透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい) 作:時代に遅れている
この話ずっと書きたかった。
カオスでもよろしくー
最後は大事
『――どうしますか、先輩?』
イチカの声が、端末越しに微かに揺れる。まるで嵐の前の風の音のように、静かだが不穏な気配を孕んでいた。
「どうしますも何も――」
応答したハスミの声は、言葉の途中で唐突に空気の中に沈んだ。息を止めるように、声の調子がぴたりと途切れた。
行かないという選択肢は存在しない。だが、てっきり万魔殿かゲヘナ風紀委員会が突入して来たものと思い込んでいた彼女の思考は、一瞬、何処かで踏み外したかのように宙を彷徨った。
――相手が公的組織ならば、問題は単純だった。だが、今回の相手はただの**“テロリスト”**。美食という名の暴走を繰り返す、秩序に名を借りない悪夢のような存在だ。
だからこそ、この件は厄介なのだ。
『――というか、早くご命令を頂かないと、ツルギ先輩が発射……飛び出しちゃいそうっすけれど』
軽い冗談めかして放たれた言葉。しかしその裏に隠された緊張は、微妙に滲む声音が物語っていた。
「つ、ツルギは……とりあえず止めてください。壁を壊されても困るので」
『いやー、それが無理なんすよねー。ハスミ先輩以外じゃそうそう止められな――あっ、ツルギ先輩! 行かないで下さいッ!? そっちはドアじゃなくて壁――』
『キシャァァァァァ!!!』
その叫びの後に、金属がねじ切れるような爆音、床が砕けるような破砕音、悲鳴ともつかぬ怒声が、断続的に重なって響いた。
『おい、総悟! お前もどっちにバズーカ向けてんだ!』
『死ねェ! 土方ァ!!』
そして、爆発。
通信端末が甲高い電子音を鳴らして、ぷつりと沈黙に沈む。画面に走る一筋のエラーコードが、崩壊した通信の余韻のように残った。
「………」
ハスミは、ただ静かにその端末を見つめる。感情の波がすべて引いた後の海のように、彼女の表情には何の色もなかった。ただ一つ、深く吐かれた溜息が、その場に小さく落ちた。
「むっ、爆発音に……銃声だな。音の反響からして、ここから一キロ圏内と見た」
アズサの口から冷静に発せられた推測。それはどこか機械的で、けれど的確だった。
「え、えぇ……」
「はぁ……」
ヒフミの返答は驚きと困惑が入り混じり、ハスミの肩からは再び深い溜息がこぼれる。
もう、すぐそこまで来ている――美食研究会が。
ハスミは無言で端末をポケットに戻し、顔を上げて三人に視線を送った。
「皆さん、突然の事ですみませんが……お力添えをお願い致します」
「えっ、わ、私達ですか!?」
ヒフミの声が、思わず裏返る。慌てた様子で飛び上がった彼女の眼には、戸惑いが色濃く浮かんでいた。
だが、その隣でアズサの表情はいつもと変わらず。ハナコは既に理解していたように頷き、視線をふと、奥にいる一人の男へと向ける。
「――俺の出番というわけだな」
桂。静かに立ち上がり、背筋を伸ばす。まるで一幅の水墨画のように、無駄な動きもない。ハスミはその姿にわずかに目を細めた。
「はい、補習授業部とシャーレ。副担任とはいえ、後者が主導で解決する構図が望ましいかと……厚かましいお願いである事は重々承知しておりますが、桂さん、お願い出来ますか?」
「無論だ。仲間の失態は、リーダーたる者がその尻を拭わねばな」
「いや、副担任ですからね桂さん。リーダーではないですからね」
ヒフミの冷静なツッコミが入るが、桂はどこ吹く風といった様子で補習授業部を見渡した。そこに集う面々はそれぞれの銃を手に取り、すでに気概を固めていた。
「当然、桂の指示に従う」
「い、いきなりの戦闘ですか……じ、自信はないですけれど、が、頑張ります!」
「ふふっ……まぁ、桂さんがそう仰るのであれば♡」
「わ、私は……そういうのは無理でござりますので先に戻っておくでござります」
そんなやり取りの中、ひときわ小さな声が、遠慮がちに響いた。
「……あっ、わ、私も……? 桂と、ハスミ先輩と……一緒に?」
コハルの瞳は、戸惑いと、そして微かな期待で潤んでいた。
ハスミは、そんな彼女の頭をそっと撫でた。指先に触れる柔らかな髪の感触。そのぬくもりに、ハスミの唇が柔らかくほころぶ。
「いつかこうして肩を並べる時期が来るとは思っていましたが……想像よりも早かったですね、コハル」
「は、はい! 頑張ります……!」
コハルの小さな身体から、決意が溢れ出す。
震える肩、しかし結ばれた唇は力強く、闘志の火は彼女の眼に煌々と宿っていた。
憧れの先輩と共に戦う――それは、少女の胸を熱くするには、十分すぎるほどの理由だった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「……?」
耳の奥、空気の震えに、銀時の眉が僅かに動いた。ハルナの手が止まり、スコープを覗く動作すら躊躇う。それは獣の嗅覚に近い直感、否、美食家が獲物を察知するかのような鋭敏な感覚だった。
“ゴゴゴゴゴゴ――”
砂を裂き、アスファルトに乾いた唸り声を刻む回転音。遠雷のように低く、だが確かに近づいてくる。
「……なに、この音……?」
ジュンコが銃口を横に向け、牽制射撃をばら撒きながら尋ねる。炸裂する火花が、言葉の代わりに緊張感を刺す。
「えっと……ロードバイク、みたいな音がします。銀さん、心当たりは?」
「……いや、ねぇよ。あいつ砂漠の住人だぞ? 絶対こんなところまで来な……」
「ゴールドマグロ発見」
唐突に、風の中から切り込む鋭い声。銀時の言葉が呑み込まれるより早く、白いケモ耳を揺らした少女――シロコが、風の如く駆け抜けた。
「いただき」
ハルナの腕の中で抱えられていたフウカが、一瞬驚愕の表情を見せ、シロコがイズミその手から“何か”をさらう。
「うわぁっ!!」
イズミが叫んだ。彼女の腕から何かが抜け落ちる。反射的に手を伸ばすも、既に遅い。
「イズミ!」
「ごめんなさい……! さっきの白い子に取られちゃった……」
金色に煌くソレ――ゴールドマグロは、シロコの背に装備されたハーネスにぴたりと固定されていた。
「なかなかの手際の良さでしたね。経験者でしょうか……」アカリが何気なく感想を漏らす。
「そんなこと言ってる場合!? さっさと取り返さないと!!」ジュンコが怒声を上げる。
「銀さん、行きますよって――って、はやっ!?」
風が、抜けた。否、銀時だった。
「うおォォォォォォ!! 待ちやがれェェ!!」
砂埃を蹴り上げ、銀髪の鬼が爆走する。足元から迸る衝撃波。まるで地面が拒絶しているかの如き圧力。
時速計など不要だった。彼は“金”に吸い寄せられるように疾走していた。
「ん!流石銀ちゃん、私のロードバイクに足で追いつくなんて……」
「銀さんはな……金が絡むと足が六倍速くなるんだよォォ!!」
風の中、声が木霊する。
「シャアの倍!? 負けられない!」
シロコが背後を一瞥し、狙撃銃を構える。
「……精密射撃、開始」
“バシュッ!”
一発、銀時の足元へと飛来する。避けるどころか、銀時はその銃弾を――
「たあァァァァァ!!」
銀時の右手が閃く。木刀が、まるで柳の枝のようにしなり、銃弾を撥ね上げた。
「なっ……当たらない……!」
「この泥棒娘め!さっさとその金ずるを返せェェェ!! オラァ!!」
跳躍一閃、銀時が宙を舞う。そのまま真上からシロコの背に迫り――
シロコの背に装備されたハーネスの留め具が砕け、ゴールドマグロが解き放たれた。
金色に輝くマグロが、空中でひときわ美しく回転する。まるでスローモーションのように、天を泳ぎながら――
「よっしゃァァァァァ!!」
銀時が両足で地面を蹴る。風を裂き、砂を巻き上げ、一直線に飛び込むようにしてマグロへと手を伸ばす。
“バシィィッ!”
見事なキャッチ。金色の塊が銀時の腕に収まり、その刹那――彼の顔には少年のような笑顔が咲いていた。
木刀を肩に担ぎながら、そのまま走り出す。背に太陽を浴びながら、勝者の余裕を見せるその姿は、どこかヒーローめいてすらあった。
「ん……やられた……やっぱ、銀ちゃん……強い」
シロコは肩を落としながら、ぽつりと呟いた。
その瞳には、敗北の悔しさではなく――まるで獲物を逃した猟犬のような、満足気な光が宿っていた。
ーーーーーーーーーーー
「銀さァァァァァん!!」
ヒフミの叫びが、砂塵の中に響き渡った。喉が張り裂けそうな勢いで叫ぶその声は、どこか泣きそうな必死さを帯びている。
「戻って来なさいバカァァァ!!」
コハルがその隣で拳を振り上げ、必死の形相で叫ぶ。空に拳を突き上げる様は、まるで彼岸に旅立つ誰かに祈りを捧げる巫女のようで――いや、現実にはただの全力のツッコミだった。
「……いないな」
淡々と呟くアズサ。その頬に砂埃がかかっても気にする素振りすらない。
「仕方あるまい。銀時の奴は金が絡むと全ての力が六倍にまで上がるのだからな」
桂が腕組みをしながら、まるで誰にでも理解される常識であるかのように語った。周囲に頷く者はいない。
そして――
エリザベス『シャーの倍!?』
なぜか手にしたプラカードが空中で揺れた。それだけで、衝撃波のような空気が辺りを包み込む。
「というか――」
ハスミが眉をひそめ、周囲を見渡す。次の瞬間、その視線が急降下し、衝撃を伴う声が響いた。
「どうしてみなさんエリザベスに乗っていらっしゃるんですか!?」
視線の先、見れば一同がなぜか巨大なエリザベスの背に乗っていた。人が乗るサイズではないはずのものが、さも当然のように彼らを乗せて進んでいる。
「何がおかしいのだ、ハスミ殿?」
桂が真顔で答える。
「銀魂五シーズンのオープニングでも桂が乗っていたじゃないか……」
アズサが平然と応える。
「いやそういうことじゃなくて……コハルもヒフミさんも、何かおっしゃってください」
「まぁ、エリザベス様ですし」
ヒフミがやや遠い目をして、現実から目を逸らしたように呟く。
「ハスミ先輩、気になったら負けですよ」
コハルはまるで何かを悟った僧侶のような表情で諭した。
「……………」
ハスミの口元がわずかに引きつった。無言の中に、全てを諦めた者特有の静けさがあった。
「とにかく今は追いつくことに専念しましょう」
ハナコが冷静に割って入る。その声に引きずられるように、皆が態勢を立て直した――その時だった。
「なんでい、お前らも来てたのか?」
沖田総悟が肩にバズーカを担ぎながら、砂を蹴って歩いてくる。
「あ、沖田さん。土方さんの始末は終わったんですか?」
ハナコがあくまで自然に問いかける。
「誰が誰の始末が完了しただゴラァ!!」
唐突に怒声が轟く。土方が地面から這い出るようにして現れた。バズーカの煤で髪が焦げている。
「この通りでさぁ。全くしぶとい野郎でい」
沖田が肩をすくめる。
「それにしても旦那のやつが協力してるとあっちゃ〜……こりゃあ軍隊がいくつあっても止められる気がしねぇ……」
「事実でも、なんとかしないといけません」
ハスミが冷静に現実を直視しようとする。――そこへ。
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ……」
イチカの咳き込む声が響く。泥と血にまみれ、腕を押さえながらよろよろと歩いてくる。
「イチカ!」
ハスミが駆け寄ろうとするも、その横から声が割って入る。
「キシャシャシャシャ……あ、」
ツルギが肩を回しながら現れた。どこか緊張した気配を纏っている。
「ツルギも……無事でしたか!」
「これを見ても無事に見えるかどうか……聞きたいもんっすけど……まだ動けるっす」
イチカが苦笑混じりに返す。
「そうですか。なら、全員で一斉に彼らを捕まえれば――」
「見ろ」
アズサが無表情のまま、遥か前方を指さす。
「――あそこにターゲットの集団が」
その視線の先、僅かな土煙の向こうに、銀時たちの姿が見える。
「うむ、行くぞ貴様ら! 彼らに天誅を――!」
桂が拳を振り上げて号令を発しようとする、その直前――
「ツルギ……どうしたんですか?」
「………いや、何か、来る気がして……」
ツルギの目が僅かに細められる。獣のような感覚が、地の底から何かが迫ることを察知していた。
「そういえば……近藤さんを見かけませんね」
沖田が、ふと呟く。
「そういやぁ……そう……」
土方の顔が、ほんの僅かに青ざめる。
そして――
ゴ、ゴゴゴゴゴ……!!
地鳴り。
否、明らかにそれを超える圧力と轟音が地の底から湧き上がる。
空気が震え、視界が揺らぎ、全員が本能的に背筋を伸ばす。
「「「「「「「うわァァァァァ!!!」」」」」」」
阿鼻叫喚。誰かが叫び、誰かが逃げ、誰かが震える。
その轟音の正体――まさに、伝説の猛獣が目覚めるかのように、地平線の向こうからとんでもない何かが迫り来ていた――!
ーーーーーーーーーーーーーー
「……あとはアイツらと合流して逃げるだけだな……」
ゴールドマグロを木刀で肩に引っ掛け、勝利の余韻に浸りながら砂漠を駆ける銀時。その表情は達成感と食欲でキラキラしている――が。
「おい!てめぇーら!マグロ発見取り返し……た」
声を張り上げると同時に、視界の端をシュンッと何かがすり抜けた。突風のような速度で彼の前を――ハルナたちの集団が駆け抜けていった。
「……おい!」
振り返りざまに叫ぶ銀時。
「何してんだよ!マグロを捕まえたって言ってんだろうが!!」
しかし返ってくるのは切実な叫びだった。
「それどころではありませんよ銀さん!!」
ハルナの顔は真っ青で、目の焦点が虚空に泳いでいる。
「そうよ銀さん!早く逃げないと!!」
ジュンコの足元には火花すら散っている。走りの限界突破状態だ。
「消し炭にされるゥゥゥ!!まだ食べたいものがたくさんあるのに〜!!」
イズミが涙目で両手を空に伸ばしながら絶叫している。
「……はぁ?」
銀時がマグロを下ろしかけたその時。
「銀さん」
後方からアカリの声が囁くように、しかし確実に背筋を凍らせるテンションで響く。
「う・し・ろ・です⭐︎」
「……え?」
振り返る。
そこには、地獄の黙示録としか形容しようのない光景が広がっていた。
「うりゃァァァァァァァァァ!!」
地鳴りの如き叫び声とともに――
お妙が鬼の形相で近藤勲を振り回して突進してきていた。
否、振り回すというより、大太刀のようにブンブンと風を裂き、ゴリラバットとして近藤をフル活用している。
「うぉォォォォォォ!!」
銀時の叫びが、ほとんど悲鳴と化す。
「なんだよあの化け物!ゴリラがゴリラを振り回しながら追いかけて来てるよ!!」
砂煙の中、グルングルンと円を描く近藤の体。その迫力たるや、スカー◯ングに追いかけられる悪夢そのもの。
「スカー◯ングが襲って来てるよ!!」
「見ましたか?あれを!」
ハルナが指差す先、お妙は既に空中で跳躍し、地面に激突した近藤の体で砂煙の竜巻が起こっていた。
「私たちは、アレからなんとしても逃げなくてはいけません……!」
その言葉には、戦場を潜り抜けてきた者にしかない恐怖の実体験が滲んでいた。
「というか、なんであの化け物に追いかけられてんだ!!」
銀時が叫ぶ。
「それは――」
脳裏に、ひとつの映像が浮かぶ。
――それはつい数時間前の給食室。
エプロン姿のお妙が包丁を握り、目を輝かせながら料理の手ほどきをしていた。
その隣で、フウカが気まずそうに笑いながらも、真剣な眼差しでダークマターを見ていた。
その温かで平和な一幕が、今や頭上に浮かぶ幻影のように、銀時たちの頭の上でパカッと開いた吹き出しに再生される。
……その次のカットでは、フウカが後ろからハルナに羽交い締めにされ、ズルズルと引きずられていく。
それを見て、お妙の額にはくっきりと青筋が浮かび、包丁をギリギリと捻じ曲げていた――。
「さぁ……私にもさっぱり」
無表情のまま、目線をそらすハルナ。
背後の地平線からは、灼熱の憤怒とともにお妙が迫りくる。
「何がさっぱりだ!完全にそれが原因だよね!イメージで流れたよ!? フウカ強制連行されたの見えたよね!?」
銀時の叫びは、もはや虚空へのツッコミ。
全身から焦りが溢れ、目が血走り、髪が逆立つほどの勢いで後方を振り返る。
「ゴラァァァァァァ!!フウカちゃんを返せって言ってんだろうがボケェェェェ!!!」
轟音とともにお妙が跳躍し、巨大な鉄球のように近藤を振りかざしながら突っ込んできた。
その叫びは、空間を切り裂く鋭利な怒気として耳を貫く。
「ほら!やっぱ攫ったのが原因だよ!返して差し上げろ!早くあのスカーキ◯グにフウカを返して上げてェェェ!!」
銀時は両手を掲げ、まるで神に赦しを乞うかのようなポーズで絶叫。
すでに半泣きである。
「お妙さん死ぬゥゥゥ!!死んじゃうゥゥゥ!!やめてェェェ!!」
近藤が自身の“武器”にされながらも懇願。
しかしその懇願も、お妙の剛腕によって地面を抉りながら“ブン投げ”られ、空に吸い込まれていく。
「ほら!バットにされてるゴリラも死にそうだよ!ストーリー初めての死者が出ちゃうよ!!」
「この物語、まさかの初犠牲者ゴリラでスタートとか嫌だよ!!」
銀時の叫びが砂嵐の中にこだまする。
“死者第一号”の文字が銀時の脳裏に赤文字で点滅し始めていた。
「いけません!ゴリラの命より美食!美食こそ命なのです!」
ハルナが堂々と宣言し、フウカを守るように抱きかかえる。
その目は真剣そのもので、まさに“狂気のグルメ信仰者”。
「んなこと言ってる場合か!マグロはどこでも捌けるから!ス◯ローでもく◯寿司でも捌けるから!!」
銀時が駆け寄り、木刀を地面に突き立てたまま、勢いよくフウカに手を伸ばす。
その動きは――もはや誘拐犯と正義の味方が入れ替わったようなカオスな構図と化していた。
だが背後では、怒れるゴリラ・お妙が、近藤という聖なる兵器を再び担ぎ上げていた――。
「うォォォ!!」
銀時が吠えるように叫びながら飛び出した。
額には汗が滲み、口元は食いしばられ、瞳に宿るのはただ一つ――“生き残りたい”という執念。
その腕が、フウカを求めてまっすぐに伸びる。
「ダメです!」
その前にハルナが立ち塞がった。
毅然とした態度、揺るぎない意志。銀時の腕をがっちりと掴み、身を挺して防ぐ。
「もう何をやってるの!!」
ジュンコの怒鳴り声が場を裂く。だが、その声はすぐに別の出来事によってかき消される。
トントン。肩を軽く叩く感触。
「どうしたの?」
ジュンコが後ろを振り返ると、そこには静かに周囲を見渡すアカリの姿があった。
「アレ、見覚えがありませんか?」
アカリの指差す先――そこに、爆発音すらかき消す存在感で、ひとりの少女が佇んでいた。
「はぁァァァァァ………面倒くさい」
空気が、凍った。
ただ一言。だがその一言が、周囲の誰よりも重く響く。
――空崎ヒナ。ゲヘナ風紀委員会、最強の名を欲しいままにする冷徹な風紀の化身。
「ひ、ひ、ヒナ委員長だァァァァァ!!」
絶叫するイズミ。その声は裏返り、悲鳴と化す。
「さっさと終わらせよう……」
ヒナが呟く。まるで面倒な家事を片付けるかのような、淡々とした口調。
だが次の瞬間、世界が揺れた。
ドドドドドドドドドドドドッ!!
周囲一帯に降り注ぐ、圧倒的な弾幕。
爆音が地面を裂き、空を震わせる。建物の影から逃げ出す者も、息を呑む者も、皆ただ圧倒されていた。
だが――その弾幕を、たった一人、迎え撃つ者がいた。
「うぉぉォォォ!!」
銀時が咆哮し、木刀で乱撃。
その軌道が弾丸の雨を裂き、斬り、打ち払っていく。まるで“風”そのもののように。
彼の動きは、経験と本能が融合した、美しき破壊の舞だった。
「銀さん、すごい!」
ジュンコが声を上げる。
その瞳には、確かに銀時の勇姿が映っていた。
「みなさん、どちらにしろ……」
アカリが静かに口を開いた。
その目は、すでに“終わり”を予見していた。
「フン!」
お妙が踏み込む。
銀時が防いだ弾幕の一部をバットで打ち返し、空を裂く逆撃となって返す。
その姿はまるで鬼神の如く。
「終わりのようです」
アカリが、まるでナレーターのように淡々と締めくくった。
「「「「え………」」」」
一瞬の静寂――そして、
「うわァァァァァ!!」
再び全員が吹き飛ぶ。砂煙が巻き上がり、声にならない悲鳴が空に消えていった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「フウカちゃん大丈夫?」
お妙が優しく声をかけながら、フウカの肩に手を置く。
その顔は鬼神の如く敵を吹き飛ばした直後とは思えぬ、穏やかな微笑を浮かべていた。
「う、うん……お妙ちゃんが弾幕を打ち返すところまでなら……」
フウカは目をぱちくりとさせながらも、まだ微かに震えていた。
ほんの数分前の死地が、まるで幻だったかのように消えていく――
「いやぁ、まさか……あのメガネの姉までもここに来ていたとはねぇ」
沖田がぼやくように呟く。だがその目は鋭く、お妙のバットを握る手を警戒していた。
「こりゃあキヴォトスの終焉も近いかもしれねぇや」
「近藤さん大丈夫か?」
土方がやや焦った様子で、地べたに崩れている男へと駆け寄る。
「大丈夫……後で治療してもらうから……」
近藤の返事は息も絶え絶え。全身が痙攣し、どこからどう見ても即入院案件だった。
「全く、とんだ無駄足でした。」
ハスミがため息混じりに呟く。
「……全てあのゴリラに持っていかれちゃいましたからね」
ヒフミが肩をすくめ、遠くでバットを振るうお妙と、それに振り回される近藤の姿に視線を送る。
「それより、あの天パは? あのおバカはどうしたの?」
コハルの問いに答えたのは、例によって空気を読まずに現れる男――
「銀時なら、シロコ殿を追いかけてきたアビドス組に説教されている」
と、桂がポツリと呟く。
その視線の先には、叱られる天パとそれを囲む数名の生徒たちの姿が。
「もう、銀ちゃんったら銀行強盗のお金は取っちゃいけないって言っておきながらなんでこんなことするのかな〜」
ホシノが腕組みしながら銀時を見下ろすように言い放つ。
「いやぁ盗ってないって……アレはそう、水族館で釣って来ただけーー」
「それはもう強盗と同じだから!!」
セリカの声がズバッと銀時に突き刺さる。
「ん、銀ちゃん反省して」
とシロコが真顔で言うと、アヤネとセリカが声を揃えて、
「シロコ先輩もです!!」
「シロコ先輩もね!!」
「ん……」
小さく俯いたシロコを、ノノミが優しく撫でる。
「ヨシヨシ」
「生徒に叱られる先生ってどういうことでしょう」
ヒフミがそっと言えば、ハナコが肩をすくめながら、
「まぁ、先生らしいですけどね」
「ところでハスミさん、あの方々の処遇はどうなるのでしょうか?」
ヒフミが問えば、ハスミが腕を組んだまま冷静に答える。
「そうですね、本来であれば私たちの方でこの後の処遇を決めるのですが……今回は時期が時期ですので、ゲヘナ風紀委員会に託そうかと」
「それにしても遅ぇな……」
土方が時計をちらりと見て眉をしかめた。
「おい、ヒナさんとやら、アンタんところの治療班はまだ来ねぇのか?」
「うーん、そろそろ来ると思うんだけど……」
その時だった。
ギュィィィィィィィン……!!
向こう側の闇を切り裂くように、鋭い光が地面を照らす。
ゲヘナの校章を大きく掲げた装甲車が、まるで悪魔の使いのようにスモークを巻き上げて現れる。
甲高いブレーキ音とともに、重々しく停止。扉が勢いよく開かれ、一人の影が飛び出してきた。
「――お待たせしました、死体はどこですか?」
その一言で空気が凍る。
「誰が死体だ!勝手に人様の大将殺してんじゃねぇ!!」
土方が即座に怒声を上げるも、相手は意にも介さぬ様子でにっこり微笑む。
「ごめんなさい、セナはよく負傷者を死体って言う癖があって………」
ヒナが申し訳なさそうに肩をすくめる。
「どんな癖だ!元マッドサイエンティスト!!」
「そりゃあちょうどいいーー」
沖田がにやりと笑いながら、ゆっくりとバズーカを土方の背後に構えた。
「じゃあ今から死体を用意するんで、存分解剖でも改造でも好きにしていいんで」
「おい、誰のこといってる?俺のこと言ってる?」
「とにかく、セナよろしく」
「はい、」
セナが軽く親指を上げると、近藤を“チョイっ”と無造作に放る。
「投げるなァァァァァ!!」
土方の絶叫が夜空にこだまする。
彼女――セナは、ほんのり頬に赤みが残る顔を軽く叩くと、小さく息を吐いた。
「よし……」
呟くように気合を入れ、肩に掛けたポーチから一台の端末を引き抜く。冷たい光を放つ液晶には、受け渡し対象となる物品、犯人、人質の詳細がぎっしりとリスト化されていた。指先で画面をスクロールさせながら、淡々と内容を確認していく。
「えー……納品リストには、新鮮な負傷者五名と書かれていましたが」
その響きには妙な冷徹さがあり、周囲の空気を微かに凍らせる。
「新鮮……うん、えっと、一応彼女達は後ろの護送車に――」
返答する者もどこか苦笑混じり。腕を組んだセナが護送車の方へと視線を向けると、ちょうど扉が開き、美食研究会の面々を従えて歩く自分の姿がそこにあった。
――護送車の後部。拘束された生徒たちの足枷はすでに外されており、セナが淡々と指示を出すと、生徒たちは誰一人抵抗することなく、まるで修学旅行の集合のように素直に車両を降りていく。
その表情には諦めや安堵、そして妙な達成感が入り混じっていた。
「――では、そちらの車両に」
「ん……」
「あら――」
先頭を歩いていたハルナとヒナ。二人の視線が真正面から交差する。
静かな空気が一瞬だけ張り詰めるも、先に口を開いたのはハルナだった。
「ふふっ、ヒナさん、お久しぶりですわね」
「ハルナ、相変わらず……いや、詳しい話は帰ってからで」
あくまで表面上は変わらぬ態度のハルナに対し、ヒナは眉をわずかにひそめ、心底面倒そうに返す。
この場で語るには色々と多すぎるのだと、無言の圧で示すように。
「セナさん☆ ちょっと私の腕の角度があり得ない方向に曲がっているのですが、診て頂けます?」
明るい声を上げながらアカリが訴えると、続くジュンコは完全にバスに酔った子供のように。
「うぇ、よ、酔った、吐きそう……」
そしてイズミはすでに夢の中。
「ぐーぅ……すぴぃ~……」
ハルナの後に続々と続く美食研究会。
「銀さん、今回は楽しかったですわ。」
「また、一緒に逃げましょうね」
「私のゴールドマグロ……」
「すぴぃ~……」
「……うるさい、早く入って」
バラバラなテンションの美食研究会を、ヒナは無言で緊急車両十一号の中へ押し込み、そのまま乱暴に扉を“バンッ”と閉めた。車両が微かに揺れる。
セナは中の様子を素早く確認し、ヒナの元へと歩み寄ると、小さく敬礼するような動きで報告を述べる。
「――積載完了しました、出発の準備は整っています」
「そう……少し待っていて」
ヒナは静かにそれだけ告げると、セナに小さく頷いて待機を命じた。次の瞬間、鋭い踵の音を響かせて、その足を銀時の元へと向ける。
銀時が、その視線に気付き振り返った。
「……ん?」
そして、ヒナがぴたりと立つ。
「――銀ちゃん、トリニティで一体何をしているの?」
声は低く、静か。
「いやぁ、さっきも、言ったけど、水族館でゴールドマグロを釣っただけーー」
能天気な返しにヒナの眉がさらに険しくなった。
「いや、そういうことを聞きたいんじゃなくて……」
「じゃあアレかシスターを亀甲締めにしたこと?」
「プールで大乱闘したこと?」
矢継ぎ早に放たれる自爆発言の数々に、ヒナはもはや目を閉じて溜息をついた。
「いや、もういいわ。相変わらず楽しそうでなにより……」
その声音は、呆れと諦め、そしてどこかに羨望すら滲んだ――
銀時は、ぼんやりとした目をしながらも、ふとヒナの顔色に目を止めた。
無理に気丈を保っているようで、その瞳の奥にかすかな陰りが差していることに、彼は気づいた。
「おい、お前疲れてんのか?」
その言葉は、いつもの調子のようで、どこか優しさが滲んでいた。
ヒナは少しだけ目を細め、微かに口元を緩める。
「……分かるの?」
「おいおい、こちとらこれでもお前らの先生だよ? 生徒の様子が見えなくてどうすんだよ」
冗談交じりのその一言に、ヒナの眉がわずかに緩む。
けれどその背には、どこか疲れきった影が落ちていた。
そして、ふと口を開いた時、そこにあったのは、風紀委員長としての彼女ではなく、一人の少女としての弱音だった。
「ETO(エデン条約機構)が結成されたら、今よりも遥かにゲヘナの秩序はマシになる筈、
そうなったらもう、私が風紀委員長じゃなくても良いでしょう?
――良い加減、引退も悪くないと思って――」
言葉の最後は、どこか風に流れるように小さく零れた。
銀時が、肩をすくめながら振り返る。
「銀ちゃんどうしたの?」
「いやぁ、引退するんだろ? 記者会見の準備でもしておかねぇとーー」
その軽口に、ヒナはふっと息を吐いて笑った。
「銀ちゃん、まだ検討中だからまだ誰にも話してないから」
「……まぁそういう何事にも縛れずに楽しく生きる銀ちゃんが羨ましく思うけど………」
その一言には、言葉にはし尽くせない重さがあった。
責任、期待、孤独。
それらすべてを抱えて立ってきたヒナだからこそ、自由に見える銀時の在り方に憧れを抱いていたのかもしれない。
銀時は、わずかに目を細め、口を開いた。
「お前………」
けれどその言葉の先は、何も続かなかった。
ヒナは、少し視線を逸らすと、静かに微笑む。
「安心して、マコトは以前よりも仕事をするようになったから……何も心配はいらないから」
言いながら、自らに言い聞かせるように小さく頷く。
その横で、セナがポーチから懐中時計を取り出して静かに開いた。
乾いた音と共に秒針が動く音が耳を打つ。
「風紀委員長、そろそろ時間が――」
「……ん、分かった」
ヒナは名残惜しげでもなく、むしろ躊躇うこともなく、銀時に背を向けた。
裾の長いコートが、夜風に揺れて音を立てる。
セナは先に車に乗り込み、エンジンをかける。
緊急車両十一号のヘッドライトが再び闇を裂いた。
助手席の扉を開くと、ヒナはひと息つき、スカートの裾を整えてから静かに乗り込んだ。
無言のまま着席するその横顔を、セナがちらりと見つめる。
「先生と、何か?」
問いかけは慎重で、それでも好奇心を隠しきれていなかった。
ヒナは、視線をフロントガラスに向けたまま、わずかに首を横に振る。
「……下らない政治の話よ」
その言葉に、セナは静かに頷く。
「そうですか」
短く返すと、シフトレバーをドライブに入れ直し、
アクセルをゆっくりと踏み込んだ。
装甲車は静かに滑り出し、闇夜の向こうへと姿を消していった。
銀時は、街の灯りに溶け込むように走り去っていく車両を、ぼんやりと見つめていた。
その瞳には、さっきまで傍にいた少女――風紀委員長、空崎ヒナの背中が映っているようでもあり、また、それとは別の過去の影を追っているようでもあった。
無言のまま佇む銀時の背後から、ふわりと柔らかな声が届く。
「銀さん」
肩越しに振り返ると、そこにはどこか穏やかな、それでいて芯の通った眼差しを向けてくるお妙の姿があった。
「お妙、」
銀時の声には、どこか安堵と驚きが混じっていた。
「さっきの子が気になるんですか?」
お妙は、ややいたずらっぽく笑みを浮かべながら問いかける。
銀時は、少しだけ視線を逸らしてから、首を振る。
「いいや、なんでもねぇよ」
それは、いつもの気の抜けた調子。けれど、その一言の奥には、彼なりの優しさと照れが滲んでいた。
「それよりお前、どうしてここに?」
話題を変えるように銀時が尋ねると、お妙は肩をすくめて応じる。
「色々ありましてね、山海經ってところに新ちゃんに、神楽ちゃんたちと一緒にいたんですけど今はゲヘナで料理の修行を――」
銀時はその言葉にぴくりと眉を動かす。
「おい!新八に神楽がここにいるのか!?」
「ええ、ただ、エデン条約が近いってことで会うのを控えているそうですけど……」
その答えに、銀時はしばし沈黙する。
夜風が二人の間をすり抜け、遠くの街の喧騒が静かに響く。
「そうか、」
ぽつりと呟くように言ったあと、銀時はお妙の方に目を向け、真面目な声音で告げる。
「なら、エデン条約の当日の午後、トリニティーの門の前に来るように言っといてくれ」
その言葉には、何かを決意した者だけが持つ重みがあった。
お妙は、そんな銀時の様子をじっと見つめた後、微笑みながら首をかしげる。
「あら? 今から会うんじゃないですか?」
「俺にも色々あんの。ちょうどその日に一区切りつきそうなんだ。」
それ以上詳しくは語らない銀時の背中には、どこか遠くを見る者の気配があった。
そこへ、背後から賑やかな声が響いてくる。
「銀さーん!」
「何してんのよ!!」
「帰りますよ〜」
ヒフミ、コハル、ハナコ――三人の声が夜の空気を破るように響き渡り、銀時は肩を竦めて振り返った。
「へいへい、じゃあな」
気だるげに手を振りながら歩き出す銀時。その背に、お妙の声が静かに重なる。
「………分かりました。」
その声は、静かに背中を押すようであり、遠くを見据える者を理解する者の声でもあった。
夜の静寂が再び訪れ、彼女はその場に立ったまま、銀時の背中をじっと見送っていた。
次回
桂「新婦 栗子 あなたはここにいるマヨラーを
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか? 」
栗子「誓います」
桂「新郎マヨラーあなたはここにいる栗子を
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓ーー」
土方「うわけねーだろォォォ!!」
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銀時「テメェのやり方と俺のやり方どっちが上か勝負といきますか〜コノヤロー」
ナギサ「望むところです」
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次回 結婚式はちゃんと段階踏んでから!
〜透魂〜第一回キャラクター人気投票
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銀時
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新八
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神楽
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沖田
-
土方
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山崎
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高杉
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桂
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定春
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エリザベス
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ホシノ
-
シロコ
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ヒナ
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アコ
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ミカ
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ナギサ
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セイア
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ユウカ
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ノア
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近藤