―――帝都・宮殿内会議室―――
「なぁ、やっぱりこの仮面をつけなきゃいけないのか?」
「今さら何を言う。さっきまで悩んでいたくせに」
「そりゃそうなんだけど……」
俺は会議室の前にいる。しかも、ドSで有名なエスデスの隣に。本来は正体をバラすことなくイェーガーズに入る予定だったのだが、以前エスデスに変身の姿を見られていたという失敗をしたため、変身しないでイェーガーズに入らなければならなくなった。
そこで、俺はエスデスに頼んで(……頼んだことになるのかな?)普段着に仮面をつけるという条件でなら良いということになった。
ただ、つける仮面が問題だった。仮面は『スーパーマリオUSA』のカメーンそのものだったのだ。それでさっきまで躊躇っていたのだ。
「それがダメなときは私が用意した―――」
「それじゃあ中に入ろうか」
俺がそう言って扉を開けると、原作通りのメンバーが揃っていた。
(ふむ……ちゃんと揃っているな)
中にはウェイブ、セリュー、ボルスさん、Dr.スタイリッシュ、ラン、そしてクロメ……ちゃんと6人いるな。そのことを確認すると、エスデスが動き出した。
「お前達、見ない顔だ!ここで何をしている!!!」
「おいおい、俺たちはここに集合しろって……」
青年―――ウェイブがその先を言おうとしたら、エスデスに腹を蹴られて気絶した。
「…賊には殺し屋もいる。常に警戒をおこたるな!」
そう言ったエスデスは次々に力を試しにいっている。
試すなら他の方法もあるんじゃ……。
おっと、クロメがエスデスの仮面を斬って正体がバレた。ウェイブは上司まで変なやつだと思っているに違いない。間違いではないが。
「それでエスデス様、そこの方は?」
「ああ、ついさっき私の副官になった"ユウト"だ」
「おいおい、誰が副官だよ。なった覚えはないぞ」
「いいじゃないか。私とお前との仲だろ」
「それとこれとは話が―――」
「……ユウト?」
俺とエスデスの話に割って入ってきたのは、クロメだった。
「久しぶりだな、クロメ」
「うん……久しぶり」
「あれから暴食は控えてるか?ちゃんと歯磨いてるか?虫歯になってないか?どこか具合悪くないか?」
「大丈夫。ユウトの薬は飲んでるから」
「そうか。それならあとで診るけど大丈夫か?」
「………うん」
久しぶりにクロメの顔を見たので心配していたことが口に出てしまった。そんな俺を皆が見ている。とくにウェイブは何かを考えているみたいだった。きっと、
(心配しすぎだーーーっ!)
……なんてことをウェイブが思っているに違いない。
「あ、俺は忙しいから時々顔を見せる程度になるが、よろしくな」
こうして、俺は『ナイトレイド』と『イェーガーズ』の2つの部隊に所属することになった。
………数日後………
―――帝都・宮殿―――
俺がイェーガーズに来てから数日、とても深刻な問題が発生した。
「という訳で、イェーガーズの補欠となったタツミだ」
「………………どうしてこうなった」
今、俺の目の前にはタツミがいた。原作通り首輪をつけられて。ハァ………頭が痛い。
えっ、なんでタツミは連れてこられたの?
………なに、武芸大会で参加したらエスデスに無理矢理連れてこられたぁ?
しかも俺以外に恋人のような何かを感じただとぉ?
なんでそこは原作通りなんだよ!俺がエスデスのお気に入りになったのだから、このイベントはないと思っていたのになっ!
「それでなんで首輪させてんですか?」
「……愛しくなったから、無意識にカチャリと」
「無意識にって、お前なぁ……」
エスデスは無意識でやってしまうことがたまにある。無意識って恐ろしいな……。
「ペットじゃない正式な候補にしたいのなら、違いを出すために外されては?」
ランの助言にエスデスは考え込む。
……………
……
いやいや、そこまで考え込むことではないだろ。
「それは確かにな……外そう」
カチャカチャ…
「「…………」」
俺とウェイブは、やっぱりこの人(エスデス)は分からんと改めて思った。
「そういえば、このメンバーの中で恋人がいたり結婚してる者は?」
誰もが手を挙げないと思っていただろう。そこはボルスさんが手を挙げるんだよなぁ。
「ボルスさん、そうなんですか!?」
「うん……結婚6年目!もうよく出来た人で私にはもったいないくらい!!」
うん、ボルスさんにはもったいないよな。でも、仕事だと割り切っている彼も凄いけどな。
「エスデス様!ご命令にあったギョガン湖周辺の調査が終わりました……」
「……このタイミング、丁度いいな」
このタイミングで盗賊討伐イベントか。
「お前達、初の大きな仕事だぞ」
エスデスたちの話によると、ギョガン湖にできた山賊の城を潰すことが目的らしい。そして山賊は皆殺しだと……。
「ユウト、お前にも出てもらうぞ。イェーガーズの一員なのだから」
「………俺はどうすればいいんだ?」
「なんでもいい。お前の実力を見せられるのならな」
変身できることは伏せておきたいから、武器を作るしかないな。
「ユウト……いつものように姿変えないの?」
「あ……」
クロメ……それは言っちゃダメだよ。
「いつもの……ということはその姿以外にもあるということですね」
「見てみたいです。その姿」
「スタイリッシュなのかも見てみたいわぁ」
「………そうなるよなぁ」
でもどうするかな?ここは……『デュオン』でいくか。こいつなら敵になっても大丈夫だしな。
俺は一旦部屋を出てから変身した。変身の瞬間を見られたくないからな。変身後に部屋に入ったら皆が唖然としていた。変身前後で姿がガラッと変わっているのだから。
「ユウトさんのその姿、かっこいいですね!」
「ゴツゴツしているな」
「表と裏に顔があるんですね」
「あんなのにもなれるのかよ……」
様々な感想が聞けた。
「…………(この姿だと話せなくなるのが難点だけどな)」
俺はこの格好のままで山賊の城に行くことになった。
宮殿の中では変な目で見られていたが、そこはエスデスたちが話を通してくれたみたいだ。
このとき、俺は向こうで変身すればよかったと思った。
―――山賊の城―――
「…………(原作通りに行くと、ここに山賊たちがいるんだよな)」
作戦はどうなるのだろう?
「正義は正々堂々と……正面から!!」
まだ正義とか言ってるのか。これはまたお仕置きしないとな。
………ここの階段、ホイールだと上りづらいな。
おっと、そう言ってる間に山賊が出てきたな。
「まずは私が……」
最初にセリューが前に出て攻撃しようとする。しかし、俺はセリューを止める。
「ユウトさん、ここは私がやりますので止めないでください」
「…………(フルフル)」
俺は首を横に振ったあと、青色の方で山賊たちの前に出た。
「あぁ?なんだテメェは?」
俺は躊躇うこともなく両手の剣を前に出して交差させた。
「あぁん?」
斬られた山賊たちは訳も分からずに死んだ。
「ひっ、ひいぃぃぃ!!」
今度は桃色の方を山賊たちに向けてビームを発射した。すると残りの山賊たちは跡形もなく消えた。
「…………(あとは任せた)」
俺はあとのことは任せるというような合図を送った。
「いやいや、この状況で任されても困るわっ!」
俺はウェイブのツッコミを流した。
そのあとは、皆で山賊たちを殲滅した。
やっぱり、この部隊は帝都最強クラスに入るな。
―――宮殿内・エスデスの部屋―――
「ユウト、さすがは私の伴侶となる男だな」
「……………どうしてこうなった」
今日はこればっかり口から出てくるな。
俺はエスデスの部屋のベッドに座らされている。もちろん、隣にはタツミがいる。エスデスはシャワーを浴びると言って奥に行った。今はタツミと俺の2人だけだ。
「ユウトって、もしかしてあの……」
「アジトに戻ったら戦闘訓練のオンパレードな」
「やっぱりぃ!!それだけは勘弁してください!!」
「ダメだ」
「そんなぁぁ!!」
エスデスがシャワーを使っている。そのため俺たちの声は聞こえないはずだ。
「すまないな、待たせてしまって」
「「はやっ!そしてなんで上はシャツだけ!?」」
「私はいつもこの格好だぞ」
「「もっと女らしくして!!」」
「?」
もう眠いし、今日は安心して休みたい。エスデスに寝込みを襲われても困るので、俺はエスデスの頭を殴って気絶させることにした。
「それじゃ、俺は眠いから気絶してくれ」
「その手には乗らんぞ!」
「はっ!せいっ!」
「私だって、ユウトと交流をだな……」
エスデスも必死に抵抗してきた。しかし、そこは俺の方が力が強いためにあっさりと終わった。
「まだまだ甘いな。ていっ!」
「はうっ! ま、また……なの、か……ガクッ」
「ふぅ……これで安心だな」
「エスデスを一撃って……」
タツミが何か言っているが気にしない。
とりあえず、お休みなさい……。
翌日の早朝、警備たちの目を盗んで自宅に戻るとユキたちからのお叱りを受けたのであった。
to be continued・・・
いかがでしたか?主人公が両サイドで活動していくことになります。なかなかハードかもしれませんね。感想やコメントなどはいつでも受け付けています。それではまた次回!