第一話 一人の少年
ここは幻想郷。人間も妖怪も、神でさえここでは平和に豊かに暮らしている。その平和を守っている博麗神社の巫女、博麗霊夢は今日もいつも通り……。
「……寒い……」
寝巻き着のまま神社の居間でコタツに入っていた。
「はー……こう寒いと何もやる気がおきないわねー……」
居間から見える外の景色を見ながらそう独り言を呟く。
「……はぁ……なんで冬ってこう雪が降るのかしら……雪かきがただ面倒になるだけなんだから、降る必要なんてないのに……」
パリッとコタツの上に置いてあった煎餅をかじりながら、一面銀世界の外を眺め、思わず溜息をこぼす。
「……お賽銭……入ってないわよね……」
入っているはずないと思いつつ、少しばかり期待してみる。
「雪は降ってないにせよ、雪は積もってるし、私が言うのもあれだけど、こんな神社に人なんて来ないわよね……」
霊夢は先ほどの煎餅を食べ終わり、また新しい煎餅を手に取る。
「……い、いやでも、万が一ということがあるわよね……雪を止ませるようにわざわざお賽銭を入れにくる人とか……はぁ……仕方ないわね……」
半信半疑どころか九割以上無いと思いつつも、現在の金銭面での問題を考えると、一銭でも欲しいところであることを思い、だらだらと立ち上がりつつ寝巻き着のまま賽銭箱に向かった。
「……………はぁ……やっぱり無いわね…………」
賽銭箱を蓋を開けて覗き込み、お賽銭どころか石ころ一つ入ってない中身を見て、少しばかり落ちこんだ様子を見せる。
「しょうがない……またコタツでお煎餅でも食べながらダラダラと過ごしましょうか……もしこんな状況で誰かが異変なんか起こしたら問答無用で夢想封印食らわせてやるわ」
ブツブツと恐ろしいことを口にしながら賽銭箱の蓋を閉め、居間に戻ろうとする霊夢。だがその時、境内の隅の方に雪に埋れていた妙な膨らみに気づいた。
「あれは……何……?」
そう疑問に思いつつ、その膨らみに近づいて行く。
「……もうちょっと温かい格好してくれば良かった……やっぱり寒いわ……」
そう一人でに愚痴を言いながらもゆっくりと近づいていく。すると、膨らみは少し小さいが人型の姿をしているようだった。
「……っ⁉︎ あれって……人⁉︎」
そう思うや否や、急いで走りより、雪を掻き分け、払いのける。そこには、自分と同じ年齢ほどの見た目をした少年が体温が無くなったような青白いな体をして倒れていた。顔立ちは至って普通。どこにでもいそうな、ごく一般的な服装、つまり着物を着ていた。体が上下に動かずに固まったままなので、心臓は止まってしまっているのだろう。
「……可哀想に……この雪の寒さで埋もれて死んじゃったのね……ごめんなさい……もう少し早く気づいてあげられたら……」
そう思い、せめてもの情けと思いながら彼の体に残っていた雪を手で払いのける。すると。
「………………うっ……」
と微かだがその少年が呻き声をあげた。
「まだ生きてる……⁉︎ 心臓は止まっていたはずなのに……⁉︎」
そう思いつつも少年を見ていると、徐々にだが体の色が人肌の同じ肌色にまで戻っていくのが見えた。
「い、いったいなにが……と、とにかく、この子を運んで休ませないと……」
霊夢はその少年を担ぎ、神社の中へと入って行った
小説を書くのは難しいですね。なかなかどうして大変ですが、ゆっくりと続けさせていただきたいと思いますので、どうぞこれからもよろしくお願いします‼︎