鬱やハードだろうけど、早くアバン漫画でもアルキードに触れる辺り読みたい。
【過去のアルキードに行く】
理解が及ばない、だがでろりん達はシャトーから発した白い光に導かれるように感じた時、気付いたら見知らぬ土地にいた。
「先ずは成功はしましたか、周りの人からは見えてもいないし物に触れるのも無理ですので、暫く不便になります」
シャトーの台詞と周りの情景、でろりん達も現実を受け入れざるを得ない、自分達はお互い透けて見えるような外見となっていて国民達からは見えないようでそこらの石や木に触れようとしたらすり抜けてしまうのだ。
「ここが過去のアルキードだってのかい?」
「き、聞いた事あるぜ、謎の【天変地異】で半島毎消えちまった王国って」
マトリフがシャトーに視線で確認する。全てを語るかどうかは好きにしなと言われている目だと確認した。
「実は、違う真相があります」
そしてシャトーは語る。内容はバーンが地上侵攻の際に当面の驚異として戦闘力では最も警戒していたバランを部下に引き入れる事に成功したので上機嫌でシャトーに語った時のもの、ラーハルトがヒュンケルに聞かせた事とほぼ変わらない、シャトーは自分の身の上を悟られないように説明し始めた。
でろりん達も途中から固唾を飲みながら話を聞いた。
ダイが竜の騎士だと、僅かに広まった弊害故な話が引き込まれる一因になった。
【尤もダイが正当な竜の騎士ではないと迄は広まっていない一因がこのアルキードにあるのだが】
最初にダイの正体は正当な竜の騎士バランとアルキード王女ソアラの間に生まれた混血児である事。
魔王ハドラーの時代に本来現れるべき竜の騎士バランが現れなかった理由は魔界にいるバーンの好敵手ヴェルザーが地上を手に入れる為に動き出していたので、ハドラーをアバンが一年封じ込める事に成功したのを機にバランが魔界へ向かい、死闘の末にヴェルザーの一族を滅ぼした事、但し当時のハドラーからバーンがどこまで把握していたのかは不明だ。何故なら竜の騎士すら実在しているのか否かは地上にすら広がりきっていないからだ。
戦いの後に瀕死の重症を負ったバランは最後の力を振り絞りながら竜の騎士が力を回復出来る【奇跡の泉】へ向かったが、直前で力尽きて死を覚悟した時にアルキードの王女ソアラと出逢って命を救われた。泉の水を飲ませてもらったのが幸いだった。近くに住む人間の間ではそういう効果があると多少は知られていた。
その後にバランとのソアラの駆け落ちに至る経緯とダイの誕生、そして平和な時間の終わりとアルキードを滅ぼすキッカケとなった王の一言とその後のバランが魔王軍の軍団長となるまでな結末を。
「これが私の知った事の全てですが、聞いてみてどうでした?」
「む、胸糞悪いっちゃあ悪いけどよ。何か抜けてるとこだらけじゃねえか?」
「そうよね、ソアラ姫が招き入れたバランに王の座を奪われそうにとか危惧した連中がバランは魔王の手下の生き残りかもとか吹き込んだ迄はわかったけど、問題は【何でそこまで話が進んじゃったのよ?】ってとこだわ」
「そうさな、当初は王様がバランを気に入ったのは事実なんじゃないかのう?」
「気に入った・・・・ですか、それは私も考えた事はあります」
「ふむ、お前等はどう思う?バランがアルキードの次期国王になりかねない危惧を抱いた理由についてだ」
「うーん、そもそも王女が城に連れて来るからにはアルキードが開放的な風潮だった場合として、でなければバラン自身を連れ帰って王様に合わせたりまで出来る理由が気になる」
次々と状況を整理しつつな推論が出始めた。
最初に、何故ソアラが奇跡の泉の近くにいたかだ。
「国より、少し離れた場に出てた事になるよなあ?」
「ああ、何だか平和な時代になってたからにしては無防備じゃねえか、実はかなりの跳ねっ返りだったとか・・・・又は、何かの儀式でもやる風潮あったとか?」
奇跡の泉付近なら何かの恩恵を知るのも有り得るだろう、テラン程か知らないが、信仰心のある国なのかソアラが実は行動的だったのも考慮しておくとして次の段階に移る。
「命を助けた者と助けられた者の間にやがて愛が芽生えた・・・・【やがて】・・・・つまり、そこにいたり、何度か会ったりしてる内に何かあったのかね、例えば魔王の残党でも襲って来てバランがやっつけたとか」
「おぉ、その勇姿に感激したりなんだりでソアラ様がバランに惚れて連れ帰って王にすげえ気に入られたとかか?」
「実は魔物と吹き込まれて追放って辺りだけどなあ、魔物より強い人間・・・・」
全員が口を注ぐんだ。マトリフという実例があるのだ。そのマトリフは自分の事はさておいて敢えてレベルを落とした言い方をした。
「だが、バランが実は魔界でヴェルザーを倒して帰って来た竜の騎士だと明かせば丸く収まったかもしれねえな、知っていた場合は王に迎えてアルキードは世界最強国になるのが確定な流れだ」
「おぉ、そのレベルな話しなら聞いた事あるぜ。図体ばかりな俺が言えた義理じゃねえがベンガーナがハドラーとの戦いが終わった後に他国を侵略しようと迄してたとか、提案した大臣は何故か【大怪我】して引退したらしい、似たような事を考えて強いのを城に招き入れてくれたから喜んでたりしてたとかか?」
「ほう、小物は小物なりに気持ちを推測できるとやらか?」
「ま、マトリフさん。言い方言い方!」
「まあ、そうだな。だが言い方に気を付けてれば本来はこれが正しいんだよ嬢ちゃん、小物から弱い奴なりにわかる事がある。それを上手く取り込んだりまとめたりで最適な考え方をして動くべき時に動くのもパーティーってもんなんだ。但し、肝心な時ってもんが肝だぜ」
でろりん達はしおらしくしている。バーンとの戦いでマトリフの言う肝心な時に思わぬ形で最後の最後に功績は遂げたが、それまでが問題だったのでやはり表舞台には立つのは難しい。詮索は止めて話題を再開した。
「バランが自分を竜の騎士と・・・・ソアラ姫にすら明かしたかどうかが不明だから、上手く立ち回れなかったし人間の中に混じって平和に暮らすのは無理と感じた。そして、追放を受け入れて去ろうとしたら・・・・子供が出来てたから駆け落ちの流れになった。私としては竜の騎士が人間との間に子供なんか出来ると思ってはなかったって事くらいしか推測出来ません」
何やら顔を逸らすシャトーは子供には何か危ない話題そうだから深読みは避けたとされた。言っている事は尤もだからでもある。
「じゃあ、次ね。バランは何で駆け落ちした先がアルキードよりそう遠くない辺りだったかね、後に暫く平和に過ごして見つかった時も大人しく投降してそのまま処刑されようとしたのよ、ルーラで逃げりゃ良いだけじゃん?」
「だよな、ラリホーで包囲した連中眠らせたりとか手はあるハズだ」
過去のアルキードにいるだけではわからない推論であった。駆け落ち先はテラン辺りなので竜の騎士関連な何かが有るのかもしれない、次に?
【真っ先に逃げなかった理由が重要】
話を進めていた時、周囲ではついにその時が来た。
【バランの公開処刑を行った結果の思わぬ悲劇と惨劇】
王の発言はでろりん達ですら批難の色を滲ませた。シャトーは王の立場と言うものを知ってはいるが、流石に・・・・とした時にバランの怒りは爆発した。
王達に向けて放った紋章閃だけでは不足である。半島を消し飛ばすような災厄はどのようなものなのか。
(死の大地は所詮は外周でも大事だった。けど、この辺りで黒の核晶には及ばない迄もアルキードの領土な半島が消し飛ぶと周りはどうなるのか、津波や地震が起きてどころじゃない・・・・その答えを)
実体が無いに等しいにしても腰を抜かすでろりん達はマトリフにすがっている。そのマトリフは自分なりに見るべきものを見る為に身動き一つしないシャトーに刮目していた。
(どうか、全てを見れるレベルであって下さいね、その為に・・・・私、はっ?)
瞬間、周囲が黒い霧が広がった。時間が多少進んでいるのは一体?としながら、周りにはギガデイン程度ではない落雷が次々と降り注いだ。そして、シャトー達がいた場に最後の一つが注いで【それが完成した】・・・・周りの何もかもが消えて行くようなオーラ、そして。
『貴様等ぁぁ!こんなものまでぇぇ!』
バランの絶叫が響いた。バランが上空から全力で放った紋章閃は瓦礫と化した城を直撃したが、効果は無い・・・・最後に特大の雷が落ちて巨大な爆発と同時に城から広がった光が半島をほぼ消し去った後に多少は周囲に影響は出たようだが?
【地図にするとアルキードだった場が何事もなかったように消えていたのだ】
理解した時には、シャトー達は元の世界の海上に浮かんだ船の上にいた。でろりん達はまだ気絶している。
「嬢ちゃん、謎は解けたようだな?」
「はい、バランだけでなくバランを生んだ神の逆鱗にも触れたんですね、だからバランに便乗してアルキードを消した後に封印した。三界そのものを崩壊させられる禁断の知識をアルキードは復活させてたんです。そのせいで抹殺やむ無しとした。私には天界がバーン相手にも不干渉だった謎が解けました!神々かそれに縁ある者達は大魔王が地上を消すような暴挙を放っておいたんじゃなかった。例え大魔王が攻めて来るようになっても【消して欲しいからと見逃していた】のですよぉぉっ!」
サークレットの下にあると知られてない鬼眼から赤い血の涙を流しながら叫ぶ少女にマトリフは言葉を無くしていた。それは古傷か何かが開いていたにしても涙さえ枯れ果てていた少女が両目から出すべきものの代わりのように見えていた。
(・・・・やりました。私はやりましたよ、お義母様!私はこれで父とは違う道を行けます)
そんな思考を中断させてくれるようにでろりん達が目を覚ました。
「も、戻ったんか」
「おい、嬢ちゃん?」
「真相と言うより、結果だけはわかりました。アルキードは単にバランに消滅させられただけじゃないですね・・・・【封印されたんです】」
「おぉ、アルキードの連中は無限地獄を彷徨ってるんだ。バランが・・・・」
「ま、待った!話しは、まあわかったけど。バランが王国を消して、あんた等の言うような仕打ちをしたの迄はやり過ぎとかねえのか、見ただけで意識を無くす怪しい霧が何だったかわからないけど、竜の騎士は要するに神が人間と魔族と竜のバランスを崩すような真似をしたら制裁するのが目的、あの王様一人の失言で幾らなんでも・・・・」
シャトーとマトリフは理解した。でろりん達は黒い霧が広まった辺りで意識を失ってしまったのだ・・・・だから?
【バランが王国を消し飛ばして、周囲に最低限の被害しか出ないような形に海の底に沈めて何かしらの封印を施したと誤解している】
「中途半端で申し訳ありません、私は多分。あの霧が出た辺りでやむ無しだったのではと」
でろりん達も違う誤解をした。あの霧はバランの仕業ではないし規格外だったからでな結果論と。オーザムにいた時にピラァ・オブ・バーンの攻撃の余波で吹き飛ばされた経験があるでろりん達からしても規格外な恐怖を感じた辺りでやむ無しな流れになったのかもしれない辺りで深入りは避けようとしてまとめた。
【例えば、マザードラゴンがこの件をどう判断したか迄は考えるには早い】
一旦、出発した場に戻ろうとした時に遠くから実は問題に数えられている事の気配がした。それの元は?
「あっ、あれは・・・・シャトー・・・・」
「あれ、其方の方から来ましたか」
嘗て、ロモスから旅立った時の船でマァム達が来ていたのだ。そして海岸に船を着けて合流は出来たが?
「「「ギャハハハハハ!!」」」
マァムの乗った船にある一室でポップの本を見て爆笑するでろりんとへろへろとずるぼんだが、正に自分の二の舞なので他人事ではないマトリフからラリホーを掛けられていた。その一方で?
「久し振りだな・・・・あんたのお陰で俺は何とか踏ん張れたよ、感謝してるから出来ればこんな姿は見せたくなかったぜ」
「なあに、お前さんがやっぱり本物だったって話だよ」
マトリフは奇縁だったと思った。まぞっほがロモスで師からの言葉をポップに伝えてくれていたとはと・・・・しかし?
「勇者ダイの逸話を幾つか旅先で聞きましたけど、マァムさんがポップさんにキツい事で知られてる理由がわかりました。確かに一番最低な姿を見てたからの一言で済みますね」
【最低】
そう、最低だとポップは思っていた。クロコダインと初めて会った時に真っ先にダイを見捨てて逃げ出した。ロモスでマァムに当時の本心を打ち明けて横っ面をひっぱたかれて、それでも直ぐには勇気を出せなかった。
【仲間を見捨てて逃げ出す奴は最低のクズだ】
チウがザムザに敵わないとわかって何度も立ち向かう最中に何気に出した一言が耳に痛かったとも思い出した。マトリフも初めてポップを見た時にあんな弱そうな魔法使いは初めて見たとしたが、想像を越えていた。メルルも目を丸くする程だったが?
「成る程、キルが目を掛けていたワケです。そんなのが勇者パーティーの切り札になる迄に成長した存在は真っ先に倒すべきですよ」
「シャ、シャトー・・・・」
マァムは待ったを掛けたが、意に介さない。マトリフなら見抜いてはいるとしたのだ。荒行としてまぞっほにも聞かせた。
「バーンの娘か、しかし身一つで来るとは大した姫様だぜ・・・・」
「しかしのう、魔界にいたにしてはやたら地上の料理が上手いが、シャトーさんは魔界のどこにいたんじゃ?」
「私は父に貰った領内で周りの者達と一緒に暮らしてたんですよ、それよりマァム。わざわざ来た理由は何です?」
マァムは話した。レオナにアバンの窮状、アバンが凍る前に打開策としてマトリフの故郷と迄は言えたのでメルルの占いを頼りにこの地へ来たのだと。
「アバン先生に関しては、半分は凍れる時間の秘宝の後遺症の再発ですね、父の見立て通りでしたよ」
バーンが告げた事をシャトーはそのまま伝えた。人間かそれに味方する場に残る知識だけでは使えるのが奇跡に近かったが、飲み込まれた後に解放されても高い確率で身体にそのような事態が起きるし、身体がボロボロになりかねない事。レイラに会ったのは言わないでいたが、語った事は余命の問題を除いて伝えた。
「成る程、つまりバーンが復活したハドラーを一人でアバン討伐に行かせたのは勝算があったからか」
「恐らく、更に言えば着いた頃にはドラゴラムを使って消耗してくれていたと・・・・皮肉ですよ、ガンガディアがマトリフさんに託した魔道書がアバンを消耗させた事に繋がっていたのですから」
ムッとするポップとガンガディアを知っていた事に驚くマトリフに比してマァムは自然に対応した。
「貴女、そういう他が言いにくい事をずばずば言うところもレオナに似ているわね・・・・」
「事実を無視して成長や進展はありません、問題は何故唐突にそうなったかですが、私がやったとは思わないのですか?」
「それは無いとしか思えないのよ、貴女は」
「おい、マァムよ・・・・シャトーを信じたいのはわかるが、疑われるから場所に気を着けな」
何となくわかった。何も知らない側からしたらシャトーを疑う事を視野に入れると言うより入れたがる方が多い、例えば大人数の中で今の言動をすればマァムがシャトーに篭絡でもされたと見なされかねない、一度世捨て人になったマトリフにはそれが見えているのだ。
「まあ、信じてくれるならくれるでアバン先生に関してはポップさん同様にギュータの民達を頼るにして、レオナ姫の声に関しては【さえずりの蜜】が推奨ですね」
「それは・・・・エルフが遊びに来るような場でしか手に入らない蜜ですね、お婆様に聞いた事がありますが・・・・」
メルルの言う事はわかる。エルフは人間嫌いであり、スライムや誠実な魔族の方がまだ話を聞いてもらえるとまでされている。手に入れるには難儀だろう。しかし、どのみちマトリフに聞いた場に行けば何か良い手があるかもとして目的地が決まり、マァムは思い切った手段に出た。
「シャトー、貴女も私達と来ない?」
「ま、待てよマァム・・・・シャトーさんは、戦意はねえけどよ、何か師匠の故郷の関係者がどう思うか・・・・それに、この辺りで何をしていたかとかを聞かねえと」
「アルキードの消えた瞬間を見て来ました」
言葉が無かった。理由も何もどう切り出せば良いのかわからない、どうすればとした時。
「丁度良いから、テラン辺りで話します。私は次の目的地は・・・・【バランとソアラが住んでいた場】にしようと考えていました。そこに寄るなら話しますし、同行の件を了承します。ポップさんがこうなった責任も取ります。それにマァムはいざとなったら私に操られたとかにしなさい」
マトリフからしても何か都合良すぎる展開としたが、どのみち、仮に自分達が同行したとしても強敵が来た場合はマァムしか普通に戦えないのではパーティーにとってのダイに近い強さや立ち位置になる存在が必要だろうとした。
マァム達は思わね形で密かな疑念が晴れる機会とした。次の計画はシャトーが指名した場に寄った後に地上に住むギュータの民達の居所であった。
シャトーは目的の一つを達成した。
マァムとメルルが仲間になった。