透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい)   作:時代に遅れている

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            曇天

鉛の空 重く垂れ込み
真白に澱んだ太陽が砕けて
耳鳴りを尖らせる

ひゅるりひゅるり 低いツバメが
8の字なぞってビルの谷を翔る
もうじきに夕立が来る

曇天の道を傘を忘れて
歩く彼女は雨に怯えてる
ので僕も弱虫ぶら下げて空を仰ぐ

あちらこちらあんよは上手
珈琲屋に寄って一休み極めたら
帰れない帰らない

曇天の道をぶらりぶらぶら
歩く二人は足軽のごとく
危険好きの誰かのふりをする小心物共
曇天の道を傘を忘れて

歩く彼女は雨に怯えてる
ので僕も弱虫ぶら下げて空を仰ぐ


第百八訓  トリの糞は液体で構わず落とすから腹が立つ

地下に潜る空気は、湿り気と重たさを孕んでいた。無機質な石壁に囲まれた地下牢。鉄格子の向こう側から、複数の足音が近づいてくる。

 

ティーパーティー傘下の主戦派Aが声を張った。

 

「ミカ様、こちらへ。」

 

それに続くように、Bが駆け寄ってくる。

 

「ミカ様!!」

 

「お待たせしました、もう自由です!」

Cの言葉に、ミカは小さく目を細める。

 

彼女たちの表情、声色、呼吸の速さ。それだけで、ミカは外の状況をおおよそ察していた。

 

……多分だけど、ナギちゃんが大変なことになってるっぽいね。

 

ミカはゆっくりと立ち上がる。地下の薄暗い灯りが彼女の髪と翼を淡く照らす。

 

もう私にその気はないんだけど……

でも、この子たちを止めなきゃいけないよね。

 

それが、この私への「罰」ってことなのかな。

 

ミカは一歩前へ進み、うっすらと笑みを浮かべながら口を開く。

 

「ふーん……なるほどね? うん、大体状況は分かったよ。つまり……」

 

彼女は頬に手を当て、気怠げに首を傾げた。

 

「みんな、私のファンってところかな? やー、仕方ないなあ。サインでもしてあげよっか?」

 

主戦派Aが、少し戸惑ったように答える。

 

「い、いえそうではなく。ご覧になったかと思いますが、現在トリニティは一——」

 

「うん、だいたい分かってる。」

 

ミカは、笑顔を崩さずに遮る。そして少し間を置き、皮肉たっぷりに言った。

 

「で、ここのみんなは何? まさかとは思うけど、ゲヘナに宣戦布告しようとか考えてたり?」

 

「はい、その通りです!」

Aの声には、明確な興奮と狂信が混ざっていた。

 

「今こそゲヘナのやつらを消し去るチャンスかと!」

 

あぁ……そういうことか。

ハナコちゃんとかがてっきり指揮してるのかと思ったけど——

 

この雰囲気、完全なクーデターって感じだね。

 

正実や、他のシスターフッドの子たちはどうしてるんだろう?

もしかして、みんな調印式で……やられちゃった?

 

「あなた様が望んでいた通り、ゲヘナとの全面抗争を……!」

 

「さあ、今すぐトリニティ全域に戦闘命令を!」

 

次々と押し寄せる声。だがミカは、それらを受け止めながらも、微笑みを深くしていく。

 

——これは、私を解放したいんじゃない。

この子たちは、私を“神輿”に乗せようとしている。

 

そんな思考が脳裏に流れた瞬間、彼女の唇から自然と笑いが零れ落ちた。

 

「みんな記憶力良いね。うん、私はゲヘナが大っ嫌いだよ。」

 

……でもね。

 

「……それで? だから何? どうしてそんな、命令を欲しがって来たわけ?」

 

「……はい?」

 

主戦派Bが、わずかに声を詰まらせる。

 

「他の派閥を抑えたんでしょ? 実際のところ、宣戦布告なんて手続きもう要らないじゃん。今すぐにゲヘナに殴りかかれば良いのに、自分たちの代わりに怒って、命令してくれって……何それ、面白いことするね?」

 

その言葉に、冷水を浴びせられたように空気が凍った。

 

ミカはさらに続ける。

 

「自分たちの意思で動かずに、私を祭り上げて、大義名分を得たい。そんなことして……自分の責任から逃げてるだけじゃない?」

 

その静かな嗤いは、自嘲と嘲笑が混ざり合っていた。

 

主戦派Aが唇を震わせた。

 

「み、ミカ様!? 何を……!」

 

「アハハ、気に障ったらごめん。」

 

ミカは目を伏せ、ふっと口角を持ち上げる。

 

「うん、私はゲヘナが嫌いだよ。機会があれば、どうにかしてやりたいと思うくらいにはね。」

 

「でもさ、今の私はあんまりそういう気分じゃないんだよね。だから悪いんだけど、帰ってもらえるかな?」

 

「き、気分……?」

 

「今がどれだけ重大なタイミングなのか、分かっていらっしゃるのですか。それを、たかが気分の問題で……」

 

「……『たかが』? 何言ってるの、それが一番大事なことでしょ?」

 

「私は私の気分とか気持ちの問題で、ゲヘナが嫌いなの。そのことの何が悪いのさ。別に、その裏に隠れた理由とか目的なんて無いんだよ?」

 

「こんな状況で宣戦布告なんて、別に要らないって分かってるよね? なのに自分たちの代わりに憎んでくれだなんて、変なこと言って……。」

 

「もう帰ってくれないかな? 今はそういう気分じゃないし、そろそろ面倒になってきちゃうから。」

 

それは拒絶だった。そして同時に、沈黙の中で“誘い”を断ち切る意志表示でもあった。

 

彼女たちの表情が歪む。

 

主戦派Aが低く唸った。

 

「……何だと?」

 

ミカは涼しげに目を細めて言った。

 

「お耳掃除でもしてあげようか? 命令されなきゃ憎むこともできないの、って言ってるの。」

 

その瞬間だった。

 

ミカを迎えた子の一人が、突如として彼女の襟首を掴み、頬を力任せに殴りつけた。

 

殴る音が空気を裂いた。

 

神秘を使えば、この子の拳を砕くことなど容易い。だがミカは、身体が動かなかった。

 

……あぁ。もう、いいかな。

 

「…………」

 

「世間知らずのお嬢様が! わざわざ外に出してあげようっていうのに、調子に乗って……!」

 

銃の安全装置が外され、金属音が響く。次の瞬間、引き金が引かれた。

 

弾丸が、横たわるミカに向かって降り注ぐ。翼を貫き、血が床を濡らす。

 

「痛いなぁ……」

 

彼女の口から漏れるその声は、酷く幼く、諦めたような響きだった。

 

「自分の立場を理解しろ! もうティーパーティーから解任直前の身で!」

 

弾が尽きたのか、今度は銃身で殴られ、蹴られ、容赦ない暴力が続く。

 

艶やかだった羽は、もはやボロ雑巾のように汚れ、服は血と埃にまみれていた。

 

——でも、これも私の罰だから。

 

歯を食いしばって、ミカは黙って暴力を受け入れる。そうすることでしか、過去の自分を赦せない気がしていた。

 

そんな時——

 

「な、何をしてるの!」

 

少女の叫びが、地下牢に響き渡った。

 

暴力の痕跡が生々しく残る床の上で、ミカは蹲り、何かを堪えるように目を閉じていた。

 

その前に、ひとりの少女が立ちはだかる。

 

コハル。正義実現委員会所属の補習授業部の生徒であり、ムッツリスケ……ではなく、熱心な「正義」の担い手だ。

 

震える膝、汗ばんだ額。だがその目は確かに、まっすぐだった。

 

「な、何をしてるの!」

 

突然現れたその声に、ティーパーティーの幹部たちは眉をひそめる。

 

ティーパーティー傘下幹部Aが、イラついたように叫んだ。

 

「どきなさい!今の状況が分からないの!?」

 

傍らのBも、苛立ちと焦りを込めて声を上げる。

 

「緊急事態なのよ!」

 

だがコハルは一歩も退かない。目の前に横たわるミカの姿が、その細い体に不相応なほどの勇気を与えていた。

 

「で、でも、私は……!」

 

言葉が途切れる。正義感と恐怖のせめぎ合いで、彼女の声は震えていた。

 

「どけっ!!」

 

幹部の一人が怒声を放ち、強引にコハルを押しのけようと前に出る。

 

しかし——

 

「い、嫌っ!」

 

コハルは叫んだ。力ない声でも、それは確かな拒絶だった。

 

「私はバカだから何がどうなってるのか分からないけど……!」

 

声が、震えながらも響く。

 

「でも、こんな……こんなの絶対間違ってる!だからどかない!」

 

その場の空気が、一瞬だけ止まる。

 

ティーパーティーの傘下幹部たちは、深いため息を漏らす。

 

「……聞かない奴だ。それならーー」

 

そう言って、彼女たちは銃を構える。その黒い銃口が、コハルの胸元へと狙いを定める。

 

一瞬で、空気が張り詰める。

 

「待て……こいつ……どこかで……」

 

幹部の一人が、銃を構えたまま目を細めた。

 

「……よく見ると、見覚えが……」

 

その瞬間だった。

 

——ドンッ!!!

 

閉じられていたはずのドアを突き抜け、一本の木刀が空を裂いて飛んできた。

 

風を切る唸りと共に、木刀は幹部たちの横をかすめて通り抜け、奥の壁に深く突き刺さる。

 

あまりに唐突な出来事に、誰もが動きを止めた。

 

「は?」

 

幹部たちの口から、間抜けな声が漏れる。

 

コハルは、壁に突き刺さった木刀を見つめて、目を見開いた。

 

「この木刀……」

 

誰もが、その形を知っていた。

 

ティーパーティーの幹部が、震える声で呟く。

 

「まさか!」

 

そして、静寂を破るように——

 

ぴたりと足音を止めて、男が立っていた。

 

だらしなく着崩された和服。髪は白く、だがその目は底知れぬ怒気を秘めていた。

 

木刀の持ち主。万事屋。

 

「おい、俺の生徒に何してんだ? テメェ……」

 

銀時だった。

 

その声は静かだった。だが、地下牢にいた全員の背筋を凍りつかせるだけの迫力があった。

 

ティーパーティーの幹部の一人が、後ずさりながら震える声を漏らす。

 

「ひっ!」

 

そして、傷だらけの床に倒れていたミカが、かすれた声を漏らす。

 

「せ、先生……!」

 

その瞬間、誰よりも強く自分を呪っていたミカの心に、小さな灯がともった。

 

牢の空気は冷たく、しんと静まりかえっていた。だが、その沈黙はすぐに破られる。

 

「せ、先生だ!?……何でここに……死んだって聞いたんだけど」

 

「亡霊?聖徒会と同じようなもの?」

 

「いや……でも」

 

驚愕と困惑が混ざった声が、幹部たちの間から漏れる。

 

その時、銀時の足音が重く床を踏みしめ、地下の空間に鋭い声が突き刺さった。

 

「聞こえなかったか?」

 

その声音に、場の空気が一変する。

 

ビクッ、と誰かが肩を震わせた。

 

「俺の生徒に——何やってんだ?って聞いてんだ、トリカスども」

 

その言葉が、稲妻のように走った。圧倒的な威圧感。声は大きくなかったが、誰よりも重かった。

 

ティーパーティーの傘下幹部の一人が、膝を崩すようにその場に崩れ落ちた。

 

「す、すみませんでしたァァァァ!!」

 

土下座を通り越して地面に頭を擦りつける姿に、ほかの幹部たちも慌てて同調する。

 

「ったく、最近のガキは……」

 

銀時がふう、と小さくため息をつく。

 

その横で、コハルが声をかけた。

 

「せ、先生」

 

「よぉ、ムッツー——いや、エリートさん。お前のおかげで間に合った。ありがとな」

 

「えへへ……」

 

コハルの顔が赤らむ。

 

だが、次の瞬間、はっとして眉を吊り上げた。

 

「! いや!当然のことだしーー!それに最初ムッツリって言おうとしたでしょ!!」

 

銀時はニヤリと笑って誤魔化す。

 

だがその表情も、ミカの顔を見た瞬間、ふと陰りを帯びる。

 

「さて……」

 

横たわるミカの姿は、痛々しいほどだった。制服は破れ、血と埃にまみれ、翼は見る影もないほどに乱れている。

 

それでも、ミカは弱々しく銀時を見つめていた。

 

「先生、なんで……」

 

その問いに、銀時は当然のように言った。

 

「なんでって、生徒に危機に馳せ参じるのが先生じゃねぇの?」

 

言葉の裏に、確かなぬくもりがあった。

 

ミカの目が見開かれ、何かが胸の奥でひび割れるように、音を立てて崩れ落ちた。

 

「……!」

 

「それにしてもお前が無抵抗でやられ続けるとは……何? Mにでも目覚めたか? 目覚めたらいつでも三角木◯の上でムチを——」

 

「何言ってんのよアンタ!! Hなのはダメ、死刑!!」

 

コハルが全力でツッコむが、ミカはそのやりとりにさえ応じない。

 

ぽた、ぽた。

 

彼女の頬を涙が伝う。

 

内なる声が響いていた。

 

『これは私の罰……罰だから受けた。それだけ』

 

『セイアちゃんを◯した罰。アレ?私はなんでセイアちゃんを◯したんだっけ』

 

『これくらいの犠牲は想定してた。そのはずなのに……どうして』

 

涙が止まらない。嗚咽も声も、次第に外に漏れ出してくる。

 

「ごめん、ごめんなさい」

 

小さな子供のように、弱々しく。

 

「私は、なんでこんなことになっているのかな……」

 

「私、セイアちゃん◯しちゃったから会うことなんか出来ないのに、なんでセイアちゃんに会いたくなるの!」

 

「ボコボコにされるなんて当たり前の事なのになんで……」

 

「助けられて嬉しく感じるの!」

 

コハルがそっと彼女に寄り添い、小さく囁くように言う。

 

「ミカさま……」

 

銀時の顔から、冗談の色が完全に消える。

 

「………」

 

「そうか……お前は理由を探してやがったのか」

 

「ゲヘナが嫌い。そいつを正当化するために試行錯誤してる間に、ありとあらゆる間違いを犯して、自分が見えなくなったのか……」

 

ミカが、涙の奥から銀時を見上げる。

 

間を置いて、彼は言った。

 

「ミカ、今テメェは泥に塗れて、その泥中で足掻いてんだろ?」

 

「足掻いて足掻いて、そのまま沼にはまっちまった口だろ。」

 

「だが、みんなそうだ。」

 

「俺だってそうだ。」

 

「まっすぐ走ってきたつもりが、いつの間にか沼にはまって泥だらけだ。

でも、それでも一心不乱に突っ走ってりゃ、いつか沼から抜け出して泥も乾いて、前に進んでんだろ。」

 

ミカの目が、揺れる。

 

「ーー!」

 

「でも、セイアちゃんは……もう」

 

銀時は一歩、ミカに近づいて言い切った。

 

「アイツは生きてるよ。アイツは生きてる。」

 

「まだ酔いから覚めねぇで眠ってるだけだ。」

 

「アイツもアイツだ。現実ばっか見て理想を抱かねぇ奴に、理想ばっか見て現実を見ないお前……」

 

「次会った時は、互いに腹割って話やがれ……」

 

静かな時間が流れる。誰も何も言わない。

 

やがて、ミカがぽつりと呟くように言った。

 

「………そっか、」

 

その目から涙はまだ止まらないが、確かにそこにあった絶望の色は、薄れていた。

 

「さてと、」

 

静寂を破るように、銀時がゆっくりと立ち上がる。

 

「さてと、」

 

と、独り言のように呟いてから、背を向けて歩き出す。

 

「ちょっと!どこへ行くのよ!?」

 

その声に、コハルが慌てて叫んだ。

 

銀時は振り返らずに言った。

 

「どこって、お前らに送っただろ?」

 

「え?何を……」

 

「なんだ、見てねぇのか。だったら——」

 

* * *

 

そして、数十分後。

 

トリニティ学園の校舎。戦火に晒され一部が破損しながらも、その中に集まった者たちの姿があった。

 

正義実現委員会のツルギ、そしてハスミは、包帯を巻いた箇所を気にしながらも凛と立つ。

ゲヘナの風紀委員会からはアコ、イオリ、チナツが集まり、

補習授業部のヒフミ、そして解放されたハナコもまた、そこにいた。

 

 

空気は張り詰め、まるで戦の直前の、鼓動すら聞こえるような沈黙の中。

 

銀時が扉を開け、ゆったりとした足取りで教室へと入ってくる。

 

「よぉ、集まってくれたようで何よりだ。」

 

その言葉に、アコが即座に反応する。

 

「何が『集まってくれたな』、ですか!! 私あの二人に◯されかけたんですよ!? あの……あの地獄のような治療室で!!」

 

「それに委員長も帰ってきてないですしーー!!」

 

アコは叫ぶようにして怒りをぶつけ、顔を真っ赤に染めて詰め寄る。

 

銀時はポリポリと頬をかきながら、適当に受け流すように言った。

 

「でもお前、Mだから実際心中では喜んでたんじゃねぇの?」

 

「ーーーー!!!!!」

 

アコが何かを叫ぼうとするよりも早く、イオリが背後から肩を掴んだ。

 

「アコちゃん少し落ち着こう。気持ちはすごく分かるけど、今は落ち着

こう」

 

それでも空気の緊張は残っていた。

 

コハルが口を開く。

 

「ねぇ、先生。これ……どういうこと?」

 

「ホント、お前何もしらねぇのな」

 

銀時が肩を竦める。すると、ハナコが一歩前に出て答えた。

 

「コハルちゃん、実は先生からこの話……集まるように連絡を受けていたんですよ。」

 

ハスミが腕を組み、軽く頷く。

 

「つまり、ここにいる皆さんは先生の声に“集った御旗”というわけです。」

 

ヒフミが切なげな面持ちで口を開いた。

 

「銀さん……アズサちゃんが……」

 

ツルギが視線を伏せながら言葉を継ぐ。

 

「それだけじゃない……真選組のリーダーたちも、あの街に残って戦って…き、き、キシャァァァ!!」

 

銀時がちらりと視線を投げる。

 

「はいはい、オタクらも何かと言いたいことがあるのは知ってるから、そいつはまた後でな。」

 

そして彼は、低く、しかしはっきりとした口調で告げた。

 

「とりあえず、俺の話を聞け」

 

その瞬間、空気が変わった。

 

「相手は幽霊みてぇな連中だ。まるでダメージが通らねぇ。今までみたく、まともな戦い方じゃ勝ち目はねぇ」

 

ハスミが眉をひそめる。

 

「銀さん、あなたという人が初めからその調子では——」

 

銀時がすぐに遮った。

 

「聞いてなかったか?『まともにやったら』の話だ。俺がまともな戦い方するタチかよ。」

 

イオリが額に手を当てる。

 

「いや……」

 

チナツがため息まじりに呟く。

 

「あんな大軍とその怪我でやり合おうとする時点で——」

 

「「「「まともなわけない」」」」

 

みんなの声が重なり、思わず吹き出すような空気になる。

 

銀時はニヤリと笑って叫ぶ。

 

「さぁ、始めようじゃねぇか。俺たちのバカ騒ぎを!!」

 

* * *

 

その頃——別の場所、街の境界線。

 

新八と神楽が、他所から来た生徒たちと言葉を交わしていた。

 

その一方で、続々と到着する“仲間”たち。

 

 別のところでは五人組の覆面生徒たち。

 

そして、治療を真選組の部隊はーー

 

暗い廊下を列をつくって何処かへと向かっている。

 

「まさか……お前がこんなところで、再び俺たちと共に立ち上がることになるなんてな」

 

先に沈黙を破ったのは原田。ハゲ頭に鋭い眼光、そして威圧感のある体躯。で先頭で率いている男の存在に驚きを隠さないでいる。

 

 

その言葉に、水を差すように割って入ったのは、山崎。

 

「本当にそう思いますゥ? 実際は奴らと組んでいて、また真選組を乗っ取るつもりかもしれませんよ」

 

その横で、ぐるぐるメガネの神山が冷たい視線を向ける。

 

「自分も、あなたのことは信用できないっす。いくら隊長を銃弾から庇ったとはいえ、隊長に刃を向いた話、まだ許してないっすから」

 

そして、静かにプラカードを掲げる頭を大爆発させている斎藤。

 

《ここにいる一部の隊士は過去のことからお前を信用出来てないZE》

 

その空気の中、一人の男が立ち止まる。

辛子色の髪、眼鏡、袴姿。

 

かつて裏切り、今ここに立つ、元真選組隊士——

 

「いや、そうなることは当然だ。なぜなら、僕は以前に君たちを裏切っていたのだからね」

 

彼は静かに言い、そして続けた。

 

「だが——」

 

その声に、芯があった。決意があった。

 

「僕にも守らないといけない“約束”というのがあるんだ」

 

「自分勝手で悪いが、ここは——僕についてきてくれ」

 

風が、彼の髪を揺らした。

 

そして、沈黙の中で、それでも確かに、誰かの胸の奥に火が灯り始めていた。

 

——集結の刻は来た。

過去も因縁も裏切りも、すべてを乗せて。

 

最終決戦の幕が、静かに、そして熱く上がろうとしていた。

 

 

 

 




次回

???「なんだその体たらくは!」

「それが僕から副長の座を取り戻した君がそれでは真選組は堕落を極めることになるぞ!」


土方「お、お前はーー!」

???「全く、キヴォトス三大学園が双方を認め協力することすら出来んとは嘆かわしい限りじゃの」

???「だね。ここは私たちが先導してどうやって協力するからを教えてあげないとね」


マコト「……ここに、宣言しよう!。ゲヘナ学園 万魔殿議長 羽沼マコト」

ナギサ「トリニティ総合学園 ティーパーティーホスト 桐藤ナギサ。」


「「以下二名と一匹で新たなエデン条約機構だ!(です!)(ワン!)」」



ヒフミ「終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!
 
私たちの物語……
 
私たちの、青春の物語(Blue Archive)を!!」
 

新八・神楽・アズサ「宇宙一バカな先生だコノヤロー!!」

次回 ブルーアーカイブ

〜透魂〜第一回キャラクター人気投票

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