我輩は呼ばれても無いのに来た奴である。物凄く傍迷惑である。 作:病みつきマグロ
勝手に来る恐怖
嗚呼、恐ろしや
我輩はワン・ラディアンス・シング(他称)である。
多分、ORTである(他称)。
世間では私の事を早とちりや、ドジっ子と呼んでいる様であるがそれは早計であろう。何故ならば私は、他の私に無いモノを獲得したのだ。
今の私の始まりは何処かの星系に居た時だ。突然、私の中に異物が生まれたのを感じた。それは私と比べるのも烏滸がましいほどに弱く、脆い者。その魂だった。
ソレは私を認識するなり転生や、憑依と騒々しく喚き始めた。ORTと言う名称も、ソレの話す中で私を指す言葉として認識した。どうやらソレの中で私との邂逅は、命を賭してでも成したい事だった様で夢の様だと語る。感動に震えるソレは、そのまま己の魂を私に喰わせて死んだ。
ただ死んだ訳ではない。ソレは私に接触して自らを崩壊させつつも、己の持ちうる物を全て私に譲渡し溶け込んだ。そうして私は自意識と感情を知った。ソレの保有していた記録の中で生命に溢れる星の姿を観測した。
【オモシロイ】
好奇心
それが私が最初に発露した感情だった。この
私に感情を与えた者の感覚で数千年に及んだか。永い旅を果てに私は件の星にたどり着いた。記録にある青い星。その大地へと降り立った私は、先に来ていた阿呆からの攻撃を受けた。
【・・・・】
全高数百メートルはある巨大な二足歩行生物。あれも記録に残されている。セファールと呼ばれる巨人だ。周囲には挑んで敗れた者達の骸が無惨にも打ち捨てられている。奴の攻撃に対して傷は負わなかったが、明らかな敵意を感じ取ると共に此方を倒そう突撃してくる。仕方なく私もそれに対して応戦した。
激しい3分間だった。
最初は此方に向けられた攻撃の全てに対応していたが、1分が過ぎた辺りで攻勢を弱めてその身で受ける事にした。最後の1分は全ての攻撃を受け、3分経過した段階で飽きて小間切れに切り刻んだ。その身体は星の様に硬くなく呆気無かったが、骸をそのまま捨て置くのも勿体ないので私の養分として取り込んだ。その際に、無謀にも私に対して攻撃をする脆き者の姿を見た。
小高い丘の上で輝く剣を構えたソレは、私の得た記録にも無かった。だが、問題も無かろう。ソレの持つ力は、ヤツを倒し得るだろうが私を退けるにはまるで足りない。現に振るった者の顔は、現実を受け入れられずに呆けている。そんなヤツを無視して私はある場所を目指す。誰も訪れる事の無い場所を・・・
【ワン・ラディアンス・シング】
【究極の一】
何れも地球に飛来したある存在を指し示す言葉である。
星の歴史に刻まれ、瞬き程の一瞬で行われた外来種同士の決戦。遊星ヴェルバーから齎された災厄の巨神セファールを赤子の手を捻る様に蹂躙した究極生物。後々の人類は、かの存在をORTと呼称して恐れる様になる。
地上から姿を消した神々をして最悪と言わしめたその生物は現在、南米の奥地に居座っている。
それを見つけたのは高位の魔術師達である。この世界においては伝承として語られてきた為に多くの魔術師達が存在を認識していた。その中で己の実力の誇示の為、調査に乗り出した彼等はORTと遭遇した。生還したのは捜索隊の中で一番実力が無かった色位の魔術師が一人だけだった。それも五体満足で生還は出来ておらず、片腕を失い、全身の傷口を水晶で塞がれた状態で帰ってきた。戻ってきた魔術師は居合わせた者達に震えた口調で警告をした。
「や、奴は・・・奴は、化け物だ!わ、ワレワレの言葉を理解し・・・私はわざと生かされた。誰も奴には・・・」
言葉を続けようとした魔術師だが、その全身が一瞬で水晶に変換されて無惨にも砕け散った。粉々になったその体は吹き付けたその風に乗って空に舞った。
以降、「悪さをするとORTが来るぞ」と言われるようになった。
私はインヴェーダーさん。今、ジャングルの中に居るけど周りが全部燃えちゃったの。
【ナゼ?】
周囲を見渡した私はある方角を見た。星の極点。そこに不思議な力が蠢いている。これに私の中の好奇心が衝き動かされる。
【イッテミヨウカ】
生き残りをかけた戦いの裏で恐怖の存在が動き出した。
嘘次回予告
来襲!恐怖の一 クリスタル・スパイダー(安直)