Side:ユウト
さて、俺は屋敷を出るときに渡された地図を手に帝都に向かっていた。
―――――手製のバイクを走らせてな。まぁ、馬で行くのよりも速いからな。ちなみにバイクはサイドカー付きだ。
帝都までは馬で1週間かかるそうだが、バイクで2日間走らせたら帝都まで半分といったところまで来ていた。
そういえば、さっき立ち寄った村で会ったおばちゃんが変なことを言ってたな。
―――――なんでも、貴族様が住んでいた屋敷で幽霊が出るらしいのよ。丸い体に尻尾がある幽霊がたくさん。村でもその幽霊に食べ物をとられたりイタズラされたりして困っているのよね。
それを聞いた俺には幽霊が何なのかわかった。
(………あきらかに『テレサ』だろ、それ)
テレサ―――マリオシリーズに登場するキャラ。球体の体に短い尻尾を持つお化けで、常に浮遊している。基本色は白。いたずら好きな性格である。基本的には暗い所に登場する事が多い。相手に徐々に近づくが恥ずかしがり屋であるものが多いらしく、顔を合わせると恥ずかしがって動けなくなってしまうものが大半である。しかし『ルイージマンション』などでは顔を合わせても恥ずかしがらないものがいる。
これがテレサの基本的知識だ。しかし、テレサは違うゲームで出てくるキャラのはずだ。それなのに、『アカメが斬る!』に出てくるのはおかしい。だが、それ以外に耳寄りな情報がある。
―――しかも、その屋敷は貴族が住んでいて金貨をたくさん残したままいなくなったらしいわよ。何処にあるのかは未だにわからないけどね。
「これを聞いたら行くしかないでしょ!」
さぁーて、待ちに待ったお化け掃除の時間だ!
―――元貴族屋敷・玄関ホール―――
バイクを全速力で走らせ、その日の夜に到着した。
屋敷はボロボロでいかにも幽霊が出そうな雰囲気が漂っている。
「うん、こんな屋敷によく住み着いたよな」
それがお化けの性分なのだろう。そうは思うのだが、ボロボロ屋敷だと住む気にはなれないな。
とそこにテレサらしきお化けが2匹やってきたので木の物陰に身を潜めた。
「おい、あの小娘はいたか?」
「いーや、こっちにはいなかったぞ」
「あいつ、メチャクチャ可愛いからオレ好みなんだよなぁ」
「どっかに隠れてからは見えなくなっちまったけどな」
「ま、そのうち見つかるだろ」
ふむ、ここにはテレサ以外にも住んでいるのがいたんだな。話を聞いた限りだと女の子っぽいし、助けたほうがいいだろう。とりあえずは……
「お掃除開始だ……」
スポッ
スポスポッ
スポスポスポスポッ
スポスポスポスポスポスポスポスポッ
それからはテレサを掃除機で吸い込むだけの簡単なお仕事だった………
Side:end
―――謁見の間―――
「はぁ、退屈だなぁ……」
その屋敷の主が座っていたと思われる豪華な椅子にテレサたちより一回りほど大きい王冠をかぶったテレサたちのボス―――キングテレサがいる。
「せっかく新しい住居を見つけたのにいたずらする相手がいないしなぁ」
退屈そうに言っているキングテレサの元に手下のテレサが慌てて入ってきた。
「た、大変です、キングテレサ様!」
「なんだ騒々しい」
「そ、それが……他のテレサたちが何者かに倒されていて……」
「……………は?」
キングテレサは状況を理解できなかった。自分たちが調べたものだと、倒すことができるものはこの世にはないはずだ。だいいち、この世界でも倒せるものといえば、あの忌々しい奴が背負っていたオバキュームのみだけ。まさか……
「……そいつは何か背負っていなかったか?」
「たしか、掃除機らしきものを―――」
「―――――!?」
奴だ!!あの忌々しい緑のヒゲーーー憎きオバキュームを持つ奴ーーー
「……そいつの相手はオレ様がやる。他の奴にさがらせろ」
「で、ですが、もう自分しか―――」
ギィ……バタン!
「お、やっぱりキングテレサだったな。テレサはあとあいつだけだし―――」
目の前に現れたのは、憎き緑のヒゲではなく、黒のショートヘアの男子だった。しかし、背負っているのはまさにオバキュームそのものだった。それを見たキングテレサは、積年の恨みが込み上がってきた。
「キサマか……部下を背中のそいつで吸い込んだのは?」
「ああ……村の奴が迷惑がっていたしな。片付けさせてもらった」
「そうか……そうかそうか………あいつらに復讐できずに世界を渡ってきて退屈していたが、それは無駄じゃなかったようだな」
ゴゴゴ………
「部下たちをそいつで吸い込んだのか。あの忌々しい"ルイージ"のように………」
ゴゴゴゴゴゴ………
「キサマ………よくもオレ様の部下たちをスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポ吸い込みやがったな!もう許さん!!」
ゴゴゴゴゴ!!
「キサマをあいつらに用意していた額縁の中に閉じ込めてやる!!!覚悟しやがれ!!!」
「それはごめん
こうして、ユウト対キングテレサの戦いが始まった。
バチバチッ!!
キングテレサの放つ無数の雷撃がユウトを襲う。
「おっと」
ユウトはそれを簡単にかわす。
「ちょこまか動き回りやがって!!」
そして今度はライトニングボールを無数に放った。
(ウルトラバキュームはオバキュームを強化したものだからゲームのときよりもやりやすそうだが………どのタイミングで吸い込むべきか)
そう………ウルトラオバキュームではキングテレサは1発で吸い込めるのだが、さすがはテレサのキングだけのことはあって隙がない。
「グワッハッハッ!!なんだ、オバキュームを持っていてもただかわすだけか?そんなのじゃキサマの力はわかったものだな」
そのとき一瞬だけだがキングテレサの動きが止まった。その瞬間をユウトは見逃さなかった。
「そうか、そうかよ………それじゃ見せてやるよ」
――――――ウルトラバキュームの性能って奴をなっ!!!
【超吸引・オバキューミング】、オン!!
次の瞬間、超猛烈な吸引でキングテレサは一気にウルトラバキュームに引き寄せられて尻尾を吸い込まれた・
「んなっ!?」
吸い込まれないように必死に藻掻くが、勢いは止まらない。
「どうだ、これがオバキュームの強化版―――ウルトラバキュームの力だ!」
「そ、そんなバカなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
スポンッ!!
そう叫びながらキングテレサはウルトラバキュームに吸い込まれた。
「キングテレサ・回収完了っと……」
「キングテレサ様が一瞬で……」
「それじゃ、お前も」
「あ……」
こうして、最後のテレサも吸い込んで屋敷のテレサ騒動は幕を閉じた。
Side:ユウト
―――元貴族屋敷・とある部屋―――
俺がこの部屋に入った瞬間、雪のような真っ白い髪の女の子―――ユキちゃんが泣きながら俺の胸に飛び込んできた。どうやら、彼女はテレサのイタズラに困っていたようだ。そのため、この部屋の中に隠れていたそうだ。テレサたちは神様が間違えて連れてきたようで、キングテレサをはじめとしたテレサたちは元の世界に帰したそうだ。あと、ユキちゃんのステータスを見てみた。
名前:ユキ 515歳(享年15歳)(不老不死)
種族:ゴースト
レベル:1
HP:1000/1000
MP:1000/1000
STR:1000
VIT:1000
INT:1000
AGI:1000
LUCK:5
スキル:
・剣術Lv.1
・棒術Lv.1
・刀術Lv.1
・料理Lv.1
・言語理解
SPスキル:
・
・状態異常無効化
・掃除屋のヒロイン2号
状態異常無効化は流行り病で耐性がついたからだろう。うん、あと最後のやつは前回と同じだろうが、その他にも奇妙なものがあったから一つ一つ確認する。
スキル説明:
・刀術Lv.1:刀を使用可能。
・棒術Lv.1:棒を使用可能。
SPスキル説明:
・
・掃除屋のヒロイン2号:やったね!これで2人目だよ!!出会って早々とはやるね。by神様。Luckを除くすべてのステータスがアップ。
やっぱりかよ!!しかも回避率が異常すぎるわ!まぁ、幽霊らしいスキルだけどな。ちなみに、スキル操作を用いた場合に覚えるものも調べてみた。
【取得可能スキル】
・槍術Lv.1
・銃術Lv.1
・索敵Lv.1
【取得可能SPスキル】
・トリック
・トリックマスター
スキル説明:
・銃術Lv.1:ハンドガン、ライフルが使用可能。
SPスキル説明:
・トリックマスター:最上級属性魔法が使用可能。
使用可能な技:インフェルノ、メイルシュトローム、ダイアモンドダスト、アースクエイク、テンペスト、サンダーヴォルテクス、ダークストーム
・トリック:自分と相手の道具などを交換する。道具の場合、自分と相手のどちらかが道具を持っていないときでも使用可能。使用用途は様々。
うん、なんか凄すぎて言葉にもならない。とりあえず、スキル操作でトリックマスターを覚えさせた。
「あの……ユウトはこれからどうするのですか?」
「どうするって、この屋敷の宝をもらっていくけど」
「それなら宝物庫にたくさんあるので持っていってください」
「え、いいの?」
「ユウトは私の命の恩人ですから」
「いやいや、ユキちゃんは死んでるからな」
「あ、そうでしたね」
さて、そろそろ行くかな。
「ユキちゃん、一緒に行くかい?」
「い、いいのですか?」
「まぁ……1人よりもいいだろうしな」
まぁ、スキルのこともあるからなぁ。連れていくしかないだろう。
「………はいっ、よろしくお願いします!!」
こうして、ヒロイン2人目を旅に連れていくのであった。
to be continued・・・
いかがでしたか?感想はいつでも受け付けています。あと、「このキャラがかわいい!」とか「ヒロイン候補はこのキャラがいい!」とかありましたら感想で書いていただければ嬉しいです。それではまた次回!