文が永遠亭に行くと言い、飛んでいってから30分ほどが経とうとしていた。霊夢は寝たまま、魔理沙は霊夢の布団の横で胡座をかいて座っていた。
「……文にしては遅いな。薬をもらって来るだけなのに」
「どっかでネタになるようなものでも見つけたんじゃないの?」
「いや、そんなはずは……霊夢がこんな状態だからあいつが自分で行ったわけだし……」
そう言ってると、
「魔理沙さーん‼︎ ただいま戻りましたー‼︎」
と玄関の方から文の声が響いた。
「お、ようやく来たか。上がって来ていいぜー」
「なんであんたがそれを言うのよ。ここは私の神社よ」
「まぁまぁ細かいことは気にすんなって」
霊夢は呆れながら、魔理沙は苦笑しながら文が来るのを待っていた。すると、
「なんだ、思っていたよりも元気そうだな」
「そうねぇ。私達いらなかったんじゃない?」
聞き覚えのある声が二つ、文のほかに聞こえた。
「今の声って……」
「全く……お茶は出さないけど上がって来なさい。慧音、永琳」
霊夢がそういうと襖が開き、そこからは先ほど飛び出して行った文、そして人里の寺子屋教師、上白沢慧音、最後に竹林にある永遠亭の医者、八意永琳であった。
「おい文、薬をもらいに行った文が100歩譲って永琳を呼ぶのはわかるが、なんで慧音を呼んだんだ?」
「まぁこれにはわけといいますか、私なりの考えがあるわけです」
「……わけ?」
魔理沙と霊夢が首を傾げると、慧音が一歩前に出た。
「その理由は私から話そう。聞いたところによると、霊夢は記憶を失ってしまったんだろう? 私の能力を使えば少なからず力になれるのではと、わざわざ文が訪ねて来たんだ」
「なるほど……確かに一理あるな」
「ですよねですよね‼︎ いやー、私もわざわざ人里に降りた甲斐がありましたよ」
文は自慢げに胸を張った。
「それで、霊夢の状態はどうなの? 記憶を失ったって聞いたけど」
そこで今まで黙っていた永琳が声を出した。
「あ、そうだそうだ。早く看てやってくれ」
「私は別に戻らなくてもいいんだけどね」
「まーだ言ってるのかこいつ……まぁ、とにかく頼むぜ。永琳」
「ええ。わかったわ。それじゃあ、どんな記憶を失ったかを聞いてもいいかしら。脳内の記憶を呼び覚ますのに必要だからね」
「なんだ。文から聞いてないのか。無くなったのは竜之助という半妖の記憶だぜ」
「何⁉︎ 竜之助の記憶が⁉︎」
魔理沙が言った瞬間、慧音が目を見開き、驚いたように声を張り上げた。
「そうか。お前は寺子屋で面識があったのか。そうだぜ。無くなったのは竜之助に関する記憶だ。スッポリと抜け落ちてやがる」
「……まさか……竜之助の……」
「竜之助って言うと、確かあなたの新聞に書かれてた少年だったかしら?」
永琳はちらりと文に目線を移した。
「はい。その通りです。いやー、目を通していただけてるとわかるとうれしいですねぇ」
「ええ。いつも表紙だけ見て、お風呂の湯沸かしの材料にさせてもらってるわ」
「……あはは……そ、そうですか……はは……はぁ……」
永琳はニコリと微笑むと、文は苦笑いを浮かべながら残念そうに肩を落とした。
「さて、それじゃあ診てみるから、他の人は部屋の外に出てくれるかしら?」
「ここにいたらまずいのか?」
「ふつうなら補佐とかがいても問題無いのだけど、記憶喪失となると結構集中しないといけないからね。出来る限り患者と二人きりがいいのよ」
「なるほど。わかったぜ。私達は外にいるから終わったら呼んでくれ」
「ええ、わかったわ」
そう言って、魔理沙、文、慧音の三人は部屋の外に出て行った。
久しぶりの投稿で、読みづらかったりしてるかもしれません……ま、まぁ、よかったら次回もゆっくり読んでいってください♪