その力は何の為に   作:カニ漁船

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決戦の地へ、イクゾー


いざ、フランスへ

 帝王賞も終わり、次に迎えたのはU.A.F.の予選。今回もミーティアのメンバーが実況と解説を務めることになっている。前回の時も中々好評だったみたいで、都留岐さん達から是非、とお願いされた。勿論、喜んで協力する。

 前回と違うのはメンバー。配信版はタルマエとタキオンの2人で、テレビ版ではバクシンオーとジェンティルの2人が務めていた。結果、視聴率も中々、配信の同接もかなりの人数と大盛況だったみたいで。

 

「今回の予選会も、とても好評のまま終えることができました。ありがとうございます、聖さん」

「いえ、こちらこそ」

 

 U.A.F.は年末の本戦に向けて順調である。

 

 

 U.A.F.の本戦も終わって、後に待っているのは──海外遠征。

 

「さぁ!フランスへと出発しましょうッ!」

「私も着いていきますよッッ!」

「向こうでもよろしくお願いしますね、聖さん」

「はい、都留岐さん」

 

 凱旋門賞へ出走するために、チーム・ミーティアのみんなでフランスへと出発した……都留岐さん達と一緒に。都留岐さん達が一緒の理由は単純、U.A.F.のことで欧州に用事があるからだ。向こうで色々と話し合いがあるらしく、僕達もフランスに行くから一緒にどうか?ということで同じ飛行機で行くことに。

 そしてこの飛行機にはもう一組。

 

「ど、どうも~、都留岐さん」

「あ、朝霞トレーナー。今回はよろしくお願いしますね」

「よ、よろしくお願いしま~す……」

 

 凱旋門賞に出走するオルフェーヴルのために、朝霞さん達も搭乗する。朝霞さんはというと、どういうわけか都留岐さんを睨んでいる?というか警戒しているみたいだけど。彼女にしては珍しいことが起きている。そんなに警戒するような人ではないから安心して欲しいんだけどな。

 

「ひ、聖君と仲の良い外部の女の人……!」

「あの~、朝霞トレーナー?私が、なにか?」

「ひゃ、ひゃい!?あ、す、すみません何でもないです!」

 

 まぁいいか。とにかくこのメンバーでフランスへと出発する。あっちではヴェニュスパーク達が出迎えてくれるみたいだ。また向こうでの観光地とか案内してくれるらしい。結構な大所帯になるけど大丈夫なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 フランスに着いたらヴェニュスパークがブンブン手を振りながら近づいてきた。近くにはモンジューと彼女達のトレーナーさんもいる。

 

「『久しぶり、聖!』」

「『うん、久しぶりだねヴェニュスパーク。モンジューと、トレーナーさんも』」

「『あぁ、久しいな高村トレーナー』」

「『いやはや、やっぱり君は予測がつかないことをするね~。ま、こっちではよろしくね。そちらのお嬢さんも』」

「は、はい!」

 

 フランスでは彼女達のお世話になる。今回もまた色々と学ばせてもらおう。

 そして、ヴェニュスパークといえば。

 

「『そうだ、ヴェニュスパーク。ディアヌ賞とオークスおめでとう。また大差で圧勝したみたいだね』」

「『はい!頑張りました!』」

「え?さらっととんでもないことが明かされてない?ディアヌ賞もオークスも凄いレースだよね?」

 

 先日開催されたフランスオークスのディアヌ賞とイギリスのオークス。どちらも彼女は勝利した。しかも、2着を大差で突き放すという強さを見せて。朝霞さんが驚いているけど、だろうなぁとは思う。これもヴェニュスパークの才能が大きいけど。なんにせよ、ヴェニュスパークはこれでクラシックの変則三冠を達成である。後に控えているのは、ヴェルメイユ賞だ。

 

「『ヴェルメイユ賞も頑張ってね』」

「『はい!シニア級相手でも勿論勝ちます!だから応援しててくださいね?』」

「『勿論。応援させてもらうよ』」

 

 ヴェルメイユ賞は凱旋門賞を見据えて出走してくる子も多い。強敵揃いになるが、ヴェニュスパークはむしろワクワクしているようだ。ミーティアのみんなと一緒に応援に行く予定である。

 

 

 都留岐さんはモンジューと話している。多分だけど、U.A.F.のことだろう。なんでも欧州では今かなり注目されているみたいで、特にイタリアが興味を持っているのだとか。

 

「『詳しい話はまた後日お願いできますか?日程の方は……』」

「『勿論構わない。こちらがお願いする立場なのだから当然だ。そちらの日程に合わせましょう』」

 

 どうやら有意義なものになりそうでなにより。さて、と。

 

「行きましょうみなさん!フランスが私達を待っていますよッ!」

「ここがフランスですかッッ!ホテルに荷物を置いて満喫しましょうッ!」

 

 バクシンオーとソノンエルフィーさんが早く行こうとばかりにウズウズしているから早いところホテルに向かおうか。都留岐さんも苦笑いを浮かべている。ホテルに荷物を置いて、初日は観光に行くとしよう。

 

「フランス~フランス~。1回来たことあるけど何回来てもいい~」

「上機嫌ですね、タンホイザさん」

「勿論だよダンツちゃん!良いところは何回来ても良いからね!楽しみ~」

「フン。観光に来たわけではないことを忘れるな」

 

 朝霞さんの担当ウマ娘、マチカネタンホイザ達も相変わらずの様子だね。微笑ましい限りだ。

 

 

 

 

 

 

 次の日からはトレーニング。現状のステータスを確認しつつ、凱旋門賞に向けて調整を進めていく。

 

 

ホッコータルマエ

 

適性:芝A ダートA

距離:短A マA 中S 長A

脚質:逃げA 先行A 差しG 追い込みG

 

スピード:UD2 1521

スタミナ:UF1 1317

パワー :UF9 1391

根性  :SS+ 1185

賢さ  :UG9 1298

 

 

ジェンティルドンナ

 

適性:芝A ダートA

距離:短A マA 中S 長A

脚質:逃げA 先行A 差しG 追い込みG

 

スピード:UD3 1539

スタミナ:UG4 1246

パワー :UE7 1477

根性  :SS+ 1157

賢さ  :UG2 1222

 

 

 期間はまだまだあるから問題はないけど、体調面は特に気をつけておかないとね。余談だけど、オルフェーヴルのステータスはこんな感じである。

 

 

オルフェーヴル

 

適性:芝A ダートC

距離:短G マB 中A 長S

脚質:逃げG 先行F 差しA 追い込みA

 

スピード:UE4 1445

スタミナ:UF9 1394

パワー :UG4 1247

根性  :UF5 1351

賢さ  :UF8 1386

 

 

 全部のステータスがまんべんなく高い。凱旋門賞でも脅威になることは間違いないだろう。そしてヴェニュスパークのステはというと。

 

 

ヴェニュスパーク

 

適性:芝A ダートG

距離:短G マB 中S 長B

脚質:逃げG 先行B 差しA 追い込みC

 

スピード:UG1 1214

スタミナ:B+ 746

パワー :S+ 1057

根性  :B 619

賢さ  :A 825

 

 

 やっぱり3人と比べたら劣るけど……彼女の場合はスキルが豊富だ。モンジュー達の技術を余すことなく継承している。後は適性S、これも凄いね。そして、モンジューが言っていた。彼女はロンシャンの申し子だと。

 

(つまりはまぁ、あのスキルを持っているんだろうな)

 

 ロンシャンで戦う時はさらにステータスが上乗せされることを警戒しないといけない。しかも、ヴェニュスパークはまだクラシック級。ジェンティル達以上の伸びしろがある。凱旋門賞の時はどうなっているのか。

 

「……先を見据えるのも大事だけど、今も考えないとね」

 

 視線の先では、U.A.F.式のトレーニングをやっているジェンティル達。今回は外でできるものを中心にやっている。

 

「さぁタルマエさん。プッシュザロックで勝負といたしましょう?」

「なんでジェンティルさんが得意なもので勝負するんですか。やるならアクロバットアローでしょう?」

「さらりと自分に有利なものを提案しないでくださる?まぁ構いませんわ、私が勝つだけですもの」

 

 対抗心剥き出しでトレーニングをする2人。凱旋門賞を意識してか、かなり気合が入ってるみたいだね。

 

「よ~し、今日こそはベストを更新しますぞ~!頼みました、ダンツちゃん!」

「はい、任せてくださいタンホイザさん!」

 

 他も各々トレーニングをやっている。

 

「さぁキタさん、アキュートさん!この学級委員長と模範的にトレーニングをしましょうかッ!」

「は、はい!お願いしますバクシンオーさん!」

「あたしも混ぜてもらおうかねぇ。よろしく頼むよぉ」

 

 さらにはチームの垣根を超えてトレーニングをしたり。

 

「オルフェーヴル……暴君。あなたからも学ばせてもらいます」

「余についてきたければ勝手にしろ。余は貴様の面倒を見るつもりはない」

「望むところです。余すことなく観察させてもらいます」

 

 ドゥラメンテとオルフェーヴル、さらにはドリームジャーニーの3人でトレーニングだったりと。充実したトレーニングを過ごせているだろう。凱旋門賞までずっと合同トレーニングをするわけではない。最終的には敵同士になるのだから、レースが近づくと自然にしなくなるだろう。この機会に色々と学んで欲しいところだ。

 

 

 ついでに、最初仲が心配された朝霞さんと都留岐さんだけど。

 

「つ、都留岐さん!U.A.F.のこと、もっと教えてください!」

「勿論、構いませんよ」

 

 気づけば仲良くなっていた。良いことだね。ソノンエルフィーさんも交えて楽しそうに談笑している姿が目に入るようになったし。

 

「『いやぁ、君も隅に置けないねぇ。あんなに美人な方々とお知り合いなんて』」

「……『なにがですか?』」

「『本気で言ってるのかい?君』」

 

 モンジューのトレーナーさんから言われたけど、本当に何のことだろうか?確かに朝霞さんも都留岐さんも美人だと思うが。隅に置けないとは?よく分からないし、気にすることでもないだろう。なのでその呆れたような信じられないような表情を止めて欲しいところだ。

 

 

 

 

 

 

 トレーニング後のホテルで1人、物思いに耽る。考えるのは凱旋門賞のことだ。

 凱旋門賞で、ジェンティルとタルマエが激突する。どちらに軍配が上がるのかは分からない。ただ凱旋門賞で有利なのは……タルマエだ。色々とあるけどね。

 

「……さて、と。ヴェニュスパークの記事も貰ったし、スクラップブックの作成を頑張るか」

「精が出ますね、聖トレーナー。ご一緒にお仕事しても?」

「構いません、都留岐さん」

 

 ロビーで2人、話ながら仕事をする……なお、この後すぐにソノンエルフィーさんとバクシンオーに見つかってそれぞれ部屋に連行された。どうせ2人とも仕事をしているだろう、とのこと。め、目ざとい……!




ヴェニュちゃん……!
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