「……竜之助、来たわよ」
「……うん」
二人は居間から玄関に向かって歩き出した。玄関につくと、外に人影が見える。きっとあの人がそうなのだろう。声の感じからすると思っていたよりも若いようだ。
「あのー、すみませーん。いらっしゃいますかー?」
「今から開けるから、ちょっと待ってなさい」
霊夢はややぶっきらぼうな態度で答えながら玄関を開けた。そこには見た目が30歳ほどの男女が二人立っていた。
「……あなた達が例の?」
「はい。私は鷺ノ守琢磨。そしてこちらが妻の鷺ノ守由美と申します。慧音先生にお話を聞き、竜之助君を引き取りに来ました」
「私は……いえ、私達は子供を産むことができない体ということは慧音先生からお話が行っておられますよね?」
「ええ。聞いてるわ」
「そのため、前々から子供を育ててみたいと思っておりました。今回のこのことは、失礼ながら私達はこれからあることもないだろうチャンスだと思っております。ですから……竜之助君をお譲りしていただけますか?」
「……竜之助、行きなさい」
霊夢は竜之助の背中を軽く押し前に出させた。
「……うん、霊夢、その……今まで本当にありがとうね」
「ええ。どういたしまして」
二人はお互いに一度も顔を見合わせることもなく会話を終えた。
「……行きましょうか……お母さん、お父さん」
「……ええ。竜之助」
「それでは霊夢さん、僕達はこれで」
「……また遊びに来るからさ。またね。霊夢」
「……その時はお賽銭ぐらい持って来なさいよ」
「あはは……最後まで霊夢らしいや」
竜之助は苦笑しながら、霊夢は顔を逸らしながら別れを告げた。
「…………」
霊夢は居間に置いてあるコタツの中で、寝そべりながら天井を見上げていた。
「……私の神社って、こんなに広かったっけ……」
天井を見上げながら霊夢はポツリと呟いた。
「……たった数日だけ一緒に居ただけっていうのに、なんでこう……」
寂しく感じるのかしら。そう心に思いながら霊夢はぼうっとしていた。このままもう一度眠ってしまおう。そうしようと思い、目を閉じ----
「おーい霊夢ー、竜之助ー、いるかー?」
かけたがその目を開け起き上がり、声の聞こえた境内に向かって歩き出した。
「……何よ魔理沙、こんな朝早くから……」
そう言いながらさっきまでいた玄関の扉を開け外に出た。するとそこには箒を手に持った魔理沙が立っていた。
「おいおい、何言ってるんだ霊夢。朝食は朝に食べるから朝食なんだぜ? 遅く来たら昼食になるじゃないか」
「……つまりあんたは、また食事をたかりに来たってわけね」
霊夢はため息をつきながら魔理沙を見つめた。
「まぁまぁ、いいじゃないか。ところで竜之助はどこだ? さすがにまだお子様だから寝てるのか?」
「……いないわよ」
「いない? どこかに出かけてるのか? こんなに朝早くからどこに行ったんだ?」
「帰ってこないわ。もう二度とね」
「……は? おいおい、なんの冗談だ? つい最近まであいつはここに居たじゃないか。それがなんで急に……」
「……詳しく聞きたいなら中に入りなさい。説明するわ」
「……邪魔するぜ」
「邪魔するなら帰りなさい」
霊夢と魔理沙はそう言いながら神社の中に入って行った。
というわけで今回はここまでです♪ついに離れ離れになってしまった竜之助と霊夢。二人はこれからどうなっていくのでしょうか?良かったら次回もゆっくりして行ってください♪