サイキョー転生! 〜10人分の軌跡のお話〜 作:堕落と強欲の権化
魔王になった理由?……世界の全ての命を救うためさ。
ポロン、ポロン、ポロン__。
この世界には無い、ピアノの音が響く。
ミレ「それ、なんて楽器?」
友達が問う。
俺「ピアノって楽器さ」
俺は答える。
ミレ「ふーん、聞いたことの無い楽器」
俺「パイプオルガンって知ってるか?」
ミレ「それを改造したの?」
俺「いや、進化したものを再現したのさ、この魔法で」
自慢げに魔法を放つ。
ミレ「魔法を部屋で使うな」
俺「ごめんなさい」
ミレ「もうっ」
俺の名前は「リュート・ロワルド」。5歳!
……とか言って、バカのフリをしてるが、実は、俺にはとある称号がある。
『魔王の素質を持つもの』、だ。
まあ、だからなんだって感じだな。
母「ねえリュート、エリック知らない?」
俺「エリックー?」
エリックは俺と同じく異世界転生したらしい。そして俺の弟である。
そんな俺の弟だが、帰ってきていないそうだ。
ミレ「どうしたのかな?」
俺「さあ、な」
……その後、いくら待ってもエリックは帰って来なかった。
__3年後、リュートのいる村__
俺「行ってきまーす!」
父「明日、なるべく早めに帰ってくるんだぞー」
俺「はーい」
今日、俺は王都に住んでいる祖父母に会いに、泊まりに行っている。馬車は王都までの道を走り、進んでいく。
馬車師「着いたぞー」
ここまでの運賃を払い、門をくぐって王都に入る。
俺「じいちゃーん!」
じいちゃん「おお、よく来たな、ええと」
俺「忘れたの?リュートだよ!」
じいちゃん「ああ!そうじゃったのお、よく来たリュートよ、お入り」
俺「うん!」
王都はとても広い。だから、探索のし甲斐がある。
夕方。
俺は、王都を見下ろせる高台に来た。
???「あら、あなた、こんなとこで何してるの?」
俺「ん、ああ。たまに王都に来るとき、ここから街の様子を見てるんだ」
???「へぇ、奇遇。私ね、ユウカっていうの。あなたは?」
俺「俺?俺はリュート。よろしく、ユウカ」
ユウカ「うん。よろしく、リュート」
しばらく彼女と話していたら、突然貴族の人が話しかけてきた。
???「あなた!庶民のくせに私の妹と話さないでもらえるかしら!?」
俺「えぇ?」
ユウカ「やめてよお姉ちゃん!」
???「そんなガキと話してないで!ほら、帰るわよ!」
ユウカ「嫌だ!勇者って、魔王を倒さなきゃでしょ!?そしたら私命がけじゃない!」
俺「(命がけ……?勇者だったのか)」
???「勇者の自覚を持ちなさい!……そしてそこの庶民!」
俺「?」
???「私は勇者の姉だから私が偉いのよ!だから庶民は私の言うことを聞きなさい!」
俺「……」
そう言い残してあいつは消えていった__。
__王都、祖父母の家__
俺「ってことがあってさー」
おばあちゃん「まあなんて酷い話!」
おじいちゃん「お前はそんな悪い奴には育つなよ」
俺「大丈夫だよおじいちゃん」
__翌日、王都正門__
俺「じゃあねおじいちゃん」
おじいちゃん「気をつけるんじゃぞ〜」
ユウカ「……なんであんたが」
俺「だって俺の家そこだし」
どうやら話を聞いていると、ユウカも8歳で、同い年だということだと知った。
馬車師「うわああああああああああああああああああああ!?」
俺「どうしました!?」
ユウカ「何があったの!?」
外を見ると__。
俺「うそ……だろ……?」
俺の故郷は魔族共に滅ぼされ、みんな跡形もなく消え去って__否、魔族に食べられていた。
俺「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
ユウカ「!?」
俺の……家族を……。友達を……みんなをッ……!
俺「返せぇぇえええええ!」
『闇魔法:魔装剣』
俺「だあああああ!」
豚「フゴッ!?」
ズバッ!
豚「プギイイイ!」
俺「てめぇら……許さねぇ……許さねぇ!」
『光魔法:神聖剣』
二刀流になり、2体同時に斬り裂く。
豚「プギャ」
豚「ブゴー!?」
ユウカ「やめなさい!あなた、自我を失って__」
俺「であああ!」
『シンマソウセイケン』
俺「でやあああ!」
豚「プギャー!?」
豚「フゴッ」
豚「ブガギャース!」
ハイオークの群れはどんどん減り、あとはハイオーク2体とオークジェネラル1体だけとなった。
ジェネラル「……ニンゲンごときが……調子ニ乗りやがって」
豚「フゴフゴ」
豚「プギ」
俺「……てめぇら許さない。地獄の果まで追いかけてやる」
ジェネラル「……プッ、ハッハッハッ、プギャーッハッハッハ!キサマのようなたかがガキ一匹がオレ様に勝テルとでも?」
俺「諦めなければ大丈夫。そして……な」
「俺が魔王になる『条件』も満たしたようだしな」
ユウカ「えっ!?」
ジェネラル「なんだと!?」
俺「……ふっ」
『魔王への進化条件が満たされました。進化しますか?』
俺「……これで、称号が魔王になるだろう」
『__確認しました。称号が「魔王の素質を持つもの」改め「魔王」へと進化しました』
俺「……ニンゲンごときがってさっき言ってたな」
ジェネラル「ああ、だからナンダ?」
俺「いや、馬鹿だなって」
ユウカ「っ!」
ジェネラル「キサマ……」
馬車師「どういう……」
豚「プギーッ!プギーッ!」
ジェネラル「まあ待て、慌てるな。……まとめてかかれっ!」
俺「はぁ……」
『音魔法:オーケストラ・レーザー』
周囲の音が1点に集中し、超音波となって合わさる。そして、レーザー状に変化して豚共に飛んでいった。
豚「フゴーッ!?」
豚「プゲーッ__」
ジェネラル「……ヤルデハナイカ。ダが__」
『身体強化・帝王級』
ジェネラル「オレ様ニ勝てるカな!?」
ユウカ「帝王級!?ダメっ!」
俺「……音の結晶__」
「__乱舞っ!」
途端、音が固まり結晶となったものが、リュートの周りを回転してスピードを上げ、そしてオークジェネラルに向かって飛んだ。
ジェネラル「っ!?バカなっ!」
俺「シねぇーーー!」
『闇魔法:魔装剣』
『光魔法:神聖剣』
俺「でああああ!」
ジェネラル「ブゴーッ!この強化された斧に勝てるはずがないわ!デラぁっ!」
ギィン、ガギィン、ドーン__
ユウカ「……うそ」
意外と、オークジェネラルの斧を耐えていた。魔王になった影響だろうか。
ジェネラル「やるナ!ニンゲン!」
俺「魔王だからなッ!」
『奥義:神魔双成剣』
俺「だあああああ!」
ジェネラル「だあああああ!」
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
ユウカ「あ……」
俺「……」
ジェネラル「バカな……」
最後に勝ったのは……そう、俺だ。『魔王』リュート・ロワルドだ。
ジェネラル「……さすが、ハ……マオ…ウ……だナァ__」
ユウカside__
彼が力を失い、急にフラフラしだした。
リュート「うっ……」
もしかして、気を失ってる?
いつの間にか私は、彼の元へ走っていた。
トサ、と彼を抱き、介抱する。
リュート「う、」
私「?」
リュート「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!」
リュートside__
泣きじゃくった。声の限り泣きじゃくった。
俺「ヴっ、ヴっ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙……」
恥ずかしい。女子の前で泣くなんて。
ユウカ「もう、大丈夫だよ」
心配された。もう羞恥心がやばい。
俺「うっ……」
ユウカ「リュート……」
こんなのってないよ。
家族を殺され、友達を殺され、弟も行方不明のままで。どうすれば……これからどうすればいいのかわかんねぇ。どうして__。
__???__
???「クリスタルはどうなっている?」
???「まぁだ大丈夫だよ」
???「ならいいですね」
???「どうだか」
同じ顔、同じ声、同じ服の人が9人いるこの空間で、「クリスタル」について会議していた。
???「あそこに入っているのは私の娘ですから、くれぐれも盗まれたり壊されたりしないように見張ってくださいね」
8人「了解」
どうやら、彼がリーダーのようだ。
合計9人が人の入ったクリスタルについて話していたようだ。
???「……(フフフ、あの子の力があれば、かの特殊な力を持つ9人を集め、力にするなぞたやすいこと。早く進めなければ)」
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次回もお楽しみに!