透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい)   作:時代に遅れている

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龍魂同舟 残す伝統と新たな未来
第三十五訓 万事屋は三人で一つ也


時は銀時がキヴォトスに降り立つ所まで遡る。

 

銀時が手紙をじっくりと読んでいる間、神楽は床に大の字になって、気持ちよさそうに寝ていた。涎を垂らしながらぐっすりと眠り込んでおり、寝息が規則的に響く。サーモンピンクの髪が枕代わりにした腕の上で少し跳ね、白い肌がその淡い色合いを際立たせている。普段は両サイドの髪には、ぼんぼりが付いている。神楽の着ている赤を基調としたチャイナ服は、体のラインを軽やかに包んでいる。

 

その時、部屋全体が不意に光に包まれた。強烈な閃光が走り、瞬間的に部屋の景色が変わる。何が起こったのか理解する間もなく、神楽は光の中へと巻き込まれてキヴォトスに降り立った。寝ていたままの姿勢で、道端の布団の上に横たわっている。よだれを垂らしながら、無防備な姿勢で寝続けている彼女の周囲では、車が通り過ぎていく。まるで戦場の真ん中にいるかのような場所だ。

 

「神楽ちゃん、こんなところで寝てたら車に轢かれるよ?」

 

新八が心配そうに近づき、寝ぼけた神楽を揺さぶり起こす。新八は万事屋にはまだいない時期のはずだが、どういうわけか、予備の眼鏡を万事屋に置き忘れていたらしい。そのため、急いで眼鏡を取りに戻ってきたところ、この奇妙な事態に巻き込まれたのだ。

 

新八は目をこする神楽を見つめながらも、なんとか状況を理解しようとするが、神楽同様に、彼もまた光に巻き込まれてここに来てしまったのだ。

 

普通のアニメキャラなら眼鏡だけで飛ばされることはなかっただろうが、残念ながらここでも新八は眼鏡が本体……いや眼鏡以外はイボでしか無い。

そう、人間の形をした巨大なイボだ。

 

「誰がイボだ!お前の中では僕は眼鏡以外存在価値ないんかい!眼鏡外したらただの肉塊扱いかよ!僕はちゃんと人間だ!」新八の叫び声が響くが、神楽はそれを無視して寝返りを打つ。

 

さて、そんなイボ眼鏡についての騒ぎはひとまず置いておこう。

 

「早くその設定訂正しろー!」

 

「うるさいネ、イボ眼鏡」と神楽は目をこすりながら起き上がる。まだ半分寝ぼけている様子だ。

 

「お前が自分自身の話ばっかりしてるから、みんな待ちきれなくなって」と神楽は指をさしながら言う。

 

「あんな風に銃弾を雨のように連射して、SPみたいな奴らがケモ耳の女性と私に似た格好をした女の子を狙ってるアル。責任取るネ」

 

神楽はまるで他人事のように、キヴォトスでの戦闘シーンを指差す。

 

「待て待て待て!なんでそんな命がけの状況を他人事みたいに言ってんだよ!しかも僕の責任って何だよ!?ケモ耳とかSPとか、もう何が起きてるのかさっぱりわかんねぇよ!」

 

「お前が巨大なイボなんてつけるから、目の悪い私が眼鏡かけられずに状況把握ができなかったアル」

 

「おい!だから俺はイボじゃねぇって何回言わせるんだよ!それに、眼鏡とイボは全く関係ないだろ!それにアンタ、眼鏡かけなくても視力良かったでしょうが!」

 

「いい加減にしなさい、二人とも!」突然、お妙の鋭い声が二人を止める。

 

「姉上!」

 

「こんなところでいつまでもボケとツッコミを続けて争うなんて、侍としても万事屋としても恥ずべきことよ!」

 

「姉御ォ!」「はい!」新八と神楽はお妙の言葉に背筋を正す。

 

「さぁ行くわよ!」お妙は前を指差し、覚悟を決めた表情を見せる。

 

「わかったアル!」「了解です、姉上!」と神楽と新八も武器を手に取りやキヴォトスとの戦いに飛び込んでいく。

 

戦闘が激化する中、玄龍門のメンバーが店を占拠し、次々と攻撃を繰り出してくる。

 

「人気店だと調子に乗っていると思ったが、このザマか……」

 

「ハッ、我々玄龍門を馬鹿にした罰だ。」

 

「山海経の伝統を廃らせる玄武商会め、これで終わりだ。みんな、一気に攻めるぞ!」

 

ケモ耳の女性(ルミ)と神楽と似た服装の少女(レイジョ)が窮地に追い込まれた時、背後からの救援の声が届いた。

 

「ホアター!」突然現れた神楽が、自慢の日傘を振り回し、怪力で敵を蹴散らしていく。その姿はまさに台風のように敵陣を吹き飛ばし、玄龍門のメンバーが驚愕する。

 

「なんだアイツら……ヘイローもないのに、あんなに強いなんて……」

 

「お前らみたいな若造が私たちを数で押し切れると思うなよ~!」神楽の豪快な笑い声が戦場に響き渡る。

 

「いや神楽ちゃん、君も一応若造だからね」と新八が冷静にツッコむ。その声には少し困惑したトーンが混じっていた。新八は木刀を片手に、眼鏡を押し上げつつ、周囲の敵を睨みながら器用に戦っている。

 

その時、玄龍門のメンバーの一人が、新八を指差して言った。「何だ、アイツ……眼鏡が人間を掛けているぞ。アイツなら落とせそうだな。」まるで眼鏡が主役で人間が付属物のような扱いだ。

 

「君たち、人を見た目で判断するのは辞めた方がいい」と、ため息交じりに新八は言いつつも、木刀を巧みに振り回しながら、敵を一人また一人と次々に倒していく。

 

「それに……僕の本体は眼鏡じゃないィィィィ!」と、普段以上に感情を込めて叫ぶ新八。その叫びは戦場の喧騒の中でかき消されるが、本人は至って本気だ。

 

そんな新八と神楽の奮闘ぶりを、見て、「たった二人でこれだけの人数を相手にしているなんて……」とレイジョが驚愕の声が上がる。「ああ、私も驚いているよ」と、玄武商会のルミも戦況に目を奪われている。

 

だが、その時、玄龍門の生徒数人が密かに背後から回り込んでくる。隙を狙ってレイジョとルミに奇襲を仕掛けようとしていた。

 

「今だ、後ろから狙えば……」

 

「喧嘩なら正々堂々真正面から挑みなさい!」

 

しかし、突如として、その計画は潰される。お妙が現れ、素早い動きで薙刀の峰を振り下ろし、奇襲を試みた敵を次々に叩き倒していく。薙刀の一撃は正確で無駄がなく、彼女の鍛錬の成果が垣間見える。

 

「何!?」と、驚きの声を上げる玄龍門の生徒たちは、次々と地面に倒れ込んでいく。ガッ、バタンという音が響くたびに、倒れていく敵の姿が増えていく。

 

「貴方たち、大丈夫だった?」お妙はミネとレイジョに優しく声をかける。彼女の表情は険しい戦闘モードから一転し、いつもの落ち着いた笑顔に戻っている。

 

「はい、ありがとうございます」レイジョがぺこりと頭を下げる。

 

「いや~助かったよ。いつも営業妨害をしてくる連中なんだけど、今日はいつにも増して本気でかかってきて困ってたんだ。」ルミも深く感謝の意を表す。

 

「姉御ォ、こっちは終わったアル!」と、神楽が自信満々に叫ぶ。彼女は少し息を切らしながらも、相変わらず元気な様子だ。

 

「姉上の方も大丈夫みたいですね」と、新八も敵を倒し終え、木刀を肩に担ぎながら笑顔を見せる。

 

「おかげ様でね。ありがとう、二人とも。」お妙は再び礼を言いながら、薙刀をそっと下ろす。そして、再び柔らかな表情で言った。「それじゃ、私たちはこれで失礼するわね。」お妙はその場から離れようとする。

 

しかし、ルミが彼女たちを引き止めた。「ちょっと待ってくれない?」

 

「何ですか?」と、新八が問いかける。

 

「その……助けてもらったお礼も兼ねて、おもてなしをしようと思うんだけど、いいかな?」ルミは少し緊張しながらも、笑顔で申し出をする。

 

「いや~ありがたいですけど、僕ら、他にやることが……」新八がそう言おうとした時、神楽が口を挟んだ。「いいアルか?」

 

「もちろんだよ~。私たちの店を救ってくれたんだからね」と、ルミは嬉しそうに答える。

 

「やったー!ようやくご飯が食べられるアル!」神楽の目が輝き、喜びを隠しきれない。戦闘の疲れもどこかに吹き飛んでしまったかのように、彼女はルミの言葉を聞いた瞬間から料理への期待を膨らませていた。

 

「では、お言葉に甘えて……」新八も申し訳なさそうにしつつ、食事に誘われることを受け入れる。

 

「なら、私は先に帰りますね」とレイジョは料理の準備をする為早めに去っていく。

 

玄武商会へ向かう道中、緊張が解けた新八が何かを思い出したように尋ねた。「あの、戦った後に聞くことじゃないかもしれないですけど……ここってどこですか?貴方の様にケモ耳の人がいたりして、なんでみんな銃を持ってるんですか?」

 

ルミが少し驚いた表情で答える。「やっぱり、あなた達は外の世界の人なんだね。」

 

「どういうことアルか?」と神楽が不思議そうに尋ねる。

 

「ここはね、キヴォトスっていう場所で、たくさんの学園が集まって構成されている学園都市なんだよ。ここに暮らしている生徒たちは、みんな頭上にヘイローって呼ばれる輪っかが浮かんでいるんだよ。」

 

「あぁ、そういうことアルか。私はてっきりみんなもう死んでてOラゴンボールで復活するのを待ってるのかって思ったよ。」神楽はまたも的外れな解釈をしてしまう。

 

新八は大声でツッコミを入れる。「何勝手に人を殺してんの神楽ちゃん!ここは学園都市で、みんな生きてるんだって!それになんでいつも⚪︎ラゴンボールに絡めようとするの!?」

 

「それで、銃撃戦が起きてるのとどういう関係があるの?」お妙は話を戻すために真面目な質問をする。

 

「それはね、ヘイローを持ってる人は、銃で撃たれても死ぬことはないんだよ。ただ痛いだけで、命には別状ないの。」ルミが淡々と説明する。

 

「なんだその超人設定!まるで夜兎族みたいですね。」新八は目を神楽に向けながら言う。

 

「でも、無敵ってわけじゃないんだよ。精神的に限界が来たり、強力な爆撃を受けたりすると、ヘイローが砕けて死んじゃうの。」

 

「つまり、ここでは喧嘩感覚で銃撃戦が起こってるってことアルね。」

 

「まぁ、そういうことになるかな……」

 

玄武商会に到着し、神楽、新八、お妙はルミの案内で店の中に招かれた。店内は温かみのある照明に包まれており、中華料理屋特有の香ばしい香りが漂っている。木製のテーブルと椅子が整然と並べられており、壁には美しい中国風の装飾が施されている。特に目を引くのは、店内の中央に吊るされた巨大な赤いランタンで、そこには漢字で「繁栄」と書かれていた。

 

「改めまして、玄武商会へようこそ。」ルミはにっこりと微笑みながら、手を広げて歓迎の意を示す。「私はルミ。玄武商会の会長をやってるんだ。君たちの名前は?」

 

「私は神楽アル。よろしくネ、ルミちゃん!」神楽はルミの顔を見て、大きく手を振りながら挨拶をした。

 

「僕は志村新八です。よろしくお願いします。」新八は少し礼儀正しく頭を下げた。

 

「私は志村妙。新ちゃんの姉です。こちらこそよろしく。」お妙はしっかりとした態度で、にこやかに答えた。

 

「神楽ちゃん、新八君、お妙ちゃんね。こちらこそよろしく。」ルミは満足そうに頷きながら、手を叩いて従業員たちに合図を送る。「さぁさぁ、好きな席に座って。今日は存分に楽しんでいってね。」

 

神楽、新八、お妙がテーブルに着くと、次々に料理が運ばれてくる。最初に運ばれてきたのは、「跳満(ティウマン)」という豪華な前菜だった。干しナマコやアワビ、サザエ、エビ、豚肉などの高級食材がたっぷりと使われ、色とりどりの野菜と一緒に煮込まれた、まさに芸術のような一品だ。大皿に盛られたその料理は、見た目からして豪勢で、食欲をそそる。

 

「これが跳満。干しナマコやアワビ、サザエ、エビ、豚肉なんかを、いろんな野菜と一緒に煮込んだ料理だよ。」ルミは自信満々に料理の説明をする。

 

神楽は目を輝かせてその料理に飛びついた。「わぁー!これ、すごく美味しいネ!初めて食べる味アル!」箸を使って豪快に料理を口に運び、満足げに笑顔を見せる。

 

新八も同意して頷きながら、「確かに美味しい……でも、僕らのためにこんな豪勢な料理を用意してもらって、なんだか申し訳ないですね……」と恐縮気味に言う。

 

「いいの、いいの。気にしないで。お客さんの『美味しい』って言葉以上に嬉しいものはないからね。」ルミは笑顔で、神楽たちが美味しそうに料理を食べる姿を見て、満足そうに頷く。

 

「それに、私たち玄武商会のおもてなしは、こんなもんじゃ終わらないからね!」ルミは次の料理の準備を指示する。

 

次に運ばれてきたのは、大菜(だいさい)として「エビの団子スープ」だ。大きな土鍋の中で煮込まれたエビの団子は、スープの中でぷかぷかと浮かんでおり、スープ自体は透明で、具材の色が美しく映えている。スープの香りが鼻をくすぐり、温かさがじんわりと広がる。

 

「これがエビの団子スープだよ。熱々だから気をつけてね。」ルミが優しく声をかける。

 

「やったアル!ご馳走が次々と運ばれてくるネ!」神楽は再び箸を手に取り、スープをすくって団子を口に運んだ。「ん〜!このスープ、すごく温かくて体がぽかぽかするアル!団子もプリプリしてて美味しいネ!」

 

一方で、新八とお妙は少しお腹が膨れてきたのか、スープを味わいつつも、少し遠慮気味に「すいません、僕と姉上は結構お腹いっぱいで……神楽ちゃんはまだ入るかもしれませんけど……」と苦笑いしながらルミに伝える。

 

「何言ってるの、まだ大菜だよ?この後もまだまだ出てくるから、楽しみにしていてね。」ルミは全く遠慮する様子もなく、次々に料理を出すつもりだ。

 

その時、ルミの隣にチャイナ服にジャージを着た少女がやってきた。彼女は手に何かを持っていて、ルミにそっと耳打ちした。「ルミ会長、これはいつ出しましょうか?」

 

ルミは一瞬考えた後、「ちょっと待ってあげて。神楽ちゃんたちはまだ食べてるみたいだから。」と微笑みながら答える。

 

その会話を聞いていた神楽がすかさず、「もう食べ終わったアル!どんどん持ってくるネ!」と元気いっぱいに叫んだ。

 

「すごいね、神楽ちゃん!こんなに早く食べ終わるなんて……私、こんなに食べる子、初めて見たよ!」ルミは目を丸くし、神楽の食欲に感心した様子だ。「レイジョ、もう天心(テンシン)も持ってきていいよ。」ルミはその少女に再び指示を出す。

 

「かしこまりました、ルミ会長。」レイジョは深々と頭を下げて、次の料理を準備しに向かう。

 

新八はふと、そのレイジョという少女に興味を持ち、「あの、彼女は……?」とルミに尋ねる。

 

「ああ、彼女はレイジョ。あたしの護衛をしてくれているんだ。少し無口だけど、強いんだよ。」ルミが説明すると同時に、レイジョが再び戻ってきて、手に持った蒸篭(せいろ)をテーブルに置いた。

 

「お待たせしました。天心です。」レイジョがテーブルに並べたのは、蒸したての餃子やシュウマイ、小籠包といった中華の定番料理。蒸篭から立ち上る湯気が、ふわっと神楽たちの顔にかかる。

 

「わぁーー!天心ネ!美味しそうアル!」神楽はその湯気に顔を近づけ、目を輝かせた。次々と手を伸ばして料理を取り分け、口に運んでは大きな満足げな声を上げる。

 

「……相変わらず、どれだけ食べるんだ?」と、新八は信じられない様子で神楽を見つめる。お腹がいっぱいになりつつある新八とは対照的に、神楽の食欲はまだまだ尽きる気配がない。

 

その頃、レイジョはじっと神楽を見つめ、やがて静かに口を開いた。「神楽さん……」彼女は何かを決心したような表情で神楽に近づく。

 

「何アルか、レイちゃん?」と、すぐに親しげにニックネームをつけた神楽に、新八がすかさずツッコむ。「ちょっと!神楽ちゃん、いきなり馴れ馴れしいよ!」

 

しかし、レイジョはその呼び方を気にする様子もなく、真剣な表情で続けた。「先程の戦いで見せた、流れるような動きで敵を倒していく姿……私は心を打たれました。」彼女は静かに一歩進み、神楽の前で頭を下げた。「私を、弟子にしてください!」

 

その言葉に、一瞬場が凍りついた。レイジョが真剣な表情で神楽の前に頭を下げ、弟子入りを懇願する姿に、神楽だけでなく新八やルミも驚きを隠せない。

 

「えぇぇぇぇ!!」新八が椅子から身を乗り出して声を上げる。

 

「ちょっと待て!レイジョさん、本気で言ってるんですか!?」新八は慌てて言いながら、

神楽の方をチラリと見ると「いいアルよ」、と軽いノリで答えた。

 

「神楽ちゃん自分の言ってること分かってんの?ここで弟子を取ったら、銀さん探しに行くのが大変になるんだよ?」と、新八は神楽に忠告するように続ける。

 

しかし、神楽はそんな忠告を軽く無視し、「うるさいネ、眼鏡。銀ちゃん探しに行くことを理由に、友達の依頼を断る気アルか?」と、新八を一蹴する。神楽の目は、既にレイジョの方に向けられており、彼女の申し出を真剣に考えているようだった。

 

「銀ちゃんがいなくても、頼まれた依頼は何でもやる。それが万事屋銀ちゃんのあるべき姿ネ」と、神楽は自信満々に言い放つ。その堂々とした態度に新八は返す言葉もなく、ただ口を開けたまま呆然と神楽を見つめる。

 

「そうよ新ちゃん、銀さんならここで誰かのために依頼を受けて頑張ってるはずよ。それをあなたはやらないっていうの?」お妙も後押しするように、冷静な口調で新八に言い聞かせる。彼女の目には、侍の心を忘れてはならないという決意が映っていた。

 

「……うっ……」新八はお妙の言葉に言い返すことができず、視線を泳がせながら唇を噛んだ。

 

その時、ルミが口を挟んだ。「ちょっと良いかな?」彼女は穏やかな笑顔で、神楽たちに向けて質問する。「万事屋銀ちゃんって何?教えてくれると嬉しいな。」

 

「いいですよ、それならまず僕らのいた世界について話さないといけませんね」と新八が言い、少し姿勢を正す。そして、深く息を吸い込みながら、いつもの語りを始める。

 

「侍の国。僕らの国がそう呼ばれたのは、今は昔の話……。20年前、突如宇宙から舞い降りた天人(あまんと)の台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途を辿っていた。そんな時代に、侍魂を持った男が一人、その名は坂田銀時。甘党&無鉄砲なこの男が営む万事屋で、ひょんなことから働くことになった僕、志村新八と神楽ちゃん……」

 

新八は、江戸での日々を思い出しながら、淡々と話し続ける。「僕たちは、依頼をされれば何でもする、というモットーで、たくさんの人から依頼を受けて解決してきました。中には街一つ救ったり、1人の女性の願いを叶える為に国家権力を転覆させたり、さらには世界を救ったことすらあるんです。」

 

「そうアル。大きな仕事もあったけど、細かい依頼も全部ちゃんとやってきたネ」と、神楽が誇らしげに付け加える。

 

「でも、普段の銀ちゃんはどうしようもないくらいグータラで、家賃も滞納するし、給料なんて全く払わないアルよ。まるでダメなおっさん、略してマダオネ」と、神楽は大きなため息をつきながら、銀時の日常的なダメっぷりを語った。

 

「そ、そんなにひどい人なの?」とルミが驚きつつも興味津々に聞き返す。

 

「まぁ……普段はそうなんですけど、いざという時には命を懸けてでも僕らを守ってくれる、誰よりも頼りになるんです」と、新八は銀時の裏の顔についても説明した。「銀さんがいないと万事屋は成立しません。だからこそ、僕らは銀さんを探さないといけないんです。」

 

「そっか、私も銀さんに会ってみたくなっちゃったな」とルミは微笑んで答えた。「でも、今は問題が山積みで、すぐに手を貸すことができなくて……」

 

「それでさ、ちょっとお願いがあるんだけど……」ルミは少し顔を引き締め、神楽たちに真剣な表情を向けた。「君たち、万事屋でいろんな依頼を解決してきたんだよね?もし良ければ、今ここで抱えている問題を手伝ってもらえないかな?」

 

「もちろんアル!」神楽は即答した。彼女の目には、困っている人を助けたいという気持ちがありありと表れていた。

 

「良かった~!じゃあ、銀さんが見つかるまでの間、ここにいてもらって大丈夫だからね。要件は明日話すから。今日はゆっくり休んで。」ルミは心からの感謝を込めて微笑んだ。

 

神楽たちは、これからキヴォトスでの新しい依頼に取り組むことを決意し、新しい冒険への期待を胸に、次の展開を待つのであった。

 




次回予告

神楽「玄龍門?」

ルミ「そう。山海経の伝統を護るって言って新しい料理を作ってる私たち玄武商会を妬んで営業妨害を繰り返しててさ。」

新八「確かに伝統も守らないといけないけど、だからってむやみやたらに玄武商会に八つ当たりするのは…」

レイジョ「違います!あいつらは伝統を盾にして変化を恐れているだけの臆病者です!」

ルミ「レイジョ落ち着いて」

お妙「そうよレイジョちゃん少し落ち着かないと」

新八「姉上それなんですか?」

お妙「これ?さっきルミさんに教えて貰った料理。敵でも手土産って必要でしょ?」

神楽と新八「いやそれヤクザ的な意味での手土産になりそうです。アル。」
次回 敵にも礼儀(霊儀)は忘れずに

〜透魂〜第一回キャラクター人気投票

  • 銀時
  • 新八
  • 神楽
  • 沖田
  • 土方
  • 山崎
  • 高杉
  • 定春
  • エリザベス
  • ホシノ
  • シロコ
  • ヒナ
  • アコ
  • ミカ
  • ナギサ
  • セイア
  • ユウカ
  • ノア
  • 近藤
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