第三十二話 正常な日常
竜之助の騒動から少し月日が経ち、もうそろそろ春を迎える時期になって来ていた。あれから竜之助は霊夢が住まわせてる住人として有名になり、魔理沙や文はもちろん、レミリアや妖夢、早苗や諏訪子、意外なところで言えばてゐや、白蓮なども竜之助に会うために神社を訪れていた。
「竜之助ー、ご飯炊けたわよー」
「あ、うん、今行くー」
そのとき、博麗神社では、竜之助は寺子屋に向かう準備、霊夢は二人分の朝食を作っていた。
「ほら、さっさと食べて行きなさい? 今日はなんか面白そうなことやるんですって?」
「うん。なんか今日は二人組でペアを組んでの授業なんだってさ。たまには趣向を凝らしてみたいなことを慧音先生が言ってたよ」
「ふぅん……確か竜之助のいる妖怪のクラスってルーミア、チルノ、ミスティア、リグル、それに大妖精の5人よね?」
「うん。そうだけど……それがどうしたの?」
「何かあったらすぐに言いなさい? 私がすぐさま竜之助のペアを退治してあげるから」
「え、いきなりどうしたの? みんなはそんな酷いことしないよ?」
竜之助は小首を傾げながら霊夢を見つめた。
「……それもそうね。あの妖精たちだし、なにもないか……」
霊夢はぼそりとつぶやきお茶を啜った。
「……?」
「ほら、そんなのいいから早く食べちゃいなさい。遅刻するわよ」
「あ、そうだね。急がなきゃ」
二人は食べ進め、食事を終えて、霊夢は片付けに、竜之助は寺子屋に向かって神社出発した。
〜寺子屋〜
「よし、それじゃあ今日はペアを作ってもら……なぁ、大妖精」
「は、はい……」
「なんで、お前と竜之助以外のメンバーは今日来てないんだ?」
慧音が片手で額を抑えながら、教室を見渡した。そこには竜之助と大妖精以外のメンバーはどこにもいなかった。
「え、えっと、リグルちゃんはこの時期は虫達にとって大切な時期だから、見守るって言って休みで、ミスティアちゃんも春は稼げる時期って言って、屋台出しちゃって……チルノちゃんとルーミアちゃんは多分寝坊かなぁ……あはは……」
大妖精は苦笑いを浮かべながら頬をかいた。
「やれやれ……リグルとミスティアはともかく、ルーミアとチルノには後でキツイお仕置きだな。最近あの四人はたるんでるなぁ……お前と竜之助は真面目に来てるのは関心だな」
慧音も苦笑いを浮かべながら二人を見つめた。
「さて、それじゃあ早速授業に移ろうか……と言いたいが、二人だけだと次にやるときに二度手間になるな……仕方が無い。今日は通常授業に切り替えるとしよう」
「え、慧音先生、今日僕教科書持って来てないですけど……」
「わ、私も……」
「なに、心配するな。授業と言っても、軽いお遊びみたいなものだ。どれ……よっと」
慧音は教室の隅にある本棚のところに行き、二本の巻物を持って来た。
「この中には昔にいたと言われている妖怪達が記されている。今回はこの妖怪達について、各々で調べて学んでみるという授業を行ってもらう。いいな?」
「はーい」
「わかりました」
「よし、それじゃあほら」
慧音は二人に巻物を手渡した。竜之助は早速中身を見てみると、そこには鬼や河童、天狗など、様々な妖怪の名前が書かれていた。
「へー、こんなたくさんの種類の妖怪がいたんだ。まだまだ知らなかったなぁ……」
竜之助はパラパラと巻物をを開いていき、さらに古い妖怪を調べて行った。
「牛鬼に大百足に煙羅煙羅……うー、怖そうな妖怪達だ……」
竜之助はぶるっと震えながらそれを見ていた。すると
「り、竜之助君、こ、この妖怪すっごく怖い……」
大妖精が青ざめた目で竜之助を見つめた。
「え、どれ?」
「こ、これ……」
大妖精は震える手で巻物に書かれている一匹を指差した。
「……八岐大蛇……?」
「う、うん……ほら、こんなに首がたくさんあるし……こんなのがいたら命がいくつあっても足りないよ……」
大妖精はブルブルと震えながら竜之助を見つめた。
「大丈夫だよ。大ちゃん。ここに書かれてるけど、八岐大蛇はもう存在しないって書かれてるし、不安になることは無いからさ」
竜之助はニコリと微笑み返した。
「……そ、そうだよね……大丈夫だよね……」
大妖精は落ち着いたように胸をなでおろした。すると、そこで授業終了のチャイムが鳴った。
「ん、もうこんな時間か。今日の授業はここまで。各自帰り道も気をつけて帰るんだぞ」
「あ、はい。わかりました。ありがとうございました」
「ありがとうございました……」
竜之助と大妖精は二人して慧音に礼をし、寺子屋を後にした。
「うー、怖かったなぁ。あの巻物の妖怪……」
「大丈夫だって、大ちゃん。さっきも言ったけど、もういないみたいだし、安心して?」
帰り道に、大妖精と竜之助は二人揃って歩いていた。
「で、でも……」
「……大ちゃん、大丈夫大丈夫……ね?」
竜之助は大妖精の頭を優しく撫でながら微笑んだ。
「あ……う、うん……わかった……」
大妖精は、赤く頬を染めながらゆっくりと安心した表情を浮かべた。
「あはは。それじゃあ僕はこっちだから、またね。大ちゃん」
竜之助は大妖精から手を離し、違う道を歩き出しながら大妖精に手を振って歩いていった。
「あ、う、うん……またね……竜之助君」
大妖精は少し頬を赤くし、ボーッとした表情を浮かべながら自宅への道を歩いていった。
はい、ということで、第三十二話はおしまいです♪久しぶりすぎて感覚が思い出せません……ま、まぁいいです。とりあえず、竜之助君と大ちゃんのツーショットがかけましたー。うんうん。平和そうでよかったよかった♪さて、それじゃあよかったら次回もゆっくり見て行ってください♪