透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい) 作:時代に遅れている
「はぁい今回は質問に答えてもらうための特別ゲストが来ていまぁす。」
「では質問エリザベスは本当に優しさで語尾にペロをつけてたんですか?」
「この質問はエリザベス本人に聞くしかありません。」
「ではエリザベス語尾にペロをつけたのはヒフミに鼻を伸ばしたのではなく優しさからだったのかどちらかを答えていただきます。」
【桂さんは俺と一緒にいて長いがパシリとして使うことも多い】
キュッキュッキュッ
【だから俺を様付けして読んでくれるヒフミに鼻を伸ばしているかもしれない】
「と言うことでした。ではエリザベスの心情を探ったあなた
今から廊下に立ってなさい」
理事は体の半分が埋まった状態で、犬神家のごとく二本の足を空に突き出していた。
銀時はそのシュールな光景を背に、ホシノたちの方を振り返る。
「どうだ、少しはスカッとしたか?」
『とっても!!』
そう聞き、そう答えられ、銀時はフッと満足げな笑みを浮かべた。
勝利の余韻。誰もが、これで終わったと信じて疑わなかった。
――――――――――――――――――――――――ー
一方その頃――。
戦場から遠く離れた暗室で、複数のモニターに映る戦いの様子を観察している影があった。
ゲマトリア、黒服。
彼はグラスを揺らしながら、モニターの光に照らされた亀裂のある顔で、独り言のように呟いた。
「……デカグラマトン。神の降臨を預言する者」
彼の語りは、誰に聞かせるでもなく、しかし朗々と響く。
「……昔々、神を作ろうとした者たちがいました」
「もし、神が実在するのなら。神たる構造を理解し、分析し、解体し、再構築すれば、新たな神を造る事は可能なのではないか。存在証明が為されたのなら、神の創生は人の手で行えるのではないか」
「余りにも荒唐無稽かつ傲慢なその理論に興味を示し、支援した者たち」
「名をゲマトリア……そう、私たちが借り受けた名の源流です」
黒服はモニターの中の銀時を見つめる。異界の理を持つ、計算外の変数。
「……莫大な資産と時間を費やされたであろうその研究が行われた場所は、今では水に沈んでいます。誰も人が訪れる事のなくなった、閉ざされしその場所で……遺された人工知能は高らかに宣言しました。『Q.E.D.』……神は存在すると」
「人ならざる智慧の持ち主たちは、その証明、思想、或いは希望に感化され、預言者になりました。アビドス砂漠の厄災も、その過程でもたらされた歴史のひとつ」
モニターのノイズが激しくなる。砂漠の地下で膨れ上がるエネルギー反応。
「違いを以ってその存在を痛感する静観の理解者。デカグラマトン、その3番目の預言者。地を這う白き大蛇を模した神体に冠された名は、理解者ビナー」
黒服は不気味に歪んだ笑みを浮かべ、画面越しの「彼ら」に問いかけた。
「さぁどうしますか? 白夜叉さんと、狂乱の貴公子さん」
――――――――――――――――――――ー
「■■■■――――!!!」
言葉にならぬ咆哮が、アビドスの大気を震わせた。
突如、砂漠の大地が爆発したかのように隆起する。
ズドオオオオオオオオオッ!!!
地盤を突き破る強烈な衝撃波に弾かれ、銀時と対策委員会の面々は木の葉のように吹き飛ばされた。
砂塵が舞う中、彼らは市街のブロックごとに分断されてしまう。
シロコの近くにはセリカとノノミ。
そして、銀時と桂の近くには、衝撃で地面から抜け出し転がったカイザー理事と、彼を追ってきたホシノが倒れ込んでいた。
「いってて……。なんだよあのデカいの……蛇? 砂漠のど真ん中でお出迎えってか、どんだけサービス精神旺盛なんだよ」
銀時が砂を吐き出しながら上空を見上げる。
そこには、ビルをも凌駕する巨大な影が落ちていた。
「カイザー達が言ってた『お宝』って……もしかしてこれの事?」
ホシノが呆然と呟く。
「そうだ……あれは!! デカグラマトンの預言者……ビナー! ようやく……ようやく出てきたァ! 残念だったなアビドス! これで貴様らも終わりだぁ!」
カイザー理事が狂喜の声を上げる。
現れたのは、天を摩するほどの巨大な、蛇を思わせる機械の怪物。強固な岩盤を突き破って砂中から現れて尚、傷も汚れも何一つ見当たらない、神々しいまでの白亜の鉄衣。
アビドス砂漠に根差す厄災。正体不明の怪物。
名を、ビナー(BINAH)。
その顎(あぎと)から、まるで嘶くような、あるいは汽笛のような、巨躯によって咆哮と聞き違うような重低音が響き──。
『――!!』グワッ!
ビナーの深紅の単眼が、ギロリと地上の「蟻」たちを見下ろした。
その視線が捉えたのは、あろうことか、呼び出した張本人であるカイザー理事だった。
「こっちに走ってきた!」
桂が刀を構える。
「終わりだぁ――あれ……!? 何故こっち来るんだぁぁぁあああ!!」
あまりに突然の裏切り。いや、最初から神にとって人は等しく塵に過ぎないのか。
恐怖で思考が凍りつき、理事は腰を抜かして動けなくなる。
「逃げないと!」
ホシノは反射的に身を翻し、理事を見捨てて逃げようとした。
自業自得だ。敵だ。助ける義理などない。
だが、その足がピタリと止まる。
(銀ちゃんは……こんな時、見捨てるかな?)
脳裏に浮かぶ、あの気怠げな笑顔。
敵も味方も、護るべきものもそうでないものも、全部まとめて背負い込んでしまう、あの不器用な背中。
(ひどい奴だったけど……見捨てるかな? ……いや、銀ちゃんは見捨てない……絶対に見捨てないよね)
ホシノはギリッと歯を食いしばり、踵を返した。
「しっかりして! 立って!! ――っ!!」
ホシノは数倍の重量がある理事の義体を抱え、無理やり立たせようとする。
しかし、ビナーの巨体は既に目前に迫っていた。
巨大な頭部が、振り下ろされるハンマーのように二人へ迫る。
(間に合わない――ッ!)
死を覚悟し、ホシノが目を閉じたその瞬間。
ガシッ!
強烈な力で、ホシノの襟首が掴まれた。
「お前、なんでそんな面倒なことやっちまうんだよ」
耳元で響く、呆れたような、けれど温かい声。
「憎い相手だろうがなんだろうが、助けちまうあたり、お前の性分なんだろうな。……でも、まぁ……悪くねぇよ。その優しさ、ちゃんと持ってろよ」
「銀ちゃん……?」
銀時はホシノと、その腕の中の理事をまとめて軽々と持ち上げた。
「お前ら、ホシノと理事の事を頼む――フッ!」
ドォォォン!!
銀時は全身のバネを使い、二人を砲丸投げの要領でブン投げた。
放物線を描いて飛んでいく先は、少し離れた場所にいるシロコたちと便利屋68の元だ。
「うわぁぁぁぁぁ!?」
「銀ちゃぁぁぁん!?」
対策委員会と便利屋の眼前まで投げ飛ばされ、道路を無様に転がった二人。
ホシノは擦り傷も気にせず、起き上がりざまに銀時の方を振り返った。
そこには、砂煙の中にたった一人で立ち尽くし、天を覆う巨大な蛇と対峙する銀髪の侍の姿があった。
「銀ちゃん!!」
ホシノの悲痛な叫びが木霊する。
銀時は背中を向けたまま、ヒラヒラと手を振った。
「心配すんな。……ちょっとコンビニに立ち寄るぐらいのもんだ」
彼はゆっくりと木刀を構え、ニカっと笑った。
「だから……安心して待ってろ」
熱砂の風が、二人の男の着物と長い髪を激しくなびかせる。
目の前には、天を摩するほどの巨大な絶望――デカグラマトン・ビナー。
しかし、その圧倒的な脅威を前にしても、彼らの背中に震えはない。
かつて無数の屍の上を歩き、幾多の戦場を駆け抜けた「白夜叉」と「狂乱の貴公子」。
二人は示し合わせたわけでもなく、自然と背中を預け合うようにして並び立った。
「……おいおい。コンビニに行くって言っただろーが。なんでツレションしについて来てんだよ、オマエは」
銀時が視線を前に固定したまま、背後の男に憎まれ口を叩く。
「フッ、勘違いするな。貴様が道に迷って、変なエロ本コーナーにでも迷い込まないよう監視に来ただけだ」
桂は涼しい顔で、鯉口を切った刀を構え直す。
「それに……水臭いではないか。かつて共に天人を斬り、国を憂いた仲だぞ。こんな面白そうな――いや、命がけの『喧嘩』を独り占めしようなどと」
「けっ。過去の栄光にすがりつくのはジジイの始まりだぞ、ヅラ」
その言葉に、桂は即座に反応し、いつものフレーズを鋭く言い放った。
「ヅラじゃない、桂だ!!」
その声は、轟音渦巻く砂漠にあって、驚くほど澄んで響いた。
「……たくっ、この期に及んでまだそれかよ」
銀時は呆れたように鼻を鳴らすが、その口元には微かな笑みが浮かんでいた。
ホシノたちを逃し、一人で全てを背負い込もうとした銀時の孤独は、背中に感じる友の体温によって霧散していた。
「だが、相手にとって不足なし。……どうやら、ここが我々の新たな『攘夷戦争』の戦場のようだな」
「違げーよ。これはただの『補習授業』だ。……デカすぎて黒板からはみ出してるけどな」
銀時は木刀『洞爺湖』を強く握りしめ、眼前の神ごとき怪物を見据える。
桂もまた、愛刀を構え、呼吸を整えた。
「行くぞ、銀時! 背中は任せろ!」
「指図すんな! ……遅れんじゃねーぞ、ヅラ!」
「ヅラじゃない、桂だ!!」
二つの影が、砂塵を蹴って同時に飛び出した。
砂塵を切り裂き、二つの影が疾走する。
言葉はない。合図もない。
ただ、踏み込む足音が完全に重なり、次の瞬間には左右へと弾けるように散開した。
『■■■■――――!!』
ビナーの咆哮と共に、極太のレーザーが砂漠を薙ぎ払う。
その灼熱の軌道を、銀時は紙一重でスライディングして潜り抜け、桂は跳躍して宙を舞う。
銀時は砂煙の中から飛び出すと、ビナーの鋼鉄の装甲へ正面から突っ込んだ。
ガィィィィン!!
「どらぁッ!!」
物理法則を無視した木刀の一撃が、ビナーの堅牢な外殻を強引にへし折る。
火花が散り、巨大な機体がわずかに姿勢を崩したその刹那――。
視界の死角、銀時が砕いた装甲の隙間へ、滑り込む黒い影があった。
桂だ。
彼は銀時が見せた一瞬の綻びを見逃さず、流れるような動作で懐から球体を取り出すと、その亀裂へとねじ込む。
そして、銀時の頭上を蹴って離脱すると同時に、起爆スイッチを押した。
ドォォォォォン!!
内部からの爆破。
ビナーが苦悶の声を上げ、バランスを崩して倒れ込む。
その巨大な影の下で、銀時と桂は互いの位置を確認すらせず、すれ違いざまに背中を預けて着地する。
「……」
「……」
刹那の静止。
ビナーが再び鎌首をもたげ、怒り狂ってミサイルサイロを展開する。
無数の弾頭が二人目掛けて射出された。
桂は表情一つ変えず、懐から時限信管付きの円筒形爆弾を放り投げる。
だが、それは敵に向かってではなく――銀時の顔の横へ。
「!!」
銀時は驚く素振りすら見せない。
まるでそこにボールが来ることを知っていたかのように、木刀をバックスイングし、渾身の力で振り抜いた。
カキィィィィンッ!!
快音。
木刀で打ち返された爆弾は、弾丸のような速度で直進し、迫りくるミサイル群の中心で炸裂した。
ズガガガガガガッ!!
誘爆。
空中で炎の連鎖が起こり、黒煙が視界を覆う。
その煙の幕を突き破り、二人の侍が同時に飛び出した。
右から銀時。左から桂。
アイコンタクトすらない。
だが、二人の呼吸は恐ろしいほどに同調していた。
ビナーが迎撃しようと首を振るが、どちらに狙いを定めるべきか迷いが生じる。
そのコンマ一秒の迷いこそが、致命的。
銀時は高く跳び上がり、重力を乗せた上段の構え。
桂は地を疾走り、神速の居合の構え。
「「せぇぇぇぇぇいッ!!」」
咆哮が重なる。
ズバァァァァァァァァッ!!
縦の一閃と、横の一閃。
木刀による粉砕と、真剣による斬撃。
二つの異なる刃が、空中で十字を描き、ビナーの鋼鉄の顎を深々と切り裂いた。
「ガッ‼」「ゴッ‼」
激しい金属音と打撃音が、砂嵐の吹き荒れる砂漠に響き渡った。
銀時と桂、二人の侍による同時攻撃は、ビナーの頭部を覆う白い複合装甲を深々と捉えていた。幾層にも重なる頑強な装甲に蜘蛛の巣のような亀裂が走り、まるで巨大な生物の鱗が剥がれ落ちるように、白い破片がボロボロと崩落していく。
『!―■■■■』
声なき悲鳴。亀裂の入った場所から徐々にヒビは広がっていき、ビナーは激痛を感じたようにのた打ち回った。
その巨体が暴れる風圧で、巻き上げられた砂塵が暴風と化して周囲を襲う。その余波は凄まじく、直撃を受けた銀時と桂はもちろんのこと、遠巻きに見守っていた対策委員会の面々や、腰を抜かしているカイザー理事ですらも、木の葉のように吹き飛ばされた。
砂丘の陰で体勢を立て直しながら、アルが感心したように呟く。
「ふふふ、さすが銀ちゃんと桂さんね。あのデカブツの装甲をブチ割っちゃうなんて」
「感心してる場合!? 銀ちゃんたちがアレだけやっても、顔や背中にヒビが入るぐらいなんでしょ!? どれだけ硬いのよあいつの鱗は!!」
セリカが砂を吐き出しながら叫ぶ。その隣で、シロコが冷静に敵の動きを観察していた。
「ん……見て。あの蛇、動きが止まった。……口を開き出した」
シロコの言葉に、全員の視線がビナーの頭部へ集まる。
その巨大な顎あぎとがゆっくりと開き、口腔内の奥深く、炉心のようなチャンバーが不気味な赤熱を帯び始めていた。
それを見た瞬間、カイザー理事がガタガタと震え出した。
「ま、まずい!! あれはビナーの主砲メインウェポン……巨岩をも泥のように溶かす、超高出力の熱光線だ!!」
理事の悲鳴じみた解説が響く。
「いくら奴らの肉体が並外れた強度をもっていようと……生身の生物である以上、アレを直撃で食らえば跡形もなく焼け死ぬぞ!!」
ビナーは、小賢しい羽虫どもを焼き払うべく、喉奥のエネルギーを限界まで収束させていく。周囲の大気が熱で歪み、バチバチと放電現象が起こり始めた。
標的は――真正面に立つ、銀髪の男。
その圧倒的な熱量の高まりを肌で感じ、桂が血相を変えて叫んだ。
「おい、銀時! 後ろ!」
「!?」
銀時が顔を上げた瞬間、視界が真っ赤に染まった。
回避? 間に合わない。防御? 木刀一本でどうにかできる熱量ではない。
(や、やべぇ!)
死の予感が背筋を駆け上がった、その刹那。
『カッッッ―――!!』
ビナーの口から、全てを灰燼に帰す灼熱の奔流が解き放たれた。
極太のレーザーが、一直線に銀時を飲み込まんと迫る。
万事休すかと思われた、その時。
『――ええいっ! 先生、危ないですっ!』
銀時の懐、タブレット端末から、凛とした少女の声が響き渡った。
シッテムの箱のOS、アロナの声だ。
瞬間、銀時の身体を中心に、幾何学模様を描く青白い光のドームが展開された。
ズガァァァァァァァン!!!
熱光線が直撃し、鼓膜を破らんばかりの轟音が炸裂する。
だが、その灼熱の濁流は、銀時の鼻先数センチのところで、見えない壁に阻まれていた。
「うおっ、まぶしっ!?」
アロナが展開した超高密度のエネルギーバリアが、ビナーの主砲を真っ向から受け止めているのだ。
青と赤の光が激しく衝突し、周囲の砂をガラス状に変えるほどの熱風が吹き荒れる中、銀時は奇跡的に無傷で立っていた。
青と赤の閃光が弾け飛び、凄まじい熱風がアビドスの砂漠を焼き尽くす。
だが、その煉獄の業火は、銀時の肌を焼くことはなかった。
彼の手元にあるタブレット端末――『シッテムの箱』から展開された、幾何学模様を描く青い光の障壁。それが、神の怒りとも呼べるビナーの主砲を、物理法則を超えた演算能力で完全に遮断していたからだ。
「……あ? 生きてる? 俺、死んでねぇよな? 天国ってこんなサウナみたいに暑くねぇよな?」
銀時が恐る恐る目を開けると、懐のタブレットから誇らしげな、それでいてバッテリー切れ寸前の少し疲れたような少女の声が響いた。
『えへへ……。間一髪でしたね、先生!』
「お前……その声、あの時のOSっ娘のーー」
銀時は記憶の糸を手繰り寄せ、自信満々にその名を呼んだ。
「アロエア!」
『アロナですぅぅぅぅぅ!!』
画面の中の少女が頬を膨らませて抗議する。
『シッテムの箱のOS、アロナです! いい加減名前を覚えてください!! 』
「悪りぃ悪りぃ、でも似たようなもんじゃねーか。助かったぜ」
『当然です! 先生をお守りするのが私の役目ですから! ……でも、今の攻撃を防ぐのでバッテリーをすごーく消費しちゃいました……』
画面の電池アイコンが赤く点滅している。
「マジかよ、お前実はすげぇ奴だったんだな。戦車より硬いバリア張れるとか、どんなセキュリティソフト積んだらできるようになんの? ノートン先生も裸足で逃げ出すレベルだよ?」
『えっへん! ……いっぱい褒めてください! あと、帰ったらイチゴ牛乳奢ってください! あとあと、二度と名前間違えないでくださいね! じゃないと次はバリア消しちゃいますから!』
「いや、だからそいつは作者にーーって言っても聞かねぇか……」
銀時は苦笑し、タブレットを優しく撫でた。
「礼は言っておくぜ。……ありがとな、アロナ」
銀時がニカっと笑うと、アロナも画面の中で嬉しそうに、花が咲くように微笑んだ。
「銀時、無事か!」
砂煙を払い、桂が駆け寄ってくる。
「ああ、なんとかな」
だが、その安堵の時間も束の間。
必殺の熱光線を防がれたビナーは、プライドを傷つけられた獣のように激昂し、全身の排熱口から蒸気を噴き出した。
『■■■■■■……‼‼‼』
もはや理性などない。ただ目の前の羽虫を押し潰すべく、巨大な質量そのものとなって再び突進を開始する。
「チッ、しつけぇ野郎だ!」
二人が再び武器を構え、死地へと踏み出そうとした――その刹那だった。
ドドドォォォォォォン‼‼‼
突如として、ビナーの巨体が横殴りの暴風に襲われた。
何もない虚空から降り注いだ無数の砲弾が、神の白い装甲に吸い込まれるように着弾し、次々と紅蓮の爆炎を咲かせる。
正確無比にして、豪雨の如き面制圧。
『■■■‼⁉』
ビナーの突進が、物理的な衝撃と熱量によって強引に止められる。
この絶妙なタイミング、そして一個師団にも匹敵するこの火力。
「フッ……ようやく来たか。待ちくたびれたぞ、ヒフミ殿!」
桂がニヤリと不敵に笑い、硝煙の彼方――砂丘の稜線を見上げた。
直後、通信機から、緊張に震えながらも、どこか芯の通った少女の声が響いた。
『は、はい……! ヒフミです‼ お待たせしました!』
『ヒフミさん⁉ ど、どうしてここに⁉』
アヤネの驚愕の声がインカムを駆け巡る。
トリニティ総合学園の生徒が、なぜこのアビドスの戦場に? しかも、これほどの重火器部隊を引き連れて?
『い、今の私は、トリニティ総合学園の生徒ではありません!』
ヒフミは、裏返りそうな声で、しかしキッパリと言い放った。
『今の私は、エリザベス親衛隊のヒフミです‼ トリニティ生徒の阿慈谷ヒフミとは一切関係ありません‼ ……関係ないんですっ!!(必死)』
それはあまりに苦しい、ペラペラの言い訳だった。だが、彼女なりの「仁義」と「政治的配慮(ナギサ様対策)」がそこにはあった。
『元々は……エリザベス様とカイザーコーポレーションに攻撃をしようと考えて、有志を集めていたんですが……支援攻撃をする前に桂さんたちが片付けてしまって、タイミングを見失って困ってたんです……。そしたら、砂漠からあんなのが出てきて、「皆さんを助けなきゃ!」と思って……‼』
「そうか。義理堅いことだ。……なら、エリザベスはどこにいる?」
桂が戦場を見回す。あの白い巨体が見当たらない。
『エリザベス様なら……今、あの蛇の機械の上にいますよ』
「は?」
銀時が目を凝らし、砂煙の晴れゆくビナーの頭上を仰ぎ見る。
そこには――信じられない光景があった。
白い着ぐるみの皮がパンパンに張り詰め、世紀末覇者のごとく筋肉ムキムキにビルドアップ(劇画風強化)したエリザベスが、クルセイダーちゃんの砲身から人間大砲の要領で射出され、流星となって落下していたのだ。
その拳は、岩盤をも砕く質量の塊。
ズドォォォン!!
重力加速と筋力が乗った一撃が、ビナーの脳天、センサーアイの直上へ深々とめり込んだ。
「プラカード持ってねぇと思ったら、物理(筋肉)で語ってやがったァァァァ!!」
銀時のツッコミが砂漠に木霊する。
『エリザベス・インパクト、着弾確認です!』
ヒフミ率いるトリニティ砲兵部隊(という名目の覆面集団)からの支援砲撃と、エリザベスの捨て身のメテオストライク。
これによって、再生しかけていたビナーの装甲は粉々に砕け散り、蓄積されたダメージによってその挙動は明らかに緩慢かつ不安定になり始めていた。
神の動きが、止まった。
銀時は木刀『洞爺湖』を握り直し、隣に立つ桂と視線を交わした。
言葉はいらない。
ただ、不敵な笑みを一つ、共有するだけで十分だった。
「……よし、ヅラ、コイツがマジで最後の大仕事だ。」
「ああ、わかっているさ……」
二人の侍が、ふらつく巨神へと向けて、最後の疾走を開始した。
砂塵を巻き上げ、一直線に伸びる二条の軌跡。それは、神話の終わりを告げる閃光だった。
「ヒフミ殿! 援護射撃だ! 奴の動きを少しでも止めろ!」
「は、はいっ! 一斉射撃ですぅぅぅ!!」
桂の指示にヒフミが即座に応える。
彼女の号令と共に、稜線に展開したトリニティのクルセイダー戦車隊が火を噴いた。雨あられと降り注ぐ砲弾がビナーの足元(接地面)を崩し、その巨体が大きくグラつく。
『■■■■―――!?』
「よし、今だ! エリザベス!」
ズガァァァァン!!!
エリザベスの金棒がフルスイングでビナーの横っ腹を殴打する。
鋼鉄がへしゃげる鈍い音が響き、神の巨体が大きく仰け反った。白い装甲が剥がれ落ち、内部のフレームが露わになる。
ビナーの巨体が、断末魔のように身をよじる。
その背を、二人の侍が駆け上がっていた。
垂直に近い角度などものともせず、重力を置き去りにして疾走する姿は、まさに白き閃光と黒き疾風。
「銀時ィ! 道は俺が切り開く!!」
桂が叫び、懐から無数の煙玉と爆弾を同時に放り投げた。
ドガガガガガガガッ!!
ビナーの顔面周辺で爆発が連鎖し、視界を奪うとともに、その強固な装甲をさらに剥離させる。
怯んだ神が、無防備な喉元を晒した。
「今だ! ……行けぇぇぇぇッ!!」
桂は空中で身を翻し、銀時の足場となるように背中を差し出す。
銀時はその背を力強く踏み込み、弾丸の如く加速した。
「へっ、とんだお膳立てだぜ! その借りはイチゴ牛乳で返してやらぁ!!」
銀時は空中で身体を捻り、木刀『洞爺湖』を両手で振りかぶる。
その瞳孔が開かれ、修羅の気が切っ先に収束していく。
「これで――仕舞ぇだァァァァァァ!!!」
オオオオオオオオオオオッ!!!
銀時の咆哮が、ビナーの唸り声を掻き消す。
勝利の確信。
誰もが、その一撃が神を屠る瞬間を幻視した。
ホシノも、シロコも、息を呑んでその英雄的な光景を見守っていた。
だが。
窮鼠猫を噛む。
ましてや相手は、太古の神秘を宿した機械仕掛けの神である。
生存本能の暴走か、あるいはただの捕食行動か。
ビナーの単眼が、不気味に赤く発光した。
『■■■■■――――!!!』
ガパァッ!!
限界まで開かれたビナーの巨大な顎が、振り下ろされる銀時の軌道上に、迎撃するように突き出された。
「――あ?」
空中の銀時と、目が合った(ような気がした)。
バクンッ!!!
乾いた音が響いた。
銀時の姿が、木刀ごと、その巨大な口腔の暗闇へと消えた。
ビナーはそのまま口を閉じ、ゴクリと何かを嚥下するような動作を見せる。
……シーン。
砂漠に、風の音だけが戻ってきた。
「…………え?」
誰かが呟いた。
「「「「「ええええええええええええええええええ!!??」」」」」
数瞬のフリーズを経て、アビドス対策委員会と便利屋、そして桂の絶叫が重なった。
「銀ちゃん!!? 食べられた!? 今、完全に食べられたよね!!?」
セリカが顔面蒼白で叫ぶ。
「嘘……先生……反応、ロスト……」
アヤネの銃が手から滑り落ちる。
「銀ちゃん! いやぁぁぁぁ! 銀ちゃん!!」
ノノミが半狂乱になって駆け出そうとする。
「ば、馬鹿な……! 銀時があんなトカゲの餌になるとは……! い、いや待て、あやつは糖分過多だ! きっと不味いはず……吐き出せ! 今すぐ銀時を吐き出せこの爬虫類!!」
桂も流石に焦りの色を隠せず、ビナーに向かって刀を振り回す。
「うへぇ……嘘でしょ……。銀ちゃん……?」
ホシノはへたり込み、血の気が引いた顔で、固く閉ざされたビナーの口元を凝視していた。
あれだけの強さを見せた人が。
自分たちを救ってくれた希望が。
あんな、あっけない最期を迎えるなんて。
絶望が、再び彼女たちの心を黒く塗りつぶそうとしていた。
その時、戦場を支配していた絶望的な静寂を破り、物理法則をあざ笑うような「有り得ないこと」が起こった。
ビナーの様子が、明らかに異常だった。
悠然と銀時を飲み込んだはずの巨体が、突如として痙攣し、断末魔のような軋みを上げ始めたのだ。
ギギギ……ガガガガガガッ……!!
それは消化不良などという生易しいものではない。
ビナーの強固な白い頭部、その上顎の装甲を内側から突き破り――『棘状の何か』が生えていた。
いや、生えてきたのではない。
刺さっていたのだ。
「……!?」
シロコが目を凝らす。
その「棘」は、ビナーの硬質な装甲を豆腐のように切り裂きながら、頭部から背骨に沿って、猛烈な勢いで後方へと移動していく。
まるで、巨大な蛇の背中を走るファスナーを、無理やりこじ開けるかのように。
ズズズズズズズッ!!!
ビナーが苦悶にのた打ち回る。装甲が悲鳴を上げ、火花が散り、内部のオイルが血飛沫のように噴き出す。
シロコはその「棘」の正体に気づき、耳をピクリと震わせた。
あの形状。あの質感。そして、何よりもあのデタラメな切れ味。
それは、つい先ほどまであの男が握っていた、通販で買えるただの木刀の切っ先だった。
シロコの中で、ありえない、けれど確信に満ちた結論が導き出される。
「ん……。流石、銀ちゃん」
シロコは銃を下ろし、安堵のため息を漏らした。
「安心して、ホシノ先輩。……銀ちゃんは生きてる」
「え……?」
涙目で呆然としていたホシノが顔を上げる。
「よ、よく見て……あの蛇の頭部。上顎を、木刀が貫いてるの……。そして今、背中に沿って、中から切り裂いて進んでる」
「……は?」
ホシノの思考が停止する。
木刀で? あの戦車の砲撃も弾く装甲を? しかも中から?
言葉の意味は理解できても、現実感が追いつかない。
「つまり……?」
「嘘……でしょ……!?」
ホシノが震える声で呟いたのと同時だった。
ビナーの背中、その最後尾まで達した「木刀」が、最後の一撃とばかりに跳ね上げられた。
「うおおおぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁ!!」
内側からの爆発的な斬撃。
ビナーの真っ白な背中が、パッカーンと真っ二つに割れた。
そこから飛び出してきたのは、全身オイルまみれになりながらも木刀を振りかぶった、あの銀髪の男――坂田銀時だった。
その光景を目撃した全員――アビドス、トリニティ、ゲヘナ、そして便利屋の面々が、この日一番の大声で絶叫した。
「「「えええええええええええええ!?」」」
「「「中から出てきたァァァァァァァ!?」」」
銀時は空中で一回転し、ビナーの背中を足場にして地上へとスタッと降り立った。
ドロドロになった着物を払い、肩で息をする。
「はぁ……はぁ……はぁ……。あー、死ぬかと思った……」
銀時は木刀を杖にして身体を支え、心底嫌そうな顔でぼやいた。
それは紛れもなく、いつもの「銀ちゃん」だった。
散々に甚振られた末、蚊帳の外に置かれたビナーは、全身から出血するように黒紫色のオイルを撒き散らしながら、死に体となったその巨体を地面へと沈めていく。
地響きと共に砂が渦を巻き、神と呼ばれた鉄塊は、ただの傷ついた獣となって砂漠の底へと逃げおおせることしか出来なかった…。
静寂が戻った砂漠に、ドロドロの液体を滴らせた男のぼやきだけが響く。
「……あいつ、もう上がってこねぇのかよ。ったく、何だったんだよ、あのヘンテコなヤツは」
銀時は木刀を振って刀身についたオイルを払い、不快そうに鼻を鳴らした。
そこへ、桂が歩み寄り、真顔で声をかける。
「よくやったな銀時。」
「ヅラ……」
「いやぁお前が奴に飲み込まれた時は流石に俺も焦ったぞ。あの蛇のウンコとして排出され、砂漠の肥やしとなって一生を終えるのではないかとヒヤヒヤした」
「お前の中の俺の人生設計どうなってんだよ! 主人公の末路が蛇の糞ってどういうこと!?ジャンプ編集部でも流石にそのネームは通さねぇよ!」
銀時が食い気味にツッコミを入れるが、桂は腕を組んで深く頷いた。
「だが、貴様が腹の中から食い破って出てくるとはな。……昔から悪食だとは思っていたが、まさか鉄屑まで好物だったとは」
「誰が好きで食うかよ! 中がヌルヌルしてて足場がねぇし、なんか酸っぱい匂いするしで最悪だったんだよ。……あーくそ、ベタベタしやがって。これ落ちんのか? クリーニング屋のオバちゃんに嫌な顔されるやつじゃねーのこれ」
銀時は着物の裾を摘まみ、顔をしかめる。その全身からは、機械油と硝煙、そして何とも言えない鉄錆の臭いが立ち上っていた。
「安心しろ、銀時。今の貴様からは、戦場を駆ける侍の……いや、もっとこう、何というか……」
「何というか?」
「燃えないゴミの日に出し忘れた生ゴミのような、芳しい香りが漂っているぞ」
「テメェ! 遠回しに俺をゴミ扱いしやがったな!? 斬るぞ! 蛇の次はロン毛を三枚おろしにすんぞ!」
「落ち着け。褒め言葉だ」
「どこがだよ!!」
ギャーギャーと騒ぎながらも、二人の間には張り詰めた緊張感はもうない。
『銀ちゃん桂さーんーーーーーッ‼‼‼』
砂塵の向こうから、悲鳴にも似た、しかし歓喜に満ちた絶叫が轟いた。
銀時が振り返る間もなかった。
「あ、おま ―─んぶっ」
ドスッ!!
重量感のある柔らかな衝撃が、銀時の全身を包み込んだ。
十六夜ノノミである。彼女は感極まって、全力のタックルに近いハグを銀時に見舞っていた。
「よかったです銀ちゃん〜〜っ‼ うわぁぁぁん!!」
「の…ノノミ、苦しい。ギブ、ギブアップ……! 骨が、骨がキシんでるから!」
「ノノミ先輩‼ 銀ちゃんが潰れちゃう‼ そのままだと圧死しちゃうから!」
セリカが慌てて引き剥がそうとするが、ノノミの抱擁は万力のように強く、そして温かかった。
その騒ぎの中、通信機から鼻をすする音が聞こえてきた。
『ほ、本当に……本当にしんぱいしたんですよ…? モニターから反応が消えて……もう、ダメかと……』
アヤネの震える声。
そして、ホシノがゆっくりと歩み寄り、オイルと煤にまみれた銀時の袖を、ギュッと掴んだ。
「……銀ちゃんがもし死んじゃったら、どうしようかって……。置いていかれるのは、もう嫌だって……本当に、よかった。無事で……」
その瞳には、安堵の涙が溜まっている。
少女たちの純粋な想いに、銀時はバツが悪そうに頭を掻いた。
「バカヤロウ、俺が簡単にくたばると思ってんのか? まだまだ死ぬつもりはねぇよ。……ジャンプの発売日まではな」
銀時の軽口に、泣き笑いのような表情を浮かべる生徒たち。
その温かな光景を、少し離れた瓦礫の陰から見つめる影があった。
カイザー理事である。
ボロボロになった義体を瓦礫に預け、彼は理解できないものを見るように、機械的な声を絞り出した。
「……なぜだ」
「?」
銀時が視線を向けると、理事はノイズ混じりの音声で問いかけた。
「……なぜ……あの時、私を投げた……。なぜ、曲がりなりにも私を助けた」
ビナーの突進が迫ったあの一瞬。
ホシノですら一度は見捨てることを選ぼうとしたあの時、この男だけは迷わず自分を救い出した。
「あのまま放っておけば、私はアレに潰されるなり焼かれるなり、いずれにしろ死んでいた……。お前たちにとって、私はただの敵だ。私が死んだところで、お前たちには得しかない。私などどうでもいいはずだろう……」
利益。損失。効率。
彼の回路にあるのはその計算だけだ。敵を助けるなど、最大の「損失」でしかない。
「だが、銀時……お前はなぜ」
その問いに、銀時は面倒くさそうに耳をほじり、フッと息を吐いた。
「俺は、敵だの味方だのってのはどうでもいいんだよ」
銀時は理事を真っ直ぐに見据えた。
その瞳は、先ほどまでの修羅の色ではなく、どこまでも透き通った、静かな色をしていた。
「ただ、自分の生徒が助けようとした奴を先生の俺が見捨てるわけにゃいかねぇだろ?ただそれだけのことだ。」
「─―!」
理事が息を呑む(ような駆動音を立てる)。
計算ではない。損得でもない。
ただ、己の魂の在り方に従っただけだと、この男は言うのか。
「……甘い……甘すぎる。お人好しだな、お前は……」
理事の言葉には、先ほどまでの嘲りや憎悪は消えていた。
あるのは、完敗を認めた者だけが漏らす、呆れを含んだ独白。
「何とでも言え。……ま、次やったら容赦しねーけどな」
銀時は短くそう告げると、踵を返した。
隣には桂が立ち、後ろには笑顔を取り戻したアビドスの生徒たちが続く。
「銀ちゃん?」
夕日が、彼らの影を長く、長く伸ばしていた。
「よし、帰るか」
銀時が空を見上げ、晴れやかに言った。
『お前らの居場所(がっこう)に』
「うん!」
戦いは終わった。
砂漠の熱気が引いていく中、彼女たちは帰るべき場所――母校へと、力強い足取りで歩き出した。
次回予告
銀時「さぁて厄介ごとは終わったんだパーとやろうぜパーっと」
ヒナ「先生何で私たちも呼ばれてるの?」
銀時「だって協力してくれただろ、集まらねぇとそんじゃねぇか」
ヒナ「まぁ息抜きと考えれば」
アコ「先生いけません!ヒナ委員長は私たちと一緒に帰るんです!」
銀時「黙れヨコチチお前はそこで紐繋がれて散歩でもしてろ」
次回パーティー何だからバカ騒ぎしても叱られない
〜透魂〜第一回キャラクター人気投票
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銀時
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新八
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神楽
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沖田
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土方
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山崎
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高杉
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桂
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定春
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エリザベス
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ホシノ
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シロコ
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ヒナ
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アコ
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ミカ
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ナギサ
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セイア
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ユウカ
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ノア
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近藤