我輩は呼ばれても無いのに来た奴である。物凄く傍迷惑である。   作:病みつきマグロ

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前回のあらすじ

カルデアにやって来た二頭身ORT。

立て続けに起こる爆弾発言、行動により遂にカルデアが壊れた。

果たして、人類はオルトをどうにか出来るのか?


我は宇宙最強のインヴェーダーである。そしてやはり、傍迷惑である。

 

 

 

カルデアが静止する日。

 

ORTによるカルデア襲撃に端を発するこの事件は設備に被害は出なかったが、人的被害が甚大であった。事実上、カルデアの運営が数日止まってしまったのだ。それでも陰ながら維持はしていたのでその後の運営に問題は今の所出てはいない。

 

そして、時はその当日に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

擬似天球カルデアス

 

それは極小の地球のコピーと言うが一番分かりやすいだろう。高密度霊子の集合体であり、太陽やブラックホールに等しい物体であるため直接触れれば只では済まない。

 

カルデアの最初のミッション、冬木の地で実際に当時の所長オルガマリーを呑み込んでいる。そんな物質に近づく影がある。四足歩行に胴体の中央部分が倍に広がったそのシルエットは

 

『カルデアス・・・』

 

カルデアのマスコットを自称したオルトであった。猫型のままカルデアスに近づくと、徐ろに前足を上げた。すると今度は猫から藤丸たちと邂逅した際に見せた二頭身の状態へと戻る。更に手を広げるとその背丈が高くなり、2m程まで高くなる。更に二頭身だった身体は細く、八頭身近い体型へと急激に変化した。

 

別の世界における、グランドフォーリナーの形態と言えば分かりやすいだろうか。ただし、向こうは全身が金色になっていたが此方は元の配色のままである。

 

『そうか、コレが・・』

 

オルトはその場で浮き上がると、片腕をカルデアスに近づけ・・。

 

「その手を伸ばすのは止してくれ」

 

『・・・・』

 

背後から声をかけられ、振り向いた。そこに居たのは医療部門の責任者にして臨時の指令ロマニ・アーキマン。普段の弱々しいなりは潜め、険しい表情を作ってオルトへ言葉をかけた。

 

「何の目的があってカルデアに来たのか色々考えたけど、一番当たってほしくなかったよ。教えてくれ、それの何が君を呼んだんだい?」

 

ロマニは時間を稼ぎたかった。ここに来る前に、ダ・ヴィンチには予め話をしていた。その為、直ぐに動けるサーヴァントがやってくるだろう。しかし、相手はあのORTだ。表面からぶつかるのは下策。しかも本拠地に乗り込まれた状況で勝機はほぼゼロ。彼が出来るのは祈る事だけだった。

 

『・・・・そうか』

 

人型になったORTから流暢な言葉が聞こえた。ロマニがORTを見ると、顔の下が割れて口の様になっていた。首元まで裂け、モンスター映画の怪物の様な口である。

 

『まさか、君程の者がコレ(・・)が何なのか分からないとはね・・・。いや、その状態では仕方ないか』

 

「一体どういう事だい。君はカルデアスの何を知っている!」

 

『慌てる事はないよ、ソロモン。彼は知らないが、私が識っている(・・・・・)だけだ。それに君達も良く知るべきだ。カルデアスとは何なのかを』

 

そう言うと、オルトは降りてきて猫型へと姿を戻した。そのまま入口に向かい、ロマニと擦れ違う際にこう言い残す。

 

『私は、私の目的が完遂できればそれでいい。後は彼の思うがまま。飽きれば勝手に出ていくし、ちょっとした嵐だと思えばいい。じゃあね』

 

オルトが出ていき一人になるロマニ。彼は扉の方を見つめると悔しそうに眉を歪ませる。

 

「参ったな。知ろうとすれば、更に謎が深まるばかりだ。それに僕の事も知っているみたいだし・・・。ダ・ヴィンチにはこの事は共有しておこう」

 

この時のロマニの選択が、後々に彼等の運命を左右するのだが、それはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日。藤丸とマシュは最後の特異点、バビロニアへと旅立った。あの畜生(フォウ)も何故か現地へついて行き、私はカルデアの中を散策している。

 

あれ以降、私は猫の姿を維持している。それはひとえに、カルデアの職員達に私の愛くるしさを広める為である。奴等は未だに私を避ける傾向にある様だが、そっちがその気ならこちらにも考えがある。私はカルデアの管制室とやらに出向いた。

 

Ciao(チャオ)

 

宇宙の何処かで出会ったエイリアンに教わった挨拶をしながら中に入る私。全員が勢い良くこちらを振り返るが、そんな事を気にする事なくあの優男の座る席に向かう。

 

「オルト?いったい、何をしているんだい?それにさっきの言葉は?」

 

そい。私は彼の前に跳んだ

 

『宇宙丿何処カニ居ル、インヴェーダー丿挨拶サ。ソレヨリモ、私ハ暇ヲ持テ余シテイル。ナノデ、見ニ来タ』

 

モニターには、大きな角を持つ雌型の神が仰々しい数値と共に映し出されている。聞くに藤丸達の向かった特異点で目覚めた神らしいが、今は畜生の同類だろう。それが出現したが為に緊急時で対策を立てているらしい。あんなモノは我に掛かればおちゃのこさいさいだが・・・。

 

『ドウダ?我ガ手ヲ貸シテヤロウカ?最近丿日課デ散歩ヲシテイルガ、イイ加減飽テキテナ』

 

「そ、それは・・・そうしてもらえるなら嬉しいけれど・・・」

 

『マア、アノ獣ヲ倒ス位丿出力ナラ特異点トヤラモ纏メテ綺麗サッパリ吹キ飛ブガナ』

 

我がそう言いながら触手を生やして動かしてやると、周りの奴等が揃って「やめてくれ」と言ってきた。

 

ど阿呆め。するわけがないだろう。

 

ジョーク、ジョーク。

 

オルトジョークだよ。

 

「君の場合はジョークに聞こえないんだよ。本当に止めてね。それで藤丸君達が死んでもしてしまったら我々に打つ手はない」

 

『デハ、近クニ行ッテ見物デモスルカ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『見物デモスルカ』

 

そう言うとオルトは身体を丸くさせて動かなくなった。持ち上げてもまるで石化した様に丸い体勢を維持し続けている。

 

既に僕には悪寒が走っていた。そして直ぐに、悪寒は現実のものとなって容赦なく僕の元へと齎される。特異点の外側から、一直線にバビロニアへ向かってくる反応があったのだ。それも飛行機など現代の移動手段を遥かに凌ぐ猛スピードで迫っている。そしてモニターにはここ最近カルデア内で感知していた反応と同種のモノが検出され、無情にもその三文字がデカデカと出力された。

 

『ORT』

 

やりやがった。

 

ジョークって言ったじゃないか!あのエイリアン!!

 

いや、そもそも対話不可能と言われた存在と対話出来ていた時点でイレギュラーだったんだ。今更・・・今更・・・

 

「どうしよう〜」

 

「ロマニ!取り敢えず、藤丸君達に状況を報告しないと!!」

 

「そ、そうだね!よし!直ぐに連絡しよう。藤丸君!藤丸君っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

所変わり、ここはバビロニアがジグラット。

 

対ティアマト対策を検討している中でイシュタルの持つグガランナを使おうとなっていた。

 

しかし、その肝心のグガランナをイシュタルは無くしており八方塞がりとなる一同。そこにきてカルデア側からの音信が途切れ途切れ、厳密には向こう側が慌ただしく動いていた。そしてロマニからの齎されたその情報に藤丸は天を仰いだ。

 

『大変だ、藤丸君!ORTが動いた!』

 

「フォッ!!」

 

「えっ!?」

 

「「「「ORTだと!(ですって!)」」」」

 

「カルデアの。貴様、今何と言った!ORTだと!冗談も程々にしておけ!」

 

「そうですDr.ロマン。我々がここに来る前まで大人しくしていたじゃないですか」

 

いち早く復活した賢王ギルガメッシュ。彼をしてORTの参入は寝耳に水だった様で、何の間違いかと問い正した。

 

 

『事実だよ。さっき管制室にきてティアマトを見た後、動かなくなったんだ。そうしたら、バビロニアの外にORTの反応が現れたんだよ。1時間もしない内にそちらに到達してしまう』

 

「ですが!一体どうやって・・・」

 

「一つしかなかろう」

 

混乱に包まれるジグラット内。ここに来てギルガメッシュは、ある一つの結論を導き出した。

 

 

「百歩譲ってカルデアにORTが居るのは置いておこう。恐らく奴は、我らのいる時代のORTを動かして向かっているのだ」

 

「そんな、滅茶苦茶です」

 

「そうですね。ギルガメッシュ王。俺もそうだと思います」

 

「先輩まで・・」

 

ギルガメッシュの言葉に賛同する藤丸。彼は相棒のマシュに振り返る。その表情は悟りを開き平静を保っており、淀みなく自身の考えを述べた。

 

「だって・・・ORTだよ。僕達の物差しで測れる相手じゃないよ」

 

「・・・ッ!!」

 

盲点だった。マシュは今、全ての話題を掻っ攫っている相手を誤解していた。そう、相手は所詮エイリアン。彼等人類の考えなど到底及ばない領域の存在なのだ。

 

「フォ・・・ゥ」

 

その横でフォウくんは「好きにしてくれ」と疲れた様子を見せている。そんな時だった。

 

 

ドワアアアアアンッ!!

 

まるで銅鑼を鳴らしたかのような金属音がジグラットに届く。慌てて外に出た一行はウルクの城壁の外に現れたヤツを見た。

 

 

 

それは異形の姿である。

 

多脚の蜘蛛の様に見え、蟷螂の様な腕もある。見慣れた頭部の上には白い円盤が佇み、全身の関節から碧い光が漏れる。

 

何より目を引くのはその巨大な姿だろう。城壁の外に居てもジグラットよりも高いと思わせるその身体を撓らせたORT。

 

 

『満ヲ持シテ、我、華麗ニ推参ッ!!』

 

 

「あ、終わった。この特異点終わったー」

 

藤丸の呟きがウルクの闇に木霊した。

 

 

 






徒歩で来た。

ヒトに出来て我に出来ぬ道理はない。



だってオルトだよ

破茶滅茶なオルトに対する藤丸の言。もう既に一周回って悟りを開くレベル。若干、藤丸立香は分からない成分も混じりかけている対応
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