機動戦士ガンダムSEED DUEL   作:デュエル好きの名無し

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ep.12

思わずといった様子でマリューが艦長席から立ち上がる。

 

「それは、間違いないの!?」

 

「はい!これは地球連合軍第8艦隊の暗号パルスに違いありません!解析します!」

 

『こちら……第8艦隊先遣…モントゴ…リー……アー…エンジェル…応答……よ』

 

「モントゴメリー…確かにハルバートン提督の部隊の艦よ!」

 

笑みを浮かべたマリューにアークエンジェルのブリッジにいた全員から歓喜の声が上がる。

 

「俺達を探してくれてる!」

 

「やった、やっと合流できる!」

 

「これで一安心できるな!」

 

肩を組み背中を叩き合う者達、ハイタッチをする者達、ガッツポーズして喜びを表現する者達。

クルー達は思い思いに喜びながらその時を待つことにした。

 

………その筈だったが、モントゴメリーから届いた一つの通信がその場の空気を一変させた。

 

「これは……モントゴメリーより入電!『合流は中止。アークエンジェルは反転し、直ちに現宙域より離脱せよ!』との事です!」

 

「なんですって!?状況は!?」

 

「先遣隊がナスカ級に捕捉された模様!攻撃を受けています!」

 

大いに焦りを含んだ報告にマリュー達の表情が凍り付く。

ようやくこの旅路から解放されると思った矢先の出来事に、誰もが絶句していた。

 

「……艦長」

 

「……バジルール少尉」

 

いち早く復帰したナタルが意志を込めた視線をマリューに送り、その視線の意味を悟ったマリューが頷く。

 

「総員第1種戦闘配備!アークエンジェルはこれより、先遣隊の援護に向かう!」

 

ここで合流できなければ、これからも厳しい局面が続くことなるだろう……多少思惑の違いこそあれど、マリューとナタルの心は1つだった。

 

マリューはまだまだ子供である彼らを一刻も早く平穏な暮らしへと戻す為に。

ナタルはアークエンジェル及び、ストライクとデュエルを一刻も早く軍本部へと届ける為に。

 

――その為には、ここで先遣隊を落とされる訳には行かない。

 


 

キラからのメールに従って、ラクスのいる部屋へとやって来た私は、キラと共にラクスの話し相手をしていた。

 

「まあ、イブさんもパイロットですのね」

 

「うん。型式番号、GAT-X102デュエルという機体に乗ってる」

 

「デュエル…決闘、ですか。どのような機体なのかお聞かせいただいても?」

 

「軍事機密、仮にも敵国の所属のあなたにそれは答えられない」

 

「あらあら」

 

彼女にそんなつもりはないことはわかりきっているとはいえ、流石に軍の機密を軽々しく口にするのは不味い。

申し訳ないけど、ここは素直にお断りしておく。

 

「なんか、すごいね。すぐ馴染んじゃった」

 

「確かに、話しやすいのかも」

 

「そう言っていただけると嬉しいですわ」

 

純粋に驚いたというような表情のキラと、微笑みを浮かべるラクス。

……この2人、将来砂浜で去り際のロマンティクスするんだよね。しかもパイロットスーツ脱ぎ捨てた全裸で。

 

なんかそう思うと見る目が変わってきた。

この感情がこいつらロマンティクスしたんだ!ってやつだろうか。

 

『総員第1種戦闘配備!総員第1種戦闘配備!』

 

「っ!」

 

「え!?」

 

「あら」

 

艦内に鳴り響くマリューさんの声に、私とキラの肩が跳ねる。

あ、そういえばここでフレイの父親が……

 

「ごめんなさい。僕ら、行かないと」

 

「ん、ここで待ってて」

 

「行くって……戦いになるのですか?」

 

「うん、でも大丈夫。皆のことは、きっと守ってみせるから」

 

キラは出自諸々で顔もいいし、きっとこんなことを言われたラクスは「めちゃくそタイプですわ」とか思ってるんだろうけど……でも、なんというか、このタイミングでそのセリフは……

 

「死亡フラグ?」

 

「な、なんてこと言うんだイブ!?」

 

「だってそうとしか聞こえなかったし」

 

「訳が分からないよ!」

 

「ふふ、お2人とも面白い方ですのね。大丈夫、ちゃんと待っていますから」

 

「……行ってくる」

 

「ん」

 

微笑みながら私達を送り出したラクスに2人で頷き、部屋から出る。

急ぎながら格納庫へ向かっていると、向かい側からフレイからやって来た。

 

「キラ!イブ!」

 

「フレイ?どうしたの」

 

「……」

 

この後のことを考えるから、時間が無いだの急いでるからと無視していくのが正解なのかもしれない。

……でもそれで余計に悪化するとかなったら最悪だし、そこが悩ましい。

 

「先遣隊の船に、パパが乗ってるの!」

 

「フレイの、おとうさんが!?」

 

「お願い!パパを守って!」

 

「わかっ―――

 

「ごめん、申し訳ないけど無理」

 

――え、イブ…?」

 

安請け合いしようとしたキラに割り込み否定の言葉を口にすれば、みるみる内にフレイの顔面が怒りに染まり、私を睨み付けてきた。

 

「なんでよ!?」

 

「なんでもなにもない」

 

「い、イブ……」

 

私を責め立てるように視線を鋭くするフレイと、弱々しくも私とフレイを諌めようとするキラ。

……多分そのままだと2人とも私の言葉の真意とか分からないだろうし、伝えるしかないか。

 

「私達は殺し合いをしてる」

 

「っ!」

 

「は?」

 

「パパだの守るだの、そんなことに気を割いている余裕なんてない」

 

「余裕って……守って欲しいだけじゃない!」

 

「――ならあなたが戦う?」

 

「へ?」

 

……ああ、もうこれ以上はダメだ。

これまでの行動が目に余り過ぎて歯止めが利かなくなってしまう。

 

「…言いたいことはそれだけ。可能な限り努力はするけど、覚悟はしておくべき。戦場に絶対なんてない」

 

背後から視線を感じたが、振り向かず格納庫へと向かう。

 

「フレイ……イブも言ってたけど、絶対守れるなんて言えない。でも、なんとか頑張るよ」

 

「キラ……」

 

フレイとなにやら一言二言ほど会話したらしいキラと共に格納庫へ入ると、マードックさんが大声を上げながら迎え入れてくれた。

 

「遅いぞ坊主!嬢ちゃんも!」

 

「すみません!」

 

「デュエルの改修、終わった?」

 

「まだだ!取り付け自体は済んだがそれだけだ!調整も終わってない!」

 

「分かった」

 

となると今回の戦闘ではシヴァは使えないと見るべきか。

コクピットに入り込み。スイッチを入れて行く。

 

G.U.N.D.A.M

General

Unilateral

Neuro - link

Dispersive

Autonomic

Maneuver

 

「……ガンダム」

 

そういえば、このOS起動画面をまじまじと見ることってなかったかもしれない。

OSの調整の時だって、調整に意識が引っ張られてたし、戦闘時だってそうだった。

 

『敵はナスカ級とジンが4機にイージス!それと未確認の機体が1機いるわ!多分ジンのカスタム機だと思うけど……』

 

ジンのカスタム機?そんなのこの戦闘にいた記憶は……いや、この世界は現実なんだし、物語通りなんて逆に有り得ない。

 

『わかった。ありがとうミリィ』

 

「了解」

 

『……気を付けてね。カタパルト接続、進路クリア、システムオールグリーン!ストライク、デュエル、発進どうぞ!』

 

『キラ・ヤマト。ストライク、行きます!』

 

「イブ、デュエル発進する」

 

2つの陣営が激しくぶつかり合うその戦場に向かう為、攻撃(ストライク)決闘(デュエル)の名を持つガンダムが大天使(アークエンジェル)より飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今し方1隻の艦を轟沈させたジンをビームサーベルで串刺しにし、他のジン目掛けて投げつける。

 

「そこ!」

 

手首を回し、目前での爆発に動揺したジンのコクピットを切り付けて、中にいたパイロットを蒸発させる。

 

「これで……」

 

損傷を受け、アークエンジェルへと撤退したムウさんのメビウス・ゼロが1機、私が撃墜した2機で合計3機。

ミリアリアが言うにはジンは4機いたらしいから、あと1機だ。

 

この1機はアークエンジェル及びモントゴメリーから放たれる対空砲火、護衛のメビウスからの反撃に手一杯の様子だから今は無視しても構わない。

 

それにイージスはストライクが抑えてるから、私が注意しないと行けないのは……

 

『よう。あの時の借り、返して貰うぜ』

 

「ジンハイマニューバ…!」

 

まるでジンに大型のブースターを取り付けたかのような姿のその機体は、単なるジンのカスタム機ではない。

加えて、エースの専用機を意味するパーソナルカラーに染め上げられており、一目見るだけで強敵だということが分かる。

 

この派手なオレンジ色のジンは…間違いない!

 

「ミゲル・アイマン……”黄昏の魔弾"!」

 

『へー、俺の事知ってるのか。そりゃ嬉しいことでっ!』

 

「っ、いきなり仕掛けてくるなんて」

 

高い推力を誇るMMI-M729エンジンからスラスターの青い軌跡を描きながら、ジンハイマニューバが接近する。

ビームライフルを3発撃ちながら上方向に飛び立ち、ターン。

 

軌道を予測しながらビームサーベルを引き抜き、上段の振り下ろしを放つも、素早い反応で回避されてしまった。

 

『確かにそのモビルスーツは強い。でもな、当たらなきゃどうってこともないんだよ!』

 

動きの癖を見破るべく、勝ち誇ったような声を上げるジンハイマニューバを眼光鋭く睨み付け、ビームライフル下部のグレネードを放つ。

 

『おっと!』

 

「そこ!」

 

『へっ、当たるかよ!』

 

「チッ」

 

グレネードをビームライフルで撃ち抜き、爆煙で目を隠しながら斬り込むも、それすらも逆噴射で急制動をかけ後方へ逃げることで避けられてしまう。

……正直ブリッツとかバスターよりもこっちの方が厄介かもしれない。

 

『フェイズシフト装甲だって万能じゃない。ダウンさせたらこっちのもんだ!』

 

「その前に、私があなたを殺す」

 

『やってみろよ、できるもんならな!』

 

重斬刀を構えながら向かって来たジンハイマニューバ目掛け右腕を振り抜く。

 

『なにィ!?』

 

「あなたの動きは見切った」

 

体勢を崩すも、すぐさま立て直したジンハイマニューバにビームライフルを3発発射、上方へスラスターを全開に吹かす。

 

『逃がすか!』

 

「かかった!」

 

追いすがってくるジンハイマニューバを視認、機体を反転させビームサーベルを抜刀、ジンハイマニューバの胸部を狙い振り下ろす。

 

『な!?くっそ!』

 

この一撃で決めるつもりだったのだが、途中で狙いに気付かれたらしく、ジンハイマニューバの機体が急速に右側に流れた。

 

「浅い…!」

 

『てめぇ!』

 

ジンハイマニューバの右舷スラスラーを斬り落とすことには成功したが、言ってしまえばそれだけ。

ミゲルほどのパイロットなら、残された片側だけでも十分に戦い抜くことができる。

 

『相変わらず腹の立つ野郎だ!』

 

「野郎じゃない。私は女!」

 

『どっちでもいい!』

 

投げ付けられた盾をビームサーベルで真っ二つに切り捨て、逆にジンハイマニューバに向かって蹴飛ばし、デュエル本体もまたジンハイマニューバに向かわせる。

 

『分かってんだよクソが!』

 

一部に意図的に穴を開けたイーゲルシュテルンの弾幕を張ることで、ミゲルが罠にハマることを狙ったが、流石に引っかかってはくれなかった。

 

「ならこれはどう!」

 

シールドを投げ捨て、ビームライフルをマウント。

2本目のビームサーベルを抜刀し、二刀流で斬り掛かる。

 

『チッ…!』

 

「外した!」

 

逆手に構えたビームサーベルが重斬刀を構えていた左腕を半ばから切断し、勢いのままにコクピットを狙うも、それは間一髪で回避されてしまう。

 

突撃銃とはまた異なる新型ライフルを構えようとするジンハイマニューバの顔面を蹴り飛ばし、再びコクピットを狙ったがライフルを持つ右腕を犠牲に防がれてしまった。

 

『クソッここまでか……』

 

機体に損傷を負った上、武装を失った状態では不利と判断したのか、残された左腕でライフルを回収したジンハイマニューバが、スラスターを最大出力で吹かしながら離脱していく。

 

去り行くジンハイマニューバを視界の中心に据え――

 

「……」

 

――ビームライフルを放った(・・・・・・・・・・・)




今話でストック分が切れたので、ここからは不定期更新となります┏○ペコッ

※ジャック・オー・ランタン様いつもありがとうございますm(*_ _)m
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