「…………………………ここ……どこかしら……」
霊夢は突如、今まで見たことのない光景に呆然としていた。そこは暗闇の中で、辺り一面何も見えない真っ暗な世界が視界には広がっていた
「……嫌な雰囲気ね……」
霊夢がそうつぶやくと、急に世界が明るくなり、辺りの様子が分かるようになってきた。周りの様子は山や川、空さえも赤く染まっていた。
「……何……ここ……幻想郷……なの……?」
そう言いながらも確信した。確かにここは幻想郷だ。そこは霊夢が今まで何度か見たことのある場所だったからだ。というより、ここは色彩が違うが、博麗神社から少し離れたところにある魔法の森そのものだった。
「……ん? ……あれは……?」
霊夢の視界の隅に、何かが写った。
「っ⁉︎ 魔理沙⁉︎」
霊夢の視界に転がり込んできたのは、血塗れになり倒れ伏した霧雨魔理沙の姿だった。
「ま、魔理沙‼︎ しっかりしなさい‼︎」
肩を掴み抱き寄せながら肩を揺するも、魔理沙は何の反応も示さずにただ体を揺すられている。
「い、一体何が……」
霊夢は魔理沙を抱きかかえながら辺りを見回した。すると。
「…………………………嘘………………でしょ…………」
そこには、紫、早苗、レミリア、咲夜、妖夢、慧音、妹紅、永琳、他にも多くの人達が魔理沙と同じように血を流して倒れていた。
「なんで……」
霊夢は顔を青ざめながらも生き残っている人が居ないかを探した。すると、背後から足音がしたと思い、振り返ると
ブスッ
「……………………えっ……?」
自分の胸に鋭利な刃物が刺さっていた。霊夢は魔理沙と同じように地面に倒れ伏したが、まだ意識はあった。
「なん……で……こんなこと……する……の……よ……竜……之助……」
体が動かなくなり、瞼が重くなっていくのを感じながら、霊夢は自分を刺した張本人、芥河竜之助を見上げた。
「……………………」
竜之助は何も言わなかった。否、何かを言っていたのかも知れなかったが、霊夢にはもう聞き取る力が残って無かった。
ここで霊夢の意識が途絶えた。
「っ⁉︎」
ガバッと霊夢は勢い良く布団から起き上がった
「はぁ……はぁ……ゆ……夢……?」
息を切らし、大汗をかきながら自分の頭を片手で抑えつぶやいた。
「……なんて夢見てるのよ……私は……」
寝巻き着を軽く汗で濡らしながら霊夢は起き上がった。時間は午前8:00、いつも通りの起床時間だ。
「……起きましょうか……」
霊夢は起き上がり、寝汗を軽くタオルで拭きつつ何時もの巫女服に着替え、居間に出た。すると、ちょうど昨日と同じように竜之助が食事を持ってきていたところだった。
「あ、おはよう霊夢。よく眠れた?」
竜之助は笑顔で問いかけてきた
「(……この子が……竜之助があんなことを……?……いえ……考え過ぎか……)」
「……霊夢? どうしたの?」
呆然と立っていた霊夢に違和感を感じたのか、様子を伺う竜之助
「あ、い、いえ。なんでも無いわ。ちょっとまだ少し眠くてぼうっとしてただけ」
そう言いながら霊夢はコタツの前に座り込んだ
「そ、そう……? ならいいんだけど……」
竜之助は心配した顔で霊夢を見つめる。
「……大丈夫よ。気にしないで」
霊夢が微笑むと、竜之助は安心したように向かい側に座った。
「(まだ会ったばかりだけど……この子が……竜之助があんなことをできるとは思えないわ……)」
霊夢は内心そう思いながら料理に手をかけ──
「──お邪魔するぜ霊夢ー‼︎」
──られることなく、急に居間の襖を開けて現れた白黒魔法使いを見ながら、朝から騒がしくなりそうだと溜息をこぼすのであった。
題名に登場するって書いてあるのに最後の方にちょこっとだけになっちゃいましたね……ま、まぁいいでしょう。とりあえずは次回もゆっくりして行っていただけたらと思います♪