「「………………」」
カチャカチャ……キュッキュッ……
射命丸文が帰った後、二人は食事の準備をし、食べ終え、現在は二人で食べ終えた食器を洗っていた。
「……れ、霊夢……?」
「な、なに……?竜太郎……」
「……どうしたの……? なんだか暗くない……?」
「そ、そんなことないわよ? 普通よ普通……」
「……そ、そっか……」
「「………………」」
「(むー……やっぱり霊夢、何か隠してる……)」
「(……今夜で……最後……)」
二人は無言のまま、食器を洗っている音だけが辺りに音を響かせる。
「(……やっぱり……言わなくちゃダメね……)」
霊夢は自分の分の食器を洗い終え、竜之助に向き直った。
「竜之助……」
「な、なに……?」
「……後で話があるから、私の部屋に来てくれるかしら……?」
「う、うん……わかった……」
「………………」
霊夢はそう言うと台所を出て行った。
「……なんなんだろう……話って……っと、それよりも早く洗っちゃおっと……」
竜之助は一人になりながらも、食器を洗い続けた。そして数分後、全ての食器を洗い終え、霊夢の部屋の前に訪れた。
「れ、霊夢ー……? 入るよー……?」
「……ええ、入って来なさい」
「お、お邪魔します……」
竜之助は霊夢の部屋の襖を開け、中に入った。中に入ると霊夢は中央で正座しており、自分の目の前に座るようにというように指を指し、竜之助を座らせた。
「え、えっと……な、なにかな……? 僕、なにかしちゃった……?」
竜之助はおどおどとした様子で正座して尋ねた。
「……竜之助……あなたの新しい家族が見つかったわ……」
「……………………えっ……?」
「あなたを引き取ってもいいという家族が見つかったのよ。確かにあなたは辛い経験をして本当の家族を失った。でも、あなたには新しく家族になってもいいって言う人達がいるのよ」
「…………ま、待って……? ち、ちょっと理解がまだ……」
「……ここを離れて、新しい家族達と暮らすの。大丈夫よ。あなたは今まで通り、幸せに暮らせることは私や慧音が保証するわ。迎えは明日の朝に」
「霊夢……」
霊夢が話しているのを遮りながら、竜之助は問いかけた。
「…………霊夢は……霊夢はその方がいいの……?」
「……ええ……そうよ……」
霊夢は竜之助の視線をまともに見ずに答えた。
「ぼ、僕は霊夢と……霊夢と暮らしてて……本当に楽しかった……確かに色々と迷惑はかけたし、無理も言ったけど……本当に楽しかった……霊夢は……楽しくなかったの……?」
竜之助は目尻に薄く涙を浮かべながら、霊夢を見つめた。
「っ……ええ……楽しくなかったわよ……いきなり神社に舞い込んで来たと思ったら、一人でのんびりと暮らしていた暮らしが二人に増えたし、いちいちあなたが寺子屋から帰ってくるのを待つなんて面倒なこともしなきゃいけなかったし……とにかく、迷惑なのよ」
霊夢はその視線から逃げるように顔を下に逸らしながら、言葉を続けた。
「あなたが私のことをどう思っていようとも、この神社の持ち主は私、あなたを住まわせるかどうかなんて私が決めることよ。その私が出ていきなさいって言ってるの。だから……明日の朝には迎えが来るの。それまではここに居ていいから……そうなったら出ていきなさい……」
「………………そう……だね……僕がどうこう言っていいことじゃなかったね……ゴメン……今日まではお世話になるから……その……今までありがとう……霊夢……」
「…………早くお風呂に入って寝ちゃいなさい……」
霊夢は竜之助の言葉には答えず、瞳を閉じ、眈々とその言葉を続けた。
「……うん……おやすみなさい……霊夢……」
竜之助は立ち上がり、霊夢の部屋の襖を開け、部屋を後にした。
「…………いいのよ……これがあなたには一番の道なのよ……だから……幸せになりなさい……竜之助……」
霊夢はその瞳を開けたまま、零れ落ちて来る涙を気にすることもなく、ただただ竜之助が去って行った襖に目を向けることしかできなかった。
はい♪ということで書き終わりました♪新年早々なんでこんな暗くなるような話を書いているのでしょうか……ま、まぁ、とにかく、良かったら次回もゆっくり見て行ってください♪