機動戦士ガンダムSEED DUEL   作:デュエル好きの名無し

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見た目で虜となり、劇場版でデュエルに心を囚われ、デュエルブリッツガンダムのプラモを組み立てたことで、衝動的に書いてしまったお話です。


ep.01

モニターの明滅する狭い空間――モビルスーツのコクピットの中で、"私”は息を吐く。

その意味は安堵のそれではなく。むしろ逆、己の罪を自覚する為の物だった。

 

機体を動かし、メインカメラを通じてモニターに映るソレ(・・)を見詰めた。

ザフトのエースを意味する、赤いパイロットスーツを着た遺体(・・)……そう、遺体だ。

 

訳も分からず目覚めるや否や、何の前触れもなく襲いかかって来た彼。

私は無意識に動く体に身を任せ、そのまま彼を返り討ちにし、勢い余ってその命を奪ってしまった。

 

そんな彼の名は、イザーク・ジュール。

……そう、あのイザークだ。

 

どう足掻いても取り返しのつかない事態に、頭を抱え震えた。

今の私はどんな顔をしているのだろうか?……少なくとも、良い顔はしていないだろう。

 

これから、このC.E.(コズミック・イラ)という世界が辿る道筋にイザーク・ジュールという男の存在は必要不可欠。だと言うのに……私なんかがその彼の命を奪ってしまった。

 

「ッ!」

 

恐れ、慄く以外の思考を奪われていた私は、唐突に反応し、鳴り響いたセンサーの音に意識を引き戻された。

 

「12時方向から接近する反応……数は、1」

 

この機体――GAT-X102 DUEL(デュエル)の頭部メインカメラを動かし、こちらに向かってくるザフト軍のモビルスーツ――ジンの姿を捉えた私は、すぐさま膝立ちの状態で、物陰に隠していたデュエルを直立させ、すぐさま跳躍、その場から移動する。

 

最初からこちらに向かって来ている以上、隠れても無駄。

それに、どの口がと言われたら何も言えないが……彼の遺体を不用意に傷付けるのも気が引けるもの。

 

右手に一発のグレネードランチャーを備えた高エネルギービームライフルを、左手には対ビームシールドを構えさせ、交戦の姿勢を取る。

 

ジンは突撃銃を乱射しながら、デュエルに近付き、間合いに入ったところで重斬刀を振り下ろした。

 

「ぐっ!」

 

タダで食らう気はサラサラない為、咄嗟にシールドを挟み防いだが……やはりプロと素人には覆しようのない差があるらしい。

 

「調子に、乗るな…!」

 

頭部バルカン砲、イーゲルシュテルンを放つデュエルに、ジンは堪らず飛び退き距離を放つ。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

時間をかければ負けるのは自分、それを理解していた私は、スラスターを全開に吹かしデュエルを突進させ、シールドをジン目掛けて投擲。

更にビームライフルを二発放ち、ジンの注意がシールドとビームライフルに逸れた所に、背部バックパックにマウントされたビームサーベルを引き抜く。

 

突進の勢いのまま、ビームサーベルを振り下ろすも、腐っても相手はモビルスーツ戦における先輩。

咄嗟に機体を逸らされ、ジンの左腕を斬り飛ばすのみに留まった。

 

「浅い……」

 

今の一撃で相手を撤退に追い込もうと、素人ながらに実行した作戦だが、結果として、ジンはまだまだ戦闘継続は可能な状態だ。

まだ戦える以上、撤退はしないだろう。

 

「――えっ」

 

そう、思っていた。

だが、目前のジンはスラスターを吹かしこの場から離脱していく。

 

もしや、撤退するフリでもして油断を誘うつもりなのかと思えば……どうもそうでもない様子。

困惑する私を置いてけぼりに、ジンはさっさと引き上げてしまった。

 

初戦闘を終え、彼の遺体の下へと戻って来た私は、遺体をどうするのか考えていた。

普通に考えれば埋葬したいところだが、この後のことを考えると、埋めるのはあまりよろしくなさそうだし……かと言って燃やそうにも、それができるのはデュエルとその武装だけ……

 

色々考えたものの、結局彼の遺体を適当な建物から拾ってきたブルーシートで覆い隠し、デュエルのコクピットへ戻った私は、これからどうしようかと頭を悩ませた。

彼の命を奪い、更にはジンとも交戦した私は、ザフトからすれば敵以外の何者でもない。

 

……だが、この体の記憶が正しいのならば、私という存在は地球連合軍からも受け入れ難い存在だろう。

なぜなら、私は―――

 

『こちらX105ストライク。えっと、デュエル…で合ってるよね……ともかく!X102デュエル、応答してください!』

 

どこからか通信が繋がり、若い男の声が聞こえた。

この声……どこかで……?

混乱により思考も纏まらない中、無意識に通信を繋げ、応じる。

 

「こちらX102デュエル。早速だけどストライク、あなたは味方?」

 

『味方!?いや、そのザフトではないですけど……えっと、マリューさん!』

 

男が誰かの名前を叫ぶと共に一度通信が途切れ、再び通信が繋がる。

 

『こちら、第二宙域第五特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です。あなたの所属と名前をお伺いしたいのだけど……』

 

「……所属もなければ、名前もない」

 

『えっ』

 

「そもそも、私自身なぜここにいるのかすら分からない」

 

『それは、どういう……』

 

「訳も分からずにこの機体に乗り込むことになり、ジンに襲われ、これを追い払った。ただ、それだけ」

 

『ジンを!?どうやって……』

 

「普通に戦っただけだけど」

 

『いえ、そうではなく……ジンを、あの未完成のOSで……?

 

未完成のOS……確かに、あれは酷かった。

小声で呟かれたその一言に、想像の斜め上を行くレベルの完成度の低さを誇った、初期状態のOSの有様が思い出され、僅かに顔を歪める。

 

原作において、主人公であるキラ・ヤマトにボロクソに言われていた初期のOS、だがキラが戦闘中に書き換えられたのなら、ある程度は完成していたのでは――と最初は思っていた。

 

しかし、現実では……全くそんなことはなかった。

流石は最高のコーディネーター。ただただその謳い文句に嘘は無いことを思い知らされた。

 

少なくとも、私にはあれを戦闘中にどうにかできるだけの才能はない。

失敗作に他ならない。私には……

 

暗く沈みかけた思考を頭を振ることで掻き消す。

……そういえば、さっきの男の声って…それにX105ストライクって言ってた――あ。

 

『ひとまず、こちらと合流してください。ストライクの座標を送ります』

 

「了解」

 

一拍置いて送られてきた座標を頼りに、デュエルのスラスターを吹かせる。

少し移動した末に、まるでデュエルを待ち構えるかのように直立していたその機体を目にし、思わず呟く。

 

「……ストライク」

 

今はフェイズシフトが落ち灰色だが、通電時はまるでRX-78を彷彿とさせるトリコロール色に染まる装甲と、背部バックパックの換装機能による、様々な戦況への対応が特徴的なその機体。

 

名はSTRIKE(ストライク)。型式番号GAT-X105。

このデュエルと同じ、大西洋連邦がオーブのモルゲンレーテ社の技術協力を受け、開発した初期GAT-Xシリーズの機体であり、その中でも再後発の5号機*1

 

だが、それらの情報よりももっと重要な情報が一つある。

それは、この機体が……機動戦士ガンダムSEEDという物語における、*2主役機ということだ。

*1
本作の主役機となるデュエルは、GAT-Xシリーズにおいて最初期に開発された1号機であり、ストライクを含む他の4機の原型となった機体。他の4機はデュエルをベースに様々なコンセプトに沿って開発された。

*2
前半の




前書きであんなこと言ってるのにイザーク退場させてしまいました……
でもこうしないとオリ主曇ってくれないから…常に自分の殺した相手の気配の付きまとう機体に乗って、活躍する事に曇ってくれないと美味しくないから……
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