―――ナイトレイド・アジト―――
「今回の標的は、帝都で噂の通り魔だ。深夜無差別に現れて首を切り取っていく。もう何十人殺されたかわからん」
「その中の3割は警備隊員なんだろ?強ぇな」
「間違いなくあの"首斬りザンク"だろうね」
「なんだソレ?」
「知らないの?ほんとド田舎に住んでたのね」
「スミマセン。私も分かりません」
「シェーレは忘れてるだけだと思うわ」
首切りザンク……もうその話か。俺はどうするかな。
そうか……アレを使えばいけるな。そうこうしているうちに俺にも活動区画が与えられた。
―――深夜・帝都―――
「さて、俺も探ってみるかな」
深夜の帝都でできることっていったら……
「戦艦ハルバードの最終調整に入るかな」
………数十分後………
「そろそろ時間か」
俺は『ソニック』でタツミたちのいる場所へ向かった。
現場に駆けつけたとき、アカメが助けに入っていた。もとに戻る前にやるべきことをやっておこう。
「さて、いくかな。俺の本気で……」
アカメとザンクの対決も終盤に差し掛かってきた。
「ヤレヤレ、その刀……かすり傷も許されないってのはズルイねぇ……」
「私の動きや心を視られている……お互い様だ」
「なぁ、アカメ……お前……声はどうしている?」
「……声?」
「ホラ……黙ってると聞こえてくるコレだよ」
オオ……オオオオオオ……
死者の声がザンクには聞こえるのだろう。毎日斬りたくもないものを斬り続けているのだ、そうなっても仕方ない。さらに、帝具・スペクテッドの能力でもある"洞視"の影響もあって、聞こえないものが聞こえるのだろう。
「俺は喋って誤魔化してるが、お前はどう対処……「聞こえない」」
「私には……そんな声は聞こえない」
「………なんと」
ユウトとの出会い……クロメとの別れ……様々な出会いと別れを通じてアカメは成長しているのだ。たとえ、悲しいことがあってもユウトが側にいてくれた。たとえ、苦しいことがあっても『クロメを守りたい』という想いが支えてくれた。だから、アカメにはそんなものは聞こえない。
「お前程の殺し屋ならこの悩み、分かち合えると思ったんだが……悲しいねぇ!」
ザンクがスペクテッドを発動させたことで、アカメは妹―――クロメの幻影を視ていた。
「悲しいねぇ……テメェの帝具がその程度じゃあ……悲しいねぇ!!」
「!? おや、まだいたんですか。これは予想外でしたね」
帝具の力を解除し、声の主を見る。そこには黒いコートに仮面をつけた者―――ユウトがいた。
(予想外なことが起こることを想定しないといけないだろ?)
「………と考えたろ?」
「だから?」
「んーっ?」
「だからどうした?」
「おやおや、まだ俺の勝ちが確証しているのを分かっていないのか?」
「ああ、分からないね……」
「そうか。なら……透視!!」
ザンクは透視でユウトの体を視る。
(結果、隠し武器特に"なし"!!)
ユウトは何も武器を持っていなかった。
「顔の表情などを見て思考がわかってしまう帝具。非常に素晴らしい」
「そうか、褒めてくれるのか。ならアンタにも視せてやるよ……アンタの1番好きなものを!!」
………幻視!!
「!!」
「「ユウト!!」」
スペクテッドの能力で幻影を見せられるユウト。
「これを打ち破れるものは―――」
「いないとでも思うか?」
「「えっ……?」」
アカメとタツミは辺りを見回す。しかし誰もいない。
「テメェの帝具は1人にしか効果ないんだろ?それなら俺から1つアドバイスしてやるよ」
―――バキューム、オン……
「んんーーーっ?!」
訳も分からずザンクは帝具ごと何かに吸い込まれるように消えた。
スポッ!
「――――周りには気を付けな、糞野郎」
ザンクが消えた場所には、ウルトラバキュームをかまえたユウトがいつの間にか立っていた。
「まったく、こんなにアッサリしてるのかよ」
首切りザンクって言われてるだけあって、ステータスがかなり上昇した。あいつの最期にはこれがお似合いだな。
「ユウト、大丈夫か?」
「ああ、どこも怪我してないから心配ないよ」
「よかった……」
「アカメよ。安心してるとこ悪いが、タツミの治療をするから」
「出来るのか?」
「応急処置程度ならな」
本当は治療できるがな。
「よし……これでいいだろう」
「ユウトはなんでもできるんだな」
「さすがだな、ユウト」
「ユウト、さっきのやつはどうやったんだ?」
さっきのやつ?ザンクを騙したやつのことかな?
「簡単に言うと、さっきまで相手していたのは偽物。本物が隠れていて、帝具を使った隙をついて攻撃しただけだ」
今の俺はまだ分身の術は使えない。ではどうやって分身を作ったのか?そこで、この前もらった道具の出番だ。俺が頼んだのは"カメックの杖"だ。この杖はゲーム中では巨大化したり透明になったり、分身を作ったりすることができる。今回はこの分身を作る魔法を利用したのだ。そのため、分身の方は武器が"ない"という状況にした。攻撃する必要がないからだ。そして、あの帝具は1人しか効果がないことを利用し、その隙をついて攻撃した。つまり、1対複数では不利な帝具だってことだな。
「ユウト、帝具はどうした?」
「それはあとで取り出せるようにしてるから安心していいぞ」
「わかった」
「それじゃ、任務完了ってことで戻るとするか」
こうして、深夜の首斬り事件は幕を閉じた。
to be continued・・・
いかがでしたか?急展開過ぎる話でしたね。この話はこれがいいかなって思いまして。感想・コメントはいつでも受け付けています。それではまた次回!