東方白竜記   作:アマザケ01

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やってきました第九話。今回も張り切って参りましょう♪


第九話 訪問者

あの後竜之助はすぐに帰ってきた。驚いたことに、場所を移動したらすぐに弾幕を撃つことが出来たというのだ。

 

「……あんた、何をしたの?」

 

「私? 私は何もしてないわよ。ただこの子にリラックスして、意識を集中させてやってみなさいって言っただけ。難しいことは何も言ってないわ」

 

「……本当? 竜之助」

 

「う、うん。本当だよ。なんであんなに急に撃てたのか不思議なんだけど……なんでかな……?」

 

「……紫、本当に何もしてないの?」

 

「ええ。多分その子が周りのことを考えて無意識に力をセーブしちゃってたから出なかったんじゃないかしら? 私が連れていったのは周りに何もない平原だったしね」

 

紫は扇子で口元を隠しながらいつも通りの口調で話す。

 

「……さて……それじゃあ私はそろそろ戻るわね……竜之助に挨拶するっていう目的は達成したし……」

 

そう言いながら紫はスキマを開いた。

 

「あ、待ちなさい紫。あんたにはまだ聞きたいことが」

 

「霊夢ー。いるかー?」

 

霊夢が紫に問いかけようとしたとき、玄関から声が聞こえた。

 

「今の声は……って……」

 

霊夢が玄関の方に顔を向けていた間に、紫はスキマで帰ってしまったらしく、もうすでにそこにはいなかった。

 

「あのスキマ妖怪……今度会ったら詳しく聞いてやるわ……」

 

「霊夢ー? 本当にいないのかー?」

 

「れ、霊夢。お客さんが来てるよ?」

 

「ええ。わかってるわ。声の主もね」

 

そう言いながら霊夢は玄関に向かい、扉を開けた。するとそこには上白沢慧音が立っていた。

 

「なんだ、いたのならもう少し早く出て来てくれよ。いないのかと思ってしまったじゃないか」

 

「ごめんなさいね。少し手が離せない状況だったから」

 

「まぁそれなら仕方が無いな。……そっちの子が例の子か?」

 

慧音はそう言いながら神社の奥を覗き、竜之助と目を合わせた。

 

「初めまして。芥河竜之助と申します」

 

「こちらこそ初めまして。上白沢慧音だ。よろしく頼む」

 

「……それで? もうそろそろ授業が始まるであろう時間なのに寺子屋の先生がいったいここに何の用なのかしら?」

 

「うむ、それなのだが、竜之助を寺子屋に通わせてみてはどうかと思って誘いに来たんだ」

 

「ぼ、僕を……ですか……?」

 

「……どういうことよ?」

 

霊夢は慧音に近づき竜之助には聞こえないぐらいの声の大きさで話かけた。

 

「なに、別に大した理由じゃないさ。竜之助はまだ年端もいかない子供だ。普通に勉学に励むのは不思議じゃあるまい。それに、見たところ竜之助は10歳過ぎといったところだろう? 寺子屋には竜之助と同じぐらいの年齢の子供がたくさんいるからな。心の傷を癒すのにも友人を作っておいた方がいいと考えてな」

 

確かに竜之助はまだ私と魔理沙、紫、そしてたった今会った慧音としか会っていない。そのうちの紫と慧音はかなりの歳上だし、私と魔理沙とは歳が近いけどまだ遠慮しがちだ。なら、いっそのこと通わせるのも手だと霊夢は考えた。しかし、

 

「学費はどうするのよ。それもあんたが負担してくれるの?」

 

「ああ。というより私が教えてるんだ。払う払わないは私が決めるし、その前にまず私は金は取ってない。趣味で教えているだけだからな」

 

「はぁ⁉︎ お金を取らないとかあなた大丈夫⁉︎ 頭おかしいんじゃない⁉︎」

 

「あいにくながら教える立場である私が頭がおかしいと生徒が困ってしまうのでな。これでも少しはまともだと自負しているよ」

 

「……まぁ……あんたがいいのならいいけど……竜之助はどうなの? 行きたい?」

 

「うん‼︎ 行って見たい‼︎ 他の人たちとも会ってみたいし、勉強もしてみたい‼︎」

 

「はいはい。あなたが行きたいのなら行って来なさい」

 

「いいの⁉︎ やったぁ‼︎」

 

竜之助は瞳を輝かせながら大喜びした。霊夢はそんな竜之介を見て苦笑しながら慧音に声をかけた。

 

「それじゃあ慧音、竜之助を頼んだわよ」

 

「……あ、あぁ。わかった。任されたよ」

 

慧音は霊夢からの言葉に少し驚きながらも答えた。

 

「何よ?」

 

「い、いや……なんでもない……」

 

「……そう。変なやつね」

 

「ねぇ霊夢‼︎ 今日からもう行っていいかな‼︎」

 

「ええ。行ってらっしゃい」

 

「はーい‼︎ それじゃあ行きましょう‼︎ 慧音先生‼︎」

 

「あ、あぁ。そうだな。それじゃあ霊夢、また」

 

「ええ。またね」

 

そう言って慧音と竜之介は石段を降りて行き、霊夢は竜之助を見送って神社に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「慧音先生どうしたのですか?」

 

「い、いや。なんでもない……」

 

竜之介は慧音の様子がおかしいと思い問いかけたが、大丈夫ということで気にしないことにした。

 

慧音が驚いていたのは竜之介を送り出す時の霊夢の顔だ。あの態度からするに、無意識のうちなのだろう。しかし……

 

「……あんなにいい笑顔の霊夢は初めて見たな……」

 

そうポツリとつぶやきながらゆっくりと二人で寺子屋に向かって行くのだった。




はい。ということで第九話は終わりです。ほんの少しずつですが、変わりつつあるかもしれない霊夢です。次回は寺子屋の内容などもやって行きたいと思うので、良かったら次回もゆっくりしていってください♪
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