透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい)   作:時代に遅れている

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間に合わなかったァァァァ‼︎


第四十二訓 ゲームの中での約束は永遠

クロニクル放送部のシノン(自称アイドルレポーター)は、電気屋の名前の看板が鮮やかに光る店舗前に並ぶ長蛇の列に、マイクを片手に立っていた。列を見渡しながら、周囲の熱気に負けじと声を張り上げる。

 

「第50回衆議院議員総選挙にも参加せず、朝から何も食べずに、寒空の下で耐え忍ぶ彼らのお目当てはコレ……」シノンは一呼吸置き、目を輝かせてカメラに向き直る。

 

「新型遊戯機、ハニー・インタラクション プロイステーションpremium!!」寒さに震える観客たちに興奮が伝わるよう、シノンの声はひときわ大きく響き渡った。

 

「10月27日、第50回衆議院議員総選挙が行われる今日、この最新ゲーム機が同時に発売!手に入れるために列を作る彼ら。オタクたちの最後の聖戦が今、始まろうとしているのです!」シノンは高揚した声で叫び、列の中の人々をカメラで一人ひとり写していく。

 

『プレイステーションを買うために、いつから並んでいるのですか?』シノンが寒さに耐えかねて縮こまっている若い男性に声をかけた。

 

「昨日の晩からです」一瞬、驚きの表情を見せるも誇らしげに答える男性。その周りには毛布や椅子がちらほらと見え、各自が寒さに対策している様子がうかがえる。

 

「でもすでに並んでいる人がいて…上には上がいるなぁ〜」彼はため息をつき、列の先を恨めしそうに見つめる。

 

シノンはさらに列の後方に向かい、ボロボロのローブを羽織り、どこかホールレスのような風貌の男性にインタビューする。『いつから並んでいるんですか?』シノンの声に彼は少し考え込み、ためらうように答えた。

 

「…………三年前かな」低く、静かに語られるその言葉にシノンの表情が一瞬固まるが、プロのレポーターらしく微笑みを浮かべて次の質問に移る。

 

『なんで並んでいるのですか?』シノンが視線を移すと、そこにはがっしりとした体格のサングラスをかけた男性が立っている。その威圧感に一瞬たじろぐが、シノンはマイクを向ける。

 

「あ?」その男、片栗虎はシノンをじろりと見下ろし、少し呆れたようにため息をつく。「娘が欲しいっつーから、おじさん頑張ってんの」彼の拳がポケットから何かを取り出す。それは拳銃だ。片栗虎は拳銃を軽く前方の若い男性に向け、低く脅すように言った。

 

「オイ、てめぇ、おじさんと代われよ」片栗虎は不敵な笑みを浮かべ、男性をじっと見つめている。

 

シノンは少し引き気味に隣の女性にもインタビューを試みた。、猫耳・おかっぱの妙におっさんくさい顔をした女性、キャサリンは冷たい視線でシノンを見下ろし、少し鼻を鳴らして答えた。

 

「ゲームナンテ興味ハナイデス」口元に不敵な笑みを浮かべ、キャサリンは肩をすくめる。「ネットオークションンデ高値デ売リサバキマース」彼女はニヤリと笑い、ほかの客たちを見下すように視線を走らせる。

 

シノンはカメラに向き直り、再びマイクを握りしめて解説を続ける。「ーーーというように理由は様々のようですが、ここに集まった暇人…ゲフンゲフン、人々の熱意には圧倒されます。事実確認はまだ出来ておりませんが、プレイステーションは先着100名にしか行き届かないとの情報も入っています」列の長さを映しながら、シノンはカメラに向かって力強く語る。

 

「果たしてこの思惑の交差する戦いの果てに、誰がそのゲーム機を手にするのでしょうか…」シノンが締めようとしたその時、どこからか煙が立ち込め、周囲がざわつき始めた。

 

「ゲホッゲホッゲホッ」咳き込む声と共に、突然立ち上がった煙にシノンも咳き込みながら目をしばたたかせる。「何?この煙は…」シノンが驚きの声を漏らす。

 

煙の向こうからは、銀時とゲーム開発部のメンバー、そして「チビメイド」ことネルの姿がぼんやりと浮かび上がる。彼らはまるで焚き火を囲むようにして暖をとっている。

 

「誰がチビメイドだゴラァァァァァ!!」ネルは怒りの叫びを上げるが、銀時は冷静に答える。

 

「何叫んでんの?チビメイド君?作者に怒ってもしょうがないだろ。他のお客にも迷惑がかかるってこと考えようぜ?」銀時は冗談めかして笑い、ネルの肩を叩く。

 

そこに電気屋の店員が駆け寄り、息も絶え絶えに注意する。「すみませんが、すでに他のお客様にご迷惑なので、焚き火はご遠慮いただけますか?」店員はゲホゲホと咳き込みながら、苦情を申し入れる。

 

しかし、モモイは銀時の肩越しに笑顔で返事を返す。「いやそれは譲れないよ。だって寒いんだもん!暖をとるくらい勘弁してくれてもいいじゃん!」

 

店員は目を丸くしながら困惑気味に答える。「いや…暖っていうレベルじゃなく、もうボヤ騒ぎみたいになってますし」

 

銀時はまるで当然のように言い放つ。「何言ってんの?ここキヴォトスだよ?ボヤ騒ぎとか戦闘とか、当たり前でしょ?」

 

銀時は火を見ながら、ポケットからヤギのミルクで作ったチーズを取り出し、アルムおじさんのヒゲのついた姿で、丁寧に焼き始める。「よーし焼けたぞ、アリス」とチーズを手渡す。

 

「わぁ…」とアリスは嬉しそうに微笑み、焼き立てのチーズを大事そうに受け取る。

 

「いや、焼けたぞって、聞いてますか?人の話」店員は焦りと呆れが入り混じった表情を浮かべ、思わず大声で注意する。

 

「つーか無駄にうまそっ!!ハイジ!?ハイジが食ってた奴!!」と、店員もついには耐えられず、悔しそうに声を上げる。

 

その姿を見ていた他のお客たちも、次第にざわざわと騒ぎ出す。「なんだよアイツら!!!なんで行列の真ん中でハイジの奴食ってんだよ!」、「なんか腹立つ!腹立つけどうまそう!」、「いかん…腹が…喰うものも食わずに我慢してきたのに…」と、徐々に怒りと羨望の混ざった視線が銀時たちに集まっていく。

 

「銀さ…おじいさん、パーター達にも分けてあげましょう。身体も温まるし、きっと喜びます」アリスは優しい表情で銀時に微笑みかける

 

「おやおや、アリス、お前は優しい子だね」と銀時は微笑むも、すぐに目を細めて軽く頭を振る。「でも、いけないよ。これは私たちが育てたヤギからしぼりとった乳でつくった特別なチーズだからね」銀時は焼きたてのチーズをじっくりと引き伸ばし、まるで宝石のように輝かせながら、他の客たちに見せびらかすように頬張る。

 

「働かざる者食うべからず。かわいそうだが、これがアルプスの掟だ」銀時が悠々とチーズを味わいながら言い放つと、周囲の客たちの視線がさらに鋭くなる。

 

「何かを得るにはそれ相応の代償が必要なんだよ」銀時は涼しい顔で、列の他の客たちに目をやる。「例えば、そうだね…君たちが並ぶ順番を俺たちと交代してくれるとかね。当然、前の人限定だけどな」銀時はにやりと笑い、軽く肩をすくめる。

 

一部の客たちがその提案に食いつきかけるも、まだ誰も動く気配はない。その様子に銀時は少しばかり残念そうに肩をすくめながら、アリスに合図を送る。アリスは口に咥えていたチーズを銀時が「ビョーン」と伸ばし、周囲の客たちにその美味しそうな香りとともにちらつかせる。

 

「うおおおお腹立つ…めっちゃ腹立つけど、超うまそうだな…」一人の客が悔しそうに呻き、思わず拳を握りしめる。「チクショオオオ!!もう我慢できん!君たち!僕が順番を代わってあげるから、そのハイジを…!」

 

すると、別の客が叫び声を上げ、「待て!ハイジは俺のものだ!小さい頃テレビで見てからずっと食べたかったんだ!」とさらにアピールし始める。その瞬間、列の先頭を保っていた人たちが次々と叫び声を上げ、怒りと興奮が混じり合う騒動に発展する。

 

「ワッ!」とハイジのチーズに群がるように客たちが集まり、その間に銀時たちはすばやく列の先頭へと駆け上がった。

 

「ちょろいもんよ」銀時が、列の進む様子を見て鼻で笑いながら言い放つ。さりげなく先頭に紛れ込んで、着実に位置を上げた自分たちの作戦が功を奏したことに、満足そうな表情を浮かべる。

 

「これで二十番くらい進みましたね」ミドリが列の番号を確認し、ほっと一息つく。目の前にそびえる店の扉まで、確かに少しだけ距離が縮まったことを実感しながらも、視線を前方に送り、まだまだ行列が続く現実に気づかされる。

 

「でもよ〜まだまだ先は遠そうだぜ?」ネルが不機嫌そうにぼやき、腕を組んで店の方をじっと睨む。何重にも折り返して続く行列が、まるでゴールを拒むかのように果てしなく感じられる。

 

「ったく、なんで俺がわざわざお前たちガキのおもちゃ買いに並ばにゃならねーんだ」銀時がやれやれと肩をすくめ、わずかに眉間に皺を寄せながら、面倒くさそうに愚痴をこぼす。彼の顔には、退屈さと苛立ちが混じり、列に並ぶことへの不満が露骨に表れている。

 

「そう言わなくていいじゃんだってプレイステーションの最新版だよ?いつどんなやつが狙ってるかわからないじゃん!」モモイが目を輝かせて銀時を見上げ、言い訳を重ねる。最新機種の魅力と、その希少価値を強調するように語りながら、なんとか銀時の興味を引き出そうと必死だ。

 

「だから銀さんに手伝ってもらってプレイステーションを奪おうというわけです!!」アリスが自信満々に言い放ち、銀時の肩を軽く叩く。ニヤリと笑う彼女の表情には、仲間を頼りにする期待感と、少しのいたずら心が混ざっている。

 

「ねぇちょっと?それ銀さんに強盗に近いことやらせようとしてるよね?やらないよ、立場危なくなるから絶対やらないからね‼︎」銀時は慌てて手を振り、眉を吊り上げながらアリスの言葉を遮る。軽い冗談のつもりでも、犯罪じみた提案に巻き込まれるのを拒む姿勢は、あまりに真剣だ。

 

「それに、ほしいもんがあるならテメーで並んで手に入れやがれっつーの」銀時は腕を組み直し、冷ややかに吐き捨てるように言う。彼の瞳には少しの怒りが宿り、目の前の若者たちに対する不満が膨らんでいる。

 

「先生っつったってパシリじゃねーんだよ、パシリじゃ」銀時が肩をすくめ、視線を外しながらぼそりとつぶやく。その声には、教師としての自負が微かに感じられるものの、押しつけがましくない自然な苦言だ。

 

「あとお前ら、もう少しで選挙の投票ができるようになるだろ?少しは政治に興味を持ったらどうなんだ?」銀時が視線を若者たちに戻し、真剣な表情で問いかける。列に並ぶ彼らに、ただゲーム機に没頭するだけでなく、少しは社会に目を向けるようにと促すその声は、どこか説得力がある。

 

「いや、遠慮するよ。だってゲーム列に並ぶか、投票の列に並ぶかしか変わらないんだもん」モモイは軽い笑みを浮かべ、さらりと銀時の言葉をかわす。彼女にとってはどちらも並ぶという点で同じに映り、どちらか選べと言われても興味が湧かないことを暗に示す。

 

「世も末だねぇ。裏金とかで政治基盤ガタガタなのに、若者は選挙に一ミリも興味がないときた。これじゃいつまで経っても世の中汚ねえままだな」銀時は遠くを見つめながら呟き、ため息をつく。その顔には、腐敗した政治と無関心な若者たちへの失望が滲み出ている。

 

すると、ネルが少し怒ったような口調で言い返す。「銀時。テメーだって選挙なんか興味ねぇだろ!一丁前に説教垂れてんじゃねぇ!」彼女の言葉は鋭く、銀時の偽善的な態度を咎めるかのように突き刺さる。

 

銀時はネルの指摘に一瞬目を見開くが、すぐにふっと微笑みを浮かべ、また列に戻る。

 

 

 

「あの、困りますお客様…」別の店員が眉をひそめながら控えめに声をかける。列を見回して、問題の場所を指さし、戸惑った表情でこちらに視線を送る。

 

目の前には、まるで家の中のようにくつろいだ様子でコタツに入って鍋を囲む三人がいた。ヒフミ、桂、そしてエリザベスがほかほかとした湯気の立つ鍋を前に、まるでここが自分の家であるかのようにリラックスしている。周囲の寒さをものともせず、彼らは暖かいコタツの中で湯気とともに談笑していた。

 

「他のお客様のご迷惑になりますので、こたつはちょっと…」店員が優しく言うも、眉間には困惑の色が浮かんでいる。列の中でコタツを出して宴会を始めるという非常識さに、店員も半ばあきれた様子で声をかけ続ける。

 

「すいませんが、もう少し待ってもらっても…」ヒフミは申し訳なさそうに頭を下げつつも、鍋の中身がちょうどいい具合に煮えていることを気にしているようで、視線は鍋から離れない。

 

「まだエリザベスが食べてるんで」と桂がさらに追加し、さも当然のように鍋のほうへ視線を戻す。エリザベスは無言で、黙々と鍋から具材をつまんでおり、その姿には並んでいることへの意識がまるで感じられない。

 

「それでしたら、列を離れたほうで…」店員が少し声を強め、鍋ごとコタツをずらそうと腰をかがめ、コタツの縁を持ち上げる。無理に動かすと中身がこぼれそうになるが、店員も譲る気配がなく、周囲にちらちらと迷惑顔の視線が向けられている。

 

「ちょっと待ってください、すぐ…」ヒフミが焦りながら手を伸ばすが、店員の手のほうが早い。

 

「いや、ちょ…」桂も慌てて立ち上がろうとするが、座ったままの格好で動けず、店員と押し合いになってしまう。

 

押し問答が続き、一向に決着がつきそうにない中、ヒフミと桂が顔を見合わせて一斉に叫ぶ。

 

「まだエリザベス様が…」ヒフミの叫びが響き渡り、

 

「食べてるでしょうがァ!!」と桂が声を張り上げる。桂の目は怒りと決意に燃えており、コタツごと移動させられることへの強烈な抵抗を示している。

 

その時、銀時たちが一斉にコタツに対して跳び蹴りを見舞う。「ゴシャァァァァァァ!!」という激しい音が列に響き渡り、桂たちはコタツもろとも転倒する。コタツからは鍋の具材が勢いよく飛び散り、周りにいた人たちの驚きとどよめきが広がる。

 

「やりましたね、銀さん。これでまた10人くらい前に進みましたよ」とミドリが小さくガッツポーズをしながら、列の進展を喜ぶ。銀時も満足そうに頷き、周囲の混乱には目もくれずに前進する。

 

「へっ、この調子でどんどん客を蹴散らして、さっさと帰ろうぜ」と銀時が肩をすくめながら口元を歪め、次の標的を物色しているかのように列を見渡す。

 

「武士ともあろうものが横入りとは…銀時、貴様もおちたな」鍋の蓋を頭にかぶったままの桂が、眉を吊り上げながら冷たい視線で銀時を睨む。

 

「うるさいです。光の速さで落下している人に言われる筋合いはないです」とアリスが即座にツッコミを入れ、桂の言葉を軽くいなす。アリスの目は冷たく、桂の行為が到底許せないと言わんばかりにじっと睨んでいる。

 

「こっちは朝の4時から並んでいるんですよ!!いくら銀さんとはいえ、手加減しませんからね!!」ヒフミが拳を握りしめ、銀時に対して怒りを滲ませる。彼女の目には一睡もせずに並んだ気迫が宿り、強い意志を感じさせる。

 

「で?侍部部長兼副顧問のアンタが、わざわざここに並んだ理由はなんだ?」ネルが眉をひそめ、疑わしげな表情で桂に問いかける。

 

「副顧問だからこそ、世の流行を追わねばならないのだ。たとえファミコンのことだとしてもだ」桂は腕を組んでうんうんと頷き、深刻な顔で語る。まるで使命感に駆られた表情で、時代遅れの知識を披露している姿は、滑稽さを含みつつも真剣だ。

 

「古りーよ!! ゲーム機をファミコンだと思ってる時点で流れについていってねーよ!!」銀時が眉を吊り上げながら即座に突っ込み、桂のあまりの時代遅れぶりに呆れた表情を浮かべる。

 

「今回のファミコンは革命を起こしたんです!!」ヒフミが声を張り上げ、再び説得を試みる。彼女の目には、真剣な眼差しが宿っており、ファミコンに対する信念を熱弁しているようだ。

 

「うむ。ペロロが描かれたニュータイプで、ファミコンとディスクシステムが一体化したツインペロロファミコンとかいう…」桂が再び得意げに語り出す。どこからか情報を仕入れてきたらしいが、その内容のあまりの突飛さに周囲はポカンとした表情を浮かべる。

 

「お前らほんとにペロロのためにファミコン買いに来たんかいィィィ!!」銀時が思わず叫び、目を見開いて驚きの声を上げる。

 

「なんのためにここに並んでると思ってんのあなた達は!! この列はそういう列じゃないの!! この列は!!」モモイが焦りと呆れが入り混じった声で叫び、列の本来の目的を訴える。

 

「それにモモフレンズの商品なら、モモフレンズ店舗にあるんじゃ…」と、隠れていたユズがひょっこり顔を出し、冷静に指摘する。彼女の言葉に、桂たちも一瞬、何かに気づいたように目を丸くする。

 

「なんだと! 新しいマリオと再び会えると思ったのに、その道は閉ざされたか…」桂ががっくりと肩を落とし、まるで夢を砕かれたかのように視線を落とす。

 

「再びどころか最近会っただろ!! 何十回も蘇って姫様救ってるよ、あのおっさん!」銀時が容赦なくツッコミを入れ、桂の発言の間違いを正す。

 

「銀さん、マリオはまだ20代なので、まだおっさんじゃありません」アリスが小さな声で補足し、冷静に銀時の言葉を訂正する。

 

「ツッコミどころそこじゃねェェェェ!!」銀時が叫び、眉間に深い皺を刻みながら、ツッコミを入れた。

 

 

 

「あの、困ります、お客様…」また別の店員が眉をひそめ、列の中央で風呂に浸かっている真選組のメンバーに向かって申し訳なさそうに声をかけた。列の中に設置された湯気立つお風呂に、周囲の客も呆然として彼らを見つめている。

 

「なんだコラ、こっちは徹夜で並んでんだ。風呂くらい入りたいだろ」沖田が湯船に肩まで浸かりながら、不敵な笑みで返す。彼は湯気に包まれながら、悠然とした様子で手足を伸ばし、まるでこの列が自分の家の風呂場かのようにくつろいでいた。

 

「やめろ総悟!すいません、すぐ終わりますんで…」近藤が慌てて店員に頭を下げるが、湯船に浸かったままの沖田に向かって、小声で呟く。「まだあそこ洗ってないんで…」近藤は小声ながらも、しっかりと主張しており、彼の視線は未だ沖田の入浴姿を見守っている。

 

「いやもう警察呼びますよ」店員は厳しい表情を浮かべ、冷たい声で警告する。彼が湯船をどかそうと近づくと、近藤がすかさず手を上げて制止する。

 

「いや、僕ら警察なんで」と近藤が慌てて言い返し、店員の手を阻むようにして立ちはだかる。近藤の必死の表情に、店員は一瞬戸惑うも、冷たい視線で応戦する。

 

「まだあそこ洗ってないんでしょぉーがァ!!」近藤が力強く叫ぶと、沖田もその声に小さくうなずき、のぼせた顔でにやりと笑う。しかしその時、横から土方が近づいて、容赦なく湯船に蹴りを食らわせた。湯船は勢いよく転がり、沖田は湯を浴びながらバランスを崩し、床に倒れ込む。

 

その一部始終を見ていたモモイたちは、目を丸くして真選組の珍騒動に呆れている。

 

「あれ、どこの野蛮な一族なんだよ?」ネルが眉をひそめながら冷ややかな声で言い、列の異様な光景に、軽くため息をつく。

 

「とりあえず、この都市は終わりってことでしょ」モモイが肩をすくめ、頭をかかえる。

 

「ねぇ銀さん?」と、モモイが銀時の顔をちらりと伺うと、銀時も険しい顔をして列を見回し、頭を抱えている。

 

「何をするんだ!銀時、俺は一体何をしたというのだ!?」桂が突如、銀時の腕に掴まれ叫ぶ。コタツから立ち上がる暇もなく、突然押される形で銀時に突っ込まれている。

 

「うるせぇ!! ひとまず隠れろ!隠れねぇと俺まで逮捕されるゥゥゥ!!」銀時は焦りとともに叫び、無理やり桂を押し込み、コタツの中に押しやる。

 

その騒動が一段落した頃、銀時たちはコタツに入りなおして体勢を整えていたが、そこへ湯冷めして震える土方が、険しい表情で近づいてきた。

 

「テメーら、こんなところで何してやがる?」土方が低く唸るように問いかけ、冷たい視線を銀時たちに向ける。

 

「そのセリフそのままバットで返してやるよ」と銀時は腕を組み、軽蔑の表情で答え返す。

 

「そのセリフそのままバットでさらに打ち返してやるよ」と土方も負けじと反撃する。

 

「そのセリフを…」と銀時がさらに言いかけたところで、ネルが突然叫び、二人を制止する。

 

「うるせぇんだよ、あんたら!もういいだろ、しつこすぎるんだよ!!」ネルは我慢の限界とばかりに声を張り上げ、銀時と土方の不毛なやり取りを強制的に終わらせた。

 

その直後、服を着直して寒そうに震えながら、近藤と沖田が駆け寄ってくる。

 

「さむさむさむ!!」と、近藤が走り寄り、コタツを見つけると目を輝かせた。「あっ、コタツだ」と言って即座に飛び込むようにコタツの中に入っていく。

 

沖田もそれに続き、コタツに潜り込むと、すぐ横で桂がなぜか誰かに蹴られ、呻き声を上げている。

 

「何何?ひょっとしてお前らもゲーム買いに来たわけ?」近藤がコタツの中で顔を出し、銀時たちに問いかける。その問いに、銀時たちは一瞬顔を見合わせるが、何も言わない。

 

「ププッ、選挙当日なのに暇な奴ら〜」近藤が笑いながら言うが、その言葉に周囲の視線が冷たく向けられる。

 

「近藤さん、そのセリフ、すべて俺達にも降りかかるんでやめてくだせぇ」と沖田が無表情で冷静に注意を入れた。

 

「でも残念でした〜〜この店のゲーム機は100台しかないらしい」近藤が声を張り上げ、誇らしげに言う。

 

「そうさな、ちょうど山崎が並んでいるところで在庫が切れるだろう」と自信満々に語る近藤の言葉に、銀時たちの表情が徐々に険しくなる。

 

「ざんねんながらお前らのところまで行き届きましぇーん!!」近藤が得意げに笑いながら言い放つと、ネルが眉間に皺を寄せ、銃を構えて叫ぶ。

 

「てめーら、さんざん馬鹿にしたツケ返す覚悟はできたか!」ネルが銃を近藤に向けようとするも、銀時がすかさずその銃を抑える。

 

「おいおい、こんなとこで戦闘はよせって。それに、アイツらの計画も失敗に終わったらしいぜ」銀時が冷静に言いながら、視線を横に向ける。

 

「な、なんだと!」と近藤が驚き、慌てて顔を向けると、視線の先では山崎が誰かとカバディをしているのが見える。

 

「ほら、あそこでカバディやってんのおたくのザキヤマでしょ?」銀時が指差し、山崎の奇妙な動きを冷ややかな目で見つめる。

 

「山崎ィィィィ!!お前何やってんだ!!」近藤が必死の声を上げ、困惑顔で山崎に叫ぶ。

 

「どーするんだ、俺らゴリミカ様にお使い頼まれたんだけど!!」近藤が焦った表情で銀時に訴えかける。

 

『派閥全員分のゲーム機買ってきて⭐︎。出来なかったら、真選組のメンバー全員の全身の骨をおるね⭐︎』ミカが冷徹な笑みを浮かべながら近藤に脅しをかけるかのように言っている様子が浮かんだ。

 

「それお使いなんてレベルじゃないって!!それはもう恐喝だよ!!」モモイが驚愕の表情で叫び、手を合わせて祈るようにしている。

 

「やっぱりミカってゴリラだったんだなぁ。対抗手段は…今いねぇ女王ゴリラを連れてくるしかねぇわけだ」銀時は呆れ顔でため息をつきながらつぶやき、どこか遠くを見つめる。

 

その瞬間、店内アナウンスが鳴り響く。「販売時刻になりました。列の順番通りにお一人様一つずつお取りください!」店員の声に、列全体がざわつき始める。銀時たちも一気に気持ちを切り替え、目的のプレイステーションに向かって視線を向ける。

 

しかし、その瞬間、銀時たちと真選組が同時に動き、他の客を押しのけて、商品に向かって飛びかかるように突進した。「行けぇぇぇぇぇっ!!」乱闘が始まると、周囲の客たちも争いに巻き込まれ、さらに混乱が激しくなっていく。

 

ついに収拾がつかなくなり、他の客が銀時たちによって全員気絶したその時、店長が大声で制止の声を上げ、仮装した状態で前に進み出た。「まっ先に熱し越んできた血気盛んなゲーマーたちへ…今から君らに2チームに分かれてもらい、ゲーム勝負をしてもらう」と店長が提案すると、一同が動きを止め、その提案に耳を傾ける。

 

「勝った方がプレイステーション新型を貰うというのはどうかね?」店長が微笑みを浮かべて言うと、真選組も銀時たちも目を輝かせ、即座に反応する。

 

「上等だ!やってやろうぜ!」ネルが銃を片手に握り、戦う意志を込めた目で叫ぶ。

 

「まぁ前にもこんなことがあったしな…今度こそだな」土方も静かに立ち上がり、冷たい視線を真選組に向けて準備を整える。

 

だがその瞬間、コタツの中から突然、マリオの帽子をかぶった桂が顔を出した。「フン、何貴様らだけで盛り上がっているのだ!」桂は自信たっぷりに笑い、マリオのコスチュームを誇らしげに見せびらかす。

 

「オイ、ヅラ!何やってんだァァァァ!!」銀時が驚愕の表情で叫び、桂の突飛な姿に目を疑う。

 

「ヅラじゃない、カツオだ!」桂は自分の手元にあるキノコのぬいぐるみを持ち上げ、堂々と名乗る。

 

「それに俺だけじゃない!」と桂が言うと、ピーチ姫の格好をしたヒフミが現れ、華麗なドレスを翻しながら登場する。

 

その後ろには、ルイージの格好をしたエリザベスがプラカードを掲げて無言で立っている。プラカードには『頑張れカツオ』と書かれており、真選組も銀時たちもその光景に一瞬呆然とする。

 

土方と沖田は「サイン貰えるかな…」と密かに期待しながらも、まずはゲーム勝負に向けて気を引き締め、準備を始めたのだった。

 

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ギャルゲーの舞台にて、白熱の戦いが繰り広げられている。プレイヤーの近藤は、猛スピードでストーリーを飛ばし読み進め、カツオ&ネルチームと激しいデッドヒートを繰り広げていた。

 

「マリオだかなんだかしらんが、ソニー派の俺には関係ない!」と豪語する近藤。しかし、彼のゲームの進め方は独特で、すさまじいスピードでシナリオを一切読まず、ひたすらボタンを押して先を急ぐ。その行動に、長年恋愛ゲームをプレイしてきた経験がにじみ出ているようにも見えた。

 

「オイ! アンタ、アイツどんどんストーリー進めてるぜ! あたしらも急がねぇと」とネルが焦るも、カツオはゆったりと微笑む。

 

「案ずるな、ネル殿。『急がば回れ』という言葉があるように、焦りすぎてことを進めればかえって失敗することもある」と冷静に応じるカツオ。彼の言葉には、どこか余裕すら感じられる。

 

ところがその後、近藤のキャラクターは突如、巨大なカジキに刺され、無惨にも死亡してしまう。

 

「カジキいいい!?」

 

「食パンじゃなくてカジキマグロくわえて登校してきたこの娘‼︎」

と叫ぶ近藤。

 

「いや…おちつけパンをくわえていようと

マグロをくわえていようとしょせんギャルゲーの女の子には違いない」と言って心を落ち着かせた。しかし、彼はすぐに気を取り直し、

「選択肢A週劇覚悟で働け起にすB無視して寺子屋へ急ぐ

答えは勿論A助け起こ・・」とAを選択したが、

『大丈夫かい?』とキャラクターが優しく語りかけると、なんとそのキャラクターは心配する相手はマグロだった。

 

「マグロじゃねェェェ!」と、もはやツッコミをせずにはいられない近藤。その様子を見て、ネルは感嘆の表情を浮かべる。「すげぇや…アンタが言った通りだったよ」

 

桂はフンと鼻で笑い、「恋愛というものがデータ通りにいくものか。予測もつかないことが起こるのが恋愛というものだろう」と答える。ネルはさらに指摘する。「…てか、アンタ、カジキに刺されてるじゃん。かっこつけてるけど…」

 

「なんでだよオオオオ!!予測がつかないにも程があるだろオオオ!」と叫ぶ近藤は、ゲームの無情さに呆然とする。

 

「バ…バカな、まさかカジキで刺されるとは…。やはり、恋愛は奥が深い…」と、どこか格好良く悟る桂。

 

「いや奥深くねぇよ!どこの世界に、会って5分でカジキマグロに刺されて死ぬ恋愛なんてあってたまるか!」とネルがさらなるツッコミを入れる。

 

その後、近藤と桂がある程度ゲームを進めると、突如として彼女の母親が登場する展開に。

 

「オイ!アンタ!なんで彼女のお母さん呼び出してんだよ!」と驚くネルは内心焦る。『まずい、ヅラの人妻好きが災いしたか…』と銀時は心の中で呟く。

 

「フハハハハ、勝負あったな!まさかお前にそんな趣味があったとはな」と近藤は余裕の笑みを浮かべるも、次の瞬間、彼の画面には「金づるにされた後捨てられてゲームオーバー」になったキャラクターが映し出されていた。

 

「フッ…言ったはずだ、恋愛は上手くいくものではないと」とカツオが冷静に語るや否や、彼はお母さんを見事に落とし、堂々とNTRルートでゲームクリア。

 

「銀時チーム、一点リード」と勝敗が下される中、桂の静かな笑みが一層際立つ。

ーーーーーーーーーーー

 

ゲーム大会の舞台で繰り広げられるのは、「信長のゲボエ」なる最低なゲーム。まるでテトリスを模したかのように見えるが、その内容は衝撃的。画面の上から泥酔した信長が様々な形の「ゲボエ」を吐き、それをプレイヤーは横一列に揃えて消す。しかし画面が「ゲボエ」でいっぱいになると、その時点で負け。見た目もルールも、悪ふざけを超えた異色のテトリスだった。

 

「それ、ただの最低なテトリスだよ!」と、モモイは呆れた顔で叫ぶ。「私たちが作ったクロニクルの方がまだましなくらいだし!それにこの画面、野望シリーズっぽくしてるし!」と不満を口にするが、周囲は特に気にする様子もない。

 

「私がやる」と、普段は引きこもり気味のユズが静かに宣言する。普段の彼女からは考えられない行動に、ミドリは驚いた顔で尋ねる。「ユズちゃん、やれる?」

 

「私なら、クソゲーでもクリアできると思うから…」と、ユズはどこか冷静な眼差しでゲーム画面を見つめる。その覚悟を感じ取ったのか、ミドリやアリスも静かに応援する。

 

「山崎ィ!カマディなんてやってないで、さっさとやれ!」土方が厳しく指示を飛ばすと、焦った山崎もコントローラーを手に取り、いよいよゲームがスタートする。

 

画面上に登場した泥酔信長が、いきなり「ヴオゴヴホロゴゴゴ」と豪快にゲボエを吐き出す。その音と見た目に、モモイが思わず「うわっ汚い!これ作ったの、完全に悪ふざけでしょ!」と顔をしかめるが、隣にいたミドリが静かに「それはお姉ちゃんも同じ」とツッコむ。「う、うるさい!」とモモイは赤面しながら言い返す。

 

その時、異変が起きた。「!? ちょっと!ユズちゃんのとこだけ、すごくゲロ多いんだけど!」モモイが驚きの声を上げる。画面のユズの信長は、他のプレイヤーとは比べ物にならないほど大量のゲボエを吐き出していたのだ。

 

銀時が画面を見ながら「これは相当飲んだな。つまり、最悪なバージョン…本能寺の変での深酔いバージョンに当たっちまったってわけだ」と冷静に解説すると、モモイが半ば呆れて叫ぶ。「知らないよ!昔のこと引きずってんじゃないよ!」

 

だが、ユズは落ち着いていた。「でも…これくらいなら」と呟き、素早い指さばきでゲロ(テトリスブロック)を操作し、どんどん消していく。ミドリは目を輝かせて「すごい!」と感嘆し、アリスも「さすがユズです!プロみたいな指さばきで、どんどん無くなっていきます」と尊敬の眼差しを向ける。

 

一方の山崎は、余裕の表情でコントローラーを操る。「残念だけど逆転は無理だね。だって僕は今、桶狭間の戦いバージョンで、あまり酔っていないからゲロが少ないんだよ」と自信満々に言い放つ。

 

しかしユズは諦めない。「まだ…まだ勝負は決まってない」と、彼女はさらに手元を動かし、ゲロの除去に拍車をかける。

 

その激戦の様子を見ながら、土方と銀時が意味深に語り出す。「かの織田信長は、今川義元が攻め入ってきたとき…」と銀時が話し始めると、土方が続ける。「絶対的劣勢の中でも、最後まで諦めずに戦った」

 

「最後まで諦めねぇ根性」と銀時が言えば、「それが桶狭間の奇跡を呼び起こしたんだ」と土方が結ぶ。二人は共に「…諦めの悪い奴には、誰も勝てやしねぇ」とまとめたが、すぐに「まぁ別に、それと今回のこととは全然関係ないんだけども」と、全てを台無しにするような言葉を付け足す。

 

その瞬間、ユズの画面いっぱいにゲロが溢れ、泥酔信長が吐き続ける。「くっ…!」プロ並みのプレイヤーであるユズでさえ、対処が間に合わず、ついに画面が「ゲボエ」で埋め尽くされてしまった。

 

「勝者、山崎退!」とアナウンスが響き渡り、真撰組チームが同点に追いつく。

ーーーーーーーーーー

 

「これで一対一か」と、土方は静かに呟いた。視線は鋭く、タバコを指に挟んでそのまま一息吸い込む。白い煙がふわりと立ち上るなか、冷たい目つきで画面を睨んでいる。

 

隣にいる沖田が、軽く肩をすくめてにやりと笑う。「残る奴らとの戦いで決まるってわけですねィ。どっちとやります?俺ァどっちでもいいですよ」と、銀時チームを挑発するかのように視線を送る。

 

土方はその問いに、短く答えた。「俺はどっちも不快だ」と、眉一つ動かさず煙を吐き出す。まるで目の前の相手は掃き捨てるゴミのようなものだと言わんばかりの無関心さで、軽く沖田を見やる。

 

一方、銀時も鋭い目で対戦相手を睨み返す。口元に不敵な笑みを浮かべ、

 

「さてさて、こっちも」

 

「政治の大掃除と一緒に、邪魔者の大掃除といきますかコノヤロー」と銀時が悪びれた風もなく言い放ち、その不敵な言葉にアリスも力強く応じる。「ゴミ片付けて、さわやかな気持ちで部室に帰るとしますかコノヤロー」と、堂々と胸を張って立ち上がる。

 

睨み合う土方、沖田、銀時、そしてアリス。次なる戦いを前に、静かな緊張が場に満ちていく。

ーーーーーーーー

最終戦

 

アナウンスの音声が会場に響く中、土方は呆然としながら呟いた。「タッグ戦?聞いてねぇぞ」。銀時チームと真選組チームの一騎打ちを予想していた彼にとっては、いきなりのルール変更だ。だが、沖田は不敵な笑みを浮かべながら肩をすくめる。「まぁいいじゃないですか。邪魔なやつを同時に3人叩きつぶせる」と、どこか楽しげな口調で言い放った。

 

一方、銀時チームのアリスは指を鳴らしながら宣戦布告。「上等です。叩き潰してあげますよ。手にいっぱい変な汁が飛び散っても知りませんからね」と、にやりと微笑む。

 

銀時もやる気満々で拳を掲げる。「プレイステーションは俺らのもんだ、決着をつけてやる」

 

アナウンスが続き、ゲームの説明が流れ始めた。『世界征服を企む魔王を倒す勇者となり、仲間とパーティを組んで、クリアを目指すオンラインゲームです。このゲームは、最新のバーチャルコントロールに対応しており、ゴーグルと手袋、ブーツを装着することで、まるでゲームの中に入り込んだかのようなプレイを楽しむことができます』

 

ゲーム装備を身につけ、現実とは異なるファンタジーの世界へと入り込んだアリスが歓声をあげる。「わぁ、本当にゲームの中に入ったみたいです!」と目を輝かせ、銀時に向かって「銀さんも、早く来てください!」と声をかける。

 

ところが、銀時は装備の画面を見て、あからさまに不満そうだ。「おい、俺の名前間違ってんだけど。『智◯』って中の人の名前何ですけど」と苦々しい顔で呟くと、アナウンスが機械的に応える。「名前は四文字までしか付けられません。濁点も一文字に入るので、我慢してください。それに中の人とそれほど大差ないので問題ないですよ」

 

「問題しかねぇよ!なんでそこだけファミコン並みのスペックなんだよ!」銀時は叫び、頭を抱える。

 

さらに、沖田が土方のキャラクター名を勝手につけたことに気づき、土方は驚愕。「土方さんは苗字も名前も無理だったんで、俺が適当に『ちんかす』ってしときました」と沖田が悪びれもせず言い放ち、周囲は思わず吹き出す。

 

「おい、誰かチームを変えてくれ!」土方は必死に訴えるが、誰も取り合わない。

 

アナウンスがルールを説明する。「勝負は、先に魔王を倒した方…といいたいところですが、時間がないので、北の洞窟に住む盗賊団を退治した方を勝利とします。それでは、ゲーム開始」

 

アリスは早速やる気満々だ。「よし!行きますよ!」と勢いよく飛び出そうとするが、銀時が制止する。「待て、このレベルじゃ簡単にやられちまう。まずは準備が必要だ」

 

「どうします?武器でも買いに行きますか。それとも町で情報でも集めますか、チンカスさん?」沖田が土方を冷やかしながら提案すると、土方は額に青筋を立てつつ抗議する。「おい、なんで俺だけHPこんなに低いんだ」

 

画面を見つめると、なんと土方の体力ゲージは真っ赤になっており、HPがたったの3しかない。「なんで産まれた時から画面真っ赤なんだ」と土方が呻くと、沖田が悪戯っぽく応じる。「さあ、チンカスだからじゃないっすか」

 

さらにアナウンスが追い打ちをかける。「どうやらHPはランダムに振り分けられる仕様です。真選組チームの出鼻がくじかれました」

 

「ふざけんじゃねぇ!こんなもんじゃスライムにだって一撃でやられるだろ!」土方は怒鳴りつけるが、銀時もまた別のトラブルに巻き込まれていた。歩くたびに「ゴフッ!」と苦しみ、体力が減っていく。しかも、銀時の画面はどこか緑がかっていた。「おいィィィィ!なんでゲーム開始直後から毒持ってんだァァァ!なんで産まれた時から画面が緑色なんだよ!」と銀時は叫ぶ。

 

アリスが冷静に分析する。「これだから男は…どこの女からもらってきたんですね!」

 

「性病みたいな言い方すんじゃねーよ!」銀時は顔を真っ赤にして反論する。

 

「どうやら、開発中のゲームゆえにバグがあるようですね」と、アナウンスはあくまで冷静な声で告げる。「ふざけんじゃねぇよ!これじゃ街出る前にHPゼロになっちまうよ」と銀時が文句を言うと、アリスに「毒消しを持ってこい!」と頼む。

 

「分かりました!」と、アリスは手際よく町の店に向かって走り出すが、そんな混乱をよそに、沖田と土方は順調に進み始める。

 

「ざまねぇな。バカやってる間に、俺たちはゲーム進ませてもらうぜ」と沖田が銀時たちを嘲笑した瞬間、土方が店の前の看板に足をぶつける。

 

「いてっ!」とつまずいた土方のHPがあっという間にゼロに。そして画面に「チンカスは死んでしまった」という無情なメッセージが表示され、土方のキャラは棺桶に入った。

 

「なんでだァァァ!」土方は叫び声をあげ、画面を睨みつけるが、すでに誰も取り合ってはくれない。

 

 

アナウンスが冷ややかな声で告げた。「おっと、チンカスは死んでしまいました。どうやら看板に足の小指をぶつけ、人ポイントが無くなってしまったようです」

 

土方は眉間に皺を寄せて画面を睨みつける。「どんだけ弱いんだ。まるでスペランカーかよ!」

 

だが、その後ろで沖田が笑いを堪えきれずに吹き出した。「何やってんですかィ勇者チンカス。勘弁してくだせぇ〜よ。こんな重てぇ棺桶引きずって旅するのは、俺ァ嫌ですよ」

 

土方は怒りに震え、叫び始める。「待てぇぇぇ!オイ!せめて教会まで連れてけぇぇぇ!勇者様ァァァ!」

 

だが沖田は意に介さず、棺桶に土方を放り込んで背中を向ける。「大丈夫ですよ。教会で生き返らせるにはゴールドが足りないんで、ちょっとモンスター倒して稼いできまさァ」と言いながら、迷わずカジノの方へ向かっていく。

 

画面の中で土方はさらに絶望の声を上げた。「おい!そこにモンスターなんていねぇだろ!欲望って名のモンスターしかいねぇだろ!」

 

アナウンスは冷静に状況を解説した。「置き去りです。勇者チンカス、完全に置き去りです。一方、万事屋チームは…」

 

画面が切り替わり、銀時とアリスは長老のもとで話を聞いていた。長老が厳かな口調で語り始める。「この世界のどこかに、エルフが作ったどんな病も治す薬があると聞く。噂では城塞都市パレスの抱合にあるが、そこは今やマサイとベリアスに占拠されてしまった…」

 

アリスは目を輝かせて尋ねた。「本当ですか!?毒も治りますか?」

 

「待て待て待て!、お前のレベルじゃパレスに辿り着く前にやられてしまう!」長老が止めようとするが、アリスは耳を貸さない。「やってみなきゃ分からないです!」

 

銀時は頭を抱えながら叫ぶ。「違う違う違う!毒消し草!そんな大それたもんじゃなくて毒消し草だよ!そのへんの道具屋で10ゴールドで売ってるやつだ!」

 

それでも長老は静かに頷き、深く息を吐いて毒消しを差し出した。「どうしても行くというのか。ならば仕方ない。ベリアスは毒の息を吐くという噂じゃ。この毒消しを持っていくがよい」

 

銀時は毒消しを見て叫ぶ。「それそれそれぇ!アリス、それェェェェ!」

 

だがアリスは長老から毒消しを受け取ると、即座にそれを手にとって口へ放り込んでしまった。「ありがとうです、長老。アリス、絶対ベリアス倒します!」

 

銀時は思わず頭を抱える。「おい!人の話聞けよォォォ!今食ってどうすんだァァァ!せめてベリアス戦のときに使えよォォォ!」

 

長老は穏やかに微笑んで助言を告げる。「ベリアスの弱点は頭だ。負けるでないぞ」

 

「違う!頭はベリアスよりもその娘の弱点だ!」銀時が突っ込みを入れるが、アリスはすでに走り出していた。「銀さーん、待ってます!」

 

銀時は叫びながら彼女の背中を追いかける。「おい!待てぇぇぇ!」

 

アナウンスは冷静に実況を続けた。「置き去り、こちらも置き去りです。さあ、このままでは両チームの状況は好転しません」

 

 

銀時は苛立った表情で土方の棺桶を見下ろしながら言い放った。「これじゃ拉致があがんねぇ。おい、俺に協力しろ」

 

土方は苦々しげに答えた。「協力?ふざけんな、何で敵のお前なんかに」

 

銀時は冷静な口調で諭すように続けた。「帰る宛もなく、相方を棺桶の中で腐らせて待つのと、己でこの状況を打開して先に進むのと、どっちを選ぶ?」

 

土方は少し黙り込み、そして渋々つぶやく。「……死体の俺に、一体何ができるってんだ」

 

銀時は口元に不敵な笑みを浮かべ、「簡単な話だ。俺の持ってる毒と、お前の創世は、教会の神父に頼めば全部解決するだろう」

 

しかし銀時は、目の前の現実にため息をついた。「だが、どう見てもここから教会まで15歩以上ある。それだけ歩けば、毒によって俺の人ポイントはゼロになる。確実にお陀仏だ」

 

土方は呆れた様子で尋ねる。「で、どうしようってんだ?」

 

「要は、あるかずに移動できればいい」銀時は言葉と同時に土方の棺桶に乗り込んだ。勢いよく棺桶を押し出すと、アナウンスの声が響く。「おっと、これはまさか!棺桶をソリ代わりにするとは!」

 

土方は半ば怒鳴るように叫ぶ。「てめぇ!俺をソリにするな!」

 

「うるせぇ、黙って乗ってろ」銀時は平然と答えるが、周囲は平坦で、棺桶が動く様子はまるでない。

 

銀時は腕をぐるぐると回し始め、ロープを取り出して回しながら何かを狙っている。「おっと、縄を持ち出しました。しかし、ここに馬などいるはずが…」アナウンスが訝しげに言うと、銀時は不敵な笑みを浮かべたまま長老の首に縄を引っ掛けた。

 

「見つけたぜ。さぁ、行け、長老ォォォォォ!」銀時は力強く叫び、縄を引っ張り長老に棺桶を引かせようとする。

 

アナウンスが驚愕の声を上げる。「これは勇者にあるまじき行為です!旅人が話しかけるまで徘徊するだけのNPC長老に棺桶を引かせ、教会まで連れていくつもりでしょうか」

 

銀時は長老を後ろからけしかける。「頼むぞ、長老ォォォ!祈りに行けぇぇぇぇ!」

 

だが、長老は苦しそうにゆっくりとランダムに歩き続けるだけだった。アナウンスが淡々と状況を伝える。「残念ながら長老は教会の方へ向かっておりません。依然としてランダムに動いています」

 

銀時は苛立ちながら怒鳴り散らす。「おい!ジジイ!コラ!お前ジジイらしく教会行ってお祈りに行けぇぇぇぇ!頼むから!」

 

しかしその願いも虚しく、長老は森の方向へ歩き続けた。

 

アナウンスの冷ややかな声が響く。「あ、これはまずいですね。最悪の状況のままフィールドに出てしまいました」

 

土方もまた叫ぶ。「何してんだてめぇ!約束と違うじゃねぇか!俺は生き返らせてくれるって言ったから、こんな屈辱に耐えたんだぞ!」

 

銀時は長老が思い通り動かずイライラして声を荒げる。「うるせぇ!俺だって毒持ちなんだよ!」

 

アナウンスの声が再び冷たく響く。「この状況でモンスターに遭遇すれば、パーティー全滅は免れません」

 

銀時は再び長老を引っ張るように叫ぶ。「長老ォォォォ!戻ってこい!カムバック長老ォォォォ!」

 

長老は何も喋らず、ただ森へ歩くだけであった。

 

 

 

銀時が顔を青ざめながら長老を見てつぶやいた。「やべーよコレ、絶対長老怒ってるって!」

 

土方は棺桶の中から必死に否定した。「んなわけねぇだろ!長老は旅人に毒消しを渡すためだけに産まれた存在だぞ!」

 

銀時は不安そうに周囲を見渡し、呟くように言った。「いや、でもなんか心なしか、わざと敵が出そうな方に進んでる気がするんだよ…」

 

土方は頭を振り、「違うって!長老はただランダムに歩いてるだけだ!あのジジイはそんな性格じゃねぇ!」と頑なに信じている様子だった。

 

「何だよ、お前に長老の何がわかんだよ!」銀時が食い下がった瞬間、突然の不気味な叫び声が辺りに響き渡った。

 

「がァァァァァァ‼︎」アナウンスが震えながら報告する。「モンスター出現です!モンスターが出現してしまいました!」

 

銀時は思わず叫ぶ。「長老ォォォォ!!逃げろォォォォ‼︎」

 

しかし、長老は微動だにしない。銀時はさらに焦り、怒りに震えた声で長老を睨みつける。「ジジイィィ!てめぇ何やってんだ、殺されるぞォォォォ‼︎」すると、長老の口元がわずかに笑ったように見えた。

 

銀時は驚愕し、息を呑んだ。「長老ォォォォ!今完全にこのジジイ、ほくそ笑んだぞ!絶対ほくそ笑んだ、今!」

 

土方は必死に否定する。「違う!長老はそんな奴じゃねぇ!」

 

その時、モンスターがこちらに向かって襲いかかってきた。銀時は焦りながら土方を見つめた。「まずい、来たぞ!てめえが死んだら全滅だぞ!」

 

土方は絶望的な表情で叫んだ。「だからって、武器も道具も何もねぇだろ!」

 

その時、銀時の視線がふとアイテム画面に止まった。「ん…?なんだこれ…?」

 

銀時がアイテム画面を開くと、そこには「長老」という名のアイテムがリストに入っていた。銀時は目を疑いながらも、思わず叫んだ。「長老ォォォォ!何でこんなところにィィィィ!!」

 

「でも…やるしかねぇ」

 

銀時が言った時土方が驚愕の声を上げる。「おい待て!まさか長老を…!」

 

その瞬間、銀時はアイテム「長老」を手に取り、モンスター目掛けて勢いよくフルスイングをかました。驚異的な一撃により、モンスターは地面に叩きつけられて倒れた。

 

土方は震えるような声で叫んだ。「長老ォォォォ!」

 

アナウンスも驚きを隠せずに伝える。「おっと!長老を武器として使用し、この難局を乗り越えました!」

 

土方は半狂乱で叫び続ける。「長老ォォォォ!!」

 

銀時は呆然としながら長老の姿を見つめ、静かに謝罪した。「すげぇ威力だった…。長老、助かりました。さっきは何か嫌なこと言って、すいませんでした」

 

だが、長老は返事がない。アナウンスが冷静に状況を説明した。「どうやら、長老はただの屍のようです」

 

土方は絶望的に銀時を睨みつけ、震える声で呟いた。「おい、これ完全にお前が…」

 

銀時は冷や汗を浮かべながら言い訳を始める。「違う!長老は天寿を全うされたんだ!たまたまタイミングが…ちょっとジャストフィットしただけだ!」

 

土方は銀時に詰め寄りながら叫んだ。「絶対お前がやっただろ!自首しろ!さもなくば現行犯逮捕だ!」

 

銀時は土方の言葉を聞き流し、皮肉な笑みを浮かべながら返事した。「うるせぇ。お前もただの屍だろ。返事すんなっての」

 

 

銀時はふと眉間にしわを寄せ、決意したように呟く。「もう自分で何とかするしかねぇ…」

 

銀時は倒れた長老を両手でしっかりと掴み、地面に押しつけながら、滑るようにして前進を始める。その姿に土方は驚愕し、目を見開いた。「お前、長老をどんな使い方してんだよ!?」

 

銀時は一切気にせず、「長老はこうして道を切り開いてくださるのさ」と涼しげに言い放った。その姿に、アナウンスの声が響く。「勇者智◯ついに盗賊の洞窟へと乗り込んだ!」

 

やがて、銀時と土方の前に一筋の光が差し込む。「あ、あれは…セーブポイントと回復の泉です!」アナウンスが興奮気味に続けた。「やりました!ここに来てようやく、二人とも完全復活を果たしました!」

 

銀時は土方を一瞥し、冷たい笑みを浮かべて言い放つ。「悪いが、ここからは敵同士だ。せいぜい足の小指に気を付けろ、チンカス。」

 

土方は銀時が立ち去ろうとするその瞬間、咄嗟に銀時の肩を掴んで引き戻した。「待ちやがれ!」

 

銀時は振り返り、疑問の表情を浮かべる。「何だよ?」

 

土方は真剣な目で銀時を睨みつけながら低く言った。「長老を、こっちに渡せ」

 

銀時は唖然としながら、「あん?何言ってんだ」

 

土方は真剣そのものだった。「これ以上、長老を苦しめるんじゃねぇ」

 

「何だと?」銀時も真顔で返す。「ここまで来れたのは、長老様のおかげだろ?」

 

土方も引かない。「だからこそ言ってんだ。これ以上、死者を冒涜すんじゃねぇ!」

 

銀時は苦笑しながら、長老を見つめて小さく呟いた。「長老は死んでねぇ。俺の心の中で生き続けるよ」

 

その時、アナウンスの声が再び響いた。「おっと、BOSSを前にして長老を巡って争っていますが…」

 

銀時は強く長老を抱きしめ、「今更、長老と別れろだって?俺はもう長老なしじゃ生きられねぇんだよ。長老じゃなきゃダメなんだ」と言い放つ。

 

土方は懇願するように銀時を見つめた。「長老は町に返すべきだ。冒険者たちには長老が必要なんだよ!」

 

銀時は少しも動じずに返答した。「長老はこれから盗賊を倒した伝説のブーメランとして、冒険者たちの間で永遠に語り継がれていくんだよ」

 

そうこうしている間に、洞窟の奥から盗賊団が現れた。

 

「ともめている間に防戦が始まってしまいました!」アナウンスが慌てた声を上げる。

 

土方が強引に銀時の手から長老を引き離そうとする。「よこせ!」

 

銀時も必死に抵抗し、「離せ!」と叫び返した。

 

「あぁー危ない‼︎」アナウンスの声が緊迫する中、銀時は冷静に「もうわかった、わかったって。じゃあ、平等に二つに分けようぜ」と提案した。

 

土方はそれに同意し、「おい、ちゃんと均等になるように真ん中で折れよ」と念を押す。

 

次の瞬間、バキィッと音が響いた。「ああああああ!折ったァァァァ!!長老を折ったァァァァ!!何してんですかっアンタらァァァァ!!」アナウンスの声が絶叫した。

 

二人はそれぞれ長老の上下半身を手に持ち、怒りに燃える盗賊団へと向き直った。二人は互いの役割分担をするように顔を見合わせる。

 

土方が不満そうに呟く。「おい!何かこれ、上半身使いづれぇな。やっぱ、そっちと変えろ!」

 

アナウンスがため息をつく。「死者の冒涜云々言ってたのは誰ですか?アンタ、長老が欲しかっただけでしょうが‼︎」

 

銀時は土方の言葉に不満を漏らしつつ、「ヌァォォォォ‼︎頭はどこだァァ‼︎」と叫び、必死に敵に長老の下半身を振り回して戦った。

 

「長老のおかげで盗賊団が次々と倒されています!」アナウンスが状況を実況する。「決着の時は来た。盗賊団首領の首を取るのはどっちか…ああーっと、突然雷が!長老をも凌駕するこの力は…!」

 

ドカァァァァァン

 

そこに現れたのは沖田だった。「王様でさァ」

 

アナウンスが驚愕した声を上げる。「勇者沖田!勇者沖田です!」

 

沖田はにやりと笑って、「カジノで一発あてましてね。王様を買ってきました」と豪快に告げる。

 

土方は目を見開き、唖然とした。「王様を買うってどういうことだよ!てめぇ、どういう手を使ったんだ!?」

 

アナウンスも呆然と叫ぶ。「つーかお前ら、普通の武器で戦えないのかぁ!」

 

銀時は沖田を睨みつけ、悔しげに拳を握った。「クソッ、まさか王様を持ってくるとは…長老じゃ…」その瞬間、洞窟の天井に突然光が走り、ドゴォォォォォ!!と大穴が開いた。

 

そこから声が響いた。「銀さーん!助けにきましたァァ!」

 

銀時はその声に気づき、叫んだ。「魔王だァァァァ!魔王を手に入れやがった、アイツ!」

 

沖田は自信たっぷりに胸を張り、「へっ、お前もずいぶん大層な武器を手に入れたみたいだが、残念。こっちの王様は魔王の攻撃を無力化できるんでさぁ。そっちに勝ち目はねぇよ」と銀時に挑発的に告げた。

 

銀時とアリスは一瞬絶望的な表情を浮かべながら、ふとある方法を思いついた。「おーい!アロナァァァァ!!」

 

「はーい、先生。どうしました?」アロナが明るい声で応えた。

 

銀時は急いで頼み込んだ。「接続できるなら話が早ぇ。俺たち二人に体力を分けてくれ!」

 

「分かりました!」アロナが即座に返事をする。

 

沖田が銀時の行動を怪しげに見つめ、「一体何をするつもりですか?旦那ぁ」と問いかけた。

 

銀時はアリスを振り返り、「いいかアリス、これから俺と同じ構えをしろ!」と指示した。

 

「かーめーはーめー…」銀時が拳を突き出しながら気を練り始めた。

 

土方が唖然とし、「ま、まさか…!」と声を漏らす。

 

銀時はアリスとともに拳を突き出し、「いくぜェェェ!アリス!」

 

アリスも力を込めて叫んだ。「はい!」

 

二人は一斉に放った。「これが師弟二大のかめはめ波だァァァァ!」

 

激しい光とともにエネルギーが渦を巻き、土方と沖田はその圧倒的なかめはめ波の力に飲み込まれ、二人とも地面に叩きつけられ、敗北を喫した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

店長が大きな笑顔で、プレゼントを掲げてみせた。「よくやったよ、君たち。だからご褒美にプレイステーションPremiumをあげよう!」

 

「ヤッタァァァァァ!」モモイは歓喜の声を上げ、勢いよく跳ね上がった。

 

ミドリも銀時とアリスに感謝の視線を向け、笑顔で頭を下げた。「銀さん、アリスちゃん、本当にありがとう!」

 

銀時は肩を竦めながらも、やれやれと言わんばかりの顔で微笑んだ。「はぁぁ、ようやく終わったぜ…」

 

一方で、近藤は必死な様子で頭を抱え、震え声を漏らしている。「クソッ!ヤバイぞ…このままじゃミカに消し炭にされてしまう…」

 

土方は近藤の背を叩きながら、さも冷静を装って囁いた。「近藤さん、俺たちは作者によっていつでも生き返ることができるんだ。さっさと成仏しようぜ」

 

そのやりとりを黙って見ていたアリスが、急に何かを決意したように一歩前に出た。そして、手にしていたプレイステーションを静かに差し出し、口を開いた。「これ…あなた達にあげます」

 

近藤たちは驚きの表情で顔を見合わせた。「!?」

 

ネルが思わず叫んだ。「オイ、アリス!お前…!」

 

土方も驚きのまま、真剣な目でアリスに問いかけた。「どういうつもりだ?」

 

アリスは柔らかな笑顔を浮かべながら、はっきりと答えた。「あなた達のおかげで、私はプレイステーションを楽しむことができました。それに、あなた達はこれがないと困るんでしょ?私たちにはもうたくさんあるから、ひとつくらいならあげても大丈夫です」

 

その言葉に、近藤は一瞬言葉を失い、目頭を押さえた。「ほんと、君は…いい奴だなぁ…」近藤の目には涙が浮かんでいた。

 

彼は静かにアリスに頭を下げ、「ありがとう…お礼と言ってはなんだが、困った時はいつでも呼んでくれ。すぐに駆けつけよう」と感謝を述べた。

 

アリスはその言葉に満面の笑みで応えた。「はい!ありがとうございます!」

 

すると近藤はふと困惑し、呟いた。「やばい…ロリコンに目覚めそうだ…」

 

土方がすかさず、冷たい視線で近藤を睨みつける。「…近藤さん?」

 

沖田も不敵な笑みを浮かべながら、「それじゃ近藤さんが本当に逮捕されそうなんで、俺たちはこれで失礼します」と引き際を示した。

 

銀時は感慨深げにアリスの頭を軽く撫でて言った。「アリス、お前、本当に優しく育ったな」

 

アリスは恥ずかしそうに小さく笑い、「へへ」と照れたように答えた。

 

その時、ネルが急に真剣な顔でアリスに向かって声をかけた。「オイ、アリス!」

 

アリスがきょとんとした顔で振り返り、「はい……?」とネルに答えた。

 

ネルはやや強い口調で言った。「今日は時間的に遊べねえけど、次に会う時は私と遊べよ!」

 

アリスは一瞬戸惑ったが、ネルの真剣な表情に少し微笑みを浮かべた。「その優しさで、約束破るのはナシだからな!」ネルの声には、どこか頼もしさと愛情が込められていた。

 

 

 




次回予告
銀時「アンケート次第でーす」

〜透魂〜第一回キャラクター人気投票

  • 銀時
  • 新八
  • 神楽
  • 沖田
  • 土方
  • 山崎
  • 高杉
  • 定春
  • エリザベス
  • ホシノ
  • シロコ
  • ヒナ
  • アコ
  • ミカ
  • ナギサ
  • セイア
  • ユウカ
  • ノア
  • 近藤
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