透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい) 作:時代に遅れている
楽しめたら嬉しいです。
リオちゃんのファン及び桂さんのファンの方。
別にアンチしたいわけではありません。
そして、文読んだら分かるかもしれませんが私はユウカ派である。
本日もクロノスの時間がやってまいりました。現場のシノンさん!
「は〜い! 皆さん、クロノス放送部のアイドル、シノンで〜す!」
彼女の弾けるような声がマイクを通して響く。会場には学園の生徒や企業の記者たちが詰めかけ、まるでサメが血の匂いを嗅ぎつけたかのような鋭い眼光が飛び交っている。
「今、私は先日行われたミレニアムサイエンススクールの会長、調月リオによる女子生徒監禁および横領事件に関するやり直し会見の会場に来ております!」
「多くの学園生や記者が、このスクープを逃すまいと目を見開いています!!」
報道陣のカメラが一斉に前方を向き、フラッシュの光がホールの壁に反射する。騒々しいシャッター音が会場の緊張感をさらに高めている。
「さて、会場の前列には、セミナー会計の早瀬ユウカさん、そして一つ席を飛ばした隣の席には、セミナー書記の生塩ノアさんが座っていらっしゃいます!」
風巻マイ「そうですか~。ところで真ん中の席は……?」
「はい! 真ん中の席には、我らがシャーレの先生! 坂田銀時先生が来る予定です!」
その言葉に会場がざわめく。
風巻マイ「そうなんですね〜。前回はシャーレの副顧問である桂小太郎氏が来ましたが……あのような事態にならないといいですね。」
そう、前回の会見では桂の予測不能な発言が会場を混乱に陥れ、最終的に記者たちが収拾をつけられないまま幕を閉じた。果たして今回はどうなるのか——。
「そうですね~。今回の会見で新たな進展があるかが重要視されるところになります!」
記者たちの手元には、すでに会見で質問する予定のメモが並び、シャープペンシルを指の間で器用に回す者もいれば、タブレットに何度もメモを打ち込む者もいる。その熱気は、まるで試合開始直前のボクシングリングのようだった。
風巻マイ「…………」
風巻マイ「……あの〜、会見はまだですか?」
ふと、会場内の空気が微妙に緩む。
「そうですね〜。どうやら坂田先生はまだ到着していないようです。」
その瞬間——
バンッ!!
会計席から勢いよく音が響いた。
ユウカ「全くもう〜!! 銀さんはまだ来ないの!?」
彼女の金色の瞳がギラリと光る。
ユウカ「もう会見開始時刻の10時30分を632秒も過ぎてるのに!!」
秒単位で数えるあたり、彼女がいかに几帳面で、そしてこの遅刻に腹を立てているのかがよく分かる。
記者たちの間から、クスクスと小さな笑い声が漏れる。だが、ユウカは気にも留めず、腕を組んで天を仰いだ。
ノア「まぁまぁ、気長に待ちましょうよ、ユウカちゃん。」
ノアが、微笑みながらユウカの肩を軽く叩く。彼女の声は春のそよ風のように穏やかで、それだけで少し場の空気が和らぐようだった。
ユウカ「はぁ〜、昨日あれほど言ったのにーー」
呆れたように深いため息をつくユウカ。その表情はまるで、何度言っても聞かない弟を叱る姉のようだ。
回想
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午後の陽射しがシャーレの部屋の窓から差し込み、淡いオレンジ色の光が机の上に影を落としていた。
静寂に包まれた室内に、一つの声が響く。
銀時「はぁ〜? 一緒にやり直し記者会見に出てほしい?」
銀時はソファの上で横になり、枕代わりにしていたマンガ雑誌をズリ落としながら、けだるそうに目を細めた。その表情は、まるで休日の昼下がりに突然『仕事入ったから出勤して』と電話を受けたサラリーマンのように絶望感に満ちている。
ユウカ「はい。」
対するユウカは、背筋を伸ばし、鋭い視線を銀時に向けている。彼女の真剣な表情は、まるで国家機密を暴露するジャーナリストのように固く、揺るぎないものだった。
銀時「なんでぇ?」
銀時が欠伸混じりに聞くと、ユウカは軽くため息をつきながら答えた。
ユウカ「生徒に対する監督不行届の疑惑がシャーレにかかってるからです。」
その言葉を聞いた瞬間、銀時の表情がピクリと変わる。
銀時「……うそだよね?」
目の前の現実を受け入れたくないのか、銀時は困惑したようにユウカの顔をまじまじと見つめた。しかし、ユウカの瞳には迷いはなく、その厳しさは鋼のように硬かった。
ユウカ「本当です。」
銀時は顔をそむけ、頭をガシガシとかきながらソファの上で身じろぎした。
銀時「いや〜ない! 絶対にない! だって銀さん頑張ったよ〜? 生徒どころかこの世界救ったからね! 何なら一人の生徒を運命の呪縛から解き放ってあげたからね!!」
銀時の必死の弁明は、まるで無実を訴える容疑者のようだった。しかし、ユウカの表情は微動だにしない。
ユウカ「それと同時に世界の命運をUNOに託すっていう大変やばいことまでしてましたけどね。」
銀時は言葉に詰まり、一瞬、虚空を見つめる。まるで過去の選択を振り返り、「あれ、もしかして俺、やばいことした?」と自覚した瞬間のように。
銀時「で、なんで俺なの? 別にヅラのやつでもいいじゃねぇか。」
ユウカ「もちろん。初めは桂さんに会見に出てほしいとお願いしに行きましたよ。」
《銀さんに苦労かけたくなかったし……》小さい声で聞こえないように言う。
銀時「はぁ!? 最後なんだって?」
ユウカは一瞬、目を泳がせたが、すぐにきっぱりと答えた。
ユウカ「な、何でもありません!!」
ユウカ「まぁ桂さんは快く承諾してくれて、会見会場に来て会見を開くところまではよかったんですけどーー」
回想の中の回想
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煌々とした照明が照らす会見会場。無数のカメラのフラッシュが閃光のように走る中、桂は堂々と演壇に立っていた。その姿は、まるで歴史に名を刻む偉人のように見え——るわけもなく。
司会担当のセミナーの生徒「えぇ、それでは各学校の生徒さん。この三名に何か質問したいことを、それぞれの学校または会社の持ち時間を守って質問していただきたく思います。」
会場の記者たちが一斉に挙手する。その熱気は、まるでセール初日のデパートに殺到する客のようだった。
記者「はい。」
司会「それではそこの方、お名前とご所属についてお話ししてから質問をお願いします。」
記者「私はメター山本。所属はKHKの者です。そこのシャーレの副顧問である桂氏に質問したいのですが?」
桂「何だ?」
記者「あの、被害に遭われた女子生徒になにかーー」
桂「被害に遭われた女子生徒ではない桂だ。」
会場の空気が一瞬凍りつく。
記者「あの、ですから女子生徒にーー」
桂「女子生徒というか性別は男の桂だ!」
《……会場が静まり返る。》
という感じで、質問を最後まで聞かずに**「〜じゃない桂だ」**って返答しちゃうんです。
銀時「あいつ何いってんの!?」
銀時「ふざけてるだろあいつ!! 誰もオメーが桂だって事を聞いてねぇんだよ! どんだけ自意識過剰だよ!!」
——そしてそれは、さらに続く。
記者「あのネット上でミレニアムサイエンススクールの放送部だけ「科学の神秘にたどり着ける」って番組が放送されていて、「どうやったらリオ会長の事件の真相にたどり着けるんですか?」というコメントが多く出ているんですが、これに関しては・・・・?」
桂「リオ会長ではない桂だ」
記者「いやあの・・・どうやったらたどり着けるのかって質問ーー」
桂「たどり着けるじゃない桂だ!!」
記者「先ほどから同じ答えしか飛びませんけど、女子生徒のプライバシーを守ってるつもりなんですか!」
桂「プライバシーじゃない桂だ!!」
記者「シャーレは女子生徒を下に見ているってことでいいですか!!」
桂「女子生徒を下になど見ていない。ただ見上げるのは人妻だけな桂だ」
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銀時「知らねぇよ!! お前の好みなんて誰も聞いてねぇんだよ!!」
突然の怒鳴り声とともに、銀時はソファから跳ね起き、髪をぐしゃぐしゃとかき乱した。
まるで深夜に起きた悪夢にうなされる男のような狼狽ぶりだった。
銀時「やべぇ〜よ。マジであのヅラのせいで、ここの信頼ガタ落ちじゃねぇか〜!」
銀時は手を広げ、虚空を仰ぎながら絶望的な表情を浮かべる。
その姿は、まるで試験前日に一夜漬けを試みた学生が、ノートを開いた瞬間に睡魔に襲われてすべてを諦めたような雰囲気だった。
一方のユウカは、肩を落としながら深いため息をついた。
ユウカ「やり直す理由は他にもあって……うちのコユキが、ミレニアムサイエンススクールの放送部の通信データを弄って、会見が流れないようにしてたんです。それもあってセミナーにはクレームが殺到、株価も下落して、今、大ピンチなんです。」
ユウカの言葉に銀時は眉をひそめた。
銀時「……まぁ、当然だろ。そんな会見だったらクレーマーの対応も大変だろうな。」
銀時は腕を組み、まるで他人事のように鼻を鳴らした。
ユウカ「銀さんの方は大丈夫だったんですか?」
ユウカが疑念を込めた目で銀時を見つめる。
銀時「大丈夫、大丈夫。電話かけてきた奴らがなんかキレてたら……」
銀時は何食わぬ顔でタブレットを指差した。
ユウカがその画面を覗き込むと——。
銀魂キャラ「完結しなくて………すんませんでしたァァァァ!!!」
新八「すいませぇぇぇぇぇぇん!!!!!!足でも舐めますんでほんと勘弁してよ!!マジで!!」
ゴリラ原作者「チーズ蒸しパンになりたい」
次々と流れる謝罪の音声——それは、銀魂のキャラたちが過去に発した謝罪のセリフを切り貼りして、延々とループ再生しているものだった。
ユウカは絶句した。
銀時「今までに謝ったシーンを集めたエピソードを永続で流し続けてるから。」
得意げに腕を組み、銀時は堂々と胸を張る。
ユウカ「大丈夫じゃなそうですけど!? 受話器からの罵声が酷くなってますけど!?」
彼女が指差した電話の受話器からは、すでに人間の声とは思えない怒声が溢れ出ていた。
銀時「違うよ〜、あれは感激のあまり大声で泣いてんだよ。心からの謝罪が伝わったんだ。」
銀時はまるで父親が子供の成長を誇らしげに語るような口調で言ったが、ユウカはますます顔を曇らせた。
ユウカ「どちらかといえば、相手の怒りがこちらに伝わってくるような……。」
銀時は肩をすくめ、まるで「まあまあ」と言わんばかりに手をひらひらと振る。
だが、ユウカはその態度を見逃さなかった。
彼女は両手を机につき、真剣な眼差しを銀時に向ける。
ユウカ「とにかく! 銀さんに会見に出て欲しいって事です!!そしたら、次回の当番の時、仕事を代わりにしてあげますから!!」
銀時の表情がわずかに変わった。
銀時「…………」
その沈黙が、まるで嵐の前の静けさのように場を包み込む。
ユウカ「ですからーー」
彼女がさらに説得を試みようとした瞬間、銀時はゆっくりと立ち上がった。
銀時「……出てやるよ。」
その言葉は、まるで戦場に向かう戦士のような決意に満ちていた。
ユウカ「え?」
銀時は袖に腕を突っ込み、いつもの気だるげな表情のまま、しかしどこか鋭い目つきで彼女を見つめる。
銀時「出ねぇと学校が終わるんだろ? 俺がその依頼引き受けるって言ってんだよ。」
ユウカは驚き、しばらく口を開けたまま銀時を見つめていたが、やがて目を潤ませながら、ぎこちなく微笑んだ。
ユウカ「……いいんですか?」
銀時「ああ。こう見えても、謝罪会見には慣れてんだ。テメーらを路頭に迷わせることにはしねぇから安心しろ。」
銀時の言葉に、ユウカの頬がわずかに赤く染まる。
ユウカ「あ、ありがとうございます/////」
その瞬間、銀時の眉がわずかに上がった。
銀時「……あれ、なんか、顔赤くね?」
ユウカは一瞬フリーズした後、バッと顔をそらした。
ユウカ「き、気のせいです!!」
彼女の声が裏返る。
ユウカ「と、とにかく! 会見は明日の朝10時30分からなので、遅れずに来てください! 遅刻したらただじゃおきませんから!!」
彼女は怒ったように言うが、その耳は真っ赤だった。
ーーーーーーーーーーーーーー
ユウカは、腕を組みながら不安そうに小さく呟いた。
ユウカ「ほんと、どうしよ……。」
彼女の視線は会場の入り口へと向けられている。銀時がまだ姿を見せていないのだ。
その不安を察したのか、隣に座るノアがくすっと微笑んだ。
ノア「せっかくユウカちゃんが、一人で好きな人に説得しに行ったのに……。」
ユウカ「ノア!?!?」
一瞬で顔を赤らめ、慌ててノアを睨む。
ノア「フフフ、冗談ですよ冗談。」
まるで子猫がじゃれるような無邪気な笑顔で、ノアは静かに紅茶をすする。
しかし、ユウカはそれどころではなかった。
《誰が好きな人よ!?》
そんな心の叫びが口からこぼれそうになるのを、ユウカは必死に飲み込む。
——その時。
ロボット記者「おい!! 何記者を差し置いて駄弁ってんだ!! 会見はまだか!!」
機械的な声が会場に響き渡った。
カイザーコーポレーションの記者、全身を金属で覆われたロボットのような姿の男が立ち上がり、鋭い光を放つ目で壇上を睨みつけている。
司会担当の生徒が冷や汗を浮かべながら、必死に対応する。
司会の生徒「し、シャーレの先生が来るまでもうしばらくお待ち下さい……。」
しかし、その言葉にロボット記者は納得しなかった。
記者「いいや待てないな。さっさと始めろ!!」
低く響く声に、会場の空気が一気に張り詰める。
静寂の中、司会の生徒が震える手でマイクを持ち、口を開く。
司会「それでは……リオ会長による女子生徒監禁および横領事件の会見を始めます。」
一斉にカメラのシャッター音が響き渡る。
フラッシュが飛び交い、まるで嵐の前の稲妻のように、場を照らした。
司会「セミナー側からの説明及び謝罪は前回の会見で申し上げており、時間短縮のため、質疑応答から始めさせていただきます。」
淡々とした口調だったが、明らかに焦りが滲んでいる。
会場にいる誰もが、この会見が穏便に進むことはないと確信していた。
司会「それでは規則に則った質疑応答のご協力をよろしくお願いします。」
間髪入れずに、ロボット記者が勢いよく手を挙げる。
ロボット記者「はい!!」
司会がうなずき、指名する。
司会「そこの記者さん。」
ロボット記者は静かに立ち上がり、鋭い視線を壇上へと向ける。
ロボット記者「カイザーコーポレーションの者だ。」
声は冷たく、鋭利な刃物のように響く。
ロボット記者「被害に遭われた女子生徒は、いつも通りに生活していたところにリオ会長から突然監禁されたというのは、あまりにも女子生徒の心をえぐるような出来事だったと思うんですが、実際にどの部に赴いて謝罪などを行ったんですか?」
ピリッとした緊張感が会場を包む。
——しかし、返答するはずの関係者が、一瞬の間を置いた。
「質問はお控えいただけますでしょうか? 一部報道は出ていますが、プライバシーの観点からご配慮をお願いいたします。」
冷静な声が響くが、それは決して冷たさだけではなかった。
明らかに、慎重に言葉を選びながら発せられている。
しかし、その説明にロボット記者は納得しない。
ロボット記者「なぜですか? 質問するのはこちらの権利ですよ。」
少しずつ、会場の雰囲気が不穏なものへと変わっていく。
「それは個人を特定するような質問になってしまうので……」
ロボット記者「質問できないじゃないですか!! 質問できないよ!! 冗談じゃないよ!!」
彼の声が響くたびに、他の記者たちもざわめき始める。
記者たちの手元にあるノートには、次々と走り書きが加えられていく。
「質問に答えてください。」
ロボット記者が一歩前に出た瞬間——。
壇上のノアが静かにマイクを持ち上げた。
ノア「先ほど司会が申し上げたように、そちらの質問には正確にお答えできませんが——」
ノアの声は穏やかだったが、その一言一言は確かな意志を持っていた。
ノア「セミナー側として、彼女の救出作戦に協力したこと。そして、被害を受けた生徒さんから許しを受けたことは、お伝えさせていただきます。」
ノアの瞳は揺るがず、まるで静かな湖面のように澄んでいた。
会場のざわめきが、少しずつ収まっていく。
しかし、ロボット記者はなおも納得がいかない様子でノアを見つめていた——。
壇上に立つユウカとノアは、まるで嵐の前の小舟のように、荒れる波に耐えるような表情を浮かべていた。
ロボット記者「だから、それを確認するためにどこの生徒さんなのか聞きたいんですよ。真面目にやれ!!」
その声は会場に響き渡り、他の記者たちも一斉に注目する。
ユウカは一瞬ギクリとしたが、すぐに冷静な表情を取り戻し、毅然とした口調で答えた。
ユウカ「個人を特定するような質問はーー」
——しかし、記者は彼女の言葉を遮った。
記者「あなたには聞いていない!!」
一瞬、空気が凍りついた。
ノアとユウカは、その言葉に押し黙る。
まるで刃物のような記者の声に、会場の温度がさらに冷え込んでいく。
記者「もういいです! あなたたちの先生に聞くんで。」
不機嫌そうに腕を組み、記者は司会に向かって鋭く指示を出す。
記者「司会、先生に連絡して!」
司会「あの、困ります……。」
司会の生徒は明らかに戸惑い、焦りの色を浮かべていた。
だが記者は追い打ちをかけるように、冷たく言い放った。
記者「こっちの質問に答えないような生徒会には、もう用がーー」
???「すいませ〜ん。」
「!?」
その瞬間、まるで時間が止まったかのような静寂が会場を包み込む。
重い空気を切り裂くように、間の抜けた声が会場の後方から響いた。
記者たちが一斉に振り返ると、そこには——
天パ頭のだらけた男が、のそのそと歩いてくる姿があった。
???「他校の生徒さんの横領事件に呼ばれてまして……遅れちゃいました。」
彼は片方脱いだ和服に腕を突っ込み、肩をすくめながら緩慢な動作で壇上へと向かう。
その態度は、まるで仕事終わりのサラリーマンが深夜のコンビニに寄るような、気怠げなものだった。
——そして、ニヤリと笑いながら、彼は自分を名乗る。
銀時「あなたの言った先生の坂田でーす。よろしくお願いしま〜す。」
ユウカ「銀さん……!」
壇上からその姿を見つけたユウカは、ほっとしたような、しかしどこか呆れたような声を漏らす。
その横でノアはユウカの様子を見て、フフフと微笑んだ。
記者「はっはっはっ、タイミングバッチリだ。」
記者は満足げに笑いながら銀時の方を向く。
記者「そこの二人じゃ質問に答えてくれないから困っていたんだよ。」
そして、記者の目が光る。
まるで獲物を捕らえた猛禽類のような鋭さを帯びた視線が、銀時を捉えて離さない。
記者「さぁ、真実を聞かせてもらおうじゃないか?」
その言葉に、銀時の口角がゆっくりと上がった。
だが、その笑みは——。
《ニヤ〜ッ》
と、まるで悪党が仕掛けた罠に獲物が飛び込んできたときのような、不敵で狡猾なものだった。
記者「坂田銀時先生。」
カメラのフラッシュが一斉に光る。
これまでの緊迫した空気が、一瞬にして新たな緊張感へと変わる。
まるで、新たな幕が開くかのように——。
会見は、ここからが本番だった。
銀時の登場によって、場の空気が一瞬和らいだかのように見えた。
しかし、それは束の間の静寂に過ぎなかった。
記者の一人がすかさず質問を投げかける。
記者「それでは、坂田氏。今回の不祥事の被害生徒への対応がなされたのか、ご本人に確認をとりたいのでお聞きしますが——ゲーム開発部のメンバーの一人であることでよろしいですか?」
記者の眼光は鋭く、まるで裁判官の前に立たされた被告を見つめるような厳しさを帯びている。
その視線を受けながら——。
銀時「…………」
銀時はポケットから取り出した小指を鼻へと運び、
無造作にほじり始めた。
——スッ……ほじほじ。
会場の空気がピタリと止まる。
最前列に座っていたユウカが、慌てたように銀時に声をかける。
ユウカ「銀さん、答えたらーー」
しかし、その言葉は記者の冷たい一言で遮られた。
記者「そこ、黙っててくれる?」
ユウカ「ぐっ……!」
ユウカの表情が悔しそうに歪む。
壇上のノアがそっとユウカの肩に手を置き、静かに首を振る。
記者は再び銀時に目を向け、口元を歪める。
記者「さぁ、どう答える?坂田銀時。」
一瞬の静寂。
フラッシュの光が再び走る中、銀時はゆっくりと記者の方へ顔を向ける。
そして——
銀時「えぇっと、つまり君はーー」
ほじほじ。
銀時は鼻くそを飛ばして、軽く首を傾げた。
銀時「ロリコンってこと?」
「「「「え?」」」」
まるで地球の自転が一瞬止まったかのような沈黙が会場に広がる。
記者の表情が引きつる。
記者「え? いや、……どういうことですか?」
動揺した声が会場のマイクを通して響く。
銀時は鼻をほじる手を止め、面倒くさそうにため息をつきながら言った。
銀時「どういうも何も、ゲーム開発部を名指しして確認を取りたがるあたり、ロリキャラしかいない部活にしか目がないんだよね?」
記者「ま、まぁ仕事としてですが……」
記者がしどろもどろに言い訳を口にする。
しかし、その瞬間——
銀時「はい、ダメェ〜」
銀時は指を左右に振りながら、あからさまにダメ出しをした。
記者「は、なんで!? 今仕事としてって言いましたよね!?」
記者の顔は必死そのものだった。
しかし銀時は、そんな記者を見下ろしながら涼しい顔で続ける。
銀時「そんなのはなぁ〜、仕事を理由にしてる時点で公私混同してることがバレバレなんだよ。」
銀時の声には余裕があった。
まるでこの場を完全に掌握しているかのような、悪党の笑みを浮かべながら。
会場がざわめく。
まさかの返しに、記者たちの手元が一斉に動き出す。
ノートに急いで何かを書き留める者、タブレットでメモを取る者——。
しかし、ユウカは別の意味で焦っていた。
ユウカ「(銀さん、ちょっと……!!)」
思わず声をかけそうになったが、ノアの目はまるで舞台の上で巧みに立ち回る役者を見つめる観客のように、どこか楽しそうだった。
まるで居酒屋の雑談をしているかのような緩い態度で鼻をほじっていた。
銀時「こりゃやっかいだよ〜。特殊性癖ってそうそう治らないからね。」
フラッシュがさらに激しく焚かれる。記者たちは一斉にペンを走らせた。
——そして、次の瞬間。
銀時「犬のクソに群がるハエを追い払うぐらいに大変だからね!」
「!?!?」
会場の空気が一気に凍る。
記者たちはペンを止め、一瞬息を呑んだ。
その中で、一人の記者が顔を引きつらせながら叫ぶ。
記者「それ自分の生徒さんたちが犬のフンになってますけど!? いいんですか!? 先生として大丈夫なんですか!?」
銀時は涼しい顔で肩をすくめる。
銀時「まぁとにかく、隣のイシヘンジン(※ユウカ)みたくなりたくなかったら、さっさとこの件から——」
バキィッ!!
銀時の首に、強烈な締めつけが襲う。
ユウカが無言のまま銀時の首を自分の足で締め上げていた。
銀時「ぐぉおぉ!? おま、話の途中だって!!?」
ユウカの瞳が鋭く光る。
ユウカ「誰がイシヘンジンですかぁぁぁぁ!??」
彼女の声が響く中、会場の記者たちはざわめき、カメラがその瞬間を逃さまいとシャッターを切り続けた。
そんなカオスな状況の中——。
記者「くっ、ふざけーー」
——突然、鋭い声が会場を突き破った。
???「いい加減にしてください!!!」
その瞬間、会場全体が静まり返る。
壇上に立ち上がったのは、一人の眼鏡をかけた女子生徒だった。
その知的で凛とした姿勢は、まるで会場の空気そのものを律するような威厳を感じさせる。
彼女の名は——
奥空アヤネ(アビドス高等学校)
背後には、シロコが静かに立っていた。
片手でスマートフォンを掲げ、会場の様子を映像として記録しながら、もう片方の手には銃が握られている。
——その指は、いつでも引き金を引ける位置にある。
場の空気は完全に変わった。
アヤネ「今回はあくまで質疑応答。我々の意見を述べる場では無いのです!!」
彼女の言葉に、会場の記者たちは一瞬たじろぐ。
——しかし、次の瞬間。
他の記者たち「そうだ!!」
他の記者たち「いい加減にしろ!!」
場内から怒号が上がる。
記者たちの一部がロボット記者の方を睨みつけ、場の雰囲気が一気に変わる。
ロボット記者はたじろぎ、わずかに後ずさる。
ロボット記者「ぐっ……」
まるで狩人から追い詰められた獣のように、その金属製のボディがわずかに震えていた。
——その様子を見ながら、ノアが小さく微笑む。
ノア「すごいですね……銀さん、まさかこれを狙って?」
銀時はニヤリと笑いながら、懐から一本の扇子を取り出す。
パサリ——と音を立てて開かれたその扇子には、たった一言——
『糖然』
と、大きく書かれていた。
——その意味に気づいたノアの口元が、クスッと笑みを浮かべる。
会場のカオスを、銀時はものの数分で支配したのだった——。
会場の熱気は最高潮に達していた。
銀時の登場により、場の雰囲気は一度混沌としたものの、今は再び本題へと戻りつつある。
壇上のユウカとノアが冷静に対応し、記者たちはその言葉の一つ一つを記録しようと、ペンを走らせていた。
そんな中——。
司会「そ、それでは次の方、挙手をーー」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、まっすぐに手が挙がる。
アヤネ「はい。」
その声は鋭く、冷静で、確かな自信に満ちていた。
壇上の視線が彼女に向けられる。
アヤネ「アビドス高等学校一年対策委員会所属、奥空アヤネです。」
会場の記者たちがざわめく。
彼女の背後では、シロコが静かに立ち、スマートフォンを片手に会場の様子を録画している。
まるで、この場のあらゆる出来事を記録しつつ、
何かあれば即座に行動に移す準備をしているように見えた。
そんな状況の中、アヤネは鋭い眼光を壇上のユウカとノアへと向け、質問を放つ。
アヤネ「リオ会長が横領を行い、都市を造ったとのことですが——」
アヤネ「どれほどの金額を横領したのか、何故都市を建設するほどの金額が横領されていたのにも関わらず気付くことが出来なかったのか、そして今後の対策について、教えられる部分だけで構いませんので。」
彼女の言葉に、会場が静まり返る。
ユウカが軽く息を整え、マイクを持ち直した。
ユウカ「横領された金額について細かいところまで教えることはできませんが——」
ユウカ「セミナーのおよそ一年半分の予算に相当するほどの金額が横領されたとみています。」
会場の記者たちがどよめく。
一年半分——それほどの巨額が、いつの間にか消えていたというのか。
ノア「私たちの所属しているセミナーの大元の仕事は、会長であるリオから各部署に仕事を割り振られた状態で届きます。」
ノア「おそらく、仕事を各部署に委託する前に偽装していたのでしょう。」
ノアの言葉に、記者たちのペンが一斉に走る。
ノア「それも、我々に気づかれないように少しずつ横領していたのも、発見が遅れた原因だと思います。」
ノア「対策として、今後は直接仕事を委託するシステムを構築していこうと思います。」
ノアの冷静な分析に、アヤネはゆっくりとうなずく。
アヤネ「ありがとうございます。あと、お話を聞いて思ったのですが……」
彼女は少し間を置き、慎重に言葉を選びながら続けた。
アヤネ「いくら分割しながら横領していたとはいえ、都市を建設するほどの金額だと、大きな異変に気づくのではないでしょうか? 会計の仕事として見落としがあったということはーー」
アヤネの言葉に、ユウカの目が鋭く光る。
ユウカは、一瞬視線を伏せた後、静かに答えた。
ユウカ「実はミレニアムでは、リオ会長の横領以外にも、多額の金額を横領する生徒がセミナーにいまして——」
その言葉に、会場の空気が再び変わる。
記者たちの顔がわずかに強張った。
ユウカ「その生徒によって、お金の流れがかなり変化してしまうのです。」
ユウカ「そして、その横領癖のある生徒さんに聴取しても、横領した金額を覚えていないとのことで……私たちは、その処理に追われていました。」
会場がざわめく。
銀時が、小声でぼそっと呟いた。
銀時「そいつがいれば俺もパチンコしなくて済むんじゃ………。」
ノアがマイクを持ち、静かに続ける。
ノア「リオはそこまで見通した状態で、このようなことを行なったのでしょう。」
ノア「そして、その生徒さんは——」
ノア「コンピュータシステムの暗号だろうと、物理的な暗証番号だろうと関係なしに、どんなに複雑なものでも感覚的に解いてしまう特異な能力を持っています。」
ノアの言葉に、記者たちの手元のペンが一斉に走る。
ノア「それに加え、セミナーの機密情報を持っているため、矯正局送りにすることもできません。」
ノア「何度拘束しても抜け出しては横領を繰り返すので——」
ノア「そこの対策はできません。ので、ご理解をお願いします。」
会場の記者たちが一斉に顔を見合わせ、心の中でこう思った。
『セミナーの生徒じゃなくて良かった……』
その異常な状況に、アヤネは一瞬絶句する。
そして——。
アヤネ「……あ、あ〜なるほど……」
視線を横に移し——
シロコを見る。
シロコ「?」(無表情のまま録画を続けながら、首を傾げる)
アヤネは、言葉を飲み込むように小さく息をつき、最後に一礼した。
アヤネ「ありがとうございました。」
司会「それでは、次のーー」
シロコ「ちょっと待った。」
司会「!?」
突然の制止に、司会の生徒が驚く。
シロコはスマートフォンの録画を止め、カメラを下ろし、まっすぐ壇上を見つめた。
——その瞳が、わずかにキラキラと輝いている。
シロコ「私にやらせて。」
緊張感が張り詰めた会場。
しかし、その空気は次の瞬間、思わぬ方向へと転がっていく。
司会「えっと〜どうしましょうか?」
突然の申し出に、司会の生徒は困惑し、視線を壇上の面々へと向ける。
しかし、その横で銀時が即答した。
銀時「いや、あいつはダメだ。絶対ロクなーー」
シロコ「ん、銀ちゃん? 私に聞かれてやましいことでもあるの?」
静かに、だが鋭く詰め寄るシロコ。
無表情ながら、そのキラリと光る瞳はまるで尋問官のようだった。
銀時「い、いや〜そういうわけじゃ……」
額に汗が滲む銀時。
その様子を見た記者たちが、突然一斉に騒ぎ出す。
記者「そうだ! やましいことがあるんだろ!?」
記者「質問に答えろ!!」
ガヤガヤガヤガヤ!!
銀時の一言が完全に裏目に出た。
会場は一気にヒートアップし、カメラのフラッシュが激しく焚かれる。
司会「仕方ありません……先ほどは助けられましたし、どうぞ。」
司会の言葉に、銀時は絶望した表情を浮かべる。
銀時「(やっちまった……)」
一方、指名を受けたシロコは、無表情のまま立ち上がり、静かにマイクを持つ。
シロコ「リオ会長が横領した方法を、細かく教えてほしい。」
会場の人々「は?」
突拍子もない質問に、会場全体が沈黙する。
——そして、銀時は頭を抱えた。
銀時「(やっぱりダメだこいつぅぅぅ!!)」
ユウカが恐る恐る口を開く。
ユウカ「すいません……それを知って、どうするのか聞かせてもらっても?」
シロコは一瞬間を置き、こくりと頷く。
——そして、静かにバッグから何かを取り出す。
銀時の背筋がゾクッとした。
(ま、まさか……!!)
——シロコが頭に被ったのは、「2」と書かれたマスク。
シロコ「銀行強盗の参考にする!」
キラキラした目で宣言。
アヤネ「シロコ先輩ィィィィ!!!」
アヤネの悲痛な叫びが会場に響き渡る。
銀時「おいィィィィ!!」
銀時が絶叫しながらマイクを叩く。
銀時「お前何考えてんだよ!!キヴォトス中に報道されてる中、銀行強盗宣言したって、すぐに対策されて終わるに決まってんだろうが!!」
シロコ「……あ、確かに。」
ポンッと手を叩き、妙に納得するシロコ。
アヤネ「確かにじゃないですよシロコ先輩!!」
彼女は必死にシロコの肩を掴み、言葉を続ける。
アヤネ「このままじゃ私たちにも変な疑いがかけられて、キヴォトス中の警察を相手しないといけなくなりますよ!!」
しかし——
シロコ「ドンとこ〜い。」
片手を天に翳して堂々と宣言。
会場の空気が、凍りついた。
その姿は、まさに——
上田教授。
アヤネ「上田教授じゃないんですよ!?」
アヤネは全力でツッコんだ。
アヤネ「そもそもあの上田も、いざ超常現象に遭ったら何もできないから、尚更説得力ありませんって!!」
銀時「そうそう!!アイツは赤子でも分かりそうなマジックも見破れなくて、助手の山田が解いたことをあたかも自分が解いたかのように思わせる事しか出来ない巨根のマダオだからね!!」
会場が混乱に包まれる中——。
——バンッ!!
ドアが強く開く。
会場の視線が一斉に入り口へと向く。
そこに立っていたのは——
セリカ「シロコ先輩!!」
彼女の顔には明らかに怒りが滲んでいる。
その後ろから、ゆったりとした口調で、もう一人の少女が姿を現した。
ノノミ「すいませ〜ん。ウチの子がご迷惑をおかけしたみたいで〜⭐︎」
——その瞬間、会場全体が沈黙する。
全員が、一斉に彼女を見つめた。
その包容力に満ちた声、その穏やかな笑顔、その落ち着いた仕草。
——そして、会場にいる全員が思った。
『お母さん!?』
会場の空気が、別の意味で引き締まった。
こうして、史上最もカオスな記者会見は、さらなる混乱へと突き進んでいく——。
混乱が続く会場に、さらなる騒動の火種が舞い込んできた。
——ガチャッ。
会場のドアが再び開く。
続いて入ってきたのは——
ピンク髪の幼児体型の少女。
その姿に、会場の視線が一斉に向けられる。
彼女は、どこか気だるげな口調で、のんびりとした声を響かせた。
ホシノ「みんな〜、動きが早くて困るよ〜。」
フラッシュが焚かれ、記者たちが急いで彼女の姿をメモする。
そんな中、ホシノの目が壇上の銀時に留まった。
ホシノ「あっ、銀ちゃんだ!」
ホシノは軽く手を挙げながら、どこか懐かしそうに銀時を見つめた。
ホシノ「私たちは退散するけど〜、頑張ってね〜。」
ホシノ「コラ、シロコちゃん。後で正座でお説教だよ〜。」
その言葉に、会場がまたもや静まり返る。
——だが、それはホシノの説教の仕方のせいだった。
彼女の声には、全く威圧感がない。
まるで、日曜日に親戚のおじさんが昼寝しながら子供を注意しているかのような、ゆる〜い空気が漂っていた。
そして、会場の全員が同じことを思った。
『し、親戚のおじさん!?』
ホシノ「アヤネちゃんからーー」
ズコォォォォォ!!全員がお前ヶ叱るんじゃないんかい!と言わんばかりにこけた。
——その異様な説教を受け、シロコは静かに膝をついた。
シロコ「む、無念……」
アヤネ「し、失礼しましたァァァァ!!」
アヤネは勢いよく頭を下げ、全員でシロコを引きずるようにしてその場を後にする。
ホシノたちが退場すると、ようやく静寂が訪れた。
しかし、その余韻を味わう暇もなく、壇上のユウカがぼそりと呟いた。
ユウカ「なんか……」
ノア「嵐みたいな人たちでしたね……。」
その言葉に、銀時が腕を組んで少し考え込む。
——そして、ぽつりと呟いた。
銀時「アビドスの砂嵐って**アイツらのせいじゃね?**って思い始めてんだけどーー」
ノア「ありますね。」
ノアが即答する。
しかし、ユウカは納得できないようで、眉をひそめる。
ユウカ「いや、科学的に考えてあり得ないでしょ!?」
銀時 & ノア「…………」
二人が、無言のままユウカをじっと見つめる。
ユウカ「……何?」
銀時 & ノア「はぁ〜。」
同時に深いため息をつく。
ユウカ「何? ほんと何が気に食わないのよ!?」
ユウカが苛立ちながら詰め寄るが、銀時とノアは目を逸らしながら肩をすくめた。
——しかし、そんな会話の最中、またもや新たな展開が待っていた。
司会「コホン! き、気を取り直して……他に質問はーー」
その言葉が終わるや否や、またもや一人の男が手を挙げた。
その男は、トリニティ支部の制服を着た、真面目そうな顔の男だった。
山崎「真選組トリニティー支部の監察方、山崎です。」
その名を聞いた瞬間、銀時の表情が曇る。
しかし、山崎はそんな銀時の様子などお構いなしに、鋭い質問を放った。
山崎「あの**ピーさん(タマさん)**って方、いますか?」
一瞬、空気が張り詰める。
司会の生徒が戸惑いながら答える。
司会「すいません。実名はちょっと……」
山崎「すいません。じゃあ、万事屋の旦那に聞きたい。」
——そして、山崎はとんでもない爆弾を投下した。
山崎「その女性とのお見合いはいつですか?」
銀時「知るかァァァァ!!」
突然の質問に、銀時の叫びが会場に響き渡る。
フラッシュの嵐、記者たちのペンが激しく走る。
銀時「お前何しに来たんだよ!! ここは記者会見の場で、お前のお見合い会見の場じゃねぇんだよ!! 大人しくあんぱんでも食ってろ!!」
しかし、山崎は冷静に答えた。
山崎「あんぱんじゃありません。」
次の瞬間——
山崎は手にモザイクのかかったドロドロした物体を持ち上げる。
会場が静まり返る。
記者たちがざわめき始める。
銀時が、額に汗を滲ませながら尋ねる。
銀時「……お、おい。それ、何だよ。」
山崎「もんじゃです。」
銀時の眉が跳ね上がる。
銀時「どっちでもいいわ!!」
銀時「てか、もんじゃってそんなモザイクかかってたっけ!? そんな見せられないような物だったっけェェェ!?」
——その時。
会場の入り口から、一人の男がゆったりと歩み出た。
片目の眼鏡をかけ、エリート然とした白い制服を纏う男。
佐々木異三郎(見廻組局長)
彼は静かに口を開いた。
佐々木「いえ、それはもんじゃではありませんよ。」
銀時が、驚いた顔で振り返る。
佐々木「ただの嘔吐物です。」
ドサッ。
——山崎が両手のもんじゃ(嘔吐物)をエチケット袋に入れる。
会場が凍りつく。
しかし、佐々木は涼しい顔で、まるで何事もなかったかのように続けた。
佐々木「久しぶりです、坂田さん。そんなあなたにエリートから質問があるのですが——」
佐々木「メル友のヒナさんが、"いつになったらメールを返してくれるの?" だそうですよ。」
佐々木「乙女を泣かすとは罪ですね〜。」
——銀時は、一瞬、言葉を失った。
そして、静かに拳を握りしめる。
銀時「罪はテメェだろ、ネト中(ネット中毒)エリート!!」
銀時「テメェら一体何だと思ってんだよ!! ここは交流の場じゃねぇの、運営と記者の戦場なんだよ!!」
しかし、佐々木は相変わらずの落ち着いた態度で微笑む。
佐々木「戦場であれば、いや、どこでも必要ですよ。報告は……**ほうれん草(報告・連絡・相談)**は社会の基本です。エリートであれば欠かさず行いますよ。」
銀時「うるさいよ。場も弁えずに関係ねぇ質問しかしねぇ奴にエリートの資格なんてねぇよ。」
銀時が吐き捨てるように言ったその時——。
ユウカ「グヌヌ……」
銀時の横で、ユウカが不機嫌そうに顔を歪めている。
ノア「ユウカちゃん、抑えて抑えて。」
ノアが小声でなだめるが、ユウカの目はどこか嫉妬に満ちていた。
——しかし、そのやり取りを遮るように、また新たな動きがあった。
沖田総悟(真選組・一番隊隊長)が、マイクを取る。
沖田「じゃあ、そこのダメ崎に変わって俺からもーー」
そう言うや否や、沖田は持っていた三枚の写真を、カメラに向けて掲げる。
一枚目:桂がマリオに変装した写真。
二枚目:エリザベスがルイージに変装した写真。
三枚目:ヒフミがピーチ姫になった写真。
会場に再びざわめきが広がる。
沖田「この顔を見かけたら、すぐに真選組トリニティー支部に連絡を——」
銀時「待て待て待てぇぇぇ!!」
銀時が飛び上がるように叫ぶ。
沖田「なんでぃ、旦那? 今回は真面目に調査協力のお知らせをーー」
怒りに震えながら叫ぶ。
銀時「どこが真面目だよ!! もうその三人はここにいねぇんだよ!! 今頃クッパから姫さん助ける冒険に出てるわ!!」
会場が一瞬静まる。
——しかし、次の瞬間。
沖田「マジすか? じゃあアイツらマジの詐欺師だ。」
そう言いながら、沖田はポケットからNintendo Switchを取り出し、ニヤリと笑う。
沖田「次会った時はサインもらってから地獄コースを準備しおきまさぁ、マリ○メーカー2で。」
沖田「どうせ、蘇るんだから構わねぇはずだ。」
銀時は、ガッと沖田の襟元を掴みながら叫ぶ。
銀時「そんなに会いたいなら、前回の会見に行けばよかっただろ!!」
沖田「あー、じゃあ無理だ。」
あっさりとそう言う沖田。
沖田「前回は土方の野郎が行ったんだ。」
沖田「目からマヨネーズしか出てなかったんでしょう。」
銀時心の中『オメーも同じようなもんだろうが!! あんな長髪のマリオも、プラカードで喋るルイージもいなぁっつーの!!』
——しかし、騒動はここで終わらなかった。
スミレ(運動部)「トレーナー!! 私の呼び名をイマジンから変えて欲しいのと、パヴァーヌでの活躍をもうちょっと描いて欲しいです!!」
銀時「おい、今度はなんだよ!?」
さらに、もう一人が手を挙げる。
イチカ「私は頼まれただけっスけど、ヒフミさんの日常物語を描いて欲しいとティーパーティから要望がーー」
会場がまたもや騒がしくなる。
ガヤガヤガヤガヤ!!
記者たちが一斉にメモを取り始め、会場はカオスと化す。
銀時はついに限界を迎えた。
銀時「ギャーギャーやかましんだよ!! もうなんの会見かわかんねぇじゃねぇかァァァァ!!」
彼の叫びが、会場全体に響き渡る——。
——記者会見、完全崩壊。
もはや、この場に本来の目的を覚えている者はいないのかもしれない……。
カオスと化した会場で、ユウカはついに耐えきれず叫んだ。
ユウカ「もう、どうしてこうなるのよ!? ノア、止めるわよ!!」
ノア「仕方ありませんね……。」
二人は覚悟を決めて立ち上がる。
しかし——
司会「あのー、質疑応答がコントみたくなって収拾がつかなくなってるんですが……皆さん、落ち着いてください!!!」
——司会の必死の叫びもむなしく、会場のガヤガヤは止まらない。
フラッシュの嵐、記者たちの騒ぎ声、各方面からの無秩序な発言。
そんな中——
ひたすら手を挙げ続ける女性が一人。
陸八魔アル(便利屋68)
アルは、目を閉じたまま、ひたすらカッコつけながら手を挙げていた。
——しかし、誰も当ててくれなかった。
まるで影が薄いモブキャラのように扱われている。
彼女の瞳から、一筋の涙が頬を伝う。
(どうして当てられないの!?)
(というか、もう会見でもなんでもなくなってるじゃない!?)
そんなアルに、隣から声がかかる。
ムツキ「まぁまぁ、気長に待たないとねぇ、アルちゃん?」
カヨコ「いや、待ちすぎでしょ……社長、もう帰る? もうアピールの機会もなさそうだし……。」
アル「いやよ!! ここで鋭いことを聞いて、ドッカーンと便利屋のイメージを上げないとーー!!」
その時——
ハルカ「そうですね……。」
アルの背後から、冷静な声が響く。
アルが振り向くと、そこには狂気じみた笑みを浮かべるハルカが立っていた。
アル「……ハルカ?」
ハルカ「アル様が活躍できない会見なんて………いりませんよね?」
そう言いながら、ハルカは静かに爆弾を取り出し、スイッチに指をかける。
「「「え?」」」
周囲の全員が固まる。
ムツキ「クフフ、良かったねぇ〜アルちゃん? 確かに会見をドカーンってできれば、イメージが付きやすくなるよ?」
カヨコ「いや、ドカーンと下振れるの間違いじゃない?」
——そして、その頃、天井では別の動きがあった。
天井に潜む影
会場の梁の上——
そこに、一人の狐のお面をつけた女性がいた。
???「あなたが、困ってしまっている。嗚呼……あなた様を苦しめるような者は排除しなければ……。」
その静かな声は、しかしどこか狂気じみていた。
——————
会場——爆発、そして絶叫。
アル「ハルカ、ちょっと待っ——」
ハルカ & 狐のお面の女「ポチ。」
バチバチバチバチ……
会場の人々**「え?」**
——ドッカーン!!!
「うわァァァァァァァァ!!!」
巨大な爆発音が鳴り響き、会場全体が混乱の極みに達する。
その日の夜——シャーレの下、スナックお登勢にて
薄暗い店内。ほんのりと灯るカウンターの明かりの下、スナックお登勢にはいつものように馴染みの客が集まっていた。
——しかし、その中に、ひときわ異様な姿をした男がいた。
銀時。
彼は爆発のせいで黒焦げになり、アフロ頭になっていた。
まるで新手のソウルシンガーのような髪型で、カウンターに座る銀時を見て、
ママであるお登勢が呆れたように声を上げる。
お登勢「なんだい、あの会見は?」
お登勢はタバコの煙をふっと吐き出しながら、銀時を睨みつけた。
お登勢「はちゃめちゃじゃないかい!」
銀時はぐったりとした様子で、煙が上がる自分のアフロを手で軽く払う。
銀時「しゃあねぇだろ? 変な奴しかいなかったんだよ。」
カウンターの向こうでは、キャサリンが薄目で銀時を見ながら、
いつもの調子で皮肉っぽく言う。
キャサリン「ソコノアフロ頭ノマダオニハ、言ワレタクナイと思マスケドネ?」
銀時「オメーに言われたかねぇよ、猫耳ババァ。」
キャサリン「ナンダト!!」
銀時とキャサリンが小競り合いを始める中、お登勢は呆れたように肩をすくめた。
お登勢「で、どうなったんだい? あの子たちの学校は。」
銀時は、軽くため息をつくと、面倒くさそうにグラスの氷を揺らしながら答えた。
銀時「あー、アイツらは……」
———————
セミナーの部屋
爆発事件から数時間後、セミナーの部屋では、ユウカが机に突っ伏していた。
ユウカ「あー……大変な目にあったわね〜……。」
ユウカの疲れた声が、静かな部屋に響く。
——あの混沌とした会見を思い出すだけで、頭が痛くなりそうだった。
ユウカ「今回こそ、経営がーー」
その時、ノアが画面を見て、ふと動きを止めた。
ノア「!?」
ノアの顔色が変わる。
彼女はすぐにユウカの肩をトントンと叩いた。
ノア「ユウカちゃん?」
ユウカ「……何?」
ユウカが顔を上げると、ノアが指差すモニターには——
ミレニアムの株価が急上昇しているグラフが映し出されていた。
ユウカ & ノア「やった〜!!」
二人は思わず二人でジャンプして抱き合った。
———————
スナックお登勢——再び
銀時は、ニヤリと笑いながらグラスを傾ける。
銀時「どうやら、あの会見で横領やらなんやらどうでも良くなった視聴者が多くなって、**"大喜利番組を見てる感じで久しぶりに楽しめた"**とか、」
銀時「"やり直し会見とかいうお葬式モードの会見を盛り上げられる先生がいるなら、生徒さんも楽しくて嫌なことも忘れるよ" って、肯定的に捉える奴らが増えて、赤字は回避できたようだぜ?」
お登勢は煙草をくわえながら、ふっと笑う。
お登勢「へぇ〜、人間万事塞翁が馬。何が起こるか分かんないもんだよ。」
銀時「なぁ、ババア。」
銀時は、どこか悪戯っぽく、お登勢を見上げながら言う。
銀時「今までの借金ーー」
お登勢がジロリと銀時を睨む。
——そして、一瞬の沈黙の後。
お登勢「減らさないよ、このバカ。」
銀時は、盛大に崩れ落ちた。
——やはり、世の中そんなに甘くはない。
教えて!銀八先生!!
銀八「はーい11月ぶりの坂田銀八でーす。」
銀八「今回は……え?お登勢はいつからあそこに?だって」
銀八「それはな、赤りんごが赤い〜とか、パフェは甘い〜みたいに当たり前のことだろうが。」
銀八「分かった。分かった。教えてやるから……」
銀八「実際にはアビドス篇の後半からは居たんだけど〜作者が話に組み込めなかったらしくて……こうなったらしい。」
銀八「そして、タマはお登勢とミレニアムを行き来して交代で働いているらしい。」
銀八「おまけに……ソラって中学生も働いているらしいよ〜。なんなら、キャサリンの奴より働いて信頼厚いらしい。」
銀八「、ていうか何だよ。そのおでこ、鏡かな、いや鏡だよな!?何もかも映し出しそうで怖いんだけど!?」
銀八「っていう事でまぁ……お知らせはお終い。それじゃあみんな一緒に廊下に立ってなさい!!」
〜透魂〜第一回キャラクター人気投票
-
銀時
-
新八
-
神楽
-
沖田
-
土方
-
山崎
-
高杉
-
桂
-
定春
-
エリザベス
-
ホシノ
-
シロコ
-
ヒナ
-
アコ
-
ミカ
-
ナギサ
-
セイア
-
ユウカ
-
ノア
-
近藤