ドラゴンクエスト 継承者の冒険   作:くまたいよう

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 今回、旧アニメ要素が幾つかな回。


大冒険の開始

「では、私達はこれで失礼する。【頼まれた事を】姫には伝えておくしマトリフ殿達もパプニカに送る」

 

 マァム達は次の計画を立てて、船で一旦戻る事にした人物に一礼をした。

 

【ネルソン船長】

 

 クールで体格の良い如何にもな船長はロモスでクロコダインと戦った後にパプニカに向かう際に新型の船を受け取る為に赴いた【ソフィアの港】の時からの付き合いだった。

 

 あの時、巨大メドーサボールの襲撃の隙を突くように現れたアバンの偽物にはまんまと同士討ちさせられ掛けたので洞察力に欠けるとするマァムはこれからの旅に注意せざるを得ない。

 

 そして、懸念はもう一つ。凍れる時間の秘宝の後遺症が出たとされるアバンを目の当たりにしてもらうにせよ、レオナが支障を来しているパプニカにマトリフを向かわせるのは若干の不安があった。

 

「なあ、師匠・・・・」

 

「心配すんな、テムジン達の事はもう溜飲は下げたよ」

 

 以前聞いた亡きパプニカ王の相談役になった時期の側近からの仕打ちの件。名指しで皮肉るのはそういう事寄りとするべきだろう、マトリフはパプニカに対する個人的な感情を捨てたフシがあるのはレオナの器を認めているからであり、支障を来している今はどうなるかが不安要素である。それでもマトリフにアバンを目の当たりにさせる事が重要だ。何か気付ける事があるかしれない、でろりん達も以前はパプニカに一旦向かおうとした構想が思わぬ型で実現したとして同行する事になった。

 

「それよか、んなザマだからこそスケベは程々になポップよ?」

 

 ガクッと来ているが、マトリフは万が一に以前の自分と同じようになれたら動いたり読心術を使う際に妙な展開に成り得る踏んでいたのだ。その方向は意識外であったのは事として、マァム達は無事に船の出港を見送った。

 

「では、参りましょう」

 

 いつ以来になるかな徒歩の旅が始まった気がする。ポップが頭の中で何度も繰り返すが世界規模でルーラを使えなくなったのが痛い、実を言うと若き日のアバンですらハドラーとの最終決戦前に契約はしたが直ぐには使えなかったのがルーラであり、相性が悪いと使えない魔法の一つである。

 

「シャトーもルーラを使えなくなったの?」

 

「はい、アルキードに向かう前辺りで使えなくなってました。地上に来てから思ってましたが何気に各界のバランスが昔から崩れてたとも考えてます。極端な話になりますがドラゴラムなんかも半ば失伝魔法に近くなってたように、時間が経つに連れて失われたり廃れたりしたのは魔界にすら多かったです」

 

 知識量が違うとした。そもそもアバンの使途達はヒュンケル以外は修行を始めて十年に満たないのでシャトーが言うような域は勉強は出来ていない。

 

 そして、草原や森を事情を説明しながら歩き続けた。

 

 マトリフがパプニカに行くのを不安視をしたのは、レオナが声を出せない状況にもある。嘗ては勇者アバンのパーティーの一員でありながら世捨て人となっていた経緯。そこでシャトーは一言挟む。

 

「地上の人々はハドラーの後に何か来るとは考えてなかったのですか?アバン先生も、まさか十数年でああなるとは思わなかったのかもしれないですが」

 

 人間同士の小競り合いが始まるのはバーン達は予想していた。しかし、想像を絶したと言わざるを得ない。バランの件はこれから掘り下げるにしても、パプニカ絡みは正に皮肉だった。

 

「テムジン一派が魔王ハドラーとの戦いの時から悪さをしてるの見抜いてた場合、亡きパプニカ王がダイさんにアバン先生を紹介する機会が無くなってたかもしれませんね」

 

「何事も無くデルムリン島での儀式が終わっていたらそうだったかも・・・・て事は、俺達は出会わず仕舞いだったか、皆には悪いがヒュンケルも師匠がパプニカにいたらメドローアで消されてたかもしれねえ」

 

「予定調和としたところですか・・・・正に歴史が変わってしまっていた。水に流して良いのかどうかです」

 

 小川で三名は足を流水に浸けながら、ポップは日干しのようで日光浴をしながら一休みしているが、マァムからした、紙一重の戦いばかりだった為、もしもを考えるのは怖い。アバンとマトリフの体調問題を考えただけでもアバンが後進を育てる道を選び、ダイがああなる流れと結末がベターだったとすべきなのかもしれないのが皮肉として、再び歩き出した時。

 

「妙ですね・・・・野生動物か大人しいモンスターにでも乗って移動時間短縮したいんですが、何やら気配がありません」

 

「ま、待って。前方に何か土煙とかが多いけど何があったの?」

 

「レムオルかけて近付いて見ますか?」

 

 賛成したマァムとメルルがシャトーの両肩に手を掛け、お互いはぐれないようにしつつ姿を消したシャトーは先日のような者達とはどこか違うとしつつ近付いた。ざわつく中で聞き取れたのは、アルキードが消えた事の恨み・・・・バランとダイの事がどこから漏れたのかはこれから調べるとして、気になるのは?

 

「案の定ですね、話題に出たテムジンとか言う人物の同類がかなりいます」

 

「覚悟はしていたわ・・・・レオナから聞いた事だけど、バーンがダイに自分の部下になれとか言い出した際に人間達の・・・・その」

 

 言い淀んでいるマァムの気持ちは理解出来ている。ポップとてバランとの戦いで死を受け入れた自分を思い直させてくれた仲間が一時世界を一つにしてくれたのに・・・・元の身体なら何か一発ドカーンっとした一発をと考えた時にシャトーが動く。

 

「しかし、先程の話と同じようになりますが、父が死んで何の驚異も無いと思ってるんですかね・・・・とにかく、一発驚かしてやりますか・・・・ライデイン」

 

 

 ズガアアッァァン!

 

 

 マァム達に話し損ねたが、先日と似たパターンとして放つ呪文が凄まじい轟音を響かせた。マァム達はシャトーがライデインを使える事も威力がダイと遜色が無いかもしれないのも驚いたが、集まった者達が逃げようとしない事だ。何名かが落ち着かせてさえいる。

 

「では、次をやりますか。ポップさん、私が言えた義理ではありませんがスケベも程々にしないと駄目とする例を見せましょう」

 

 周りの空間を歪む、シャトーが何をしているのかとした時。

 

 傭兵達の眼前に巨大な白く大きな角を持った緑色の巨大なサイのモンスターのような巨体が出現した。

 

【精霊デアゴ】

 

 本来なら、並の人間なら一溜りもない炎を吐き出す攻撃をする攻撃的な存在だが、ある【規制】をシャトーが掛けるのに成功している。

 

 そして、傭兵達に襲い掛かるディアゴは予想外の戦法を連続繰り出した。

 

【百列舐めと甘い息】

 

 傭兵達を片っ端からメルルでは視認しきれない程な速度で全身舐め回して脱力させ、吐き出したのは炎ではなく離れて見てる側すら甘い感じれる息。酒に酔ったような、妖しい悦楽を全身で味わったような顔で痙攣しながら20以上の傭兵達が大地に倒れ付し、レムオルの効力が消えたシャトーが胸を張って告げた。

 

「どうです?」

 

「シャトー、あれはスケベとは違うわよ・・・・」

 

「え、甘い悦楽とか舐め回すような仕打ちとかになるじゃないですか?」

 

 確かに、何やら妖しい事をした後みたいだとは見えるが・・・・肝心なところが違う、ズレてる事を堂々と言う理由はシャトーからしたらあるにはあるが?

 

「違うんだよ、肝心なのはだな・・・・胸とか尻とか・・・・」

 

「あんたは何言ってるの!そもそも、12歳のダイに【ぱふぱふ】がどんなのかなんて教えてるような奴だったわねえっ!?」

 

「い、いや待て!それくらいは・・・・」

 

 いらん事を言い出したポップ本を乱暴に開閉して制裁しているマァムな一方でシャトーはメルルにある事を耳元で踏み込んだ。

 

「あ、あの・・・・ポップさんは、その・・・・お年寄りが子供返りしておっぱいに甘えたがったり、お尻にすかれたりするのを楽しむには早いと思いますが?」

 

「あら、成る程成る程。ポップのスケベはそういう願望あったの?お年寄りでポップならマトリフおじさん、おじさんがそうなのだとし場合は、ポップはルーラやベギラマより先にそういうのを伝授されたのね、気の毒でちゅねえ♪♪」

 

「んがっ!」

 

 メルルの唐突な言い方に、一応ミーナや村の子供達の子守りをしていた事もあるマァムが良い笑顔で同調した。聖母と称された事がある女性にこのような笑顔を向けられるのは一番の鉄槌かもしれないとしたポップは素直な言葉しか出なかった。

 

「じ、自省します・・・・」

 

 めでたしめでたしな微笑をシャトーが浮かべるのをマァムは見た。何があったかは知らないが、ロン・ベルクの住み処の近くの河川で話しをした時より明るくなったと見ていた時。

 

 ボンっ

 

 何処かで聞いたような音がした時、倒れ付した傭兵から何やら魔法力が出ていたので咄嗟に再度のレムオルをシャトーが掛けた。

 

「あ、ありゃもしかして妖魔士団の残党じゃねえか?」

 

 モシャスで化けていたのはポップが言うように妖魔士団に多数存在する仮面と法衣で全身を覆った妖術師が二名だ。他にも小さ目なモンスターが出て来た。

 

「メタルスライムやホイミスライムも。あれも妖魔士団なんですか?」

 

 そう言えば百獣魔団にもホイミスライムが混ざっていたとマァムは思い当たったがマジックスライムと来たら分類するなら妖魔士団の方が本来は正解なのかもしれない、回復要員として貸し出されたのかもしれないがとした時に、残党らしき者達が近くの森に向かって行った。

 

「逃げていきますが、どうします?」

 

「私は追うべきだと思います。立場逆と言われるべきですが、バーンやザボエラの残党だとしたらこの辺りに人間の不穏分子に混じって来た理由を知るべきです。何より、仮に惨劇に繋がれば前回の戦いで彼等を取り逃がした側の責任になります。それは三界の平穏を守りたい側の本意ではありません」

 

「何か、後半は本当に姫さん・・・・いやレオナ姫みてえだな」

 

「買い被らないで下さい、山に森に川や海に何か被害が出たら各所の幸が減るとかあるじゃないですか、物価と言うのはどこから崩れるかわからないんですよ、アルキードが消えた時の影響の知識は無いんですか?」

 

 料理上手だが食いしん坊疑惑が出ているシャトーらしい気の混ざる言い分だが、アルキード絡みは尤もな話だ。大人達の難しい話を聞いた事が記憶にあるようで無いので偉そうには言えない。

 

 しかしマァムからしたら、魔界育ちな身で地上の自然に敏感になるのはシャトーの場合は良い傾向とする予感がある。

 

 そして、マジックスライム達は途中で散り散りになったが妖術師は森の中にある小屋に辿り着いた。そして、中から服装は妖術師だが体格はクロコダイン以上の巨体な者が出てきた。

 

「何だあれ?」

 

「少なくとも、かなりの強者が妖術師の法衣を着てますね」

 

「まさか、師匠のライバルだったらしいガンガディアみたいのとかか?」

 

 疑念はともかく、隠れて会話を聞いていたらその内に?

 

【最悪の場合、この辺りを火事に見せて焼き払う】

 

「待ちなさい!」

 

「む、貴様はパプニカのレオナ姫!」

 

 勘違いしているようだが、そうなった場合は勘違いしたままで済ますように打ち合わせてあるのでそのままレオナのフリをしながら向き合うシャトーにマァムも合流した。メルルは後方で新手に備える布陣だ。

 

「森を焼き払う事は王女として以前に個人として聞き捨てならないわ、投降して何を悪巧みをしてたかを言いなさい!」

 

「見くびるな、貴様からこれを食らわせてくれるわ・・・・【ザキ】!」

 

「こ、これは?」

 

 シャトーに向けられたザキ系は未経験故に余波だけで寒気を感じるマァムだが、シャトーはそれに負けて崩れ落ちたと見せ掛けて剣でザキを使った妖術師を胴切りにして飛び退き、一旦マァムと合流していた。

 

「おのれ、小娘がああっ!」

 

 仲間を殺された巨体が法衣を破いて現れたのは超魔生物ザムザに酷似した姿、シャトーがネイル村で目の当たりにしたのとは違うのは彼方と違って理性は残っている点。

 

「・・・・仕掛けてこない?」

 

 怒気を露に姿を見せたのに様子見に徹しているのに一瞬戸惑うマァムだが、実は正しい。この状況ではザキ系が通じず多少武術を噛ったとするレオナと攻撃力が無いハズなメルルを除けば超魔生物の天敵たる拳技を持つマァムにさえ気を付ければ有利。しかも姿を見せた者がハドラーのように自分を超魔生物そのものにした存在だとしたら魔法が使えると判断するだろうから不意を付けるとしているのだ。

 

 それに対するシャトー側の手は?

 

「イオ!」

 

 メルルの身体を介してポップが後方からイオで攻撃したが、それは目眩ましか何かとして一歩も動かなかった。向き合う両側の中心で小さな爆発が起きた瞬間に予想外の技が来た事が勝負の命運を分けた。

 

「闘魔傀儡掌!」

 

「「な、なにぃぃっ」」

 

 残党達は見た事がある。ミストバーンとヒュンケルが使っていた技だ。両手から糸のように伸びた暗黒闘気で相手をマリオネットのように操れる効果も威力も知っているが何故パプニカの王女が、しかも両手から使えるのかとしたが直ぐに違和感が広がった。

 

「む、ぐっ?これは、闘魔傀儡掌と・・・・ぐぎゃああっ!」

 

 超魔生物が側頭部にマァムの閃華烈光拳を受けた。放たれた闘魔傀儡掌が似てるようで別物と見破った魔道師はシャトーの剣に喉を斬られて呪文を封じられた。そのままホイミで出血は止めてもらえはしたが、そのまま魔法の筒に吸い込まれてしまう。

 

「上手く言ったわね、事前に打ち合わせといて正解だったわ」

 

「おぉ、ちとえげつねえけど。しかし、久し振りに見ると実は違うにしてもやっぱ怖いよな闘魔傀儡掌」

 

 マァム達はシャトーの手持ちの技や敵と遭遇した時の打ち合わもしていたのだ。

 

 敵に対しての対処も非情であるが、これが最終決戦後のアバンの教えの一つ。あの時、目の当たりにした全員がただの使い魔と思っていた者を非情に徹して倒してしまえばと思った。但し、その後に下手をしたらバーン・パレス内で放置をされた形になる黒の核晶が爆発して自分達が全滅していたかもしれないとまで考えている。

 

「小屋の中には気配は感じないですね、私が見てみます」

 

 ドアを開けた先に広がっていたのはシャトーも目を丸くした。

 

「井戸?」

 

「何だよ、井戸小屋を拠点にでも・・・・メルル、何か感じるか?」

 

「はい、何やら・・・・微妙に暗い気を」

 

 シャトー達は選択肢を迫られていた。井戸は人間が通るには充分な広さだ。この下を調べるか否か?




 井戸ですな引きです
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