透き通る世界を照らす銀魂(ぎんのたましい)   作:時代に遅れている

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《銀さんからのお願い 部屋を明るくして画面から離れて読むんだぞォォォォ!!》


第六十五訓 バレンタインに浮き足立つ奴みんな死刑で!!

その日のシャーレは、いつもとは違う異様な光景が広がっていた。

 

朝日が差し込むオフィスの中央、そこにあるテーブルの上は、まるでチョコレートの山脈のように埋め尽くされていた。包装紙の輝きがまばゆく、甘い香りが部屋中を満たしている。

 

――そんな光景を目の当たりにし、新八の目はまるで皿のように見開かれた。

 

新八

「銀さん……」

 

青筋を浮かべながら銀時を呼ぶ新八に対し、銀時は悠々と椅子に腰を掛け、何やら鼻歌まじりでチョコをつまんでいる。その姿は、まるで戦の勝者が戦利品を前にしているかのようだった。

 

銀時

「何だよ、ぱっつあん?」

 

彼は片手でチョコの箱を開け、ひょいと口に放り込む。

 

銀時

「どうせアレだろ? お通ちゃんが出来ちゃった結婚した~とかのスキャンダル関係に腹立ててんだろ?」

 

新八

「違いますよ!!」

 

銀時

「じゃあ何だよ?」

 

新八

「何って……そのテーブルを埋め尽くさんとするチョコの山は何ですかァァァァ!?」

 

新八は必死にテーブルの上を指差した。そこには、豪華なラッピングが施された高級チョコ、手作りの温かみを感じるものまで、所狭しと並んでいる。

 

銀時はまるで当然のことのように肩をすくめ、悠々と答えた。

 

銀時

「何って見たら分かんだろ? バレンタインのチョコだよ。」

 

新八

「何で銀さんの元にそんな山のようにチョコが来てるんですか!?」

 

新八の叫びにも、銀時はどこ吹く風。指でチョコの包みを軽く弾き、器用に開けながら呑気に言った。

 

銀時

「おいおい、自分が一つも貰えてないからって嫉妬はいけないよ嫉妬は。」

 

新八

「嫉妬じゃないですよ!! っていうか、銀さん毎年そんなにモテてましたっけ!? 前回のバレンタインだってせいぜい友チョコ止まりでしたよね?」

 

新八は、去年の銀時の惨状を思い出しながら言った。たしか、せいぜい神楽からの「家族チョコ」と、たまの「義理チョコ」しかなかったはず……。

 

それなのに、今年のこの異常なまでのチョコの数は一体何なんだ。

 

新八はふと、テーブルに目をやった。そこに無造作に置かれたチョコの包みには、それぞれメッセージカードが添えられている。

 

――アビドスのホシノ、ゲヘナの風紀委員長ヒナ、トリニティのミカ ミレニアムのユウカ……さらに、山海経など、他の学園の生徒たちの名前がズラリと並んでいる。

 

新八は、思わず後ずさりした。

 

新八

(ま、まさか……これは……偽りでは……ない!?)

 

新八は唇を震わせながら、銀時の方へ振り返る。

 

銀時

「いや〜、皆ようやく銀さんの魅力に気がつき始めたってことだろ。」

 

銀時は得意げに腕を組み、ドヤ顔を決める。

 

銀時

「お前もツッコミという枠から抜け出してちょっとはーー」

 

バァン!!

 

突然、ドアが勢いよく開いた。

 

銀時

「アレ?」

 

新八

「うわァァァァ!!」

 

新八は、信じられない光景を目の当たりにしていた。

 

新八

「嘘だ嘘だァァァァ!! 銀さんにチョコがあんな集まるなんてェェェ!!」

 

――何かがおかしい。これはおかしい。

 

銀時のことだ。もしかして、どこかの店から大量に仕入れたか、あるいは何かインチキして手に入れたのではないか? 疑念が募る新八は、己の疑問を解消すべく、すぐに別の人物に確認を取ることを決意する。

 

新八(心の声)

(そうだ! 桂さんとエリザベスさん! あの二人なら、僕と同じでチョコなんてもらえてないはず……!)

 

―――

 

トリニティ総合学園 補修授業部

新八は息を切らせながら、補修授業部の前へと駆け込んだ。そして、そこにいた桂とエリザベスの姿を見て、目を疑った。

 

新八

「桂さん! エリザベス先輩!……なっ!?」

 

桂は悠然と椅子に座り、その目の前には、何と銀時のものと同じくらいのチョコの山が積まれていた。エリザベスに至っては、プラカードを掲げながらも、どこか誇らしげな雰囲気を漂わせている。

 

「ん? どうしたんだ、新八くん?」

 

エリザベス(プラカード)

『何かあったのか?』

 

新八

「いや……それ」

 

新八は信じられないものを見るような目で、桂の前のチョコを指差した。

 

「あぁ、これか? ヒフミ殿やアズサ殿、補修授業部のメンバーからもらった。チョコというらしい。聞くところによると異性が友情の印として送るものだとエリザベスから聞いたのだが――」

 

桂はチョコを手に取り、しげしげと眺めながら言う。

 

「エリザベスがどうも浮ついていて困っているんだ。」

 

エリザベスはプラカードを掲げ、さらに堂々と宣言する。

 

エリザベス(プラカード)

『真の漢はバレンタインというイベントで恐れることはないのだ。』

 

「どうだ、新八くん。共にこのチョコを片そうでは――」

 

バァン!!

 

新八は、全速力で外へ飛び出した。

 

新八(心の声)

(駄目だ駄目だ! 何かがおかしい! こんなの、世界が狂ってるとしか思えない!!)

 

新八の足は、もはや地面を蹴るというより、浮いているようだった。彼の全力疾走は列車すら追い抜き、ロードバイクに乗ったシロコをも追い越す。

 

そして、彼はついに誰かとぶつかった。

 

新八

「イテテ……すいません。って……」

 

近藤

「イタタ……」

 

新八が顔を上げると、そこにいたのは――近藤勲。

 

新八

「近藤さん!?」

 

近藤の手には、何もない。そう、チョコの欠片すらなかった。

 

近藤

「新八くん!? 良かった~君もどうやらチョコはもらってないようだね?」

 

新八

「ということは近藤さんも?」

 

近藤

「ああ。」

 

近藤は、どこか寂しげに頷いた。

 

近藤

「トシはとっつぁんの娘の栗子ちゃん。他のトリニティーの生徒さんからーー」

 

「総悟のやつは、今までしょっぴいてきた奴らからチョコを大量にもらっている。他の奴らもエデン条約で活躍したかなんかで、少なからずチョコを貰っているようだがーー」

 

近藤

「何で俺には一つもチョコがないんだァァァァ!! 俺だって活躍したよね!? 最終篇での最後は巨大化して体張ったり、アイツの代わりにピーしてあげたりしたのに!!」

 

???

「私も混ぜて貰ってもよろしいですか?」

 

近藤の顔が強張る。

 

近藤

「お、お前は……」

 

新八

「東城さん!?」

 

 

新八と近藤が、己の非モテを嘆いているその時――。

 

???

「私も混ぜて貰ってもよろしいですか?」

 

突如として響いた落ち着いた声に、二人はビクリと肩を跳ねさせた。

 

近藤

「お、お前は……」

 

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       〜♪銀魂〜♪

 

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CM

 

      〜♪びっくり◯ンキー〜♪

 

湯気の立つ皿がテーブルに並べられる。香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、胃袋が期待に震える。

 

片栗虎「ジューシーなザンギ」

 

衣は黄金色に輝き、ひと口噛めばカリッと砕け、中からあふれる肉汁が舌の上を踊る。衣が絶妙な歯応えを生み出し、噛むたびに濃厚な旨味が広がっていく。

 

「タルタルソース」

白と黄色のコントラストが美しいソースをそっとまとわせる。まろやかさと酸味のバランスが絶妙で、ザンギのコクをさらに引き立てる。口の中に広がるクリーミーな風味が、幸福感をゆっくりと押し寄せさせる。

 

「コクのある味噌ダレの回鍋肉」

熱々の鉄板の上で、艶やかな味噌ダレがキャベツと豚肉に絡みつく。箸を入れれば、しっとりとした肉とシャキシャキの野菜が織りなす食感が楽しめる。甘辛い味噌の香りが鼻をくすぐり、食欲をさらにかき立てる。

 

「この組み合わせ〜。」

熱気とともに立ち昇る芳醇な香りが、胃袋をわしづかみにする。まるで絶妙な旋律を奏でるオーケストラのように、それぞれの味が調和し、ひとつの美味なる旋風を巻き起こす。

 

「ご飯が進むゥゥゥ!」

白米を口に運ぶたびに、味噌の深み、タルタルのまろやかさ、ザンギの香ばしさが渾然一体となり、無限のループへと誘う。箸が止まらない。止まるはずがない。

 

「あ〜おじさんも家族で食べに行きたくなっちゃった!」

脳内には、食卓を囲む家族の笑顔が浮かぶ。みんなで頬張り、幸せを噛みしめる——そんな光景が鮮やかに広がる。

 

「おいそこの読者ど〜も!3秒以内に食べに行け」

言葉はまるで雷鳴のごとく響き、心を激しく揺さぶる。

 

「じゃないとこいつ(銃)をぶっ放す。」

無機質な金属の冷たい光が、一瞬、闇にきらめく。

 

「はい。い〜ち」

 

——鼓動が高鳴る。

 

ドカァァン!

 

夜空を切り裂く轟音が響き渡る。

 

真撰組メンバー「二と三はァァァァ!?」

 

声が響き渡る。額に汗を浮かべ、困惑した表情の隊士たちが、答えを求めるように上官を見つめる。だが、返ってきたのは——

 

松平片栗虎「知らねぇ〜なぁ。男は一だけ覚えておけば生きていけるんだよ」

 

彼は不敵な笑みを浮かべ、煙草の煙をくゆらせながらグラスを傾ける。

 

 

       〜♪びっくり◯ンキー〜♪

 

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        〜♪銀魂〜♪

 

 

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新八

「東城さん!?」

 

 

 

暗闇から静かに姿を現したのは、東城歩だった。彼は相変わらず涼しげな顔をしており、しっかりと整えられた髪は崩れていない。しかし――彼の手にも、やはりチョコの影はなかった。

 

東城

「やはりお二人もでしたか……この非情なるバレンタインという戦場で、我々が敗北を喫したということですな……」

 

東城は悲しげに目を閉じ、ゆっくりとため息をついた。

 

近藤

「いや、何が『やはり』だよ!? つーか、お前くらいなら誰かしらチョコのひとつやふたつ貰えんだろ!! なんでそんな顔してんだよ!?」

 

東城はゆっくりと首を振った。

 

東城

「……いえ、私は今年も、誰からもチョコを頂けませんでした。」

 

新八

「えっ!? そ、そんな……東城さん、百鬼夜行に知り合いだって多いでしょう!? シズコちゃんとか、フィーナさんとか、チセさんとか……九兵衛さんからは!?」

 

東城

「……それが、若からも何も頂けませんでした……」

 

新八 & 近藤

「「えええええええええ!?」」

 

二人の驚愕の声が、街の中を木霊する。

 

新八

「いやいやいや!! いつもあれだけ『若、若』言ってんのに!? どういうことですか!?」

 

東城は哀しげに遠くを見つめながら、ポケットから懐かしそうに小さなフォトフレームを取り出した。そこに映っていたのは――

 

回想シーン

 

――色鮮やかなネオンが輝く繁華街。怪しげなビルの中に消えていく東城の姿。

 

「お客さん、いらっしゃ~い♡」

 

艶やかな衣装を身にまとった女性たちに囲まれ、東城は満面の笑みでグラスを傾ける。

 

「いやはや、今日は楽しくなりそうですな……!」

 

彼は腕を組まれながら奥へと案内され、派手な照明が瞬く室内に消えていく。

 

新八(回想を見ながら)

「ちょっと待って!? これ、チョコ貰えなかった原因、思いっきり自業自得じゃないですか!? 九兵衛さんたちがくれなかった理由、絶対これでしょ!!」

 

近藤

「お前……若に対する忠誠心どうした!? ていうか、何で回想シーンがこんなキャバクラみたいなとこなんだよ!? 普通、ここは涙ながらの悲しい回想が入るべき場面だろ!!」

 

東城はあくまで冷静に、フォトフレームを仕舞いながら呟く。

 

東城

「私にもわからないのです……なぜ、若はチョコをくださらなかったのか……」

 

新八

「いやわかるでしょ!? さっきの回想見てたら分かるでしょ!!」

 

近藤

「ていうか、お前絶対去年も同じことしてただろ! いや、毎年やってるだろ!!」

 

東城は静かに目を閉じ、首を振った。

 

東城

「そんな……若がチョコをくださらなかった理由が、私の行動にあるとでも……?」

 

新八 & 近藤

「「100%あるだろ!!」」

 

東城は胸に手を当て、深く息を吐き出した。

 

東城

「……ならば、来年こそは……!」

 

新八

「いや反省しろよ!! どうせまた来年も行くんだろ!? 九兵衛さんたちからチョコ貰う気あるなら、まずその遊び癖どうにかしなさいよ!!」

 

近藤

「そうだそうだ! お前も大概だが、俺だってまだ納得いってねぇんだぞ!? 俺、何で一つも貰えてねぇんだ!!」

 

東城

「それはゴリラだからじゃないですか?」

 

さらりと放たれた一言が、夜の静寂を鋭く切り裂く。

 

新八

「ストーカーにフル◯ンも見せてる時点で救いようがないですよ」

 

二人の冷徹なツッコミが、近藤の心をえぐる。

しかし――それでも近藤勲は倒れない。

 

己の信念のために、己の誇りのために。

 

近藤

「おい!みろアレを!!」

 

新八と東城が、近藤の指差す方向を見る。

そこには――。

 

純粋な愛を語らう、一組のカップル

 

女子生徒

「チョコレート作ってみたの。味見してくれないかな?」

 

男性

「ああ、ありがたくいただくよ。」

 

その光景は、まるで青春の輝きそのものだった。

しかし――この三人にとっては、ただの地獄絵図でしかなかった。

 

東城

「お二方聞いたことはありませんか?バレンタインに付き合ったカップルは三日で別れるというジンクスがあるらしいですぞ?」

 

東城は静かに、しかし確実にカップルの心に不穏な影を落とす。

 

近藤

「ヘェ〜それは初耳だな。あっそういえば、俺の知り合いにも別れた奴がいたなぁ〜怖いなぁ」

 

二人の言葉は、夜の風のように冷たくカップルを包み込む。

不吉な前兆を感じたのか、男子生徒が咳払いをしながら言葉を発した。

 

男性

「……コホン、君たち悪いけど、取り組み中なんだよね。少し静かにしてくれないか?」

 

その一言に、新八の眉がピクリと動いた。

 

新八

「……チッすいません」

 

舌打ちが響いた。

 

男性

「今舌打ちが聞こえたが、気のせいだよな、気のせいだよな!?」

 

彼の声には警戒の色が混じる。しかし――。

 

東城

「そうそう気のせいですよ。どうぞ好きにやってくださいリア充ども」

 

そう言い放った瞬間、彼は軽く横を向き―― ペッ!

 

乾いた音が、地面に響いた。

 

近藤

「他にしてほしくないことがあれば言ってくださいね。これでも一応警察なんで。」

 

そう言いながら、同じく ペッ!

 

唾が落ちる音が、まるでカップルへの死刑宣告のように響いた。

 

男性

「まず唾を吐くのをやめろ。」

 

女子生徒は明らかに動揺していた。しかし、気を取り直すように、意を決した表情で彼を見つめる。

 

女子生徒

「き、気を取り直して。あのね。私……あなたのことが好きです!」

 

男性

「ぼ、僕もだよ!今後とも末永くお付き合いをーー」

 

その瞬間――。

 

東城 & 新八 & 近藤

「チィッ!!」

 

三人の舌打ちが、夜空に響いた。

 

男性

「……ば、場所を変えようか」

 

女子生徒

「そ、そうね。」

 

二人はそそくさとその場を去っていく。

 

新八たちは、その後ろ姿を見つめながら――。

 

東城

「ほんといけ好かないですね。男も女も紅葉の如く色づいて」

 

静かに呟いた。

 

新八

「なんか僕たちだけが不幸に感じますね。……なんか余計に腹が立ってきました。」

 

彼の目には、憎悪の炎が宿っていた。

 

近藤

「俺もだ。こうなったら始めるしかないな。」

 

彼らは互いに顔を見合わせる。

 

そして――。

 

新八 & 東城 & 近藤

「バレンタイン妨害工作を!!!」

 

、バレンタインの甘い空気は、一つの影によって濁り始めた――。

 

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       〜♪銀魂〜♪

 

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三人の男たちが、動き出した。

その目的はただ一つ―― リア充を殲滅すること !!

 

新八 & 東城 & 近藤

「バレンタイン妨害工作を!!!」

 

その号令とともに、それぞれが散開。

チョコレートの甘い香り漂うこの夜に、破滅の狼煙が上がった――。

 

第一の作戦、発動

公園のベンチ。

そこでは一組のカップルが、微笑みを交わしながら手作りチョコの交換をしていた。

 

女子生徒

「えへへ……今年は頑張って作ったんだ。食べてみて?」

 

男子生徒

「本当に?嬉しいよ、ありがとう!」

 

その瞬間――。

 

ズシャアアアッ!!!

 

漆黒の影が、茂みから飛び出した。

 

近藤勲、全裸、チョコレート塗れ。

 

女子生徒

「キャアァァァァ!!!」

 

男子生徒

「ゴ、ゴリラだァァァァ!!チョコレートを被ったゴリラがァァァァ!!」

 

近藤(チョコ塗れ)

「ハッハッハッハ!! チョコレートドンキー作戦、大成功だァァァ!!」

 

彼は誇らしげに両手を突き上げ、チョコレートまみれの身体を月光の下に晒した。

その姿は、まさに生まれたての 奇跡 悲劇 。

 

カップルたちは悲鳴を上げながら逃げていく。

近藤はその場に立ち尽くし、勝利の余韻に浸っていた。

 

第二の作戦、発動

商店街の一角。

新八はターゲットをロックオンしていた。

 

ターゲット:手を繋ぎながら歩くリア充カップル

 

新八(心の声)

(……あの二人、公衆の面前で堂々と手なんか繋ぎやがって……!!

 しかもさりげなく指絡ませてんじゃねぇよ!!見せつけか!?)

 

新八の目が鋭く光る。

彼は静かに駆け寄ると―― 突如として二人の間に割って入った !!

 

新八

「お前らァ………」

 

カップルがぎょっとして振り向く。

 

新八

「 公共の場でイチャイチャした罪で―― 」

 

(※そんな罪は存在しません)

 

新八

「 鼻フックデストロイヤーWの刑に処す!!」

 

カップル

「キャアァァァァ!!!」

 

その直後、新八は二人の鼻をフックの如く指で挟み、勢いよく上に引っ張り上げた。

 

カップル

「ぶぎゃァァァァ!!!」

 

絶叫が商店街に響き渡る。

周囲の通行人たちがギョッとした顔で足を止めるが、新八は動じなかった。

これは 正義の執行 なのだから……!!

 

繁華街、ネオンが瞬く一角。

そこに、ひとりの男がいた。

 

東城。

 

彼は静かに高級クラブの扉を押し開ける。

迎えるのは煌びやかなドレスを身に纏ったホステスたち。

 

ホステス

「シャチョサン、いらっしゃ〜い♡ 今日はどんなコースにする?」

 

東城(真剣な表情で)

「 NTRルートで。」

 

(※バレンタイン妨害工作とは無関係です)

 

ホステスがくすりと笑う。

慣れた手つきで東城の腕を取り、静かに個室へと導いていく。

 

彼の回想シーンには、もはや 風俗で遊んでいる映像しか流れていなかった。

 

近藤

「だーーーかーーーらーーー!!」

 

怒りが爆発し、近藤が東城の襟元を掴み上げる。

 

近藤

「お前は一体、何をやってたんだよ!!!」

 

東城は涼しい顔で答える。

 

東城

「いや、私もちゃんと妨害工作をしておりましたよ。」

 

新八が拳を震わせながら叫ぶ。

 

新八

「どこがだァァァ!!やり切った感出してんじゃねぇよ!!

 アンタはただ 性懲りもなく風俗で遊んでただけ じゃないですかァァァ!!」

 

その瞬間―― ゴスッ!

 

新八の蹴りが東城の腹に突き刺さった。

 

東城

「ぐふっ……!」

 

続けざまに近藤が右ストレートを放つ。

 

ドゴォ!!

 

東城

「ぐはァァァ!!」

 

新八

「俺たちが真剣に妨害してた間に、

 お前だけ人生エンジョイしてんじゃねぇェェェェ!!!」

 

近藤

「オマエは何のために生きてるんだァァァ!!!」

 

蹴り、殴り、踏みつけ―― 容赦ない私刑 が行われた。

 

東城、反省(してない)

ボロ雑巾のように倒れ込む東城。

彼は咳き込みながらも、どこか満足げな表情を浮かべていた。

 

東城

「ふっ……それでも、私は リア充よりも甘い時間を過ごした のですよ……」

 

近藤

「コイツ、まったく反省してねぇ!!!」

 

近藤はさらに蹴りを入れ、東城を地面に埋める勢いで叩きのめした。

 

新八は肩を落とし、 すべてを諦めたような顔 で呟いた。

 

新八

「……でも近藤さん、僕たちの行動に意味があったんでしょうか?」

 

近藤が顔を上げる。

 

近藤

「どうしたんだ新八くん? ここまで来て冷静になるなんて、男じゃないぞ。」

 

だが、新八は苦笑いを浮かべながら、指を伸ばした。

 

新八

「見てください。」

 

指の先には、 変わらぬバレンタインの光景。

 

幸せそうに寄り添うカップル。

口元にチョコを運び合う男女。

それを笑顔で見つめる周囲の人々。

 

彼らの努力が―― 全く意味をなさなかったこと を如実に物語っていた。

 

新八の拳が、 虚しく握られる。

 

新八

「見ての通り、僕たちが頑張ってカップル撲滅作戦を実行しても、くっつく奴はくっつくじゃないですか……」

 

「なんか……すべてが虚しいです。」

 

現実逃避 vs 現実認識

近藤の表情が、一瞬にして 絶望 に染まる。

 

近藤

「嫌だァァァァ!!俺はそんな残酷な現実を見たくねェェェ!!!」

 

カップルたちが、次々と 愛を囁き合う。

近藤の耳には、まるで 死刑宣告 のように響いた。

 

そこに 悪魔の囁き が舞い込む。

 

東城

「だから夢に溺れて忘れるのです。」

 

彼は目を細めながら、哀愁漂う声で続ける。

 

東城

「金を払ってカップルがいる感覚を味わうのが、大人の余裕 というものですよ。」

 

近藤のこめかみがピクリと動く。

ゆっくりと東城の顔を睨みつけ、 低い声で言い放った。

 

近藤

「お前は……少し黙っててくれないかな?」

 

東城は無言で遠くを見つめ、 寂しげにため息をついた。

 

悪の元凶に気づく

近藤は 両手を大きく広げ、天を仰いだ。

 

近藤

「あーあ。そもそもこの世界に チョコレート なるものがあること自体がいけないんだ!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、 新八の目が光る。

 

新八

「チョコが無ければ……」

 

次の瞬間――

二人の 目が合う。

 

電流が走る。

名案が生まれる予感。

 

新八 & 近藤

「そうだ!!」

 

チョコ絶滅作戦、発動――。

二人は勢いよく立ち上がった。

次なる標的は チョコそのもの。

 

新八と近藤の バレンタインに対する戦い は、まだ終わっていなかった――。

 

 

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       〜♪銀魂〜♪

 

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ゴリラルート行きたい方最後へ

 

新八と近藤は 決意の拳 を握りしめ、互いに強く頷き合った。

標的は バレンタインの元凶 ―― チョコレート工場。

 

東城は 腕を組みながら静かに歩を進める。

彼だけは 妙に冷静だった。

 

東城

「……なるほど。つまり、愛を育む チョコ を根絶やしにするというわけですね。」

 

新八

「そうですよ! ここで全チョコを消し去れば、カップルなんて出来るはずがない!」

 

近藤

「まさに 愛の終焉作戦 だ!!」

 

東城はふっとため息をつきながら、指を顎に添えて呟く。

 

東城

「しかし、お二方……一つ気になる点があるのですが。」

 

新八と近藤が振り向く。

 

近藤

「何だよ東城。今さら怖気づいたのか?」

 

東城

「いいえ。ただ……」

 

視線の先には、 ありえない光景 が広がっていた。

 

新八と近藤が 東城の指差す方向を、恐る恐る覗き込む。

そこにあったのは―― 甘い香りを放つ、巨大な“それ” だった。

 

しかし、普通のチョコレートではない。

 

工場内の天井に届くほどの 巨大な円筒形の物体。

その表面は艶やかに光り、 滑らかなチョコレートコーティング が施されている。

全体的なフォルムは、どこか見覚えがある形状。

 

そう、それは まごうことなき“アレ” だった。

 

チョコレートでできたジャスタウェイ

新八

「……何でだァァァァ!!」

 

近藤

「ジャスタウェイだ!!どうしてチョコレートでできた巨大なジャスタウェイがここに!?」

 

新八の悲鳴と近藤の叫びが工場内に響き渡る。

だが、 当の東城は落ち着いた様子で頷く。

 

彼は 眼鏡をクイッと持ち上げると、静かに口を開いた。

 

東城

「違いますよ。これはジャスタウェイではありません。」

 

新八と近藤が ゴクリと息をのむ。

東城は ゆっくりとした動作で、堂々と宣言した。

 

東城

「――『バ・レンタウェイ』です。」

 

新八のツッコミ炸裂

新八

「何ですかそのバレンタインからもじっただけの安直な名前!!」

 

新八は思わず 頭を抱えながら 叫んだ。

その叫びにも動じることなく、東城は 悠然とした態度で続ける。

 

東城

「このバ・レンタウェイは、単なるチョコレート製ジャスタウェイではありません。」

 

新八と近藤は 全力で首を横に振る。

 

近藤

「いやいやいや!どう見てもただのチョコでコーティングされたジャスタウェイだろ!!」

 

新八

「そうですよ!!普通のジャスタウェイと何が違うんですか!? そもそもジャスタウェイが何なのか未だによく分かってないのに、さらに謎を重ねるな!!」

 

東城は 静かにため息をついた。

まるで、 全てを悟ったかのような穏やかな表情 で、彼は語り始めた。

 

東城の長話、始まる

東城

「……聞いたことがあります。」

 

彼の口調が 妙に重々しくなる。

 

東城

「まだ、トリニティでアリウスなどの派閥が対立し……いや、そもそもゲヘナと対立するよりもずっと昔のこと――」

 

新八

「あっ、これ話が長くなるやつだ……!!」

 

新八は 今にも崩れ落ちそうな表情で ボソリと呟いた。

 

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東城(ナレーション)

「――かつて、トリニティとゲヘナの領土で 活発に活動していた、今は亡き教団がありました。」

 

東城(ナレーション)

「それは―― ラブキリスト教。」

 

新八

「こらァァァァ!!ちょっと待てェェェ!!」

 

新八の 全力のツッコミが炸裂する。

 

東城

「……何ですか?話の途中なんですが?」

 

新八

「『話の途中なんですが?』じゃねぇよ!! もう少し名前を変えろよ!! 訴えられたら終わるぞ!!」

 

近藤

「仕方ない、その時は俺が 人肌脱いで謝罪してやる。」

 

新八

「アンタはただ裸になりたいだけだろうが!!」

 

東城は 軽く咳払いをし、無視するように話を続けた。

 

教団の理念とバレンタ司教

東城(ナレーション)

「……さて、話を戻します。

この教団は、人々が神を愛をもって信仰することを掲げた団体でした。

しかし、彼らの教えでは “神に向ける愛を人に向けてはならない” という厳格な戒律があったのです。」

 

新八と近藤は 思わず顔を見合わせる。

 

近藤

「へぇ~、案外マジメな団体だったんだな。」

 

東城(ナレーション)

「その教団のトップに立っていたのが トリニティのバレンタ司教。

彼はこの教えを忠実に守りながらも、 貧しい者たちにチョコレートを配る活動をしていたと言われています。」

 

新八

「おお、なんか良い話っぽくなってきたな……」

 

だが―― ここからが本題だった。

 

禁断の恋と裏切り

東城(ナレーション)

「――しかし、バレンタ司教は ある日突然、恋に落ちてしまいます。」

 

新八

「ちょっと待て、いきなり話の路線が変わってきたんですけど!?」

 

東城(ナレーション)

「その相手は、 ゲヘナのチョコレート製造の第一人者、チャーリン。」

 

近藤と新八は 顔を見合わせる。

 

近藤

「ほうほう、つまりチョコレートを配る聖職者と、作る職人の禁断の恋ってわけか。」

 

新八

「……で、それがあのバ・レンタウェイとどう関係してるんですか?」

 

東城は 目を細めながら静かに頷く。

 

東城(ナレーション)

「……問題は、 その関係が教団の信者の一人にバレてしまったことでした。」

 

新八と近藤は ゴクリと唾を飲み込む。

 

東城(ナレーション)

「お二人はすぐに裁判にかけられました。

しかし、お二人はこう釈明しました―― “この愛の熱で神の心を温めようとしただけだ” と。」

 

新八

「ちょっと待って、東城さん。」

 

東城は 冷静なまま 返す。

 

東城

「何ですか?」

 

新八

「……あの、さっきから気になってるんですけど。」

 

東城が 何のことだ? という顔で首をかしげる。

 

新八

「その、回想シーンの中で…… 愛を語ってるはずの二人が思いっきり殴り合ってるんですけど!?」

 

バレンタ司教

「お前がヘマしなければバレなかったんだ!!」

 

チャーリン

「はぁ!?アンタが警戒もせずにノコノコと会ったりするからいけないんでしょ!!」

 

バチィィィィィン!!!(互いの顔を全力でビンタ)

 

新八

「こんなんでよく “愛の証明” なんて言えましたね!?」

 

ゲヘナとトリニティの因縁の始まり

東城(ナレーション)

「――その後、裁判で有罪を受けた二人は それぞれゲヘナとトリニティへ戻り、互いを軽蔑し合うようになりました。」

 

 

東城(ナレーション)

「そして この二人の確執こそが、ゲヘナとトリニティの対立の始まりだったのです。」

 

新八

「ちょっと待って!!エデン条約篇で語られた因縁の始まりって、こんなにどうでもいいことだったんですか!?」

 

東城は あくまで冷静な顔を崩さず に話を続ける。

 

東城

「ともあれ、裁判の結果 二人は有罪 となり、それぞれ ゲヘナとトリニティへ帰ることを命じられました。」

 

東城

「……しかし、それが悲劇の始まりでした。」

 

争いの火種、そしてジャスタウェイへ

東城

「二人はそれぞれの学校へ戻った後、互いに軽蔑し合うようになった のです。」

 

新八

「……なんか、急に恋愛の話が憎しみの話に変わってるんですが。」

 

東城

「その影響は、次第に 両国の間にも広がっていきました。」

 

新八 & 近藤

「……まさか。」

 

東城は 静かに頷く。

 

東城

「そう、ここから ゲヘナとトリニティの対立が始まったのです。」

 

新八

「ちょっと待って、エデン条約編の因縁の始まりってそんな どうでもいいこと だったんですか!?!?」

 

東城は 神妙な表情を浮かべながら、さらに話を続ける。

 

東城

「そして二人は……人生の最後の瞬間まで仲直りすることはなく……。」

 

東城

「二人の怨念が、チョコレートとなって形を成したのです。」

 

東城

「――これこそが、特級呪物…… バ・レンタウェイ の誕生の瞬間だったのです!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

新八と近藤の絶望

二人は 顔を青ざめながら巨大なバ・レンタウェイを見上げた。

 

新八

「いや、どんな経緯で誕生したんだよコイツ!!」

 

近藤

「おい東城、何でそんなヤバいモンが目の前にあるんだ!!」

 

東城は 首を傾げる。

 

東城

「……さぁ? 愛の力、恐るべしですね。」

 

新八 & 近藤

「どんなチョコレートだァァァァ!!」

 

新八と近藤は 顔を青ざめながらバ・レンタウェイを見上げた。

 

そして―― その表面がゆっくりと動き出す。

 

バ・レンタウェイ、起動開始

ウィィィィィィン……!!

 

突如、バ・レンタウェイの頭部から 赤い光が灯る。

ゴゴゴゴゴ……と、鈍い振動が響く。

 

新八

「ちょっ……ヤバい、これ絶対爆発する!!」

 

近藤

「なんだこの圧は!?もしかして、俺たちのバレンタインの恨みが爆発を誘発したのか!?」

 

東城

「……いいえ、これは**“愛”の呪い**です。チョコレートという甘美な贈り物に、拒絶と絶望を繰り返した者たちの怨念が生み出した――」

 

新八・近藤

「長ぇよ!!」

 

しかし、次の瞬間――

 

バ・レンタウェイが激しく震え、轟音と共に巨大な爆発を引き起こした。

 

ドォォォォォォン!!!

 

濃厚なチョコレートが三人を丸ごと包み込み、まるで大洪水のように流れ落ちていく。

 

新八

「うわああああ!!またチョコ塗れだァァァァ!!」

 

近藤

「チョコの海だァァァァ!!チョコ風呂だァァァ!!」

 

東城

「……甘く、そして苦い。これがバレンタインの現実というものですか……」

 

三人ともチョコレートまみれのまま、ズタボロになってその場に倒れ込んだ。

こうして、 バレンタウェイとの激闘(?)は幕を閉じた。

 

帰還、そしてバレンタインの贈り物

数時間後――新八がシャーレのオフィスに戻ると、そこには銀時がいた。

 

銀時はソファに座りながら、気だるそうに袋を持っている。

 

銀時

「おーおかえり、ぱっつぁん。お前、どこで泥遊びしてきたんだよ?」

 

新八

「泥じゃねぇよ!!全部チョコレートだよ!!こっちは大変な目に――」

 

銀時は 面倒くさそうに手をひらひらさせながら、ぽいっと袋を投げた。

 

銀時

「あーはいはい、どうでもいいけど、お前宛にチョコ来てたぞー。」

 

新八

「えっ……?」

 

新八は驚きながら、銀時から受け取った袋を開く。

中には 三つのチョコレートが入っていた。

 

「新八さんへ」「新八へ」

送り主は――

 

、神楽、そしてアヤネ。

 

新八は しばらく袋を眺めたまま、言葉を失っていた。

さっきまでの チョコレート地獄が嘘のように、静かに心が温まるのを感じる。

 

新八

「……貰えてたんだ……ちゃんと……」

 

その瞬間――

 

真選組の屯所では、チョコまみれの近藤が土方と向き合っていた。

 

土方

「……ったく、近藤さん。今までどこに行ってたんだよ?」

 

近藤

「トシ、俺だって色々あったんだよ……」

 

土方

「ま、どうでもいいが……アンタ宛に、ゲヘナの給食部からお届けもんだ。」

 

そう言って、土方は 茶色の包みを近藤に手渡した。

 

近藤

「給食部から……?」

 

近藤は 訝しげに包みを開ける。

 

そこに入っていたのは――チョコレート。

添えられていたカードには、丁寧な筆跡で書かれていた。

 

「近藤さんへ」

 

送り主は――

 

お妙。

 

近藤の目が大きく見開かれる。

 

近藤

「お、お妙さん……!?」

 

新八も、近藤も、それぞれが 思いがけず届いたバレンタインの贈り物に、心を揺さぶられていた。

 

最後に東城。

 

彼は 静かに自宅に戻り、机の上に置かれたチョコレートを眺めていた。

 

送り主は――

 

柳生九兵衛。

 

手に取ると、小さなメッセージカードが落ちる。

 

「普段はうるさいが、たまには礼を言っておく。勘違いするなよ。」

 

東城はカードを静かに読み上げると、満足げに微笑んだ。

 

東城

「……若……!」

 

バレンタインの終わりに

三人はそれぞれ、もらったチョコを大事そうに開け、一口かじった。

 

新八は 甘さの中にほろ苦さが広がるのを感じながら、小さく笑った。

 

近藤は ミルクチョコの優しい甘さに、心がじんわりと温かくなるのを感じた。

 

東城は 九兵衛からのチョコを噛みしめながら、静かに目を閉じた。

 

そして――

 

新八・近藤・東城

「……バレンタインも、悪くないか。」

 

――彼らのバレンタインは、静かに幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 




ゴリラルート
新八と近藤は 決意の拳 を握りしめ、互いに強く頷き合った。
標的は バレンタインの元凶 ―― チョコレート工場。

東城は 腕を組みながら静かに歩を進める。
彼だけは 妙に冷静だった。

東城
「……なるほど。つまり、愛を育む チョコ を根絶やしにするというわけですね。」

新八
「そうですよ! ここで全チョコを消し去れば、カップルなんて出来るはずがない!」

近藤
「まさに 愛の終焉作戦 だ!!」

東城はふっとため息をつきながら、指を顎に添えて呟く。

東城
「しかし、お二方……一つ気になる点があるのですが。」

新八と近藤が振り向く。

近藤
「何だよ東城。今さら怖気づいたのか?」

東城
「いいえ。ただ……」

工場の入り口にそびえ立つ 煌びやかな看板 を指差す。

東城
「なぜ……この工場の名前が 『G・A・P・C(ゴリラ・アフィニティ・プレミアム・チョコレート)』 なのです?」

新八 & 近藤
「ゴリラの名前入ってるゥゥゥゥ!??」

工場の中へ
チョコレートの甘い香り が立ち込める工場内に、三人は静かに足を踏み入れた。
そこには ベルトコンベアで流れるチョコレート、巨大なカカオ豆の山、機械が忙しなく動く光景 が広がっていた。

それだけなら、ただの工場で済んだのだが――。

東城
「……お二方。少々、見間違いであればいいのですが。」

彼の声は 妙に落ち着いている。
だが、その視線の先には ありえない光景 が広がっていた。

新八と近藤が東城の指差す方向を 恐る恐る 覗き込む。

そこにいたのは――。

ゴリラだった。
いや、 ゴリラがいた。
いや違う。 ゴリラしかいなかった。

工場内の 従業員全員がゴリラ だった。

ゴリラが 白衣を着て、ゴリラが 帽子を被り、ゴリラが ゴリラ語で作業指示を出している。

さらに ベルトコンベアに流れてくるカカオを選別しているのもゴリラ なら、
チョコレートの品質チェックをしているのもゴリラだった。

極めつけは 社長席に座る巨大なゴリラ ―― その名も『プレジデント・ゴリラ』 が、
黄金のチョコレートを片手に ふんぞり返っていた ことだった。

新八と近藤の 顔から血の気が引いていく。

新八
「……いやいやいやいやいや!!!!!」

近藤
「何なんだこの工場ァァァァァ!!???」

東城は 腕を組み、冷静に頷く。

東城
「……なるほど。だから『G・A・P・C(ゴリラ・アフィニティ・プレミアム・チョコレート)』なのですね。」

新八
「納得してる場合じゃねぇよ!!」

近藤は 額を押さえながら震えた声 で呟く。

近藤
「つまり……この工場……ゴリラが運営してるってことか?」

東城は頷く

東城
「そういうことになりますね。」

新八が 呆然としたまま ベルトコンベアに目をやる。
そこには ゴリラが器用に型を作り、ゴリラがチョコレートを流し込み、ゴリラが箱詰めしていた。

そして――。

完成した 高級チョコレートのパッケージにはこう書かれていた。

『至高のひとときをあなたに――Produced by ゴリラ』

理解が追いつかない
新八は 震える手で近藤の肩を掴む。

新八
「ちょっと待ってください……! つまり僕たちが今まで食べてきたチョコレートって……ゴリラが作ったチョコだったんですか!?」

近藤は、何も言えずに その場に崩れ落ちた。

近藤
「……俺は今まで……ゴリラのチョコを食ってたってのか……!?」

東城は 腕を組み、目を閉じる。

東城
「これは……深いですね。バレンタインの裏には、ゴリラ産業 が関わっていたということか。」

新八は 頭を抱えながら叫んだ。

新八
「何がどうしてこうなったァァァァ!!!???」

決断の時
三人は、沈黙したまま 工場内を再び見渡した。

ゴリラたちは、一心不乱に働いている。
カカオの品質を見極める 職人ゴリラ。
チョコを型に流し込む シェフゴリラ。
丁寧にラッピングを施す デザイナーゴリラ。
チョコレートの味をチェックする ソムリエゴリラ。

そのどれもが プロの仕事 だった。

新八と近藤は、お互いに顔を見合わせた。
何かを言おうとするが、言葉が出てこない。

すると東城が、ポツリと呟いた。

東城
「……これは、もはや 我々が口を出せる領域ではない のでは?」

新八 & 近藤
「それな。」

彼らは 静かに踵を返し、工場を去ることにした。

ゴリラ工場、脅威の企業努力
彼らが去った後も、ゴリラたちは 一心不乱にチョコレートを作り続けていた。

そしてプレジデント・ゴリラは、
黄金のチョコを片手に 満足げに頷いた。

彼の口元から、低く、重厚な声が漏れる。

プレジデント・ゴリラ
「……ウホッ。」(訳:バレンタインは、我々ゴリラの誇りである。)

バレンタイン撲滅作戦、ここに終了。

〜透魂〜第一回キャラクター人気投票

  • 銀時
  • 新八
  • 神楽
  • 沖田
  • 土方
  • 山崎
  • 高杉
  • 定春
  • エリザベス
  • ホシノ
  • シロコ
  • ヒナ
  • アコ
  • ミカ
  • ナギサ
  • セイア
  • ユウカ
  • ノア
  • 近藤
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