霊夢が人里に降り立つと、人里はいつも通り人で賑わっていた。
「はー、相変わらず人だらけね。まぁ人里だから仕方ないと言えば仕方ないけど、雪が積もって寒い中なのに……こんなに人がいるならもっとウチの神社にお賽銭入れてくれてもいいのに……」
「……ん?そこにいるのは博麗の巫女様かな?」
霊夢が1人愚痴をこぼしていると、急に背後から声がかかった。
「あら、慧音じゃない。どうしたの? こんなところで」
「こんなところって、私が人里に住んでいるのは知っているだろう? 私の方こそ聞きたいぞ。てっきり霊夢は今日のこの寒さだから神社に篭っていると思ったのだが……買い物をする金銭もないのだろうけど、何しに来たんだ?」
「張り倒すわよアンタ」
軽い皮肉を言われて青筋を立てる霊夢に慧音は苦笑いする。
「ふふっ。すまないすまない。それで、本当にどうしたんだ? なにか用があって来たのだろう?」
「用が無ければこんな寒い中外にでたりなんかしないわよ。まぁここであなたに会えて良かったわ。話したいことがあるの」
霊夢は竜之助についてのことを慧音に話した。
「……ふむ……雪に埋もれていた少年か……いくら半妖だからといっても、その回復力は目を見張るものがあるな……」
「でしょ? まぁでも、そんなことは今はいいのよ。今はあの子の暮らす場所を探してるんだけど、この人里にどこかいいところとか無いかしら?」
「うーん……そんな介護施設のような建物は流石にないなぁ……私の家という手もあるが……ずっと寺子屋に寝泊まりしていたから……た、多少散らかっているし、衛生面的にそこまで良くはないだろうからダメだな……」
「(多少ね……まぁ慧音のことだし、今まで読み漁った文献やら寺子屋のまとめやらの書類とかそんなものでしょうけどね)」
多少という言葉が口ごもったことから、霊夢は多少ではないということを察した
「と、とにかく私では力になれそうにないな……すまない……」
「構わないわよ。正直そこまで期待してたわけじゃないしね」
霊夢は苦笑いしながら答える。すると、慧音はふと何かを思いついたかのような表情を浮かべた。
「なら、霊夢が神社に住まわせれば良いんじゃないか?」
「はい⁉︎ あんたウチの経済状況知ってるでしょ⁉︎ ただでさえ火の車なのに、これ以上負担かけられるわけないでしょ‼︎」
「まぁ落ち着け。何もずっとというわけじゃないさ。私の方で、竜之助たったか? その少年を引き取っても良いという人を探すから、そういう人が見つかるまでの少しの間だけだ」
「で、でも……」
「第一、博麗の巫女は人を助けるのも仕事の内だろう?困っている人……まぁこの場合は半妖だが、そういう者がいるのなら手を差し伸べてやるのが巫女だというものだと思うが?」
「うっ……」
博麗の巫女には人助けをするということを義務づけられているわけではないが、確かにそういうことは先代や先々代もやっていたと前に紫に聞いていたことがある手前、何も言い返せないように口ごもってしまった。
「それに、もし引き受けてくれると言うならその少年の養育費と、少しばかりお前にも金銭をやるとしよう」
「ほ、本当に⁉︎」
思ってもいなかった言葉に目を見開く霊夢。
「ああ。私もそんな少年を放っておくことは嫌だからな。力になれてやれない分、このぐらいの援助はしようじゃないか」
「……わかったわ。引き受けるわ」
預かるだけで収入が入るならプラスに転がるだろうと頭の中で算段し、その提案を引き受けた霊夢。どうせならタダで住まわせるのだから掃除やら何やらをさせようと思っていた。
「よし、わかった。それじゃあそういうことで頼む。あ、そうだ。後でその少年を連れて来てくれよ? お前が私から金を巻き上げるかもしれない嘘だという可能性もあるからな」
「あんたは私を信用してるのかしてないのかどっちなのよ」
そう軽く皮肉を言われつつ、霊夢は博麗神社に向かって飛んで行くのだった。
ふー、疲れましたー。さて、ここでは竜之助君は博麗神社に住むということで決着しましたが、竜之助君本人はどう思っているのでしょうか。それでは次回もゆっくりしていってください♪