機動戦士ガンダムSEED DUEL   作:デュエル好きの名無し

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ep.04

アークエンジェルがヘリオポリス内部の空を舞う光景を横目に、マリューさんと2人でデュエルから降りる。

本音を言うならば着艦したいところだが、今も尚飛行中のアークエンジェルに向かうともなると、エネルギーが心許ないというマリューさんの判断だ。

 

その為、致し方無しと開けた位置にデュエルを着地させた訳なのだが……その判断に間違いはなかったと思わされた。

 

「バッテリーが」

 

「デュエルは最初期に建造された機体だから、技術発展度が他のGと比べるとまだ未熟なの……」

 

……とまあ、必要最低限の駆動分程しか残らなかったのである。

その残りというのも、所謂帰還用の予備バッテリーであり、戦闘など以ての外だ。

 

あの時ラウ・ル・クルーゼ……長いしクルーゼでいいか。

奴が撤退してくれて本当に良かったと思う。

 

常の無表情が僅かに崩れるのを感じていると、上空の大天使様はようやく着陸位置を見定めたらしく、アークエンジェルが少しづつ降下を始めた。

 

「ラミアス大尉!よくご無事で!」

 

無事着陸し開かれた艦のハッチから、他のクルー達と共に駆けながら出てきたナタル・バジルールは、私の隣のマリューさんを目にするや否や叫んだ。

 

「バジルール少尉!」

 

マリューさんもまたナタル・バジルールを視界に収め、その顔に喜色を浮かべた。

良かった。少しでも安心できたようで何より。

 

「ご無事で何よりでありました!」

 

「あなたこそよく無事で…それにアークエンジェルまで、お陰で助かりました」

 

軍の新型機動兵器(デュエル)の足元で敬礼を交わし合う姿は、まさしく軍人といった様子。

ただ、どうやらナタル・バジルール……ナタルさんは私のことが気になるらしい。

 

「ラミアス大尉、この少女は?」

 

ナタルさんのその問いに、マリューさんは少し言いづらそうな表情を浮かべたが、やがて観念したのか説明を始める。

 

「この娘はイブさん、先程までこのデュエルを操縦していたパイロットです」

 

「こ、この少女がですか!?民間人、それもまだ子供じゃないですか!」

 

驚愕に思わず叫ぶナタルさんに、マリューさんが再び言いづらそうな表情になる。

 

「……ストライクのパイロットもそうよ。彼も民間人だから」

 

「なっ…!?」

 

『マリューさん!イブ!』

 

マリューさんの続け様のカミングアウトに、ナタルさんが今度こそ言葉を失う。

…そして、タイミングがいいのか悪いのか。その手にトール達を乗せたストライクが合流して来た。

 

マリューさんとナタルさんを含む、連合の軍人達がストライクに目を奪われているのに対し、私の目線は背部に懸架されている長大な砲に向いていた。

 

320mm超高インパルス砲アグニ。

あれこそが先程の圧倒的な破壊力の砲撃を成した武装か。全くとんでもない兵器だな……

 

「本当にあの坊主と嬢ちゃんがアレに乗ってたってのか」

 

「マードック軍曹…ええ、そうです」

 

「ん?あの少年、どこかで……?」

 

「ノイマン曹長?どうかされたのか?」

 

「い、いえ。何もありません」

 

「イブ!」

 

「キラ」

 

「――へぇ、こいつは驚いたな」

 

何かを話しているアークエンジェルのクルー達に紛れて、走り寄って来たキラに手を振ろうとした瞬間、どこからともなく男の声が聞こえて来る。

 

声が聞こえて来た方向に向けて、その場の全員で振り返れば、そこには1人の男が立っていた。

 

「地球連合軍第七機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉だ。乗艦許可を貰いたいんだが、この艦の責任者は?」

 

その男の名はムウ・ラ・フラガ。

先程まで、クルーゼのシグーと交戦していたメビウス・ゼロのパイロットであり、”エンデュミオンの鷹"の異名を持つエースパイロットだ。

 

「第二宙域第五特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」

 

「同じく、ナタル・バジルール少尉であります。艦長以下、艦の主だった士官は皆戦死されました。よって、今はラミアス大尉がその任にあると思います…」

 

「え……」

 

そんな彼と敬礼を交わすマリューさんとナタルさんだったが、不意にナタルさんから齎された現実に、マリューさんは深いショックを受けている様子だ。

 

「無事だったのは艦にいた下士官と、十数名のみです。私はシャフトの中で運良く難を……」

 

「艦長が、そんな……」

 

俯いてしまうマリューさんの姿に慌てたのか、少し過剰におどけながらムウさんが問い掛ける。

 

「やれやれ、なんてこった。あー、ともかく許可をくれよ、ラミアス大尉。俺が乗ってきた船も落とされちまってね」

 

「あ…はい、許可します」

 

「……ところで、あれは?」

 

疑問は早めに解消しておきたいのか、私達――特に私とキラに視線を向けるムウさんに、マリューさんが口を開く。

 

「御覧の通り、民間人の少年と少女です。少女の方には少し事情があるのですが……少年の彼はキラ・ヤマトといい、私がGに乗せました。彼のお陰でジン1機の撃退にも成功、ストライクを守り抜くことができました」

 

「ジンを撃退した?あの少年がか?」

 

マリューさんの言葉に、ナタルさんを初めとしたアークエンジェルのクルー達は半信半疑といった様子になる。

 

まあ当然だろう。SEED本編時のザフトは色々アレな部分があるとはいえ、正規軍なことに変わりは無い。

それを撃退したのが、こんな訓練など何もこなしていなさそうな民間人の少年と聞けば、怪しむのも無理はないだろう。

 

……が、そんな空気はムウさんが続け様に放った一言に掻き消された。

 

「ふうん。で、そっちの嬢ちゃんは?――俺としては彼女の方が気になるんだが」

 

「「「「「え」」」」」

 

「……」

 

「うん?いやいやっ!別に変な意味じゃないからね!?」

 

慌てて弁解するムウさんから私を隠すアークエンジェルクルー達。

しれっと混ざる、キラ達ヘリオポリス組からのじとっとした視線を感じたのか、ムウさんは一瞬たじろぐも気丈に言い放つ。

 

「俺が気になるのはな、クルーゼのやつとやり合ってたからだよ!そもそも嬢ちゃんじゃストライクゾーン外だ!」

 

またしても空気が凍った。

それは後半の爆弾発言が原因か……いや、普通に前半か。

 

「クルーゼ…っ、ラウ・ル・クルーゼですか!?」

 

「ああ。……認めるのは癪だが、あいつは強い。並のパイロットじゃ太刀打ちできない」

 

「まさか、そんな……」

 

目を見開くマリューさん達ではなく、私――となぜかキラをも真っ直ぐ射抜く視線を受け、怪訝に思った。

 

「俺はな、Gのパイロットに選ばれたひよっこ共の護衛の為に来たんだ。だからあいつらがノロクサ動かすだけで四苦八苦してたことも知ってる」

 

そこで一度言葉を切って、今度は私だけを見詰めるムウさん。

 

「その上であの時のGが見せた挙動を思うとな、どうしてもあんな大立ち回りを見せたGのパイロットが、ナチュラルだとは到底思えないんだよ」

 

そう語るムウさんの表情は僅かに顰められていて、続く発言を口にしていいのか迷っているようだった。

だが、黙っていてもどうにもならないからか、ついにムウさんが口を開く。

 

だが、放たれた言葉に今度は私とキラが目を剥くことになった。

 

「君達コーディネーターだろ」

 

まさかここでその台詞に繋がるなんて……

その言葉を聞いたクルー達から銃を向けられ、思わず冷や汗が流れるのを感じながら私はそう思った。

 

「い、イブ……」

 

顔を青ざめさせたキラが私の手を掴むが、生憎1人ならともかく10数人の相手は厳しいものがある。

 

「やめろよ!」

 

こんな状況にしたムウさんにジト目を向けていると、怒り心頭といった様子のトールが間に入って来た。

 

「キラとイブは敵じゃねえよ!あんたらだってさっき守られたんじゃないのか!?それをコーディネーターだからって……おかしいだろ!」

 

「そうよ!私達のことを助けてくれたのに!」

 

「コーディネーターだからなんだって言うんだよ!2人は悪くない!」

 

更にはトールに影響されたのか、サイとミリアリアも私とキラの擁護に加わった。

 

「……銃を降ろしなさい」

 

「よろしいのですか?ラミアス大尉」

 

「彼らの言う通りよ。現にキラくんとイブさんは私達を助けてくれたわ。それに、ヘリオポリスは中立国のコロニー。戦火に巻き込まれるのが嫌で、ここに来たコーディネーターだっているでしょうし」

 

「それは……」

 

マリューさんの命令に、私達に向けていた銃を降ろすクルー達。

ナタルさんが戸惑いがちに問い掛けるも、その後のマリューさんの返答に一理あると考えたのか、それ以上は何かを言うことも無かった。




サクサク行きたいものの、ここら辺は中々思うように進みません。

※ほす様誤字報告ありがとうございますm(*_ _)m
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