東方白竜記   作:アマザケ01

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こんにちはこんばんはおはようございます‼︎今回も書いていきますよー‼︎今回は少しシリアスかもです


第三十話 記憶 追憶

「……率直に言うと、霊夢がその竜之助……だったかしら? 彼を思い出す可能性は極めて低いと思うわ」

 

部屋に入った三人に、永琳はそう呟くように言った。

 

「な……なんでだよ‼︎ お前医者だろう⁉︎ なんとかならねぇのかよ⁉︎ それでもお前医者かよ⁉︎」

 

「お、おい、魔理沙⁉︎」

 

慧音の静止する声を聞かず、魔理沙は怒鳴るように声を投げかけ、永琳胸ぐらを両手で掴んだ。

 

「……医者だったらなに? 全てのことを治せるのが医者だとでも? 甘ったれたこと言うんじゃ無いわよ。医者っていうのは、様々な病気や怪我を治せるためにいるんじゃないの。治せるものを治すためにいるのが医者なのよ。あなたは何? 人間が死んだら、医者に診せれば蘇るとでも? 意識が戻るとでも?」

 

永琳は掴みかかられながらも、冷たい目で魔理沙を見つめた。

 

「……くっそ……‼︎」

 

魔理沙は永琳を突き放すように胸ぐらを離した。

 

「……これで治ると思ってたのに……私じゃ何もできなかったけ……薬があれば治せると……くそっ……くそぉっ‼︎」

 

魔理沙はそう言いながら、神社を支えている幾つかある木の支柱の一つに向かい、数発殴りかかった。

 

「……魔理沙……どうにかならないのか?」

 

慧音は魔理沙の方を見つめた後に、永琳の方に向き直った。

 

「記憶喪失ならまだいいのだけど、記憶自体がないのよね。その半妖の子に関する記憶自体が。強いて言うなら記憶消失ってところかしら」

 

「記憶消失……」

 

「……なら、もう霊夢さんの記憶が戻ることはない……ということですか……」

 

文は永琳に問いかける。

 

「何度も言わせるつもり? なら、もう一度言ってあげる。博麗霊夢が、芥河竜之助に関することを思い出すことは、二度とないわ」

 

永琳は文を見つめながら、キッパリと言い切った。

 

「………………」

 

部屋が静寂に包まれる。

 

「……あー、終わったならもう帰ってもらえるかしら? 今からご飯とか食べなきゃいけないし。忙しいのよね」

 

霊夢はそう言いながら布団から起き上がった。

 

「……お前はそれでいいのか……霊夢」

 

魔理沙は帽子のつばで表情を隠しながら言った。

 

「いいもなにも、私はその少年のことを思い出せないんだもの。思い出せないのなら仕方ないわ」

 

「っ……お前は……‼︎」

 

霊夢は冷たく言い放つように、魔理沙に向けて言葉を放った。魔理沙はそのまま立ち尽くしながら拳を強く握りしめたまま震え続けた。

 

「……なぁ、霊夢。一言聞いてくれるか?」

 

そのとき、慧音が口を開いた。

 

「……なにかしら?」

 

「この前、私は寺子屋にある自室で一人過ごしていたんだ。するとそこに、竜之介が来て、ルーミア達と一緒のクラスになれないかと聞いてきた。私は元から竜之介は半妖だし、妖怪についても少しは知っておいた方がいいと思って、竜之介のその言葉を許可したんだ」

 

「……それがどうしたのよ」

 

「竜之介はそれを聞いて、ルーミア達の元に戻って行こうとしてたが、私はとある事が聞きたくて引き止めたんだ。『今の生活は幸せか?』ってな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今の生活が幸せか……ですか? いきなりどうしたんです?そんなこと聞いて」

 

「あ、ああ。深い意味は無いんだ。ただ、気になってな……」

 

「……ご存知かと思いますが、僕の村や両親は、妖怪に壊され、殺されました。それを知った時、とても辛くて、悲しくて、今までに感じたことの無い感情になりました」

 

竜之介は慧音に向かってゆっくりと話し始めた。

 

「なんで僕だけ生きてて、他の人が死んじゃったんだろうって何度も思いましたし、寂しいことだってずっと感じてました……でも……」

 

竜之介はそこで言葉を区切った。

 

「……霊夢が……霊夢が僕のことを心配してくれて、気にかけてくれて、辛さや寂しさが良くなっていきました。もちろん、完全になくなったとは言えません。時折辛いこともありますし、お母さんやお父さんのことを思い出すこともあります。でも、霊夢がいてくれて良かった。霊夢が僕のそばに居てくれて幸せだと、支えになってくれて嬉しかった……霊夢に出会えて良かったと……心から言うことができます。ですから今の僕の暮らしは幸せですよ」

 

そう言いながら竜之介は照れ臭そうに頬をかきながら、満面の笑みで微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……竜之介はあのとき、こう言っていた。今の暮らしは幸せだ。霊夢に出会えて良かったとな……」

 

「……で、それがなんだって言うのよ。そんなこと言われても私には関係ないわ」

 

「……じゃあ、なんで霊夢さん、泣いてるんですか」

 

「えっ……」

 

文にそう言われ、思わず霊夢は頬を指で触った。そこには確かに、霊夢の目からこぼれた涙が頬を濡らしていた。

 

「な、なんで私……こんな……泣いて……」

 

「竜之介さんのことを頭では忘れていても、心では覚えていた。そのために、竜之介さんの素直な気持ちが嬉しかった。そう言うこと……じゃないですかね」

 

文は目を閉じながら、そう呟いた。

 

「……竜……之…………助……私はそんな名前……」

 

霊夢は涙を流しながらフラフラと歩き出した。そんなとき、霊夢の目に一枚の紙が入ってきた。それは、文が届けに来た、竜之介と霊夢の二人が一緒に映っていた新聞だった。霊夢は思わず新聞を手に取り、竜之介の顔を見つめた。

 

「……竜之介……あなたが……竜之介……うっ‼︎」

 

霊夢は急に頭を抑え、うずくまった。

 

「れ、霊夢⁉︎ 大丈夫か⁉︎」

 

魔理沙達は一斉に霊夢に近付いた。

 

「頭が……割れる……なにこの痛み……っ……」

 

霊夢は頭を抑え、汗をかきながら悶え続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー夢

 

 

 

懐かしい……この声は……誰……

 

 

 

 

 

 

ーー夢

 

 

 

聞いたことがある……でも……誰……あなたは……私の知ってる人……?

 

 

 

 

ーー霊

 

 

……私は……知ってる……

 

 

 

 

ーー霊夢

 

 

 

 

この声は……

 

 

 

 

霊夢……ありがとう……

 

 

 

 

 

 

「……今のは……そっか……そうね……」

 

霊夢はそう言いながら、頭を振りながら起き上がった。

 

「お、おい……大丈夫か……? 霊夢」

 

「ええ。大丈夫……じゃあないわ。さっさと行くわよ」

 

霊夢はそう言いながら、何時もの巫女服に着替え始めた。

 

「い、行くってどこにだ……?」

 

「なに言ってるの。決まってるでしょ? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜之介のところよ」

 

「……そ、それじゃあ……記憶が……」

 

「ええ、戻ったわ。おかげさまでね」

 

「……よ、よっしゃあ‼︎ 霊夢の記憶が戻った‼︎」

 

「ああ‼︎ やったな‼︎」

 

「はい‼︎ やりました‼︎」

 

魔理沙と慧音、文の三人は手を取り合うように喜んだ。

 

「……まさか……本当に……あの状態から……?」

 

永琳は信じられないといった様子で霊夢を見つめた。

 

「なによ。思い出したって言ってるでしょ?」

 

「……そう……良かったわね」

 

「まぁ、あんたには色々と迷惑かけたわね。ありがとう」

 

霊夢はそう言いながら着替えを終えた。

 

「……さて……行きますか。竜之介の元に」

 

そう言い、霊夢は神社の玄関を開けた。




はい、と言うことで今回はここまでです‼︎なんだか何時もの2倍ぐらい書いたような……そのせいで文章が大変なことになってそうな気がします……ま、まぁ、いいです。

お気づきの方もおられると思いますが、今回は伏線を二つほど回収させていただきました。一つは第十九話での慧音の寺子屋のお話、そしてもう一つが、二十五話の、文の届けた新聞ですね。まだまだ伏線は幾つか隠しているし、これからも出して行くつもりなので、良かったらその辺りも楽しみながら、ゆっくりしていってください♪
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