主人公の外見、レオナ姫の髪をプラチナ色にして3の女勇者のような旅人の服を白っぽくしたような服を着て、額が隠れる大きめなサークレットを被ってます。
【勇者ダイと大魔王バーン】
地上の運命を背負った勇者と魔界の運命を背負った大魔王の死闘は勇者の勝利に終わり、地上に平和が戻ったと思った時であった。
『バッカヤロオォォオォ----ッ』
ダイの一番の仲間にして親友であるポップの悲痛な絶叫が響いて間も無く、黒の核晶と呼ばれる悪魔の兵器による爆発が起きた。
地上を消し飛ばす計画を企てたバーンの元に送り込まれた存在の正体は黒の核晶を仕込まれた操り人形。それを操る者は倒したが、残った黒の核晶は爆発寸前であり、ダイとポップが全力で上空に運ぶ他は無かった。共に上空に運びつつ、親友と一緒に散る覚悟を決めたポップだが、そんなポップを地上に蹴落としたダイは一人で父と母同様に自分の使命に殉じる事を選んだのだ。
それから、一ヶ月半が経った時。
地上に残った仲間達は黒の核晶の閃光と共に消えたダイの生存を信じて探すか、又は出自上で彼の育った地であるデルムリン島で過ごすか等、各々の道を進み始めていたある日。
「ここ、地図によると【バルジ島】ですね」
嘗て、勇者ダイのパーティーと魔王軍の大部隊の死闘が繰り広げられた地であるが、バーンによるピラァ・オブ・バーンが島の中央に落とされてしまって原型を留めていない場だ。その地の端に降り立った少女は、ピラァを監視する為の見張り用の塔として建設中と聞く場に注目した時。
「誰ですっ?」
「え、あの・・・・」
「あら・・・・見たところ十代半ばの娘ね・・・・何故ここに?」
「え、と・・・・私は【シャトー】と申しまして、我流で魔法の修行してる村娘です。今は【ルーラ】の修行してる時に失敗してこの辺りに墜落をして、魔法力があまり残ってないので休憩しようとしてました」
「それは・・・・お気の毒ね・・・・けど」
「な、何か妙な目を向けられてますが、私の何か変ですか?」
「ご、ご免なさいね。貴女は私達の姫様に凄く似ているのよ・・・・髪の色がプラチナっぽい以外は瓜二つ。あぁ、私の名前は【マリン】よ・・・・パプニカの三賢者の一人」
「姫様・・・・パプニカ・・・・それって【勇者ダイ】と一緒に戦った【レオナ】姫・・・・っ?」
「ま、まあね。私は任務中でね?安全の為に一緒に来なさい、この辺りはワケありなの」
世界を救った勇者パーティーの一人に凄く似てる等とは一般人の娘には驚きだろうとした女賢者はシャトーを迷子の娘として丁寧に接した。
塔の近くにマリンとその配下らしき女性達と共に少女は近付いた。再建が進むパプニカの新米達であり、今回の任務に同行したとマリンは説明した。
「あ、あの・・・・この塔って確かパプニカの姫が一時隠れたり凍り付けにされてたりした場じゃなくて、端の方に新しく建設し始めた物ですよね・・・・何でこんなとこに?」
「私の国の罪人達が逃げ込んで、密かに乗っ取られていたのよ」
【罪人】
物騒な言い方に顔をしかめるシャトーだが、やはりマリン達は【敬愛する主】であるレオナをおしとやかにして、大きめなサークレット以外は知るのより簡素な旅人の服を着てるだけな外見の少女に戸惑っていた。
「あ、あの・・・・何か私に便宜図ってくれていますけど・・・・」
「あ、そうね・・・・知ってると思うけど?」
【ルーラ】
これが肝であった。嘗て、世界の各地に投下されたピラァ・オブ・バーンに内蔵された黒の核晶を凍結する為の行動に際し、パプニカの三賢者の中で【風】を司る賢者ともあろう立場でルーラを使えない故の醜態による無力さを悔いたエイミは元より、マリン達も一線で戦えずにいた為に、ルーラを始めとする呪文をある程度使えて修行する少女に思うところがあるのだ。
「そう言えば・・・・魔道書とかに載ってる呪文って人間も魔王軍にいた者も、何故か妙に使えないのが多い場合があるんでしたっけ、パプニカの三賢者ですらそれだから私なんか尚更でしたね」
「大丈夫よ、一から修行中し直し中な私が言える立場じゃないけど、あの【大魔道士ポップ】君も最初に師匠からボロボロになるくらいに特訓されて漸くだったんだから」
事実だ。
バルジ島の決戦の前に師匠であるマトリフにより一喝されたのがポップの逸話に数えられている。マリンが実はポップに緊急事態でも魔法の聖水を譲って欲しいとせがまれた時にあんまりな目に遭わされたから、より苦い思いをしているのは秘密だ。
「う~ん、あの大魔王ですら恐れを成したらしい人間ですら最初はそうだったんですか」
「えぇ、そうね・・・・っ?」
マリンには、ある違和感があった。勇者パーティーの逸話は幾つか広まっているが、そのような部分はどうだったのかと。
しかし、今は任務を優先させた。
シャトーを部下二名に任せて、塔内部に赴いたマリンは見知った顔と対面した。
【テムジンとバロン】
嘗て、レオナの暗殺未遂による罪で投獄された二人は不死騎団により一度パプニカが滅ぼされた際の混乱に乗じて逃げ延び、この地で盗賊に身をやつしながら潜伏している情報を掴んだのだ。
「ふん、目敏い小娘めがっ!ワシ等に今更何の用じゃっ!」
「一度、貴方を裏切ったバロンと共に居てまで逃げ延びる輩に警戒心は持った迄です!さあ、仮にも王家に仕えた者と【マホトーン】っ!」
「バカめっ!何も対策してないとでも思ったのか?」
柱の影から出てきた男達は魔法使いの天敵となる呪文を使ったが、ある疑念があった。
「ば、バカな・・・・この魔法も人間の間では使える者が減少したハズ、パプニカですら最早使い手は・・・・」
「バカめ、自国の象徴である風のシンボルを与えられた賢者でありながらルーラを使えない妹を持ったせいで醜態を晒した者と一緒にするでないわ!」
「全くだ!さあ、どうしてくれようか?」
「何てね、イオラ!」
勝ち誇った四名の中央にイオ系の中級呪文が着弾した。爆発のエネルギーでかなりのダメージを負ってしまい、バロン以外は立ち上がれなかった。
「そ、そんな・・・・何故だっ!?」
「残念ね、私は事前に【マホステ】・・・・勇者アバンが破邪の洞窟で発見した呪文を使っていたのよ、これは魔法を無力化出来る!私にはもう魔法は効かない」
「な、何だと・・・・」
「私なりに、魔王軍との戦いで無力さを恥じて修行した成果の一つです。貴方達にはもう私を傷付けられない、さあ降伏をなさい」
実はハッタリだ。劣化しているか不完全であるので例えば極大呪文かそれに近い魔法には通じず長続きもしない、攻撃系より回復や補助系が得意なマリンならではの成果の一つだが極めれば強力な力となる。一方で攻撃系の呪文も以前より修練されているので、無造作にイオラを撃てるようになっているのもバロン達の誤算ではある。
「お、おの【イルイル】・・・・ぎょげえっ!」
奇声をあげて、いつの間にか後方にいた少女の持っていた【筒】にバロン達は吸い込まれて行くのをマリンは目撃した。
【魔法の筒】
元々テムジン達が隠し持っていたアイテムなだけではなく、勇者ダイの冒険談が伝えられ始めた今となっては知名度が高まっている。それをいつの間にか後方にいた少女が使ったのだ。
「シャトー・・・・あ、貴女。何故、ここに」
「まさか・・・・【マホステ】なんて・・・・見たところ不完全ですが、凄いです!何やら只ならない気配を感じたから来ましたが、これは素晴らしい。これを私が極めれば・・・・【メドローア】すら恐るるに足りません・・・・先に筒に入って貰った貴女の部下が資料持っていたけど実際見れたのは大いに有益でした。偉そうに言わせて貰えば貴女にはメッセンジャーになる栄誉をあげます」
逆らえない、一般人が多少偉ぶっているような口振りに到底抗えない・・・・レオナと違う【威厳】がある。そうしている内にマリンは手を握られて、ルーラとは違う魔法としか思えない手段で島への移動に使った気球の近くに来ていたが?
「え、マリン様?」
「あ、貴方達。何で・・・・っ、アレは!」
「おや、改良型ですか。キラー・・・・マジンガじゃなくて【Ⅱ】ですね・・・・【黒の核晶が近くにある場】を乗っ取りつつ潜伏なんてするだけあって、かなり準備万端ですか?とにかく、マリンさんの部下には【イルイル】」
【キラ-マシンII】
気球近くに待機していて、またも筒に吸い込まれた部下と睨み合っているのはシャトーが言うように、見るからにキラーマシンの類いとわかる機械的な風貌、鉄の棍棒と剣を持つ上半身と見慣れない形の下半身が繋がり、尾に当たる部分がボウガンのようになる異形な風貌であるが、明らかに萎縮していた。
『ギ、ギガ・・・・』
「あら、故障音じゃなくて何か察してる。【 】が伝えたりしたんですかね・・・・一応は私も敬愛する主とやらでしたから」
【 】
マリンは、その単語に寒気を感じた。そう呼ばれた存在は一名だけだ。ならば、この少女の正体は・・・・と。
「ねえ、マリンさん。レオナ姫から聞いてませんか?大魔王バーンが最終決戦で、レオナ姫に対し・・・・何やら地上を消してもそなたは生かしてやるから【余の物になるのだ】とか勇者達の死に様を語る【魔界の歌姫】になれとか・・・・何故、そう言い出したか・・・・自分に痛手を与えた勇者への報復とか言えばそれまでですが、それ以外にあったのかもとか考えたりはしませんでした?」
そして、シャトーはマリンに背を向けて額のサークレットを取り、露出した部分から何かの光を放つ。それを浴びたキラーマシンは何かの宝玉のようになって落ちた。
「答えは、覚えてたのかもしれません。ご老体になっても老いて尚盛んとやらだったから、その時に気に入った女をね」
そして、周囲に何やら冷気と違う何かを呼んだ後、指先からイオを小さくしたような球体を出したが。修行したマリンにはその球体に秘められた恐るべき力を感じられた。それを塔に向けて無造作に放つと。
-ー-ー-ー-ー-ー-ー。
極大呪文であるイオナズンすら生温い爆発が起きて、塔が跡形も無く吹き飛んだ。その光景にマリンは恐怖を感じる事すら出来なかった。
「あ、すみません。少し腹立たしくなってしまいましてね・・・・【今のはイオナズンではありません、イオだ】・・・・です。この冷気みたいのは、やり過ぎたり加減を間違えたりしてピラァの中にある核晶に引火しない為と今後の為の保険です」
マリンは全身から冷や汗を出した。敵意も悪意も感じられないが、以前にポップから聞いた時の事だ・・・・メラ系とイオ系の違いはあるが、大魔王バーンとの初戦で完膚無き迄の敗北を喫した際の体験を聞いただけで身体が震えたが、実際目の当たりにしたらこうなっていたのではないかと言うイメージと重なっていたからだ。
「改めて、気球は無事だから帰ってレオナ姫に伝えてくれませんかね・・・・今から言う事は私のイオを見た事と、実際コレにされた姫が真実と理解するだろうから証拠として持って帰って下さい、先程のキラ-マシンIIをそうしてたので」
【瞳】
聞いてはいる。大魔王バーンの額にある【鬼眼】から発する魔力に当てられた際、戦う迄も無い相手がそうされてしまう宝玉である。確かにこれは証拠としてはこの上無いとマリンは理解した。
「では、改めて。レオナ姫にこう伝えて下さいね。私はシャトー・・・・大魔王バーンが・・・・つまり、私の【父】がレオナ姫に似た外見な侍女と交わって産ませた娘です。近々お訪ねしますとね、因みに私は老人となっていた父よりは強いから勇者ダイが行方不明な今、私に敵う者はいませんので戦うのはやめとくようにともね・・・・それと【ミスト】が育てた人間に是非にも宜しくと」
正に恐怖の事実、老人の姿の時点で神を上回るとされた存在の娘であり、その姿の父より強いと自負する存在が地上に現れたのだとマリンは戦慄した。
オリ主の正体は【バーンの娘】でした。