「あなたが……弾幕を……?」
「う、うん。僕にも弾幕って撃てるのかなって……」
霊夢はそう問われ考えた。確かにただの人間なら弾幕を一つ作るのでさえ一苦労だろう。しかし、竜之助は半妖だ。半妖となると弾幕の撃ち方さえ教えれば撃てるようになるだろう。しかし……。
「なんでそんなこと思ったの? 別に今まで使えてなかったのだからこれからも使わなくてもいいじゃない」
そう霊夢が問いかけると、魔理沙が人差し指を立て、横に振りながら返答した。
「チッチッチ。甘いぜ霊夢。弾幕を撃つのに堅苦しい理由はいらないぜ。ようは竜之助もさっきの私たちの弾幕ごっこを見てやりたくなったとかそういうことだろう?」
「は、はい。それに、僕は弱いですし……自己防衛の手段の一つでもあれば妖怪にも少しは抵抗出来るかなって……」
「妖怪に対抗? 確かにあなたはまだ幼くて弱いだろうけど、しばらくは私が面倒見るし安全……」
そう言いながら霊夢は考えた。さっき竜之助が言った妖怪に抵抗とは、以前竜之助の村が妖怪に襲われたことが関係してるんじゃないかと考えた。当時に少しでもこの弾幕を撃てていたら、確かに被害をもっと軽減出来ていたかもしれない。竜之助はそう考え、弾幕を撃ちたいと言い出したのではないかと霊夢は推測した。
「……そうね。確かに少し弾幕を撃てるぐらいにしておいても損は無いでしょうね」
「ほ、本当⁉︎ やったぁ‼︎」
「良かったな竜之助‼︎ 偉大なる博麗の巫女が直々に認めてくれたぜ‼︎」
「ええ。だから偉大なる博麗の巫女として命じるわ。魔理沙、あなたが竜之助に弾幕の撃ち方を教えなさい」
「ええっ⁉︎ 私がぁ⁉︎」
「その通りよ。さっきあなたは弾幕ごっこでも負けたし、罰ゲームとでも思えばいいじゃない」
「う、うーん……」
魔理沙は腕を組み考えた。恐らくは言ったはいいものの、自分が教えるとなるとめんどくさいのだろう。
「……あ、あの……迷惑でしたら別に構いませんよ……?」
竜之助は恐る恐る魔理沙に対して口を開いた。
「あ、い、いや‼︎ そんなことないぜ‼︎ 早速教えてやるからな‼︎」
「は、はい‼︎ よろしくお願いします‼︎」
そう言いながら魔理沙と竜之助は弾幕を撃つ練習を始めた。竜之助のことだ。まだ昨日今日の間柄ではあるが、料理も上手だし、器用なことがわかる。コツさえつかめばすぐに撃てるようになるだろうと霊夢は考え、神社の縁側に座り様子を見守ることにした。
〜〜〜1時間後〜〜〜
あれから1時間ほど時間が経った。そして竜之助は……。
「……やぁ‼︎」
気合を入れて手を前に出す。しかし、そこから弾幕が出て来ることは無かった。
「ふむ……ここまでやって一つも出ないとはな……」
魔理沙がポツリと呟いた。そうなのだ。これまで1時間ほどずっと練習してきたが、弾幕の一発すら竜之助の手からは出てこなかったのだ。
「(うーん……やっぱり難しいのかしら……私は最初から普通に出来たからよくわからないけど……)」
霊夢はそう思いながら縁側でお茶をすすった。
「……僕、才能無いのでしょうか……」
「そ、そんなこと無いと思うぜ。今はまだ練習したばかりだからきっとこんな感じなんだぜ」
竜之助が少し暗くなったのを感じ、魔理沙はすかさずフォローに入った。
「も、もしかすると私の教え方が間違ってるのかもしれないしな。魔力と妖力の違いで多少違うのかも……」
「魔力? 妖力?」
竜之助は聞いたことの無い言葉を聞き、首を傾げた。
「ん? なんだ、霊夢から何も聞いてないのか?」
「は、はい。何も……」
「教えてないわよ。弾幕なんて教えるつもりも無かったしね」
そう言いながら霊夢が近づいて来た。
「ねえ、霊夢。妖力とか魔力とかってなんなの?」
「妖力っていうのは妖怪が持ってる力のことで、魔力っていうのは魔法使いが持ってる力よ。あなたは半妖だから妖力の方がメインかしら。魔理沙は魔法使いだから魔力で、私は霊力っていう力を持ってるのよ」
「へー。それじゃあ幻想郷には妖怪が多いから妖力を持ってる人が多いの?」
「まぁ妖怪だけじゃなく、妖精という種族もいるのだけど、そいつらも妖力を使っているから、まぁ弾幕を使えるやつらは妖力を使ってるやつらが多いかしらね」
「なるほど……」
「んー、となると私が教えるよりも、他の妖怪のところに連れて行った方が良さそうかもな」
「ほ、他の妖怪ですか……? ぼ、僕食べられたりしませんかね……?」
竜之助がビクビクしながら問いかける。
「まぁ大丈夫でしょ。一度は私が退治した妖怪達なんだし、もうそんな気は起こさせないわ」
「そ、そっか……なら安心だね……」
ほっと胸を撫で下ろす竜之助。
「(……この子、今の話で安心って……私を信頼してくれてるのかしら……)」
「とりあえずどうするんだ? 誰に教わるつもりなんだぜ?」
「うーん……本来なら(お手軽に呼べるから)紫が良いのだけど……」
「あー、あいつ今冬だから寝てるしな」
「ゆ、紫さん……?」
「ええ。一応妖怪の賢者よ。冬は冬眠してて姿は見られないけどね」
と霊夢が言うと、
「霊夢、一応は余計よ。一応は」
そう声を発しながら霊夢達三人の前にスキマが開かれ、中からドレスのようなものを見にまとい、傘を持った金色の髪をした妖怪、八雲紫が現れた。
はい。ということで今回はここまでです。言い忘れておりましたが、一応時系列は星蓮船終了ぐらいにしておきます。その先は作者があまり詳しく無いもので(苦笑)
さぁ、ついに出ました八雲紫。彼女が出てきたことにより、竜之助は弾幕を撃てるようになるだろうか。ということで、次回も良かったらゆっくりして行って下さいね♪