シャングリラ・フロンティア~コミュ障ゲーマー、スタミナ全振りで神ゲーに挑まんとす~   作:葛饅頭

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感想を読むと小説を書く気力がどんどん湧き上がってきます。その気力で続きを書けばまた感想が来る……永久機関!

後書きに感謝の設定ゲロを置いておきますね。ゲロォ……


暴徒と法

黒き死に捧ぐ嘆き(レクィエスカト・イン・パーケ)!」

 

 一旦海に潜って降り注ぐ魔法と矢を凌ぎながら防具を適当に用意した耐久力重視の分厚い鎧に変更し、レクィエスカト・イン・パーケを即展開する。

 鎧が弾け飛び、見た目は薄っぺらいが大鎧に匹敵する耐久力を持つ漆黒のアオザイを身に纏ってから海から飛び上がる。

 

「殲滅だ!」

 

 先ずは兎に角数を減らす。ファントムを十本纏めて展開し、それぞれを別々の船へと飛ばす。

 相手は恐らくアンデッド。血も流れていないし呪いも病も効果は薄いだろうが、一体一体がレベル99以上ということはないだろう。

 

「忘れがちだけど格下への即死効果があるんだよなこれ」

 

 格下相手だと大体即死が決まる前に相手が死ぬからな。でもこれだけ数がいるのなら……

 

ドドドドドドドドドッ!!!

 

 ファントムが次々と骸骨の海賊共を貫いてもなお減速することなく、船の上で暴れ回る。

 一撃で倒れる程脆くはないようだが、自分より低いレベルへの即死効果が発動した骸骨は突然痙攣してその場で崩れ落ちて消滅する。

 

 そして相手が死ねば死ぬほどレクィエスカト・イン・パーケの性能が向上する。

 もうデスペナルティを遥かに上回るステータス補正に加えて、ファントムの操作で消費されるMPを上回るMP回復を得られている。雑魚をいくら揃えても今の俺には養分にしかならない。

 

「俺も暴れさせてもらおうか。ルインヴァル!」

 

 直接船に乗り込み、手に何も握っていない状態で棒状の物を振り回すイメージをしつつ体を回し、その途中で俺の手の内にルインヴァルが存在すると念じる。

 僅かなタイムラグの後、俺の手の中で実体化した十メートル以上の長さのルインヴァルが押し寄せる骸骨共をその圧倒的質量で纏めて薙ぎ倒した。

 

 船に乗り込んでも奴らは船の損害を考慮していないのか船内からも船外からも次々と魔法と矢が撃ち込まれる。

 魔法はその殆どが水の魔法のようで、海から続々と立ち上る水の柱からウォーターカッターの如く高圧の水が放たれる。

 

 流石に攻撃の密度がヤバすぎる。集中狙いして一隻ずつ沈めるべきか。

 マジックスクロールを使えば早そうだが、こいつら相手に一つ一千万以上するマジックスクロールを使うのはな……地道に潰していくか。

 

「「バリスティック・ピアス」!」

 

 スタミナを消費してチャージ、そしてチャージした分だけ射程が伸びてダメージボーナスが入る刺突攻撃スキルを隣の船の船体に向けて繰り出す。

 ルインヴァルから放たれた黒と黄金の螺旋状のエフェクトが邪魔な骸骨を纏めて削り飛ばして直進し、船体に着弾してそのまま抉り貫く。

 

 船体に巨大な穴が空き、そこから海水が流れ込んで船が傾いてゆく。

 骸骨共は海に落ちても浮いてきてしまうようだが、泳ぎが得意というわけでもないようで、ファントムで楽に処理できる。

 

 攻撃の後隙に敵の遠距離攻撃が殺到するが、MPが猛烈な勢いで回復し続けているので水晶バリアも使い放題だ。物理的に回避不可能な密度の攻撃も水晶を食べ続ける限り全て弾ける。

 装備間のシナジーによって実質タンクと化した状態のまま船から船へと飛び移り、ルインヴァルをグルグルと振り回して骸骨を薙ぎ払い、バリスタやマストを粉砕してゆく。

 

「いやしかし、とんでもない数だな……!?」

 

 こうしている間にも次々と空から船が降って来る。

 そしてその全ての船に骸骨がみっちりと詰まっているのだ。もしかしてこれ無限湧きなのでは?

 

「こいつらを纏める船長を倒さなきゃ終わらないとか……ありそうだな」

 

 となると怪しいのは一番最初に落ちてきた一番大きな帆船だ。

 爆弾を撒き散らしながら船から船へと飛び移り、最後に一番大きな船の甲板へと飛び移る。

 

 一番大きな船なだけあって骸骨の数もかなり多いし、持っている武器も少し立派に見える。

 しかし多少強くても雑魚は雑魚だ。こいつら一体一体がレベル99なんてことはないはずだ。

 

「来い、ファントム!」

 

 十本のファントムを集結させ、その内一本を手に取り、残りを横一列に並べる。

 船の上という限られた空間でこいつらはこれに対処できるかな?

 

「「鳥の舞【目白押】」!一匹残らず粉微塵にしてやるよ!」

 

 俺が剣を振るえば、それに合わせて横一列に並んだファントムも同じ動きをする。

 そのまま激しく舞いながら少しずつ前進すると、ファントムも一緒に前進する。

 

 この舞は効果時間中、俺の動きと、同じ舞を習得している仲間、もしくは浮いている武器の動きが連動するというもの。

 攻撃スキルなどもそのモーションは連動するので、「如意自在」と組み合わせることでこのように超広範囲を殲滅することも可能になる。

 

 飛んでくる魔法と矢を弾き落としながら後退る骸骨共を切り刻む。

 逃げ場は無く、防ぐ方法も無い死の行進だ。

 

 逃げようとして仲間同士で押し合いになって海に落ちる骸骨もいれば、果敢に挑んで細切れになる骸骨もいる。アンデッドも死に恐怖するんだな。

 船の中へと逃げ込もうと出入り口に殺到する骸骨共を纏めてぶった切ってやろうとしたその時、船の中から激しい爆発音と共に爆炎とバラバラになった骸骨が噴き出してくる。

 

 骸骨共が後退り、道を開ける。

 煙の中からゆっくりと歩いて姿を現したのはボロボロではあるが周りの骸骨と比べても立派な服で身を包み、骨だけの体を無数の黄金の装飾品で飾っている背の高い骸骨。

 生前は魔法剣士だったのか、右手にカトラス、左手に短杖を持ち、三角帽子と髑髏が描かれた眼帯がいかにも私が海賊船の船長ですと宣言しているかのようだ。

 

「流石にボスは即死耐性ありそうだな……力押しで行こうか」

 

 「墓守呪業【馬修羅埴(ヴァジュラパーニ)】」を発動。影で身を包み、巨大なケンタウロスへと姿を変える。

 仮にこいつがレベル100越えだろうと、元が人間ならウェザエモンのようなぶっ飛んだ耐性がなければそうタフでは無い筈だ。

 

「すぅー……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!

 

 群がる骸骨共へ向けて咆哮すれば、近い奴から順にバラバラに弾け飛んで行く。

 骸骨船長も硬直が入ったのか動きが止まる。その隙に最大サイズのルインヴァルを振り下ろして叩き潰した。

 

「むっ……耐えた?」

 

 確かに粉々に粉砕してやったと思ったのだが、激しい爆発によってルインヴァルが跳ね上げられ、黒煙の中から煤だらけになった骸骨船長が飛び出してくる。

 シンプルにタフなのか何か特殊な耐性持ち?まあ完全に無敵とかじゃなければ何でもいい。死ぬまでボコボコにしてやる!

 

 この骸骨船長、多分普通にタイマンしてもかなり強いのだろう。

 嵐で揺れ、雨で滑る甲板の上で身軽に飛び回りながら触れたらダメージを受ける水の魔法を設置し、こちらの行動を制限してくる。

 その上で周囲の骸骨共の支援砲撃の邪魔にならないように立ち回っており、実際さっきから俺は回避が間に合わずにどんどん被弾してしまっている。

 

 だがしかし、結局は雑魚の群れ。

 結果的にだが対集団と格下狩りに特化したビルドになっている俺の敵ではない。

 

「小賢しい!」

 

 馬の蹄で包囲網を強引に踏み抜き、タックルで魔法諸共骸骨共を薙ぎ倒し、柱の如く巨大なルインヴァルを振り回して船の甲板の一部ごと骸骨船長を吹き飛ばす。

 

 どういう原理なのか骸骨船長はバラバラにされても即座にくっついて復活してしまう。

 魔法で空中に足場を作り、それに乗って別の船へと飛び移った船長がカトラスを振るう。

 

 それは骸骨共への合図だったのか、突然船の周囲に凄まじい高波が……いや、この船の位置が下がっているのか!

 

「船ごと沈める気か!」

 

 上向きの重力を発生させ、スキルを重ねて全力で跳躍。

 レクィエスカト・イン・パーケの補正も合わせて今の俺はスタミナ以外も化け物ステータスと化しているのだ。

 

 迫り来る水の壁が閉じるよりも速く海面よりも上へと飛び上がり、「自由の旅神(トラブル・トラベラー)」を発動して骸骨船長を追いかける。

 「自由の旅神(トラブル・トラベラー)」はスタミナ消費は非常に激しいが、スタミナを消費し続けている間空中を足場にできるスキルだ。ただし被弾でバランスを崩すと一気にスタミナが消費される欠点もある。しかし今の俺なら多少の被弾で怯むことは無い!

 

「どっせぇええええいっ!!!」

 

 ルインヴァルを船体に突き刺し、走る勢いそのままに押し込めば船が横に大きく傾く。

 その船の骸骨共が纏めて海へと落ちてゆき、ファントムがそれを刈り取る。

 

 骸骨船長がまた別の船へと飛び移りながら骸骨共に何か命令を出しているように見える。

 

「ちょこまかと……!」

 

 そろそろ【馬修羅埴(ヴァジュラパーニ)】の効果時間が切れるので「多津一声(ラストワード)」を発動して周囲の骸骨共を怯ませて魔法を中断させつつ再び海の中へ。

 

「【魔勁修羅(マヘーシュヴァラ)】!そして……【龍王法(ドラゴニック・ロウ)】!」

 

 ジークヴルムと戦った後、【対焼滅】も再習得してみようとしたら別の進化先が出現していた。それがこの【龍王法(ドラゴニック・ロウ)】である。

 バフ効果と実質的な味方を巻き込まない効果は消えているが、その代わりにより高出力となった黄金のブレスで敵を魔力ごと滅するスキルとなっている。

 

 龍の姿になってブレスをチャージしながら船の下に潜り込み、下から船底へと灼熱の黄金を解き放つ。

 凄まじい熱量によって周囲の海水を一瞬で蒸発させながら熱線は船底へと直進し、そのまま船を貫いて風穴を空けた。

 

 これだけで終わりではない。そのまま熱線で薙ぎ払うように首を動かし、頭上に浮かぶ船の底に次々と穴を空けて沈めてゆく。

 上では剣が暴れ回り、下では龍が船底に穴を空けて回るクソゲーを相手に押し付け続ける。

 

 というかここまでやってもまだまだ追加の船が降ってきて数が全然減らないんだけどやっぱり無限湧きなんじゃないかこれ?

 それとも嵐の間はずっと湧き続けるとか?わからん。情報が少なすぎる。

 

 やっぱりこれ数十人で戦闘用の船で挑まなきゃいけないイベントなんじゃないかな……でもここまで来たらやってやろうじゃないかソロ攻略!




シャンフロ単行本22巻を読みました
京ティメットがイケメンでした
エフュールの背が想像していたよりも高かった。三頭身ウサギと二頭身ウサギの境目はどのあたりなのだろうか?12巻を見返してみたらアイトゥイルも三頭身でしたわ

「鳥の舞【目白押】」……スキル版【影絵三役】のような技。MPを使わないし本数に縛りも無いので強力だが、舞を維持する必要があるので動きが結構制限される
攻撃スキルと合わせてもダメージ倍率や特殊効果までは反映されないが、それでも普通に凶悪な性能をしている舞。なぜかアタランテは剣聖でもないのにこれを一人で実行可能、師匠それどうやって浮かせているんですか?


龍王法(ドラゴニック・ロウ)】……【対焼滅】からの分岐進化。【英雄律】の対となるもう一つのスキル
分岐条件はジークヴルムとの戦闘で野生値をある程度稼ぐこと。英雄律の方は何でもいいので歴戦値を稼ぐことが条件
このスキルは英雄律とは違いシンプルな超火力ブレス攻撃であり、普通に味方を巻き込む
ジークヴルムのブレスと同じくある程度のスキル、魔法、耐性貫通に加えて相手のMPも削る殺意の塊


骸骨船長……昔は旧大陸の近海で見た目通り海賊をやっていた。フィフティシアや王城の図書館で調査を行うとどんなやつだったのか判明する
金銀財宝が大好き。特にその中でも常に右腕に巻き付けている黄金に輝くロープがお気に入りだったらしく、海賊旗にもこのロープが描かれているほど

しかし彼と彼が率いる海賊団の最期はハッキリとしておらず、彼らがどのような末路を迎えたのかはどれだけ調べても謎のままとなっている


ここから先は感想200件記念のちょっとしたゲロです(ネタバレ注意)






























女帝蜘蛛の七城壁盾(ダン・スカー・ガルガンチュラ)
タワーシールド……?
フォルトレス・ガルガンチュラの装甲殻を磨き上げ、アロンカレス瑠璃硬晶と金色鉄鉱の合金でコーティング。その上にまた殻を重ねて磨き……それを繰り返して完成したものがこちらとなります
三つの素材の色が何層にも重なった結果、黒く、暗く、しかし真珠のように美しい光沢を持つ盾となった
フォルトレス・ガルガンチュラの蜘蛛糸のような液状の分泌物を体表に薄く広げ、それを何重にも重ねることで堅牢さを得るというその生態から、重ねた分だけ物理的な衝撃への抵抗力を増すようになる特性を持つフォルトレス・ガルガンチュラの殻。圧倒的な魔法抵抗力を持つコーティング剤の覇王、アロンカレス瑠璃硬晶。傷や摩耗、腐食などにめっぽう強い価値の輝き、金色鉄鉱。全部合わせて盾にすれば最強じゃん。分厚くすれば無敵じゃん。よし作ろう。ムンクさんお願いします
そして出来上がってしまったそれは盾と言うにはあまりにも大きくぶ厚く重く……城の壁の一部を切り取って盾と言い張っているかのような盾になってしまった
巨人族でもドン引きする重さで、当然その他の種族にも扱えるものではない

要求されるステータスはSTR2100、TEC70、VIT700。これでも一応盾なので片手で持つもの
フォルトレス・ガルガンチュラの素材を多量に用いた装備の特性として、用いた素材の量に応じて重量が増し、その分要求ステータスも増加する。しかしそれと同時にステータスが不足していても装備が可能となっている
だが当然STRが要求値よりも低すぎると持ち上げることすらできないし、倒れて来たら潰れて死ぬ。無理して持ち上げるとスタミナが消し飛ぶし、肉体のVITが足りていないと持ち上げるだけで体が重さに耐えきれずにダメージを受けることになる
この盾の下部の縁は鋭くなっており、いざという時にインベントリから取り出して地面に突き刺せば即席の壁となる。重すぎてインベントリから取り出すだけでも勝手に地面に突き刺さって設置完了となるので割と実用的。片手が空いていれば盾スキルで強化も可能……インベントリが物凄く圧迫されることになるが
うっかりこれを足の上に落としてしまうと……

これをきちんと盾として扱える者がいるのであれば、この盾はその堅牢さで全てを防ぎ止め、その質量で全てを打ち砕く無敵の盾として一つの伝説となり得るだろう
システム的には物理攻撃完全耐性。魔法攻撃超耐性+残りの耐久値に応じた耐性補正。あらゆる衝撃に対して超耐性。魔法的干渉の遮断などの大盾として最高峰の性能に加えて、装備条件を満たしている場合、シールドバッシュ時に強烈なノックバック効果を持つ衝撃波を発生させる効果を持つ

筋力極振りのプレイヤーがバフを重ねまくってようやく一瞬だけ使えるような代物だが……?
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