東方白竜記   作:アマザケ01

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第十七話 心機一落

竜之助を見送った霊夢は、お昼少し前まで神社でダラダラと過ごし、その後食材の買い出しにと人里に向かった。竜之助のために、今日は奮発して牛肉を買うつもりなのだ。人里に着くと相変わらずそこは賑わっており、霊夢はその足を直接肉屋に向けた。肉屋に着くと男性の店員は元気良くいらっしゃいと声をかけてきた。

 

「おー、博麗の巫女さんじゃないですか。今日は良い肉が揃ってるから、バンバン買っていってくだせぇよ」

 

「なら、あなたのところは毎日良いお肉なのかしら?」

 

ここに来るともはや定番となりつつある言葉に軽く苦笑しながら、霊夢は言った。

 

「それじゃあ牛肉を二人分頂けるかしら?」

 

「あいよー…………霊夢さん、今なんて言ったんですかい?」

 

「だから牛肉を二人分……」

 

「牛肉を⁉︎ ウチに来るときはいつも豚肉を買いながら、加工の段階で余った部分の肉までねだる霊夢さんが一番高い牛肉を⁉︎」

 

「余計なことまで言わなくていいわよ。張り倒すわよあんた」

 

霊夢は軽く頬を引くつかせながら笑顔で言った。

 

「あはは……ま、まぁいいですわ。ウチとしても牛肉が売れるとなれば嬉しいですからねぇ。ちょいと待っててくだせぇ」

 

そう言いながら店員は牛肉をショーケースから取り出し、二人分を図り出した。

 

「それにしても霊夢さん、なにがあったんですかい? まさか牛肉を買いに来るなんて。しかも二人分……」

 

店員は図りながら訪ねてきた。

 

「別に深い意味は無いわ。ただ今はお金があるからたまには美味しいお肉を買おうと思ったから。それじゃあダメかしら?」

 

「まぁ良いですけどねぇ……もしかして、これですかい?」

 

店員は小指を立ててニヤついてきた。

 

「ふふっ、わかったわ。張り倒されたいみたいね。覚悟は良いかしら?」

 

霊夢はそう良いながらにこやかに笑い、お札を構えた。

 

「うわわっと‼︎ じ、冗談ですから‼︎」

 

店員はあたふたしながら全力で訂正した。

 

「まったく……」

 

「あはは……ま、まぁ、ともかく二人分ですねっと……」

 

店員は二人分の牛肉をパックに包み、袋に入れて渡した。

 

「はいよ、お代はさっきの非礼で1200円のところ、1000円にしますよ」

 

「あら、そうなの? 私は500円ぐらいにしてもらえると思ってたけど」

 

「か、勘弁してくだせぇ……」

 

店員は肩をすくめながら言った。

 

「ふふっ、まぁいいわ。ありがとうね」

 

霊夢は軽く笑いながらその店を後にした。

 

「…………それにしても、あの人の笑顔なんざぁ初めて見たなぁ。こりゃひょっとするとひょっとしてるんじゃねぇかなぁ……」

 

店員は霊夢に聞こえない程度の声量で軽くつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、必要なものは買ったし……帰りましょうか……」

 

買い物カゴの中を覗きながら霊夢は一人でに呟いた。

 

「おや、霊夢じゃないか。買い物か?」

 

そうしたところに後ろから慧音の声が聞こえた。

 

「あら、慧音。寺子屋にはいなくていいのかしら?」

 

「あぁ。今は昼休みだからな。次の授業までは時間があるから軽くぶらついているのさ」

 

「あらそうなの。あ、そうだ。竜之助は?」

 

「竜之助? 授業が終わったから帰ってるはずだが…?」

 

「竜之助は今日は寺子屋で用事があるって言って少し遅くなるって言ってたわよ?」

 

「そんなはず……あぁ、なるほど……そういうことか」

 

慧音は何か思い当たることがあるのか納得のいったという顔をした。

 

「何かあるの?」

 

「いや、昨日ルーミアが竜之助を妖怪のクラスにつれて行ってたからな。多分その子達のことが気になってむかったのだろう」

 

「妖怪のクラスってあのチルノやらがいるっていうやつ?」

 

「おや、知っていたのか?」

 

「竜之助から聞いたわ。水色髪の氷みたいな羽をした子とかがいたなんて言ってたからね。あいつ以外には思い当たらないわ」

 

「なるほど」

 

慧音は苦笑しながら頷いた。

 

「実はこの間竜之助を職員室に呼ぼうとして忘れていたのだが、竜之助もあのクラスに入ってみたらどうかと思ってな」

 

「竜之助を?」

 

「あぁ。あのクラスは妖怪や妖精のクラスだろう? 竜之助も半人半妖だと聞く。なら、多少は妖怪についての知識を知っておく必要があると思うんだ。あのクラスでは妖怪についての歴史なんかを中心に学んでいるからな」

 

「……まぁ……一理あるわね……」

 

霊夢は顎に手を当て考える仕草を取った。

 

「そっちの方のは問題ないのかしら。一人増えても」

 

「あぁ。特に問題はないな」

 

「……まぁ、私たちがどうこう言っても仕方がないわ。後で竜之助に決めさせましよう」

 

「それもそうだな」

 

霊夢と慧音は軽く苦笑しながら言った。

 

「そうだ霊夢、一つ言いたいことがあるんだが」

 

「何かしらー? 私は早く帰って今日の晩御飯に何を作るかを決めたいんだけど」

 

霊夢はそう言いながら買い物カゴに入っているお肉を見て考えた。

 

「(お肉もあるし、お酒もウチの蔵にあるし……今晩はすき焼きにでもしようかしら……あの子、喜んでくれるかしら……)」

 

霊夢は喜ぶ竜之助の顔を思い浮かべながら微かに笑みを浮かべた。

 

「れ、霊夢? 大丈夫か?」

 

「え? あ、ええ。大丈夫よ。それで?」

 

霊夢は一人でボーッとしていたのに気がつき、軽く頭を振って慧音を見つめた。

 

「あぁ、それなんだが実は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜之助を引き取ってもいいという家族が見つかったぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………………………はい?」

 

霊夢は思わず買い物カゴを地面に落としてしまった。




ふー、お疲れ様でした。良かったですねー。竜之助君、住まいが見つかって。……まぁ、霊夢さんはどう思うのかですけどねー。とりあえず読んでいただきありがとうございました。良かったら次回もゆっくり見て言ってください♪
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