機動戦士ガンダムSEED DUEL   作:デュエル好きの名無し

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ep.13

『お前が地球軍にいる理由がどこにある!?俺と一緒に来い!』

 

「何度も言ってるじゃないか!友達がいるんだ!」

 

『違う!そうやってお前は利用されているんだ!卑劣なナチュラルどもに!』

 

「そんなことは!」

 

『何故分からないんだ!?』

 

「アスランこそ、なんで分かってくれないんだ!」

 

『ナチュラルのどこが信用できると言うんだ!核ミサイルを撃ってくる連中だぞ!』

 

「ザフトだってNジャマーを地球に落としたじゃないか!何人死んだと思ってるんだ!?」

 

互いが構えるシールドにサーベルを激しく衝突させ、2機のGが激突する。

動きにどこか迷いが見れるイージスに対し、ストライクにはそれがない。

 

2機のパイロット――キラ・ヤマトとアスラン・ザラの間には心境の差があり、それが搭乗するモビルスーツの挙動にまで顕れていた。

 

「っ、これ以上は!」

 

鍔迫り合いとなり、奇しくも硬直状態となる2機。

隙を見てモントゴメリーの様子を見たキラの表情に焦りが宿る。

 

護衛であった2隻の内1隻はとうの昔に撃沈され、イージスと激闘を繰り広げる間にもモビルアーマーの数は減り続け、ついにはもう1隻も沈められてしまった。

 

残るは武装の大半を破壊されたモントゴメリーのみであり、あの艦にはフレイのお父さんが乗っている。

沈めさせる訳には……!

 

可能ならば今すぐにでもモントゴメリーを襲っているジンに向かいたいが、目前の(イージス)からは逃れられないだろう。

 

「……」

 

それでもとキラは一か八かアスランに向けて口を開いた。

 

「アスラン!戦いたくないなら退いてくれ!」

 

『何を言っている!?一緒に来いと言っているだろう!』

 

「だから言ってるじゃないか!できないって!」

 

『く…!地球軍は単なる農業コロニーすら破壊した奴らだぞ!そんなところにいたらお前の身が危ない!』

 

「確かに色々思う所はあるよ……でも、友達を見捨てるなんてできないんだ!」

 

『キラ…!』

 

こちらの話を聞く気が微塵も感じられないアスランに怒りが込み上げてくる。

そっちからすれば僕が話を聞いてないとでも感じるのかもしれないけど、僕からすれば君の方が話聞いてないと思う――とキラは少し呆れた。

 

『やめろキラ!』

 

「なら退けよアスラン!"ザフトのアスラン・ザラ”!」

 

『何を言って…!?』

 

親友としてでなく、敵としてそう告げたが、どうやら伝わらなかったらしい。

あの時の察しの良さはどこに行ったんだよ……半ば呆れながら操縦桿を握りしめる。

 

アークエンジェルとモントゴメリー、そして護衛のメビウス達が必死に防衛しているが、モントゴメリーはいつ落とされてもおかしくない。

 

――だったら多少のリスクを払ってでも行くしかない!

不意打ちでイージスの胸部に蹴りを放ち、エールストライカーの全推力を活かしモントゴメリーを狙うジンに向かう。

 

『待てキラ!』

 

「アスラン!今は来ないでよ!」

 

『キラ!?』

 

「何度でも言うけど、僕はザフトには行かない!なんで分かってくれないんだ!」

 

『………そうか、なら仕方ないな』

 

『アスラン……?』

 

何故か急に察しの良くなったアスランに不安になった。

この幼馴染みがこうなる時は大抵……

 

『多少手荒になってでも、お前をプラントに連れていく!』

 

「くっ、やっぱりか…!」

 

モビルアーマー形態で追い縋ってきていたイージスがモビルスーツ形態に変形し、右腕のサーベルを出力しながら襲いかかって来た。

 

ストライクがシールドを掲げ、イージスの斬撃を防ぐ。

攻撃を防がれたのにも関わらず、イージスは動揺することも無く盾ごとストライクを蹴り飛ばす。

 

「ぐぅぅぅぅ!」

 

『まずはソレ(ストライク)を破壊する!』

 

「やられるもんかァァァ!」

 

衝撃に吹き飛ばされたストライクの、メインカメラを切り落とさんとイージスが右足のサーベルを振るうが、ストライクはそれよりも早くイージスの胸部に蹴りを放った。

 

『エェ!?グゥっ!』

 

イージスのコクピット内に凄まじい衝撃が走るが、アスランは操縦桿から決して手を離さない。

迷ったアスランは多方面からボコボコにされてしまうが、迷わないアスランは間違いなくC.E.最強格の1人なのだから。

 

「くっ、こんなことしてる場合じゃないのに…!」

 

だがキラからすればうっとおしいこと極まりない。

刻一刻と迫るその光景を防ぎたいが、イージスにしつこく攻撃され迎撃を余儀なくされる。

 

「イブは……くそ」

 

既にメビウス・ゼロ(ムウ)は被弾し撤退しており、護衛のメビウス達は劣勢に追い込まれている。

このストライクと同じ逆転の切り札となり得るデュエル(イブ)は、オレンジ色のエースと思われるジンのカスタム機と激しくぶつかり合っており、期待はできない。

 

やはり僕がやるしかない…でも、どうすれば……

 

これまで複雑な思いを抱きつつも、ザフトと刃を交えて来たことから、アスランがただのパイロットではないことは既に分かっている。

この親友もまたエース級のパイロットだ。

 

「それに対して、僕は……いや、今は考えるな!」

 

暗くなりかけた思考を頭を振るうことで掻き消し、改めて画面に映るイージスと向き合う。

 

「なんとかアスランを振り切らないと……」

 

先程から執拗なまでに胸部への攻撃を避けているアスランと同じく、キラだってアスランを殺したい訳でもなければ、戦いたくもないのだ。

 

――だが、ここで戦わなければ淡い想いを抱く相手(フレイ・アルスター)の父を救うことができない。

 

「僕は……僕はッ!」

 

殻を破り、キラの中で何か(・・)が弾けかけたまさにその時、ストライクとイージスの間を青と橙の閃光が通り抜ける。

 

――その正体はキラにとっても馴染み深くなってきた2機のモビルスーツ。

 

「デュエル、ジン!?」

 

『ミゲル!?』

 


 

『くっそ、執拗いんだよ!』

 

「こっちのセリフ、さっさと落ちて!」

 

『誰が!』

 

ここで逃がせば後の禍根になると判断し、不意打ちという形でコクピットを狙ったが……直前で勘づかれ、手痛い反撃を喰らってしまった。

 

「まさか1射で両足を破壊するとは……やっぱりあなたは厄介な敵!」

 

『伊達にエース名乗ってねぇんだよ!』

 

不意に口から漏れた言葉通りに、今のデュエルは両脚の足首から先を失っており、その下手人は目前のジンハイマニューバとそのパイロット、ミゲル・アイマンだ。

 

『あの時はヒヤヒヤさせられたけどなぁ!』

 

「くっ」

 

ジンハイマニューバが新型ライフルの引き金を引く。

銃口から飛び出したのは光の弾丸――つまるところ、あのライフルはビームライフルだ。

……銃身下部にエネルギーパックらしき物が付いているし、恐らくは本体のエネルギーに依存しないパック形式の兵装なのだろう。

 

『もう逃がさねぇぞ!こいつで終わりだ!』

 

シールドは先の攻防で投げ捨ててしまっている以上、普通は避けるしかない。

……普通ならば

 

「デュエルを……舐めるなぁッ!」

 

『なにぃ!?』

 

ビームライフルを投擲し、ビームサーベルを抜刀。

両腕に構えた2本のサーベルで放たれた3発の光弾全てを斬り捨て、ジンハイマニューバへ突撃する。

 

「はぁぁぁ!」

 

『ナチュラルが、生意気なんだよ!』

 

今のジンハイマニューバには重斬刀もシールドもない。

あのビームライフルは明確な脅威と言えるけれど……っ、ここで黄昏の魔弾を落とす為なら!

 

『こッのクソが!?』

 

「死ね!」

 

左腕の刃がコクピットを斬り裂くまさにその直前、ビームライフルの光刃が掻き消える。

 

「え――」

 

無情にも、コクピット内にエネルギーエンプティを示す警報が鳴り響き、デュエルのフェイズシフトがダウンする。

 

『どうやら、形勢逆転だな!』

 

「っ」

 

半ば愛用しているイーゲルシュテルンは、既に弾切れを起こしており今は使えず、他のバッテリーに依存しない兵装は残っていない。

ならばと一か八か右肩のシヴァの引き金を引く。

 

「お願い…!」

 

入力された指令に従い、砲口から電磁レールにより加速された弾丸が放たれ、ジンハイマニューバのモノアイを貫く。

 

『は!?チッ、その肩のやつ飾りじゃなかったのか!』

 

モニターに映る頭部と右腕、片側の大型スラスターを失ったジンハイマニューバ。……損傷度は中破といったところかな。

ジンハイマニューバからは未だに戦意が迸っており、愛機をここまで傷つけた私を必ず殺すという意志が感じ取れる……

 

いくら相手が中破しているからといって油断はできない。

バッテリー切れでフェイズシフトダウンしたデュエルは防御力が著しく低下している。

加えて先程のシヴァがまだ調整不足だったこともあって、発射直後に右腕が深刻なエラーを起こしバーストしてしまった。

 

このままだと私が不利、最悪死ぬ可能性もある。

一体どうすれば……

 

『イブ!』

 

『ミゲル、退くぞ!』

 

額から一筋の汗が流れたその時、衝撃と共にモニターに映る景色が急速に流れ始める。

メインカメラを動かせば、そこには両腕でデュエルを抱えるストライクの姿が映し出された。

 

「キラ?」

 

『早くアークエンジェルに戻って!』

 

「…でも」

 

『フレイのお父さんは僕がなんとかする!だから早く!』

 

「っ、……分かった」

 

キラの言葉に冷水を浴びせられたような気分を味わった。

……そうだ、そもそも私はここに何をしに来た?先遣隊の援護だろう?

それなのに目の前の敵を殺す(・・)ことに躍起になって……

 

私って、こんなにも殺意が強い人間だったのかな……いや、実際強いのかもしれない。

私は…彼だって、その彼の仲間達だって平気で殺すような女なのだから……




護衛対象に気を配り続ける原作主人公(キラ)に対し、敵を殺すことに集中する本作主人公(イブ)
平和に生きて来た成功作と、殺伐に生きて来た失敗作……まだ明確な過去も描写してないのでペラッペラですが。
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