういっそ代表戦みら、みたいのやって決めたら?」
ここまで静かに潜伏していたオイカッツォの棒読みな提案がリベ何とかの目の前に釣り餌のように垂らされる。
そのあまりにも棒読みなセリフはサンラクのツッコミが入るレベルで裏の意図がスケスケだが、冷静さを失ったリベ何とかは……
「代表戦?」
釣れた。リベ何とかくんの将来が不安になってきたぞ。中身大人かもしれないけどさ。
そこからはペンシルゴンがリベ何とかを丸め込み、代表選のルールや日程などがトントン拍子まとめられていく。
「旅狼」&「ニトロ製薬」対「黒狼」の代表戦。
勝てば理不尽な要望を全て通せるという一見ハイリスクハイリターンに思えるルールだが、何か策があるんだろうか?
日時は一週間後の夜、五対五の勝ち抜き戦形式で行われると……
「これってニトロ製薬からは誰か出場するんですか?」(小声)
(無言の笑顔で肩に手を乗せられる)
(首を傾けて肩に乗せた手を頭の炎で焼く)
「あっつ!?だってうちのクランで一番強いの君なんだもん。タイマンだと錬金術師って接近されたら負けだし、こっちから一名も出さないわけにはいかないからねぇ……」
リーダー曰く、秘策があるから大将、つまり勝ち抜き戦の一番最後に置かれることになる俺に順番が回って来る前に終わるはずとのこと。俺が知らない間に選出順まで決められている……
因みにその秘策とは、黒狼のトップと裏で繋がっているから向こうの選出を事前に把握して対策を立てられるそうだ。酷い話だ……
主人公、ほぼ座っているだけ!
何もする必要が無いと判断したらマジで何もしない主人公。主人公としてそれはどうなのか
ニトロ製薬は団員の数は多いけどほぼ全員生産職なので戦闘ではバランスが悪く、攻略は苦手。
ただ後先考えないで最高レベルのポーションや爆薬を錬成して数の暴力で投擲しまくれば瞬間的にシャンフロ内でもトップクラスの殲滅力を発揮する集団だったりする。
一応新素材を求めて外部のプレイヤーと協力して攻略最前線での活動を行っている団員もおり、現地調達した材料で特殊な忍具を錬成して戦うアルケミストニンジャとかモンスターから採取した素材を錬成してエキスを取り出し、それで自身をドーピングしまくってモンスターを生身で締め上げるアルケミストグラップラーとかがいる。でも闘技場でタイマンだと強みを活かしきれない
この二次創作小説はなんか全振り主人公をオリジナルのエクゾーディナリーとか真なる竜種とかと戦わせたいなーって物凄くぼんやりとしたアイデアだけで書き始めてプロットすら存在していなかったので、ここまでほぼライブ感で書いてきたしこれからもライブ感で書いていきます
数話先の展開が自分でも予測できないし、思い付きで予定をガッツリ変更しまくるので頻繁にストーリーを考え直しになったりしています
なんなら主人公が呪いの武器を使い始めたのもその時突然思いついたアイデアで、本当はワイバーンゾンビの顎のアクセサリーで呪いブレス程度の予定だったし、ニトロ製薬入りも突然決まったし、呪啓者ギルドなんて全く考えていなかったし、なんか急に幼馴染が生えてきたし、呪啓者の最上位職をまだ思いついていないのに最上位職へのユニークシナリオを始めるし、突然謎の二つ名モンスターが出てくる上に戦闘中に設定が二転三転して急にオリジナルブリューナクが出てきちゃうし、真なる竜種の登場が前倒しになるし、リバースにしようと思っていたのがなんかリビルドになっちゃったし……うーんこのライブ感