透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい)   作:時代に遅れている

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カオスです。
とてもカオス……何書いてるか分かんないかもだけど、終わり方変かもしれないけど、お気に入り解除しないでください。
お願いします。


第五十八訓 その場の感情で動くと碌なことはない

守護者の停止――戦場の異変

 

エリドゥの戦場。無数の守護者たちがそれまで繰り広げていた激しい攻撃を突然止めた。その異変に、最前線で指揮を執っていた近藤は驚きの声を上げる。

 

近藤

「なんだ。急に動きが止まったぞ。」

 

守護者の機能停止を確認した彼の顔には、安堵の色が浮かんでいる。しかし、その一方で、沖田はどこか物足りなそうに眉をひそめ、不満げに呟いた。

 

沖田

「なんでぃ。もう少し解体作業しておきたかったですぜ。」

 

沖田のその言葉に、土方が冷ややかな視線を向けながら口を開く。

 

土方

「おい、お前のは解体というより――」

 

土方の指摘を遮るように、沖田は肩をすくめながらニヤリと笑みを浮かべる。

 

沖田

「そうですねぇ〜。じゃあまだ暴れ足りないんで――」

 

彼の不穏な発言をする。

 

沖田「土方さんちょっと鬱憤ばらしにのぼってくだせぇ」

 

土方「おい、どこにのぼれって?天にか?天にのぼれってか?」

 

 

 

そんなふざけたやり取りを聞き流すように、桂が真剣な表情で口を開いた。その声はどこか焦燥感を帯びていた。

 

桂(カツオ)

「おい、待て。奴らの動きが止まったというのは、つまり――銀時がアリス殿を連れ戻したということだろう。」

 

桂の言葉に、ヒフミは胸をなで下ろした。彼女の顔には安心の色が広がる。

 

ヒフミ(フーミ姫)

「そうだったんですね……良かった~。」

 

しかし、ウタハが不安そうに首をかしげた。その疑問が、場の空気を再び張り詰めさせる。

 

ウタハ

「それなら……なんで銀さんたちが降りて来ないんだ?」

 

場の全員がその言葉に反応し、不安の色を浮かべ始める。カリンがアスナの方を見やると、アスナは目を伏せながら何かを考え込んでいた。そして、カリンがその様子に気づき声をかける。

 

カリン

「……ん?アスナ、どうした?」

 

アスナは顔を曇らせ、深刻そうな表情を浮かべたまま静かに呟く。

 

アスナ

「……嫌な予感がする。銀さんの身に、何かあったような……」

 

その言葉を発した瞬間、アスナは突如駆け出した。

 

カリン

「ちょっ!待つんだアスナ!」

 

カリンが慌ててアスナを追いかけようとするが、その足は止まらなかった。近藤が不思議そうに首を傾げながら、彼女を見送る。

 

近藤

「どうしたんだ。あの子は?」

 

沖田はどこか興味なさげに肩をすくめ、カジュアルな口調で返答した。

 

沖田

「なんか旦那に何かあったみたいなこと話してましたね。」

 

一方で、土方は冷静を装いながらアスナの言葉を軽く流す。

 

土方

「気にすんな。どうせ気のせいだろ?あいつが危険な目に遭うなんて、お金関係以外じゃ滅多にねぇ。」

 

その言葉に反応したのはアカネだった。彼女の表情はどこか緊張していた。

 

アカネ

「いえ、アスナの勘はすごく当たるんです。もしかしたら……」

 

ヒフミはその話を聞くと不安げに目を伏せ、手を胸元で握り締めた。

 

ヒフミ(フーミ姫)

「そんな……銀さん、大丈夫でしょうか……?」

 

そんな中、エリザベスがプラカードを掲げた。その内容に場がざわめく。

 

エルイージ(エリザベス)

『カツオ兄さん、早く行ったほうが……』

 

桂がそのプラカードを見て深く頷く。

 

桂(カツオ)

「そうだな。真選組よ、サインは後だ。」

 

だが、沖田が面倒そうに片手を振りながら呟く。

 

沖田

「えぇぇぇ。めんどくさいんで俺は――」

 

その瞬間、エリザベスが黙って沖田と土方の襟を掴む。そして――。

 

土方

「おい、何する気だ――」

 

沖田

「――うわっ!?ちょ、ちょっと待てよ!!なんてバカ力だ!」

 

無言のままエリザベスは二人を引きずるように走り出す。沖田は全力で抵抗しようとするが、エリザベスの力には敵わない。

 

土方

「離せぇぇぇ!!誰が天に登るって言ったよ!」

 

その様子を一瞬呆然と見ていた近藤たちだったが――すぐに彼らもエリザベスの後を追いかけ始めた。

 

近藤

「よし、俺たちも行くぞ!」

 

全員の足音が響き、エリドゥのタワーへと駆け出す。静寂だった戦場に、再び人々の声と足音がこだました。

 

エリドゥの最上階には、静寂が広がっていた。しかし、その中心で横たわる銀時とタマの姿が緊張感を拭わせない。二人は未だに目を覚まさず、その状況を前に誰もが言葉を失っていた。

 

その時、ミレニアム生徒会のホログラム通信が映し出され、ユウカとノアが現れた。ユウカの顔には怒りと焦燥が見て取れる。

 

ユウカ(ホログラム)

『会長!銀さんが目を覚まさないってどういうことよ!!』

 

その叫びは、空気をさらに張り詰めさせた。屋上にいる誰もが表情を曇らせ、視線を俯かせる。そんな中、ノアがユウカにそっと手を置くように、優しく語りかけた。

 

ノア(ホログラム)

『ユウカちゃん……少し落ち着いて。』

 

だが、ユウカの苛立ちは収まらない。彼女は感情を抑えきれない様子で、ホログラム越しに銀時とタマが倒れる姿を指差した。

 

ユウカ(ホログラム)

『落ち着けってどういうこと!?銀さんか倒れたままで、何もわかってないじゃない!!』

 

ユウカの声が響く中、アリスは黙って銀時を見下ろしていた。その小さな手が震え、ぽつりと涙が床に落ちる。

 

アリス

「銀さん……私のせいで……」

 

彼女の呟きに、ユズがすかさず肩を叩いた。その目には強い意思が宿っている。

 

ユズ

「違うよ、アリスちゃん!銀さんは、あなたを助けるためにここまで来たんだ。自分を責めちゃダメ!」

 

モモイがそれに続く。

 

モモイ

「そうだよ!銀さんは絶対に戻ってくる!だから、泣かないで……!」

 

その言葉に、アリスは唇を噛み締める。だが、その目からは涙が止めどなく溢れていた。

 

一歩前へ進み出たのはヒマリだった。冷静な表情を浮かべているが、その瞳には確かな緊張が宿っている。

 

ヒマリ

「……説明します。現在、先生とタマさんは、アリスを助けた後なんらかの影響を受けて目覚めたアリスの精神世界と現実の境界線にいるような状態です。」

 

全員の視線がヒマリに集まり、彼女の言葉に耳を傾ける。

 

ヒマリ

「先生とタマさんの意識はまだ完全に戻ってきていない。つまり、精神世界で何らかの影響が残っている可能性があります。」

 

その説明を聞き、ユウカの顔がさらに険しくなる。

 

ユウカ(ホログラム)

『精神世界……?それでどうすれば戻ってこれるの!?何とかならないの!?』

 

ヒマリは少しの間、視線を伏せた。だが、すぐに真っ直ぐに顔を上げ、毅然と答える。

 

ヒマリ

「現在の技術では、自然回復を待つしかありません。ですが、先生もタマさんも非常に強い意志を持った方です。必ず、戻ってくると信じています。」

 

その言葉に場の空気が一瞬和らぐも、まだ不安が完全に消えたわけではない。そんな中、屋上の扉が勢いよく開いた。

 

アスナ「銀さん……銀さんは!?」

 

カリン「はぁはぁアスナ……速すぎだ……」

 

桂(カツオ)

「遅れてすまない!どうやら大変な事態のようだな!」

 

続いて、エリザベスやフーミ姫(ヒフミ)、真選組の土方と沖田も屋上へ駆け込んできた。

 

ヒフミ

「どうなったんですか!?アリスさんを助けたのに……銀さんが……」

 

近藤

「アイツが動かねぇ……だと?」

 

沖田は口笛を吹きながら、銀時の横でしゃがみ込む。

 

沖田

「へぇ、旦那もお疲れでダウンってか。ま、俺がちょっと突けば起きるんじゃねぇの?」

 

そう言って、バズーカーを構えようとする沖田を土方が慌てて制止する。

 

土方

「バカなのか!そんなことしたらマジでお疲れになっちまうぞ!!」

 

そのやり取りに、フーミ姫が顔を青ざめさせ、エリザベスはプラカードを掲げた。

 

エリザベス(プラカード)

『メガネ(新八)がいない今、彼がいないとツッコミが足りなくなるぞ』

 

その光景に桂がこめかみを押さえるように溜息をつき、ユウカがホログラム越しに鋭い声を放つ。

 

ユウカ(ホログラム)

『何やってんのよ!ふざけてる場合じゃないでしょ!!』

 

ユウカの一喝にその場の空気が引き締まり、皆が改めて銀時の寝ている姿を見つめる。

 

最後に、ユウカが絞り出すように呟いた。

 

ユウカ(ホログラム)

『銀さん……』

 

その声には、祈るような想いが滲んでいた。

重か女ばい。

 

銀時、Key、そしてタマは、皆の心配をよそに、どこか不思議な空間でまるで現実を忘れたかのようなひと時を過ごしていた。周囲には奇妙に揺れる光の粒子が漂い、背景に見える空は紫と黒が混じったグラデーション。その中心に、何故か一組のテーブルとイスが置かれていた。

 

そのテーブルの上には――。

 

銀時

「一人置いてかれて涙流しドロー!!」

 

タマ

「残念でしたね。銀時様……ドロー4です。」

 

銀時は眉間にシワを寄せ、悔しげにタマの顔を見つめた。手元のカードが一気に増え、山のようになっていく。

 

Key

「理解不能……残念なのはあなたたちの頭だと思います。」

 

テーブルの対面に座るKeyは腕を組み、じっと二人の様子を観察していた。その表情はどこか呆れたようなものだったが、ほんのわずかに楽しんでいるようにも見える。

 

銀時はカードを引きながら、けだるそうに目を細めて答えた。

 

銀時

「心配するな。ピー穴、戦前だ、通常のUNOの3倍の速さでやる。それが出来りゃ頭の心配いらねぇだろ。」

 

タマは軽くため息をつきながら、きっちり整えたカードの束を置き直し、冷静に返した。

 

タマ

「こうしてUNOに興じて、冷静と情熱の間のいい気構えというのを教えるためでもあるんですよ。ピー穴様」

 

Key

「いやピー穴じゃありません。鍵穴、じゃなくてKeyです。」

 

Keyは銀時とタマを交互に見ながら、不満げに眉を寄せる。

 

Key

「それにあなたたちがいるのは馬と鹿の間ですから、教えてもらうことは何もありません。」

 

銀時は肩をすくめ、片手を軽く挙げるようにしながら声を張り上げた。

 

銀時

「仕方ねぇなぁ、ここは先生らしく俺が仕切るとしますか。」

 

堂々と胸を張り、守護者たちに向かって高らかに語りかける。

 

銀時

「我が忠勇である守護者たちよ!!今やお前たちを邪魔する愚か者は天の光によって召された。」

 

銀時の演説は続く。

 

銀時

「我々が力を合わせれば、この仕事仕事と見えない何かに追われる腐った世に蔓延る戦力がどれだけ残っていようと既に形骸である。」

 

タマとKeyはその言葉を背後で聞きながら、顔を見合わせていた。

 

銀時

「あえて言おう、カスであると!!」

 

その瞬間、タマとKeyは一斉に立ち上がる。

 

タマ

「何、生徒たちを危険に晒させようとしてるんですか?」

 

Key

「何、『王女』の守護者を洗脳しようとしてるんですか?」

 

二人は同時に銀時へと向かって突進。見事なシンクロで銀時にドロップキックをお見舞いした。

 

銀時

「ぶったね。タマさん!雅さんにもぶたれたことないのに!!」

 

タマは冷静に銀時を見下ろすと、淡々と答える。

 

タマ

「安心してください。You◯beの動画を見る限り、ゼンゼロの雅さんはぶちません。ぶつのは月城さんですよ。」

 

Keyは深いため息をつきながら冷静に続ける。

 

Key

「そういう問題じゃないと思うんですが……それより、あなたたちはなぜここに残っているんですか?」

 

その時、守護者たちが急に声を上げた。

 

守護者たち

『先生!!現実世界にはPS5持って行っていいですか?』

 

Keyはぎょっとした顔をして彼らを見つめる。

 

Key

「あなたたち、喋れたんですか?」

 

keyは一瞬驚いたものの、すぐに額に手をやり、深々と息をついた。

 

銀時

「このバカチンがー!!せっかく世直しをするってのに、そんなんで遊んでも意味ねぇだろうが!!」

 

Keyはさらに困惑した様子で銀時を睨む。

 

Key

「なんか学級会みたくなってるんですが……それにあなたは私たちの先生じゃないですよね?」

 

銀時は全く意に介さず、大きく腕を広げるような仕草をしながら守護者たちを見渡す。

 

銀時

「分かった分かった。じゃあ今日のアトラ・ハシス作戦はここまでにして……お前ら校庭にでろ。UNO大会で優勝した奴の意見を参照する!!」

 

守護者たち

『オォォォォ!!』

 

その団結力に、Keyは呆然とする。

 

Key

「なんで私の時より団結力高いんですか?というかどんだけUNO大会やりたいんですか?」

 

銀時はにやりと笑いながら、最後に一言付け加える。

 

銀時

「おいそこ!話があるならUNOに勝ってからにしなさい!」

 

場は完全に銀時のペースに巻き込まれていくのだった。

 

銀時たちとKey、タマの奇妙なUNO大会に、守護者たちも次々と加わっていく。屋上に集った守護者たちは、ゲームのルールを聞いているうちに次第に興味を持ち始め、ついには全員がテーブルを囲む形になった。

 

銀時

「おいおい、守護者ども。お前らまで加わったら収拾つかねぇぞ?」

 

守護者A

「先生、UNOは初めてですが……面白そうですね!」

 

守護者B

「現実世界ではできないことを試してみたいんです。ぜひ参加させてください!」

 

銀時は苦笑いを浮かべながらも、しぶしぶ承諾する。

 

銀時

「ったく、どいつもこいつも遊ぶ気満々じゃねぇか。まあいい、これで俺の華麗なUNOプレイを教えてやるよ!」

 

守護者たちは椅子を並べ、各自の席に着く。Keyとタマも冷静な面持ちで席に戻り、ついに新たなUNO大会が始まった。

 

ゲームスタート

最初にカードを引いたのは守護者Cだった。彼は慎重に手札を確認し、赤の5を場に出す。

 

守護者C

「これでいいんですね?」

 

銀時

「おう、そうだ。最初っから地味だけどまあ許してやる!」

 

次は守護者D。彼は「リバース」のカードを出し、流れを逆にする。

 

守護者D

「これで戻りますね。」

 

銀時

「ちょっ、おい!俺のターンが遠のくだろうが!」

 

銀時は不満げに叫ぶが、ゲームはそのまま進行する。

 

Key

「静かにしてください。順番が回って来るまで待ちなさい。」

 

Keyが冷静に青の7を場に出すと、守護者たちはその手際の良さに目を丸くした。

 

守護者E

「Keyさん、上手すぎませんか?」

 

銀時

「お前ら、気を抜くな!コイツは本気で勝ちに来てんだからよ!」

 

序盤戦

次々とカードが場に出される中、Keyは冷静に手札を減らしていく。守護者たちは初めてのUNOに戸惑いながらも、徐々にゲームに慣れていった。

 

タマ

「さて、私は青のドロー2です。」

 

守護者A

「えっ!?ドロー2って、僕がカードを引くんですか!?」

 

タマ

「その通りです。」

 

守護者Aは慌てて2枚のカードを引き、その場で苦笑いを浮かべる。

 

銀時

「はっはっは!そんなことで焦ってるようじゃ、このゲームじゃ生き残れねぇぞ!」

 

中盤戦

守護者たちが次々とカードを出す中、Keyは計算されたプレイで着実に手札を減らしていく。銀時は焦りの色を隠せない。

 

銀時

「おいおい、コイツ何でこんなに強ぇんだよ!?守護者ども、何とかしろ!」

 

守護者B

「えっ、僕たちですか!?でもKeyさんの流れを止めるカードがないんですよ!」

 

Key

「無駄な足掻きはやめて、潔く負けを認めるべきです。」

 

その冷静な一言に、銀時は悔しそうにカードをかき混ぜる。

 

銀時

「くっそ……だったらこれだ!ドロー4!」

 

Keyは微動だにせずカードを引き、それでも冷静にターンを続けた。

 

終盤戦

次第に場の空気は緊張感を増し、守護者たちも言葉少なにプレイを続ける。Keyの手札は残り1枚、ついに「UNO」の宣言が響き渡る。

 

Key

「……UNO。」

 

その一言に全員が息を呑む。

 

銀時

「おいおい、マジかよ!守護者ども、何か手はねぇのか!?」

 

守護者C

「す、すみません、僕の手札じゃ……!」

 

守護者E

「僕もダメです……!」

 

銀時は叫び声を上げる。

 

銀時

「なんでだよ!俺たちの遊び場がなくなるだろうが!」

 

だが、最後のターンでKeyが「赤の3」を場に出すと、全てが終わった。

 

Key

「これで私の勝利です。」

 

終了後

全員が呆然とした表情を浮かべる中、Keyは冷静に席を立つ。

 

Key

「あなたたちには、まだまだ学ぶべきことが多いようですね。」

 

銀時

「くそっ……やっぱりコイツが一番の強敵かよ。」

 

タマ

「それでは次回、もっと鍛えてから挑みましょうね。」

 

守護者たちは互いに顔を見合わせ、少しずつ笑顔を浮かべ始めたように見える(ロボットなので表情が読めない)。彼らにとって初めてのUNOは、楽しくも悔しい経験となったのだった屋上のUNO大会が終わり、静寂が訪れたその瞬間、Keyが口を開いた。冷たい瞳が銀時たちを鋭く見据え、その声には先ほどまでのUNOで見せた軽妙さは微塵も残っていなかった。

 

 

Key

「――茶番は置いといて……質問に答えてください。なぜあなたたちはここにいるんですか?」

 

その問いかけは、まるで場の空気を切り裂くかのようだった。銀時は不機嫌そうに頭を掻きながらも、すぐに口を開く。

 

銀時

「そりゃUNO大会を開く――」

 

しかし、銀時の言葉が最後まで続くことはなかった。Keyの瞳がギロリと鋭く光り、その無言の圧力に銀時は思わず肩をすくめる。

 

銀時

「……お前の言葉に気になったんだよ。」

 

Key

「私の言葉?」

 

銀時

「そうだよ、お前がアリスに向けて言ってた、『どうして?どうして「王女」は分かってくれないのですか?私はただ……あなたを守りたかっただけなのに』ってやつだ。」

 

Keyの目が一瞬見開かれる。その反応を見逃さず、銀時はさらに問いを重ねる。

 

銀時

「おい、どういうことだよ。守りたかったって……誰に何を守らされてたんだ?」

 

Keyの告白

Keyは一瞬躊躇うように目を伏せた。しかし、すぐにその瞳を銀時に向け直し、静かに語り始めた。

 

Key

「私は、Key。あなたたちがアリスと呼んでいる存在の補佐のような役割で作られました。」

 

その言葉に、銀時たちは息を呑む。Keyの言葉は冷静で淡々としていたが、その中には何かしらの葛藤が垣間見えた。

 

Key

「私は、『王女』の意思を尊重し、『王女』のために生きる――それが私の存在意義でした。しかし……」

 

Keyは少し言葉を区切り、遠い目をしたまま続ける。

 

Key

「『王女』はある日突然眠りにつきました。そして、ある方に言われました――『王女』にこの世界を絶望に沈ませよ、と。」

 

その言葉に、場にいた全員が凍りついた。銀時は眉をしかめ、Keyに問いかける。

 

銀時

「おいおい……誰だよ、こんなガキにそんな薄気味悪ぃ提案してきた野郎は。」

 

Keyは銀時を一瞥し、答えをはぐらかすように視線を逸らす。

 

Key

「それは……いずれ分かることです。」

 

銀時は肩をすくめ、不満げに吐き捨てた。

 

銀時

「なんだよそりゃ。まるで謎解きゲーじゃねぇか。」

 

Keyの苦悩

Keyは自分の両手をじっと見つめながら、静かに話を続けた。

 

Key

「私は、『王女』が目覚めるまで待ち続けました。そして、目覚めた『王女』を見たとき……」

 

Keyの声が少し震えた。その瞳には、かつて感じたことのない感情が浮かんでいるようだった。

 

Key

「あなたたちと一緒に楽しそうに暮らしている姿を、私は見ました。」

 

その言葉に、銀時たちは驚きと共にKeyの顔を見つめた。Keyの語る『楽しそうな姿』が、彼らと共に過ごすアリスの姿だったからだ。

 

Key

「それは……今まで見ることのなかった光景で、私自身も嬉しかったのかもしれません。」

 

Keyは一瞬言葉を切り、微かに目を伏せた。そして、次の言葉を発するとき、その声にはかすかな悲しみが混じっていた。

 

Key

「しかし……このままでは『王女』は消されてしまう。」

 

その言葉に銀時は目を細めた。Keyの語る危険の意味を察し、口元に浮かべていたふざけた笑みを消す。

 

Key

「だから、『王女』の代わりに私が――」

 

銀時はそこでKeyの言葉を遮った。

 

銀時

「汚れ仕事を負おうってか?」

 

その声には、いつもの軽薄さとは違う、どこか低く響く重みがあった。Keyは銀時を見据え、静かに頷いた。

 

銀時の名言

銀時は少し俯き、深い息を吐いた。そして、静かな声で語り始める。

 

銀時

「お前なぁ……そんなの、守るっつーんじゃねぇよ。」

 

Keyの目が揺れる。その目を見据えたまま、銀時は続ける。

 

銀時

「本当に大事なもんを守りたいならな、汚れ仕事なんざ背負っちゃいけねぇんだよ。自分を犠牲にするってのはな、どんなにカッコよく見えても、そりゃただの逃げだ。」

 

Keyは何かを言い返そうとしたが、銀時の声に遮られる。

 

銀時

「『王女』が笑って暮らしてたのを見て嬉しかったんなら、その笑顔を守りゃいいだけだろうが。それができなくなったらどうすんだ?自分がいなくなったら、あいつはもっと悲しむだろ。」

 

Keyの瞳が見開かれる。銀時は一歩近づき、Keyの肩を軽く叩く。

 

銀時

「お前がやるべきことは汚れることじゃねぇ。笑える世界を作ってやることだ。それがアイツ(アリス)を守るってことだろ。」

 

Keyは何も言えなかった。

 

Keyは、銀時の言葉を受けて一瞬沈黙した。彼女の瞳の中で何かが揺れ動いているのがわかる。これまでの生き方を否定されたわけではない。だが、その考え方が根本的に変わり得る言葉を受け取ったのだ。

 

Key

「……でも、私にはわかりません。私は、『王女』のために存在する。それ以外に何をすればいいのか……。」

 

Keyの声はか細く、まるで迷子のようだった。彼女の目には、自分自身を見失った者特有の不安が浮かんでいた。

 

銀時は片手を腰に当てながら、軽くため息をついた。

 

銀時

「お前さぁ……名前はKeyってことにしちまったけど、そんな無機質な名前じゃなくて、ちゃんとした名前があるんじゃねぇのか?」

 

Key

「え……?」

 

タマさん

「確かに、Keyという名前は役割をそのまま表していますね。しかし、あなた自身を示すものではない。」

 

Keyは二人の言葉に戸惑いながら、自分の胸に手を当てた。

 

守護者A

「先生……あの、俺たち守護者なんで番号で呼ばれることが多いっすけど……。」

 

守護者B

「それでも、仲間同士では勝手にあだ名つけたりして、それがすげぇ楽しかったんです。」

 

守護者C

「そうだよな。『王女』だって、仲間から呼ばれる名前が一番嬉しいんじゃないですか?」

 

Keyは静かに守護者たちの話を聞き、少しずつ顔を上げていった。その表情には、かすかな希望の色が混じり始めていた。

 

銀時

「ほらよ、みんなそう言ってんだろ?お前が『王女』守るとか言うなら、まず自分の足元くらい見つめ直せよ。」

 

タマさん

「その通りです。自分自身を持たない者が他者を守ることはできません。」

 

銀時

「だからさ、今日から『Key』って名前じゃなくて、ちゃんと名前つけてみろよ。」

 

Key

「私に、名前を……?」

 

銀時は面倒くさそうに頭を掻きながら、適当に続ける。

 

銀時

「そうだなぁ……『ケイ』とかどうだ?Keyをそのまんま呼んでるだけだけど、なんか柔らかい感じになるだろ。」

 

Keyはその言葉に少し目を丸くした。

 

ケイ(旧Key)

「ケイ……」

 

守護者A

「いいじゃないですか、その名前!」

 

守護者B

「簡単で覚えやすいし、なんか仲間っぽい感じがするっすね。」

 

タマさん

「ケイ様。これからも、どうぞよろしくお願いしますね。」

 

ケイは周囲の言葉に戸惑いながらも、徐々に微笑みを浮かべる。

 

ケイ

「……私に名前をつけてくれたのは、これが初めてです。ありがとう、銀さん。」

 

銀時はその言葉に「めんどくせぇ」と呟きつつも、どこか満足げな笑みを浮かべていた。

銀時が伸びをしながら立ち上がる。目の前には未だ微かに揺れるデータ空間が広がり、その奥でタマが立ち尽くしていた。彼女のいつもの落ち着いた声が響く。

 

タマさん

「銀時様、そろそろ帰るとしましょうか。」

 

その提案に銀時は軽く頷き、腰に手を当てて周囲を見渡す。

 

銀時

「そうだな、これ以上ここにいても体がムズムズしてくるだけだしな。」

 

だが、次の瞬間、ふと気まずそうに顔を曇らせる声が背後から聞こえた。

 

key

「あのー銀さん?」

 

銀時はその声に反応し、ゆっくりと振り向いた。そこには、微妙に不安そうな表情を浮かべたケイの姿があった。

 

銀時

「ん?どうした?」

 

key

「私はどうやって戻って王女を助ければ良いんですか?」

 

銀時はその質問に一瞬だけ固まり、頭を掻きながら口を開いた。

 

銀時

「どうってアリスのそばに戻って――」

 

だが、その言葉を遮るように響いたのは守護者の声だった。

 

守護者

『違うんですよ先生。アリス様がいない今、ケイ様は依代がないので……この空間に囚われるままなんですよ。』

 

その言葉を聞いた銀時は目を見開き、ぽんと手を打った。

 

銀時

「あっ、忘れてた。」

 

その軽い反応に、ケイは呆然としながら尋ねる。

 

key

「忘れてたって……どういうことですか!?」

 

ケイの怒りに気づくことなく、銀時はポケットを探り始めた。

 

すると――。

 

???

「それなら心配ご無用です!先生!」

 

唐突にどこからともなく聞こえた明るい声。その声に全員が驚き、銀時は慌てて懐を漁り出した。そしてタブレットを引き抜くと、画面に登場したのはお馴染みの顔だった。

 

アロナ

『パンパカパーン!!スーパーAIアロナ堂々登場です!!』

 

彼女の陽気な登場に場の緊張が一瞬で緩んだ。だが、銀時は眉をひそめ、申し訳なさそうに頭を掻く。

 

銀時

「ごめんすっかり忘れた。」

 

その言葉に、アロナがガックリと肩を落とす仕草を見せる。

 

アロナ

『ガーン……先生ひどいですぅ……。』

 

だがすぐに表情を切り替え、ケイに向かって提案を始めた。

 

アロナ

『ケイさん。私の中に入りませんか?』

 

その提案にケイは驚き、目を丸くした。

 

key

「え?」

 

アロナはケイに分かりやすく説明を続ける。

 

アロナ

『私の中に入れば、いついかなる時も先生のそばに居られるだけでなく、アリスちゃん及び他の生徒さんの端末から観察することも可能になるので役目も果たせますよ。』

 

ケイはアロナの言葉に少し考え込むような表情を浮かべた。そして銀時が補足するように語りかける。

 

銀時

「まぁ、何だ……要はお前もタマみたいに俺のサポート役になれるってわけだ。」

 

ケイは銀時の言葉に頷き、少しだけ微笑んだ。

 

key

「……わかりました。そうさせていただきます。」

 

その答えにアロナは満面の笑みを浮かべる。

 

アロナ

『では早速。……おや?』

 

アロナが一瞬黙り込み、タブレットから冷静な声が響いた。

 

アロナ

『容量が足りませんね。仕方ありません。エロ動画などを大幅に削減しますか……』

 

その瞬間、銀時は全身で飛び上がった。

 

銀時

「それは待ってぇぇぇ!!長谷川さんがいない今無料で、借りれる場所が……!」

 

だがアロナは軽快な声で言い放つ。

 

アロナ

『えい⭐︎』

 

次の瞬間――。

 

銀時

「うわァァァァ!!!」

 

銀時の叫び声がデータ空間に響き渡る。

 

銀時が叫び声を上げた瞬間、タブレットから小さな爆発音のような音が鳴り響いた。アロナの冷静な声が続く。

 

アロナ

『完了しました。これでケイさんの移行スペースが確保されました。おめでとうございます!』

 

銀時は慌ててタブレットを覗き込みながら絶望した表情を浮かべる。

 

銀時

「お、おい!マジで消したのか!?あの至高のコレクションを!!」

 

タマさん

「銀時様、大人としてもう少し節制というものを……」

 

ケイ

「コレクション……?」

 

銀時はタマさんやケイの冷たい視線に気づき、急いで言い訳を始める。

 

銀時

「ち、違う!あれは資料用だ!純粋に学術的興味でだな……」

 

アロナ

『説明は不要です、先生。では、ケイさんの移行を始めますね。』

 

タブレットの画面が一瞬暗くなり、次に表示されたのはまるでデータが渦を巻くような光景だった。ケイはそれをじっと見つめてから、小さく頷く。

 

ケイ

「……わかりました。これで「王女」のそばにいられるのなら。」

 

タマさんが優しい声で背中を押すように語りかける。

 

タマさん

「ケイ様、恐れることはありません。私たちもアリス様も、いつだってあなたを待っていますよ。」

 

ケイは深呼吸をして、銀時の方を向いた。

 

ケイ

「銀さん、私……行きます。」

 

銀時はしばらく黙って彼女を見ていたが、やがて口元に笑みを浮かべて頷いた。

 

銀時

「おう、行ってこい。だけど、俺のタブレットの中に入ったらルールがあるからな。」

 

ケイ

「ルール……?」

 

銀時は真剣な顔で指を一本立てて言った。

 

銀時

「俺のデータには触るな。それだけだ。」

 

ケイ

「……触るも何も、ほとんど消されてるんじゃ……」

 

アロナ

『さぁ、移行の準備が整いました!それではケイさん、私のシステムに統合します。』

 

タブレットが再び光を放ち、ケイの姿がゆっくりとデータの粒子に変わっていく。その光景を見守る銀時たち。最後にケイが微笑みながら一言を残した。

 

ケイ

「ありがとう……銀さん。みんなも。」

 

彼女の姿が完全に消えると、タブレットの画面にアロナが再び現れた。

 

アロナ

『移行完了しました!これでケイさんは私のシステムに統合されました。銀さん、今後もよろしくお願いしますね。』

 

銀時はタブレットを見つめながら大きく伸びをした。

 

銀時

「はぁ……これで一件落着か。ま、タマも無事だし、ケイもアリスのそばにいられるようになった。悪くねぇ結果だな。」

 

タマさんが銀時の隣で頷く。

 

タマさん

「ええ、アリス様もきっと喜ぶでしょう。そして、ケイ様もようやく役割を果たせる場所を見つけられました。」

 

銀時は軽く笑った。

 

銀時

「さて、帰るとするか。これ以上変なトラブルが起きねぇうちにな。」

 

銀時

「そういえば、お前ら守護者はどうなるんだ?」

 

銀時がタブレットをポケットに戻しながら尋ねると、近くで静かに佇んでいた守護者たちが一斉に反応した。それぞれ異なる形状ながら、どこか統一感のある彼らが一歩前に出る。

 

守護者

『俺たちには依代があるんで、大丈夫っす。』

 

軽く手を挙げて答える守護者の言葉に、銀時は驚いたように目を丸くする。

 

銀時

「へぇ、依代があんのか。って今のお前らと同じ形のアレ?」

 

守護者の一体が、気恥ずかしそうに頭を掻きながら答える。

 

守護者

『ま、依代さえあれば俺たちも現実世界で活動できますんで。』

 

もう一体の守護者が、銀時の目を見つめながら少し悪戯っぽい笑みを浮かべる。

 

守護者

『先生のお手伝いロボットとして活躍するとしますかね。』

 

その言葉に銀時は呆れたように眉を寄せながら笑う。

 

銀時

「お手伝いロボットなぁ……いいよ。俺の仕事代わりにやっといてくんない?結構溜まっててどやされそうなんだよ。」

 

守護者『それは勘弁ですね。』

 

守護者たちは軽く笑い声を上げると、それぞれの依代がどこにあるのか確認し合い始めた。その様子を見たタマが、一歩前に出て銀時に声をかける。

 

タマさん

「銀時様。そろそろ現実世界に戻りましょう。」

 

銀時は肩をすくめながら、ポケットからタブレットを取り出した。

 

銀時

「そうだな、アロナ。帰りの準備はいいか?」

 

タブレットからアロナの軽快な声が響く。

 

アロナ

『もちろんです!いつでも行けますよ、先生!』

 

アロナの言葉を合図に、銀時たちは足元から浮かび上がるようにして消え始めた。データ空間の光景が徐々に歪み、現実世界への帰還が始まる。

 

守護者たちはそれぞれの依代に戻り、銀時とタマ、ケイもまた現実へと帰るべくその身を任せる。

 

銀時

「よっしゃ、帰るぞ残業手当の要請をしにな」

 

その一言を最後に、全員の姿が光の中へと消えていった――。

現実世界に戻り、屋上に集まった仲間たちの間には、少し張り詰めた空気が漂っていた。戦いが終わり、誰もが安堵しているはずなのに、一人だけ目を覚まさない銀時の存在が、全員の心を不安にさせていた。

 

アリスは、銀時の横でしゃがみ込み、その顔をじっと見つめながら呟いた。

 

アリス

「銀さん……まだ起きませんね。」

 

その言葉に、アスナが腕を組みながら深く息をついた。

 

アスナ

「やっぱり私が……」

 

彼女は不安そうな顔をして拳を握り締めたが、ネルが冷静な声で制した。

 

ネル

「落ち着けよ、アスナ。今は気長に待つしかねぇだろ?」

 

その場にいた全員が同じように銀時を心配そうに見つめる中、唐突に桂――通称カツオ――が声を張り上げた。

 

カツオ(桂)

「おい……みんな聞いてくれ。銀時がいびきをかき出したぞ!」

 

その言葉に、全員が一斉に銀時の方を振り返る。

 

「「「「えぇぇぇ!!」」」」

 

そして次の瞬間――。

 

銀時

「……グガァァァァ。」

 

確かに、銀時は深い眠りの中で豪快ないびきをかき始めていた。その音は静まり返った屋上に響き渡り、ついには建物全体に反響するようだった。

 

そのすぐ隣では、タマが静かに目を開ける。彼女の動作は銀時とは対照的に、優雅で控えめだったが、その瞳の奥には疲労の色が伺えた。ゆっくりと起き上がったタマは、微笑みながら銀時を見下ろす。

 

タマさん

「お帰りなさいませ、銀時様。」

 

タマのその言葉が、皆の耳に届いた瞬間、ユウカがホログラム越しに銀時の元へと駆け寄るように見えた。彼女は鋭い視線で銀時を睨みつけ、声を張り上げる。

 

ユウカ(ホログラム)

「銀さん!ちゃんと無事なの?何かおかしいところとかないの!?」

 

しかし、銀時から返ってくるのは――。

 

銀時

「グガァァァァ‼︎…………グガァァァァ!!」

 

心配している自分に銀時の姿があまりに呑気に見えたのか、ユウカはしばし言葉を失った。しかし、次の瞬間、彼女の額に血管が浮かび上がる、口を大きく開けて怒声を放つ。

 

ユウカ(ホログラム)

「……いつまでーー!!」

 

ユウカ(ホログラム)

「寝てるんですかァァァァ!!」

 

彼女の声は屋上どころかエリドゥ全体に響き渡るほどの勢いだった。その怒声に反応するように、銀時がようやくもぞもぞと身じろぎを始める。

 

銀時

「いいって、朝いらないって……母ちゃん、今日は三連休最終日だよ〜もう少し寝かせて……」

 

寝ぼけた声でそう呟く銀時の姿に、全員がしばらく唖然としてしまった。

 

ネル

「……こいつ、やっぱりすげぇわ。生きる力が。」

 

アスナ

「違う意味ですごいよね……。」

 

カリン

「はは……まぁ、無事ならいいんじゃないか?」

 

一方で、ユウカはホログラム越しに怒りを隠さず、再び大声を上げる。

 

ユウカ(ホログラム)

「三連休最終日なんてどうでもいいから、とっとと起きなさいよォォ!!」

 

その場にいた全員が、銀時とユウカのやり取りを見ながら、戦いの後の緊張感がどこか和らいでいくのを感じていた。

 

銀時「はいはい分かった。じゃあそろそろ帰るとするか……アレ?守護者たちは……」

 

沖田「守護者……ってもしかしてコイツらの事ですか?」

 

守護者たちはボロボロだった――装甲には無数の傷、ヒビ、そして明らかに削れた跡があり、何体かは部品が外れていたり、煙を上げている者もいた。

 

銀時「おいィィィィ!!お前らァァァァ、大丈夫か!!」

 

沖田「大丈夫とか心配かけてますけど……」

 

カツオ(桂)「元々お前と俺たちで倒したはずだろう。」

 

守護者A

『……先生……助けて……』

 

銀時が近づくと、守護者の一体が呻くように訴えかけた。その声にはかすかな電子ノイズが混じり、彼らの深刻な状態を物語っていた。

 

銀時「お前ら、我が下僕を………いや部下になんてことを!!」

 

モモイ「いや何言ってんのか分かんないんだけど!?」

 

ミドリ「それに下僕って言ったよ!!部下って言う前に本性表したよ!!」

守護者A

『……もう、ダメです……修理しないと……』

 

そこへ、今度は源外の威勢のいい声が響いてきた。

 

源外

「おう、何やら面白ぇことになってんじゃねぇか!」

 

銀時が振り返ると、源外が工具箱を片手にニヤリと笑って立っていた。

 

源外

「どうだ、銀の字。そいつらの修理はワシに任せてみねぇか?」

 

銀時

「お、源外のジジイ。ちょうどいいところに来たな……いや、頼むわ。」

 

源外は守護者たちをじっくりと観察しながら、工具箱を開けた。

 

源外

「ほうほう、こいつぁ随分と複雑な仕組みだなぁ。」

 

 

銀時「頼む。コイツらがいねぇと今後の仕事に支障をきたすんだよ〜」

 

源外はしぶしぶといった様子で頷いた。

 

源外

「全くテメェらが壊してきたもんの後始末ばっかりさせやがって…… 修理費はたっぷり請求するからな。」

 

 

 

 

 

守護者たちは源外の言葉にかすかな希望を見出したようだった。

 

守護者B

『ほ、本当ですか……?』

 

源外

「あぁ。ワシに任せておけ。バズーカーで壊れたもんだろうが、ワシの手にかかりゃ新品同様に仕上げてやるよ!」

 

ウタハ「新型モデルに改良してもいいよね?」

 

コトリ「いやここは合体して宇宙戦艦に!!」

 

ヒビキ「トキみたいなパワードスーツにしよう。」

 

そう言いながら、源外たちエンジニア部は守護者たちを一体ずつ丁寧に運び、修理の準備を始める。銀時はその様子を見て、ようやく肩の力を抜いた。

 

銀時

「ったく……帰ってきたばっかで手間かけさせやがって。」

 

タマさん

「けれど、これで守護者の皆さんも安心ですね。」

 

ユズ「どうして銀さんは遅れてやって来たんですか?」

 

ユズ

「どうして銀さんは遅れてやって来たんですか?」

 

屋上の静かな空気を破るように、ユズが銀時を問い詰める。彼女の声はどこか困惑と疑念が混ざり合っていて、その目は真剣そのものだった。

 

銀時

「えっと、それは………」

 

銀時は視線を泳がせながら答えを濁そうとするが、その隣にいるタマがさらりと核心を突いた。

 

タマさん

「UNO大会やってました。守護者たちと。そして、世界壊そうとしてました。」

 

その一言に、屋上の空気が一瞬で凍りついた。

 

「「「「「は?」」」」」

 

全員の目が一斉に銀時とタマに向けられる。ユズの顔は驚きと困惑に満ち、モモイは口を半開きにして硬直している。ネルは呆れたように額に手を当て、ミドリは動揺のあまり声も出ない。

 

アスナ

「……世界を壊そうとしてた?って、どういうこと?」

 

銀時

「いやいや、壊そうっていうか、壊す寸前で止めたって話で……あの、俺的にはセーフだったんだけど?」

 

モモイ

「待って待って待って!?何その適当な言い方!?」

 

タマさん

「適当ではありませんよ。銀時様が守護者たちとUNO大会に熱中し、その過程で『アトラ・ハシス作戦』と称して世界の仕組みをリセットしようとしていただけです。」

 

リオ「アトラ・ハシスって本当にそんな恐ろしいことをしようとしてたの?」

 

銀時「大丈夫大丈夫。何も起きなかったし、俺の部下まで増えて結果オーライ」

 

ネル

「いやいやいや、普通に大問題だろうが!何してんだよ!?」

 

銀時

「いや、結果的に壊れてねぇだろ?むしろ守護者たちと仲良くなったし、これも一つの教育だよ、教育。」

 

ミドリ

「教育って、何を教えたの……?」

 

タマさん

「『冷静と情熱の間を保つために、UNOが最適』だと仰っていました。」

 

ユズ

「はぁ!?意味わかんないよ!」

 

その場にいる全員が頭を抱えるようにため息をつき、銀時の適当さに呆れ返る。一方で、当の本人は全く悪びれた様子がなく、むしろ得意げに鼻を鳴らしていた。

 

 

その言葉を聞いた瞬間、真選組全員の顔が一斉に引き攣る。

 

土方

「……テメェ……何やってんだよ!?『世界を賭けたUNO』ってどういう意味だ!?」

 

近藤

「ちょっと待ってくれ万事屋!俺たちはてっきり、お前が危機に陥ってるって聞いて駆けつけたんだぞ!」

 

沖田

「いや、重要な戦闘でしょう。旦那のUNOバトルがどれくらい壮絶だったか、俺たちも一回見てみたかったでさぁ。」

 

桂ことカツオが眉間に皺を寄せながら、銀時の前に詰め寄る。エリザベスがその横でプラカードを掲げた。

 

桂(カツオ)

「おい銀時!許さんぞなぜ……」

 

ネル『そうだ!銀時に一発叱りを入れてやれ!!』

 

 

エリザベス

『世界を賭けたUNO……どうしてその場に我々を呼ばなかったんだ?』

 

ネル『そっちじゃねぇだろォォォォ!!』

 

銀時

「いやいや、UNOくらいでガタガタ言うなって。これでも俺、ちゃんと世界を救ったんだからよ。」

 

ネル『自己満足だろ!それ単なる自己満足だろォォォォ!!』

 

場の空気が凍りついたかのような静けさの中、ユウカのホログラム越しの声が再び響いた。

 

ユウカ(ホログラム)

「……UNO?」

 

その一言に、周囲の空気が一変する。真選組やC&Cのメンバーは一斉に顔を見合わせ、銀時をじっと見つめた。

 

「「「「え?」」」」

 

ユウカ(ホログラム)

「私が心の底から心配してる時に呑気にUNO……ああそうですか。そうですか!!」

 

ユウカの声が次第に高まる。彼女のホログラム越しの目が、怒りで燃え上がるように見えた。

 

銀時

「な、なんかヤバくない?これヤバくない!?逃げた方が良くない!?」

 

銀時は周りをキョロキョロと見回しながら、助けを求めるように手を振った。

 

銀時

「そうだ!ノアァァァァ!!ユウカちゃんなんとかしてェェェ!!」

 

ノアのホログラムが静かに微笑み、銀時を見つめる。

 

ノア(ホログラム)

「自業自得です。」

 

銀時の顔が真っ青になる。

 

銀時

「そんなァァァァ!!」

 

その様子を見ていたネルが肩を震わせながら声を張り上げた。

 

ネル

「なーに逃げ腰になってんだよ!自分でやらかしたことくらい自分でケツ拭けェェェェ!」

 

沖田

「旦那、今更何言ってんでさぁ。自分のUNO自慢でしょ?」

 

土方

「おい、総悟、そういう時はUNO自慢じゃなくて『世界の恥さらし』って言うんだ。」

 

 

一方で、銀時はホログラム越しのユウカを恐る恐る見上げていた。

 

銀時

「な、なぁユウカちゃん……本気で怒ってる……?」

 

ユウカのホログラムは静かに頷いた。

 

ユウカ(ホログラム)

「当然でしょう?銀さんがそんな無責任なことをしてる間、私は……私たちはどれだけ心配したと思ってるの?」

 

銀時

「とにかく、俺は世界を救ったんだからそれでチャラだろ?」

 

しかし、真選組、C&C、そしてユウカの全員が一斉に銀時を睨みつける。

 

土方

「チャラになるわけねぇだろ。お前、後で覚悟しとけよ。」

 

ユウカ(ホログラム)

「後でじゃなくて、今すぐ反省会を始めましょう!」

 

近藤

「まぁまぁ、ユウカさん!みんなも無事だったんだし、ここは――」

 

ユウカ(ホログラム)

「ゴリラは、黙ってバナナでも食べててください!」

 

近藤

「はい……。」

 

守護者たちも、状況の険悪さを感じ取りながら、遠巻きに銀時を見守っていた。

 

守護者

「……先生、これ、大丈夫なんですかね?」

 

守護者(別の一人)

「大丈夫なわけねぇだろ……。」

 

銀時が窮地に立たされる中、唯一の救いとなる言葉はどこにもなかった。

 

 

 

 

場の空気は、ユウカのホログラム越しの怒りによって完全に凍りついていた。銀時が薄ら笑いを浮かべながら後退する中、ユウカの声はますます大きく、鋭く響き渡る。

 

ユウカ(ホログラム)

「銀さん!!私がどれだけ心配してたか、全然わかってないでしょ!!」

 

銀時は笑顔を引きつらせ、周りをキョロキョロと見回す。

額に汗を滲ませながら後退し始めた。

 

銀時

「えーっと、その、何と言うか……ほら、俺だって反省してるわけよ、ちゃんと……!」

 

しかし、ユウカは追撃の手を緩めない。

 

ユウカ(ホログラム)

「反省?反省って言うのはね、行動で示すもんなの!口だけで済むと思ってるんじゃないでしょうね!!」

 

桂(カツオ)

「おい、銀時。この場から逃げないとお前、本当に消し炭にされるぞ……!」

 

桂が密かに耳打ちすると、銀時は無言で大きく頷く。

 

銀時

「だろ?俺もそんな気がしてた。」

 

その時、ヒフミが銀時の腕を引っ張りながら急いで声をかける。

 

ヒフミ

「銀さん、早く逃げましょう!これ以上ここにいたら、本当に危ないです!」

背後ではユウカのホログラムが烈火のごとく怒りを爆発させ、その迫力は画面越しにも伝わってくる。

 

ユウカ(ホログラム)

「銀さぁぁぁん!!逃げられると思ってるんじゃないでしょうねぇぇぇ!!!」

 

銀時は汗だくになりながら、隣で一緒に走る桂やヒフミ、そしてエリザベスに叫ぶ。

 

銀時

「ヤバイィィィィ!!あの太ももで締め殺されるゥゥゥ!!」

 

エリザベス(プラカード)

『そうだな。あの太ももは超人絞殺刑レベルだ。』

 

銀時

「お前、喋らなくてもわかるがヤメロ!太ももで殺されるビジョンがリアルになんだろ!」

 

桂(カツオ)

「おい銀時!何故私まで巻き込まれるのだ!私には関係ないはずだ!」

 

ヒフミ

「私だって関係ありませんよ!銀さんのせいで巻き込まれてるんですから!!」

 

銀時たちは叫び合いながら廊下を曲がる。そこに、新たな障害が待ち構えていた。

 

土方の怒声が廊下中に響き渡る。

 

土方

「待てぇぇぇ!!マリオブラザーズ!!」

 

銀時たちが振り返ると、後方からは土方が全速力で追いかけてくる。その顔には苛立ちが浮かび、手にはサイン帳が握られていた。

 

桂「マリオブラザーズではないカツエリブラザーズだ!!」

 

 

土方

「俺たちはアンタらのサインのためにここまで来たんだ!!サインしねぇなら詐欺罪でしょっぱくぞ!!」

 

ヒフミ

「えぇぇぇ!?どうしましょう桂さん!?」

 

桂(カツオ)

「決まっているだろう。逃げるのだ!!さらばだ真選組よ、アディオス!!」

 

桂は手を振りながらさらにスピードを上げる。だが、追ってくるのは土方だけではなかった。

 

沖田の声が響く。

 

沖田

「土方さん危ないですよ〜そんなに走ったらすぐ息切れしちゃいますぜぇ〜」

 

沖田はバズーカーを構え、銀時たちを狙いながらゆっくりと歩いてくる。

 

沖田は土方をチラリと見て、不敵な笑みを浮かべた。

 

沖田

「マリオブラザーズの逃げっぷり見たら血が騒ぎますんでぇ……それじゃ、避けてくださいね。」

 

土方

「なんだ……?」

 

沖田

「死ねぇ土方ァァァァ!!」

 

ドカァァァァン!!

 

 

銀時は沖田の放ったバズーカー騒ぎから何とか抜け出し、ようやくシャーレのオフィスに辿り着いた。

 

長い廊下を通り抜け、ドアを開けて入ると、そこには静かな空間が広がっていた。戦闘の喧騒も追っ手の怒声もここには届かない。

 

銀時

「ふぅ……やっと静かにできる場所に来れたぜ。」

 

銀時は深いため息をつきながら、適当な椅子にドカッと腰を下ろす。目を閉じて腕を頭の後ろに組み、しばしの休息を取ろうとした――その時。

 

???

「あら、ようやく来てくれたんですね。」

 

その声に銀時の体が一瞬で固まる。目を開けてみると、そこには連邦生徒会のリンが立っていた。生真面目な顔で、手には書類の束を抱えている。

 

銀時

「ちょっと待て、リン。なんでお前がここにいんだよ。」

 

リン

「何を言っているんですか。シャーレの先生としての業務が山積みなんですよ。逃げ回っている暇なんてないんです。」

 

そう言いながら、リンは書類をテーブルにドサッと置いた。その量は尋常ではなく、まるで小さな山のようだ。

 

銀時

「いやいや、ちょっと待て。俺、今、超絶忙しいんだよ。ほら、太ももちゃんに命狙われてるし――」

 

リン

「だからこそです。ここで仕事を片付けておけば、連邦生徒会からの評価も上がり、ユウカさんだって何も言わないでしょう?」

 

銀時

「いやいやいや、そんな理屈で納得させられるわけ――」

 

銀時が立ち上がり、なんとか逃げようとすると、リンは書類の山を指差しながら一歩前に出る。

 

リン

「先生。ここから出るなら、この書類を全部処理してからです。」

 

銀時は額に冷や汗を浮かべた。

 

銀時(心の声)

(やべぇ……意外と根に持つタイプだよこの子、想像以上に手強いぞ……)

 

銀時

「いや、でもなぁ、リンちゃんよ。ほら、俺も一応戦いで疲れて――」

 

???

「あら、敵は一人ではないですよ?」

 

銀時が言い訳を並べようとしたその瞬間、背後から聞き覚えのある冷たい声が響いた。

 

銀時

「ん……?」

 

恐る恐る振り向くと、そこにはホログラムではなく、生身のユウカが、例の鋭い視線を向けている。

 

ユウカ

「銀さん。分かってますよね?」

 

その言葉に、銀時の顔がみるみる青ざめていく。

 

銀時

「ま、待て待て待て!ユウカちゃん、落ち着こう!話し合いだ!平和的に解決しようぜ!!」

 

しかし、ユウカは容赦しない。

 

ユウカ

「容赦?そんなの、私が聞くわけないでしょ!」

 

その場から逃げ出そうとする銀時だが、背後にはリンが立ちはだかる。

 

リン

「先生、まだ仕事が終わっていません。」

 

銀時「なんでこうなんだァァァァ!!」

銀時はその後ユウカの超人絞殺刑を受けながら仕事を終わらせたという。

パヴァーヌ篇完

 




騒動が終わり、エリドゥの喧騒は静まり返っていた。
リオは新しい旅立ちを選び、どこかで静かな日々を送るために姿を消した。c&cにはトキが加わるなど変化があるところもあったが、他の仲間たちは、いつもの日常に戻り、それぞれの場所で慌ただしくも穏やかな生活を続けていた。

――しかし、アリスだけは何かが違った。

彼女の手元には、keyの入っていたの端末があった。その画面に映るのは、小さなウィンドウ。そこには、どこか冷たくも懐かしい気配が漂っていた。

アリス
「……key。」

彼女はその名を静かに呟いた。途端に端末の画面がぼんやりと光り、見覚えのある姿が映し出される。

ケイ
「私はここにいますよ、アリス。」

アリスは驚きと喜びの入り混じった表情を浮かべ、思わず声を上げた。

アリス
「key!本当にkeyなんですか!?どうしてここに――」

ケイ
「keyではありません、ケイです。」

彼女の声は落ち着いていて、以前の無機質な響きとはどこか違う、柔らかさが感じられた。

ケイ
「先生の端末経由で、この端末にも繋がるように設定されています。これからはどこにいても、私はあなたの傍にいます。」

アリスはその言葉に目を潤ませると、ぎゅっと端末を抱きしめた。

アリス
「良かったです……本当に良かったです、アリス嬉しいです。」

ケイ
「私はアリスを悲しめるようなことは二度としません。私はただ、あなたのために在るだけです。」

アリスが端末をじっと見つめていると、画面に映るケイが、いつもの落ち着いた声で話しかけてきた。

ケイ
「アリス、一つ提案があります。」

アリス
「提案?アリスに出来ることがあればなんでも言ってください!」

ケイ
「……、今から私とUNOをしませんか?」

〜透魂〜第一回キャラクター人気投票

  • 銀時
  • 新八
  • 神楽
  • 沖田
  • 土方
  • 山崎
  • 高杉
  • 定春
  • エリザベス
  • ホシノ
  • シロコ
  • ヒナ
  • アコ
  • ミカ
  • ナギサ
  • セイア
  • ユウカ
  • ノア
  • 近藤
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